「運命は既に決まっている。認めてやろう。この私に隷属することを。勝者であるこの私のため無限の鉄槌を下すことを…。喜べ、今こそ解き放ってやる。勝者は私、世界を変えるのは私だ!」
概要
CV:阿座上洋平
最強デュエリスト集団『D4』のリーダー。中学生にして大企業の社長もこなしており、側近に仮面の大男を従えている。
相手を瞬殺するほどの強さで、斬札ウィンもカイザに憧れている。
しかし、邪神くんは彼を只者ではないと感じており…?
人物像
アニメ版
ITやエンターテイメントを中心に、様々な事業で世界トップクラスを誇る巨大企業・竜神コーポレーションの社長。13歳。
父から会社を継ぎ、その売上規模を20倍に急成長させた経営手腕の持ち主。その経歴からメディアの注目も集めており、テレビ番組への出演も多い人気者。
…というのは表の顔で、「自分への挑戦権」が優勝賞品として手に入るガチデュエバトルに勝利したウィンを称えるそぶりを見せたが、影では「三流」「時間の無駄」と辛辣に評価するなど、裏表のある人物。
その立ち振る舞いから冷徹な人物と思われたが、ボウイとの対戦では彼のプレイミスを指摘した上で「D4の看板は重すぎたのかもしれんな」と声をかけるなど、ボウイの心をへし折るという結果になってしまったものの、厳しくも人情溢れる一面を見せた。
しかしその本性は苛烈にして独善的。
これは大企業の社長の御曹司という出自故に、会社の乗っ取りを企む他の社員や親族、ライバル企業等によって幼い頃から幾度となく命を狙われており、この世界と人間の醜さを一身に味わったことが原因。数々の事故(に見せかけた暗殺)に巻き込まれても必ず生還してきたことから、「不死身のカイザ」の異名を持つ。
更には、新規事業の開拓を目指す父親から現在の会社および既存事業の経営を半ば押し付けられたことで、「大人とは無責任な存在」と考えるようになり、自らの地位に胡坐をかく腐った大人が未来ある若者を食い物にしている今の社会を変えようと、自社および子会社にて大規模なリストラや粛清を行っている。
デュエマに対しては「楽しむものではなく、己の全てを賭けて突き詰めていくものだ」という彼なりの矜持を抱いている。一方で、デュエマを楽しむウィンやパパリンを「ぬるい」と評し侮蔑する、敗者のデッキを取り上げて焼き尽くす、ウィンの怒りを焚きつけて本気を引き出すべく様々な精神攻撃を仕掛けるなど、行き過ぎた行動や戦闘狂としての一面も垣間見える。
アニメスタッフによれば、「正義のために暴走している」状態とのこと。
また、『デュエルマスター』と呼ばれる存在を探し求めており、社会から腐った大人を排除すること以外にも目的がある模様。
漫画版
パパリンがジャシン帝と関わりを持つウィンの親だとを知った途端に容赦なく排除しにかかった他、ウィンや邪神くんらアビスロイヤル達に対してレーザーによる物理攻撃を行うなど、デュエルを介さない手段も辞さない非情さの持ち主。
数年に渡って暗雲に閉ざされているシラハマの町の空に光を取り戻そうと奔走しており、上記の暴挙も、その原因が邪神くんであると睨んだことによるもの。(しかし邪神が目覚めたのはウィンとカイザがデュエルした日から1ヶ月ほど前の事であり、証拠不十分かつ辻褄が合わないのだが…?)
一方で、デュエルを介してパパリンの実力と人となりを認めて見くびっていたことを謝罪する、邪神の主であるウィンにも対してもカード知識の広さや腕前を賞賛する、ウガタに負けた腹いせにリアルファイトを仕掛けようとしたファルゴを制止するなど、アニメ版と比べて性格がマイルドになっている節が見受けられる。
総じて、漫画版では自他共に厳しく、目的のためならば非情になることも辞さないが、根は高潔な人物として描かれている。
また、こちらでは父親との確執は特に見られず、「腐った大人」を恨んでいるような描写も無い。
鉄仮面の男
CV:藤井隼
カイザのボディーガードの仮面の大男。カイザのことを呼び捨てにしており、単なる側近以上の存在であるような描写が見られる。
漫画版では、ウィンが《邪龍ジャブラッド》を従えてカイザとの対決に向かう際に、それを追うパパリン、ボウイ達の乗る車付近に爆発を起こす、空を飛行するなど常人離れした行動をしている。
アニメでも、とある人物を炎に包まれた異空間に幽閉する、爆円の中から何事も無かったように現れる等、漫画版と同様に人間離れした存在のように描かれている。
アニメ第21話では《邪龍ジャブラッド》について「ジャシン帝と組むと厄介なことになる。」「誰も我らの道を阻むことは出来ぬ。」と、まるで超獣世界やアビスロイヤルについて熟知しているかのような意味深な会話をカイザとしていたが…?
その正体は《轟炎の竜皇ボルシャック・カイザー》が人間の姿を取った存在。
アニメではカイザが幼少期に巻き込まれた飛行機の墜落事故の時、飛翔する《ボルシャック・カイザー》に「大義のため、デュエルマスターであるお前を死なせない。共に戦おう」と命を救われ、1人だけ生還したのが「不死身のカイザ」の正体である事が第25話で判明した。
決闘学園編16話にてデュエマさいこークラブ+マイハマ組によって作られたタコさんウインナーを食べた時、あまりの美味しさに力が漲って仮面が光り出したが、カイザが指輪を発光させた事で仮面の光が消え、落ち着きを取り戻した。
この事から人間状態の彼が付けている仮面は力を制御するリミッターであり、カイザの指輪と連動していると思われる。
活躍
アニメ版
シラハマ編
ウィンの父・斬札ガッツことパパリンとのリストラをかけたデュエマでは、同じ【ボルシャック】を使う彼を《轟炎の竜皇ボルシャック・カイザー》で圧倒。
自らの人生をかけた勝負であったにもかかわらず、試合後に笑顔でお礼の挨拶をするガッツの態度が逆鱗に触れたのか、彼に「ボルシャックを使う資格はない」と宣告し、仮面の男をけしかけたリアルファイトの末、彼のデッキを焼き尽くしてしまった。
このデッキはウィンの誕生日に二人で組んだ思い出のデッキであり、この一件が原因となってウィンは幻滅し、カイザへの復讐を誓っている。
14話においてウィンに上述の「自分への挑戦権」を使用したデュエルを挑まれ、直接対決が行われるも、ここでも《ボルシャック・カイザー》の無限攻撃でウィンを圧倒し、勝利した。
また、ウィンが手に入れたばかりのカードである《深淵の壊炉マーダン=ロウ》を召喚した際、その存在を予め知っていたかのような反応をしている。邪神くんがこれについて指摘したことで、ウィンたちは自分たちの中に潜む裏切り者を探すことになった。
因縁の決着
ジャシン帝を葬るため社員達を使い、《邪龍ジャブラッド》を手に入れて特訓に出掛けようとしていたウィンを自社のビルまで拉致。
契約により内通していたスパイをウィンにけしかけてデュエルさせたが、彼女が敗北しウィンに絆されかけたことで、仮面の男に彼女を異空間に閉じ込めさせた。
その後、パパリンや仲間を何度も傷つけられたことで怒りに燃えるウィンと二度目のデュエルを行う。
この対戦では赤緑基盤のビッグマナに寄せたデッキを使用。
《ボルシャック・カイザー》の無限攻撃や《ボルシャック英雄譚》による大量展開と言った猛攻撃でウィンを追い込むものの、S・トリガーで発動した想定外のカードである《調和と繁栄の罠》の前にトドメを刺し損ねる。
形勢が逆転し、《ボルシャック・ドギラゴン》の革命0トリガーで最後の抵抗を試みるが、《ジャブラッド》の除去耐性によって全て捌き切られ、敗北した。
皮肉にも、この時、かつて罵倒していたパパリンが使っていたボルシャックドギラゴンを革命0トリガーで守るという同じ戦法を使ったものの、相手のクリーチャーの効果によって失敗したという構図になっている。
また、この時に邪神フィールドを火文明の世界に塗り替えている。ウィンと同様に本物のクリーチャーと盟約を交わしたことで得た能力だと思われる。
決闘学園編
マイハマ学園の生徒会長として過ごしており、『デュエルマスター』を巡った一連の行動が理事長の指示による物であることが匂わされている。
ボウイの成長に対して嬉しく思っている反面、D4の一員であり続けるには依然として力不足であるとも感じており、彼に次期D4候補とのデュエルという試練を課す。
漫画版
ウィンのことはボウイから報告を受けており、自分の座を脅かす者として注目している。エキシビションマッチ後のインタビューにおいて、公共の電波に乗せる形でウィンが自分の座を脅かす者だと宣言し、事実上の宣戦布告を行った。
パパリンとのリストラをかけた対戦では、パパリンのプレイングを認めるもののウィンの家族とわかると容赦のない攻撃を行った。その後、パパリンの仇討ちのためにマイハマタワーに来たウィンと邪神くんを打ち倒すべくデュエル。
《オーバーキル・グレイブヤード》とアビスラッシュにも怯む事無く、デッキに4枚入れた《ボルシャック・カイザー》による不屈の連続攻撃と《コッコ・武・ルピア》の墓地リセットでウィンを追いつめた。
しかしそれが「デュエルが楽しくなると、強い相手に相乗して強くなる」ウィンの真価を引き出してしまい、《ファッション・ナスオ》のマナ加速と《アビスベル=ジャシン帝》のアビスラッシュによるコンボで逆転されてしまい、独りになった《ボルシャック・カイザー》もシビルカウントを発揮出来ずにジャシン帝とのバトルで倒された。
デュエルでの敗北が決定的となったカイザは、せめて実体化したジャシン帝だけは葬ろうとミサイル迎撃用のレーザーを発射するも、ジャシン帝に弾かれた上に反撃されて死亡した…かに見えたが、寸前にボルシャック・カイザーに救われ生還している。
使用デッキ
火単色かつビートダウンに寄せた【赤単ボルシャック】デッキを使用。
切り札は場の仲間の数に応じて力を開放し、自らが倒れても同胞を呼んで後を託す火文明のオーバーレア、《轟炎の竜皇ボルシャック・カイザー》。
《アニー・ルピア》のスピードアタッカー付与と、《ボルシャック・バラフィオル》による踏み倒しを組み合わせた攻撃的な攻めを見せつつも、相手の攻撃にも対応して崩された盤面を盛り返す攻防一体の堅実なスタイルを見せ、最後の最後で切り札を引いて力の差を見せつけるなどD4最強の名を表している。
また、デッキの構成上、S・トリガーやG・ストライクが多く投入されている。試合ではほぼ必ずといっていいほどに、絶妙なタイミングでシールドからこれらのカードを引き当てており、「不死身のカイザ」の名に違わぬ引き運の強さを見せている。
デッキ構築やプレイヤースキルといった戦略に重きを置いている『WIN』では珍しく、従来のデュエマの主人公らしい「引き運の強さ」を味方につけているキャラクターとも言える。
アニメでのウィンとの再戦時には《メンデルスゾーン》と《ボルシャック・栄光・ルピア》を採用した【赤緑ボルシャック】を使用。それまでのビートダウン系とは違い、ビッグマナ系ならではの潤沢なマナを使った豪快なプレイスタイルを見せている。
決闘学園編では新たな切り札《覇炎竜ボルシャック・ライダー》を軸にした、アーマード・メクレイド型【赤単ボルシャック】デッキを使用している。
余談
カイザ自身は上記の非道な行いの数々を正義や未来のためと信じて行っており、担当声優の阿座上氏は「悪役らしさは抑えて」と演技指導を受けていたらしい。
また、うんちく役の阪口大助氏からは収録現場で顔を合わせる度に「カイザ許さねえ」とイジられていたとのこと。
関連タグ
白凰:強豪デュエリスト集団のトップ、主人公の最初のライバル、冷酷で残忍な裏の顔を持つ等、共通点が多いキャラクター。こちらは切札勝舞とのデュエルを通して、元の優しく明るい性格を取り戻している。
ザキラ,赤城山バサラ,鬼札アバク:自らの生まれや、汚い大人たちに虐げられ続けたことで歪んでしまったライバルキャラにして過去作のラスボスたち。火文明を主軸にしたデッキを使う点も共通。
切札勝太:公式でも「常人離れした引き運の強さ」と評されているドラゴンデッキ使い。
グエル・ジェターク:同時期に放送されていたロボットアニメの登場人物で、中の人が同じ。ライバルキャラ、パーソナルカラーが赤、親との確執、大企業の御曹司など、共通点も多い。また、決闘学園編16話にて、ソロキャンに対して、好意的であるというシーンがある。ただし、アニメ版のカイザの場合は行動理念や所行に関してはこちらに近い。