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松姫の編集履歴

2022-08-27 09:38:02 バージョン

松姫

まつひめ

永禄4年9月(1561年)〜元和2年4月16日(1616年5月31日)。武田信玄の娘で、織田信忠の婚約者(公式には正室)。出家号は信松尼。(画像左側)

織田信忠との婚約

武田家当主・武田信玄の六女(五女説もあり)。母は油川夫人(琴姫)。同母の兄弟姉妹に仁科盛信葛山信貞菊姫などがいる。

信玄が織田信長と同盟を組むと、信長の養女・龍勝院は松姫の異母兄・勝頼正室になる。

だが、龍勝院が亡くなると松姫は信長の嫡男・信忠(当時の名前は幼名の「奇妙丸」)と婚約する。だが両者がまだ幼かったため、結婚は延期された。

両者は文通し合っていたらしく、直接顔を合わせたことがないにも関わらず仲が良かったらしい。

武田家と織田家の敵対

室町幕府第15代将軍足利義昭は各地の大名に信長追討令を出した。

信玄はこれを承諾し、信長との同盟を破棄。武田家と織田家は敵対する。これに伴い、信忠と松姫の婚約は解消された。

その後信玄が亡くなると、勝頼が後を継ぐ。

そして松姫は、同母兄・仁科盛信の居城・高遠城に移る。

逃走

天正10年(1582年)、信長は徳川家北条家と共に武田家に対して大攻勢を仕掛ける。このとき、織田軍の総大将を務めたのは信忠であった。信忠は、高遠城を包囲する。

盛信は、松姫を娘の小督姫と共に脱出させ、その後に高遠城は陥落し、盛信は自害した。

その後松姫は小督姫、勝頼の娘・貞姫小山田信茂の養女・香具姫を連れて、八王子へと逃れる。このときに松姫が通った道は松姫峠と呼ばれている。

このとき、勝頼は天目山で自害し、甲斐武田家本家は滅亡した。

その後、信忠と結婚できるはずであったが…

信忠は、松姫が八王子にいることを知ると、使者を送って改めて求婚する。松姫は求婚を受け入れ、信忠のもとへと向かう。

しかし道中、信忠が本能寺の変で自害したことを知らされる。ついに松姫は、信忠と顔を合わせることができなかった。

松姫は、実家と婚約者を同じ年に失ったのだ。

出家後

松姫は八王子にて、北条家の庇護下で出家し、信松尼と名乗る。ちなみに「信」は武田家と織田家の通字である。武田一族や信忠の菩提を弔いながら暮らしていたらしい。

天正18年(1590年)に北条家が滅亡すると、旧北条領は徳川家康の支配下に置かれた。その後、旧武田家臣・大久保長安の支援を受ける。また、旧武田家臣の多くから構成された八王子千人同心の心の支えになった。

その後関ヶ原の戦いに勝利した徳川家が江戸幕府を創設し、江戸時代になる。その後松姫は異母姉・見性院と共に徳川秀忠の子・幸松(のちの保科正之)を八王子にて育てた。

同母姉(もしくは妹)・菊姫との関係

甲越同盟に伴って上杉景勝の正室になった菊姫は、前述した通り松姫の同母姉(もしくは妹)である。

同じ母から産まれたことにより、作品によっては松姫と菊姫が仲良く描かれることがある。


ちなみに、松姫と菊姫は本能寺の変によって対照的な運命を辿った。

松姫は、前述した通り本能寺の変により婚約者・信忠を失い不幸になった。

一方、本能寺の変の直前では菊姫の嫁ぎ先・上杉家は対織田戦で劣勢に立たされていたが、本能寺の変によって織田軍が引き上げたため、上杉家は間一髪で助かった。これにより、菊姫は夫・景勝と共に生き延び幸福になったのだった。

エピソード

  • 名前の由来は、信玄が第四次川中島の戦いの直後に見た松の木と言われている。
  • 信忠は、正室を持たなかった(後継者を作る必要はあるので、側室はいた)。つまり武田家と敵対したにも関わらず、信忠は松姫を正室として迎えたかったのだ。
  • 信忠の嫡男・秀信は松姫との間に産まれた子だという説がある。
  • 信忠は高遠城を包囲した際、盛信に対して降伏を勧める使者を送っている(盛信は断ったが)。一説には高遠城にいる松姫の身を案じて、無血開城させることを望んだと言われている。
  • 前述した香具姫の養父・小山田信茂は、松姫が八王子までの逃走中に勝頼に対して謀反を起こした。にも関わらず、松姫は香具姫の面倒を見続けた。
  • 上杉家重臣・直江兼続と彼の正室・お船の方の長女・於松の名前は松姫に由来しているという説がある(菊姫が上杉景勝に嫁いでいたため)。
  • 松姫が亡くなった翌日、徳川家康が他界した。

登場作品

松姫(おんな風林火山

演:鈴木保奈美/佐藤由紀絵

このドラマにおける主人公。信玄の五女という設定。

史実とは異なり、信忠と数回直接会う(前述の「織田秀信の母は松姫説」が正しければ、史実でも直接会っていたことになる)。


松姫(武田信玄(大河ドラマ)

演:香川沙美/上田愛美


松姫(春日局(大河ドラマ)

演:原知佐子


松姫(風林火山(大河ドラマ)

直接登場はしていないが、最終回にて油川夫人(作中での名は「於琴姫」。演:紺野まひる)が腹の中に子(後の松姫)を身籠もっていた。

ちなみに五女説が採用されている。


松姫(信長の忍び真田魂

史実通り、信忠と婚約する。

信忠とは相思相愛で、彼から貰った恋文の数々を大事に保管している。

武田滅亡後に信忠から使者を通して再び求婚されたことで、信忠と結婚しに会いに行こうとする。だが、道中で信忠が明智光秀の謀反によって自害したことを知って泣き崩れた。

信忠が妙覚寺に泊まっているときに見た夢で、松姫の変装をした光秀が現れるという悪夢を見てしまい、その直後に本能寺の変が報告された。その後、信忠は光秀に対して怒りをむき出しにしていたが、その理由は、「織田家の天下統一を妨害されたから」や「謀反を起こされたから」というよりも、「もう少しで松姫に会えたのに、それを妨害されたから」であった。


松姫(清洲会議(映画)

演:剛力彩芽

この映画では、「織田秀信(作中では幼名の「三法師」)の母は松姫説」が採用されている。

関連タグ

武田信玄 油川夫人 織田信忠

武田勝頼 仁科盛信 葛山信貞 菊姫 見性院 保科正之

ロミオとジュリエット

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