概要
アクリル絵具(アクリルえのぐ、アクリリックペイント、英: Acrylic paint)は、アクリル樹脂を固着材に用いた絵具。(wikipediaより引用)
この項ではwikipediaより定義されている「水性アクリル絵具」を取り扱う。
画材屋等で用意に入手できる20世紀末に誕生した現在も研究されている画材の1つである。
アクリルガッシュや不透明水彩とは別物であり、その点についても触れておきたい。
特徴
20世紀末に誕生した最新の画材で、幅広い用途で用いられるほか、他の画材の良さを継承している。
種類等多岐に渡る為、すべてを紹介することは出来ない。またアクリル絵具にしかできない表現も沢山ある。
・油絵具に使う高級顔料を使用している事もあって、耐光性、耐久性に優れ、劣化しにくい。
・高い堅牢性を持ち、剥離しにくい。その為屋外に展示する作品にも向いている。
・メディウムの種類が豊富で、それらを用い厚塗りや表面に変化を付ける事が可能。
・多めの水で溶くことで水彩表現ができる。しかも乾くと耐水性を持つ為、重ね塗りが容易。
等の様々な効果を持ち、画材として非常に優秀と言える。
注意したい点
・何より乾きが早い。筆やパレット等、こまめに洗う様にしないとガチガチに固まって使えなくなる恐れがある。その為、パレットは使い捨てのペーパーパレットを使用するユーザーも多い。
・エッジ現象(効果)により絵具のエッジ(縁、塗膜が薄いところ)から乾く。盛り上げ技法を使った時等、乾燥時間に差が出る。
・筆は天然毛だとアルカリの影響で即座に傷んでしまう。間違ってもセーブル等を使用しない様に。安物でいいので人工毛の製品を使用する事を勧める。
アクリル絵具と他の絵具との類似点と相違点。
画材 | 構成 | 特徴 |
アクリル絵具 | 高級顔料+アクリル樹脂 | 乾きが非常に早く、表面は耐水性が高く丈夫。発色が良く、色にもよるが概ね艶やかな仕上がり。 |
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アクリルガッシュ | 合成顔料+アクリル樹脂 | アクリル絵の具程ではないが乾きは早く、乾くと耐水性だが表面はやや弱い。色鮮やかでマットな仕上り |
透明水彩(絵具) | 高級顔料+天然樹脂 | 厚塗りだと表面がベタつき、乾かないので、必ず薄塗りで使用する事。乾いても水溶性で優れた発色を持つ。なお、薄塗りだと分りにくいが、表面はやや艶がある。 |
不透明水彩(絵具) | 高級顔料+天然樹脂 | ガッシュ(グアッシュ)とも。乾きは透明水彩よりは早め。乾いても水溶性の上、表面は最も弱いので引っ掻き傷に注意。仕上がりはマット。 |
ポスターカラー | 合成顔料+天然樹脂 | 仕上がりは不透明でマットだが、鮮やかさと安価を優先した合成顔料を使用している為、耐光性は期待できない。また、乾いても水溶性で、水滴は天敵。 |
学童用絵具 | 合成顔料+天然樹脂 | 価格と安全性を優先した合成顔料を使用。耐水性、耐光性は期待できないが、透明・不透明どちらの表現もでき、上手く使うとなかなかの作品を作る事が可能。 |
使用方法
水彩風に使う場合、ある程度厚みと強さを持つ用紙なら何でも使えるが、中でも水彩紙は発色の良さを活かせるのでお勧めしたい。また、絵具をしっかり溶かせば、エアブラシの技法にも使える。
いずれの場合も、薄塗り用のメディウムを加えると塗膜が丈夫になる上、発色も更に良くなる。
厚塗りを行う場合は、ジェルメディウムやモデリングペーストを使うと比較的安価で抑えることが出来、効果を発揮しやすい。
絵具の堅牢性と柔軟性でカバーできる為、ほぼどんな支持体にも使える。但しキャンバスは油彩用はそのままでは使えない事も。むしろボードやベニヤの方が使い易く優れた効果を発揮する場合が多い。なお、支持体の地色や表面が気になる時は、あらかじめジェッソやプライマーを塗り、乾かしてから着彩を始めると良い。