概要
複数の国家の同意により中立を保証された国。戦時には交戦国からの侵攻や攻撃を受けない代わりに、交戦国のいずれにも便宜を与えてはならないとされる。また平時にも、他国と軍事同盟を結ぶことは禁止される。
なお「永世」が永遠の意味では無い為、周辺国の事情によってはベルギーのように中立を放棄することもある。
永世中立の維持において問題となるのは、周辺国が中立の保証を破棄して侵略して来た際に対抗手段が限られる事である。永世中立であるので他国から同盟軍を呼ぶ事もできず、自国の戦力だけで対処を狭られる。実際、第一次世界大戦において永世中立国であったベルギーとルクセンブルクは、ドイツの侵略を受ける。非武装であったルクセンブルクは全土をドイツに奪われ、軍事力はあったベルギーは抗戦するも国土の大部分をドイツに奪われた。永世中立国の代名詞的なスイスは二度の世界大戦を中立で乗り切った。だがそれは、徴兵制・世帯ごとの重火器義務があるなど国民皆兵を地で行く戦力で参戦両陣営を軍事的に撃退し続けた結果である。
主な永世中立国
オーストリアがNATOに加盟していないのは永世中立国であるためであるが、軍事同盟ではないEUには加盟している。
永世中立国
永世中立国(自称)
- カンボジア(憲法であらゆる軍事的同盟および軍事協定に加盟しないと規定)
- コスタリカ(常備軍を持っておらず武装中立を担保する能力がない上、米州相互援助条約に加盟し米国の庇護下にあるため事実上は中立国ではない)
- モルドバ
- ラオス
- リヒテンシュタイン
永世中立国だった国