JR宇都宮線
じぇいあーるうつのみやせん
路線データ
路線愛称 | 宇都宮線 |
---|---|
路線記号 | JU(東京〜大宮) |
ラインカラー | オレンジ |
路線区間 | 東京〜黒磯 |
正式名称 |
|
路線距離 | 163.5km |
軌間 | 1,067mm |
駅数 | 34駅 |
電化区間 | 全線(直流1,500V) |
最高速度 | 120km/h |
複々線区間 | 上野~尾久 |
複線区間※ |
|
閉塞方式 | 自動閉塞式 |
保安装置 | ATS-P |
運転指令所 | 東京総合指令室 |
列車運行管理システム | 東京圏輸送管理システム(ATOS):東京〜那須塩原 |
第一種鉄道事業者 | 東日本旅客鉄道(全線) |
第二種鉄道事業者 | 日本貨物鉄道(赤羽〜黒磯) |
※京浜東北線等は除く
概要
東日本旅客鉄道(JR東日本)の東北本線のうち東京駅~黒磯駅間の中距離列車に付与されている愛称。1990年(平成2年)3月10日から使用を開始した。
かつての東北方面寝台特急や現在も運行されているクルーズトレインでは黒磯駅以南でも正式名称の東北本線で案内されている。また東海旅客鉄道(JR東海)は案内で路線愛称を使用しない為、東京駅で接続する東海道新幹線においても同様である。
尚、電車特定区間は東京駅~大宮駅間である。
以前、埼玉県知事が大宮以北に電車特定区間拡大を要請しているが具体的な進展がない。
以前は全線を通して運行される列車も存在したが、2022年(令和4年)3月12日のダイヤ改正で系統分離され、早朝の小山発黒磯行(初電)を除いて宇都宮駅を跨いで運転される列車は消滅した。
これに伴い宇都宮~黒磯間のグリーン車の併結が終了となった。
車両基地
小金井駅の北方に小山車両センターがある為、同駅発着の列車が多数存在する。宇都宮駅以北の宇都宮線車両については全て同所の所属。
沿革
「宇都宮線」の愛称設定後について記載。
- 1990年3月10日:東北本線上野駅〜黒磯駅間の列車線の愛称として制定。
- 1999年(平成11年)6月1日:小山駅〜宇都宮駅間で東京近郊区間が拡大。
- 2000年(平成12年)4月1日:さいたま新都心駅開業。
- 2001年(平成13年)11月18日:交通系ICカード乗車券「Suica」導入。東京近郊区間がSuica首都圏エリアに設定される。
- 2001年12月1日:湘南新宿ライン運行開始に伴い横須賀線との直通運転開始。
- 2004年(平成16年)7月1日:普通列車のグリーン車を連結。但し料金不要の普通車扱い。
- 2004年10月16日:グリーン車の正式運用開始。東京近郊区間及びSuica首都圏エリアを宇都宮駅〜黒磯駅間で拡大。
- 2004年12月19日:上野駅〜古河駅間で東京圏輸送管理システム(ATOS)運用開始。
- 2005年(平成17年)10月16日:ATOS運用区間を古河駅〜那須塩原駅間で拡大。
- 2006年(平成18年)3月18日:特急列車の東武鉄道との相互直通運転開始。
- 2011年(平成23年)3月11日:東日本大震災による被害を受け全線運休。
- 2011年3月12日:上野駅〜宇都宮駅間運転再開。
- 2011年3月16日:宇都宮駅〜黒磯駅間運転再開。
- 2013年(平成25年)3月16日:湘南新宿ラインの浦和駅停車開始。
- 2015年(平成27年]]3月14日:上野東京ライン開業に伴い東海道線との直通運転開始。
- 2016年(平成28年)10月1日:東京駅〜大宮駅間に駅ナンバリング導入。
- 2022年(令和4年)3月12日:E131系導入に伴い宇都宮駅での系統分離実施。同形式使用の列車でワンマン運転開始。
- 2023年(令和5年)10月8日:黒磯駅でATOS導入予定。
現在の運行形態
特急
寝台特急「北斗星」や「カシオペア」の廃止以降は東武線直通特急の「きぬがわ・スペーシアきぬがわ」「日光・スペーシア日光」が定期列車として運行されている。2023年3月18日ダイヤ改正以降は「きぬがわ」「スペーシア日光」が定期列車、「スペーシアきぬがわ」「日光」が臨時列車として設定されている。
詳細は各列車の項目を参照。
快速ラビット
上野駅方面発着の快速列車。湘南新宿ラインの快速が運行開始されるまでは宇都宮線快速の中心だったが、同改正で大半の列車が置き換えられた。
上野東京ライン開業以降は朝の下り列車は東海道線内を普通列車として運行する。
2021年(令和3年)3月13日ダイヤ改正で通勤快速が廃止になり、ラビットに置き換えられた。
詳細は当該項目を参照。
- 停車駅
(国府津 → 上野) - 赤羽 - 浦和 - 大宮 - 東大宮 - 蓮田 - 久喜 - 古河 - (小山〜宇都宮)
():列車線各駅に停車
湘南新宿ライン快速
上述の「ラビット」の日中運行分を置き換えた速達列車。逗子駅〜宇都宮駅間で運行される。快速運転を行うのは宇都宮線内の大宮駅〜小山駅間。直通先の横須賀線内は普通列車として運行するが、旅客案内上は下りは大崎駅から、上りは大宮駅まで快速として案内される。
上りは大宮駅で上野東京ライン普通列車に接続するが、下りは緩急接続がないので、東海道線の停車駅から快速の通過駅(特に土呂駅)に行く場合にこの電車に乗るメリットはなくなっている。
湘南新宿ラインも参照。
- 停車駅
(逗子〜大崎間の各駅) - 恵比寿 - 渋谷 - 新宿 - 池袋 -
赤羽 - 浦和 - 大宮 - 東大宮 - 蓮田 - 久喜 - 古河 - (小山〜宇都宮間の各駅)
普通
各駅停車。大半の列車が上野東京ライン経由で東海道線に直通するが、朝と夕方以降を中心に従来通りの上野駅や伊東線伊東駅・JR東海管内沼津駅発着の列車が存在する。
2022年の系統分離までは最長で黒磯駅まで運転する列車が存在したが、現在は宇都宮駅・小金井駅・古河駅発着。
日中は上野東京ラインが毎時3本、湘南新宿ラインが毎時1本設定され、下りは古河行の上野東京ラインの直後に宇都宮行の湘南新宿ラインが続くパターン、上りは逗子行きの直後に上野東京ラインが続くパターンである。
上野東京ラインについては以前は東海道線区間で快速アクティーになる列車も存在したが、2021年3月13日ダイヤ改正で日中のアクティーが消滅(2023年3月18日廃止)したことで、現在は東海道線内を含め全ての列車が普通となっている。
過去の種別
駅一覧
●:停車 ○:湘南新宿ラインホームに停車 レ:通過
駅番号 | 駅名 | ラビット | SS快速 | 接続路線 | 備考 |
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↑東海道線経由JR東海管内沼津/伊東線伊東まで直通運転 | |||||
JU01 | 東京 | ● | |||
JU02 | 上野 | ● | 当駅発着あり | ||
JU03 | 尾久 | レ | |||
JU04 | 赤羽 | ● | ○ | ||
↑東京都/↓埼玉県 | |||||
JU05 | 浦和 | ● | ○ |
| |
JU06 | さいたま新都心 | レ | レ | 京浜東北線大船方面 | |
↑湘南新宿ライン経由横須賀線逗子まで直通運転 | |||||
JU07 | 大宮 | ● | ● |
| 当駅発着あり |
土呂 | レ | レ | |||
東大宮 | ● | ● | |||
蓮田 | ● | ● | |||
白岡 | レ | レ | |||
新白岡 | レ | レ | |||
久喜 | ● | ● | 東武伊勢崎線 | ||
東鷲宮 | レ | レ | |||
栗橋 | レ | レ | 東武日光線 | ||
↓東武日光線東武日光/鬼怒川線鬼怒川温泉まで直通運転(特急のみ) | |||||
↑埼玉県/↓茨城県 | |||||
古河 | ● | ● | 当駅発着あり | ||
↑茨城県/↓栃木県 | |||||
野木 | レ | レ | |||
間々田 | レ | レ | |||
小山 | ● | ● | 当駅始発あり | ||
小金井 | ● | ● | 当駅発着あり | ||
自治医大 | ● | ● | |||
石橋 | ● | ● | |||
雀宮 | ● | ● | |||
宇都宮 | ● | ● |
| 運行系統上の境界 | |
岡本 | |||||
宝積寺 | 烏山線 | ||||
氏家 | |||||
蒲須坂 | |||||
片岡 | |||||
矢板 | |||||
野崎 | |||||
西那須野 | |||||
那須塩原 | 東北新幹線 | ||||
黒磯 | 東北本線新白河方面 | 運行系統上の境界 |
使用車両
ここでは宇都宮線系統の車両を記載。
高崎線、湘南新宿ライン系統についてはそれぞれの項を参照。
現在の使用車両
自社車両(特急型)
大宮総合車両センター所属。6両編成。
定期列車の運用区間は田端信号場〜大宮〜栗橋。
特急「成田エクスプレス」で使用されていた253系を1000番台に改造・改番した。
485系・189系彩野編成置き換えの為2011年6月4日から運用開始。
2023年3月18日ダイヤ改正で「日光」が臨時化された為、定期運用は「きぬがわ」のみとなった。
- 185系200番台
大宮総合車両センター所属。7両編成?
定期運用が消滅した現在は臨時列車として入線する。
定期列車として運用されていた頃は新特急「なすの」及び後進の特急「おはようとちぎ・ホームタウンとちぎ」、「ホームライナー古河」で使用された。
尾久車両センター所属。12両編成。
JR化後に初めて製造された客車。
上野駅と札幌駅を結んでいた寝台特急「カシオペア」として使用され、運転終了後は団体臨時列車「カシオペア紀行」として不定期で運用されている。
自社車両(一般型)
小山車両センター及び国府津車両センター所属。
基本編成は10両で4・5号車はグリーン車。付属編成は5両。
宇都宮線としての運用区間は東京〜宇都宮。湘南新宿ラインでも使用。
共通運用で連結される事もある。
2022年3月12日のダイヤ改正で宇都宮〜黒磯間の運用から撤退した。
- E131系600番台・680番台
小山車両センター所属。3両編成。
2022年3月12日のダイヤ改正で宇都宮〜黒磯間がワンマン化された際に導入された車両。
宇都宮線での運用区間は小山→宇都宮〜黒磯。
小山〜宇都宮間は出庫の為早朝に小山発黒磯行と小金井発日光線直通日光行が設定されているのみ。
- EV-E301系(ACCUM)
小山車両センター所属。2両編成。
烏山線用の車両で、宇都宮線での運用区間は宇都宮〜宝積寺。
東武鉄道所属
定期列車の運用区間は田端信号場〜大宮〜栗橋。
特急「スペーシア日光」「スペーシアきぬがわ」で使用。
2023年3月18日ダイヤ改正で「スペーシアきぬがわ」が臨時化され、「日光」の定期列車がJRから東武の担当に変更された。
栃木ディスティネーションキャンペーン開催時に臨時列車として那須塩原まで入線した事がある。
過去の使用車両
宇都宮線の愛称を使用してから運用された車両を記載。
自社車両(特急型電車)
- 189系OM201編成(彩野)
大宮総合車両センター所属。
485系東武直通編成の予備車。
JRと東武の協定で485系の代走は原則スペーシアが行う事になっており、189系が代走する事は稀だった。
この他東武直通臨時特急で運用された。
253系1000番台導入に伴い撤退。
- 485系K1・K2・T18編成
新潟車両センター所属。
定期列車での運用区間は上野〜古河。
後述のJR西日本489系による急行「能登」が臨時化された際に、489系に代わって運用を開始。宇都宮線では「能登」の間合い運用である「ホームライナー古河3号」として、「能登」運転日に運用された。
「能登」廃止と共に運用終了。
- 485系東武直通編成
小山車両センター所属。
特急「きぬがわ」「日光」及び臨時列車で使用。
定期列車での運用区間は田端信号場〜大宮〜栗橋。
253系1000番台に置き換えられ、郡山車両センターへ転属。
- 485系1000番台
南秋田運転所(現・秋田車両センター)所属。
定期列車では上野駅発着の列車で使用され、磐越西線会津若松駅・喜多方駅発着の特急「あいづ」、山形新幹線運転開始前に山形駅・秋田駅を奥羽本線経由で結んだエル特急「つばさ」、仙山線・奥羽本線経由で青森駅発着の急行「津軽」で運用された他、臨時列車でも使用された。
青森運転所(現・盛岡車両センター青森派出所)所属。
定期列車では上野駅と青森駅を結んでいた寝台特急「はくつる」(東北本線経由)、急行「津軽」(奥羽本線経由)で運用された。
「はくつる」の24系客車化に伴い宇都宮線での定期運用を終了した。
この他臨時列車でも使用された。
自社車両(客車)
尾久客車区(現・尾久車両センター)所属。
定期列車では上野駅と青森駅を結んでいた急行「八甲田」(東北本線経由)及び「津軽」(奥羽本線経由)で使用されたが、まず「津軽」が485系に変更、「八甲田」が臨時化された後廃止され宇都宮線での定期運用を終了した。
- 24系・24系25形
尾久車両センター所属。
定期列車では上野駅発着の寝台特急で使用され、札幌駅発着の「北斗星」(25形)、青森駅発着の「あけぼの」(24系・25形混成。奥羽本線経由。山形新幹線工事開始後は陸羽東線・奥羽本線経由)、「はくつる」(25形。東北本線経由。583系から変更)で運用された。
「北斗星」廃止と共に宇都宮線での運用を終了。
尾久客車区(現・尾久車両センター)所属。
マニ50を改造しバイクを積載出来る「MOTOトレイン」として、夏季に急行「八甲田」に連結された。
「八甲田」の廃止と共に運用を終了。
JR北海道所属
- 24系25形
札幌運転所所属。
寝台特急「北斗星」3往復→2往復体制時はJR北海道とJR東日本がそれぞれ北斗星用の編成を所有していたが、1往復化後に東日本車との混合編成となった。
「北斗星」廃止と共に運用終了。
JR西日本所属
- 489系
金沢総合車両所所属。
宇都宮線での定期運用区間は上野〜古河。
上野駅と北陸本線福井駅(後に金沢駅に短縮)を結んでいた急行「能登」の間合い運用として「ホームライナー古河3号」で使用していた。
「能登」の臨時列車化と共に撤退。
自社車両(一般車両)
小山車両センター・高崎車両センター所属。
小山車はE231系導入までの主力車両で、湘南新宿ラインでも使用された。
宇都宮線系統の定期運用消滅後も日光線直通列車で使用された。
高崎車は両毛線からの直通列車で使用。
運用区間は小山〜黒磯。
直通廃止と共に宇都宮線での運用を終了した。
- 211系3000番台
小山車両センター所属。
115系と同じく長らく宇都宮線の主力車両で、湘南新宿ラインでも使用された。
E231系増備に伴い新前橋電車区(現・高崎車両センター)に転属。
- 211系1000番台
高崎車両センター所属。両毛線からの直通列車で使用。
運用区間は小山〜黒磯。
直通廃止と共に宇都宮線での運用を終了した。
- 205系600番台
小山車両センター所属。
運用区間は小金井〜黒磯。小金井〜宇都宮間は出入庫運用。
107系0番台置き換えの為に京葉線、埼京線から余剰車両を改造・転属させ、2013年から日光線用車両が運用を開始、2014年から宇都宮線用車両も運用開始した。
2022年3月12日のダイヤ改正に伴う宇都宮以北及び日光線ワンマン運転開始の為、E131系に置き換えられ引退。
- 107系0番台
小山車両センター所属。
日光線用の車両。宇都宮線での運用区間は小金井〜宇都宮。
出入庫の関係で同区間で運用された。
2013年に205系600番台に置き換えられ運用終了。
- 107系100番台
高崎車両センター所属。両毛線からの直通列車で使用。
運用区間は小山〜黒磯。
直通廃止と共に宇都宮線での運用を終了した。
小山電車区(現・小山車両センター)所属。
運用区間は上野・新宿〜小金井。
元大船電車区(現・鎌倉車両センター)所属の横須賀線・総武快速線用車両。
E217系導入時に余剰編成が一時的に宇都宮線に転属したが、一部は幕張電車区(現・幕張車両センター)に再転属し、残った編成は廃車された。
- キハ40系
小山車両センター所属。
宇都宮線での運用区間は宇都宮〜宝積寺。烏山線の車両。
2017年にEV-E301系に置き換えられ運用終了。
余談
宇都宮-黒磯間は2022年のダイヤ改正で大きく運用が変更され、使用車両の更新やワンマン運転開始、上野方面からの直通列車廃止等が行われた。
しかし、混雑対策を行わないまま減車(それまで使用されていた205系は4両編成だったが、新たに投入されたE131系は3両編成。定員も100名以上減少)・減便をしたため、通勤・通学ラッシュを中心に混雑が悪化しており、午後4時台でもホームがごった返しており、発車する列車も超満員(酷いときには積み残しも発生)であった。地元の高校生からの不満の声がメディアに取り上げられ、当路線と日光線が問題視されている。