おじぎをするのだ!!!
概要
「ハリー・ポッターと炎のゴブレット」で悪の帝王ヴォルデモート卿が復活したあと、決闘を行う際に主人公ハリー・ポッターに対して言い放ったセリフである。
最凶最悪の闇の魔法使いとして恐れられているヴォルデモート卿であるが、その一方「死喰い人」などからは狂信的な敬意を向けられた悪のカリスマでもあり「闇の帝王」の異名も持っている。
なぜヴォルデモート卿がただの悪に留まらず敵味方問わず一目置かれる存在であるのか、その理由を端的に示したセリフとして知られている。
実際の台詞
「決闘のやり方は学んでいるな? まずは互いにおじぎだ…」
「格式ある儀式は守らねばならぬ。ダンブルドアは礼儀を守れと教えただろう…」
「おじぎをするのだ!!」
このセリフから分かるヴォルデモート卿の性格
かつて、赤子のハリー・ポッターを殺そうとする際に、命がけで息子を守ろうとし命を落としたリリー・ポッターの愛の魔法の護りにより、ヴォルデモート卿の放った死の呪文アバダケダブラは反射され、ヴォルデモート卿は敗れた。
しかし復活の際にハリーの血ごとリリーの愛の魔法を取り込むことでヴォルデモートは愛の魔法の護りを克服し、賢者の石の時のように触れるだけでダメージを負うことも無くなった。
そして、かつてハリーに敗れたのは母親の犠牲による魔法の護りの産物であり、ハリー本人にヴォルデモートを打倒するような特別な力はないことを証明するために、周りの手下たちに手出しさせることや、先制攻撃で有無を言わさず殺すこともせず、儀礼に乗っ取った正々堂々の決闘を演出する。
その上でハリーを真っ向から叩き潰すことで、闇の帝王たる自身の力と生き残った男の子であるハリーの無力を証明し、闇の帝王復活のデモンストレーションにしようとしたわけである。
当然ながら、このセリフの時にはヴォルデモート本人もハリーに向かって腰を曲げ頭を下げてお辞儀をしている。
歴史上でも上位に数えられる強大な力と歪んだ心を持ちながら、必要ならば敬意のポーズを見せることも辞さない狡猾さが窺える。
とはいえ
物語の流れにおけるシリアスなシーンで、シリーズ最強の悪役から出てくるにしては浮いたセリフとして、日本ではネタ的なイジられ方をされていることが多い。
原語では「Bow」。確かに「お辞儀」を表す英語ではあり、意訳などではないが、他にも幾つかの意味があることもあり、日本語訳の問題と指摘する人もいる。
とはいえ、このシーンにおいてヴォルデモート卿は悲願であった自身の復活を果たし、さらにはかつて敗れた愛の魔法を克服し、因縁の相手であるハリーを目の前にして有頂天になっている。
決闘という体裁を繕って入るが、イレギュラーな要素の存在がなければ両者の実力差から考えれば実質ただの一方的な処刑である。
ヴォルデモートはハリーがお辞儀をすることはその後自分に殺されるということを皮肉って「死にお辞儀するのだ」と告げて弄んでいる。
その気になればいつでも殺せ、配下がハリーを蔑み嘲笑してる状況なども考えると、「礼をしろ」や「こうべを垂れよ」というような悪役らしい気取った台詞よりも、あえて「お辞儀」のような慇懃無礼で小馬鹿にするニュアンスも込めたほうが適訳ではないかという意見もある。
関連タグ
音割れポッター:同様に「炎のゴブレット」から生まれたもうひとつのネタ。