地面が揺れ、大規模なものになると莫大な被害をもたらす。
地殻の内部で密着している岩盤同士が、断層を境目として急速にズレ動く事によって発生する。
このズレ動いた際の振動(地震動)が地面などを通じて地表にまで影響を及ぼすものを地震と呼ぶ事が多い。
ズレが発生した地点が「震源」だが、ズレはその後広範囲に広がり、震動はズレの広がった範囲である「震源帯」から発生し、周囲に広がる。
地震波にはP波とS波と呼ばれるものがあり、P波の方が伝搬速度が速い。震源から遠い場所で、最初の小さな揺れの後で大きな揺れが来るのはそのせい。
地震の揺れは、概ね震源から近いと強く、遠いと弱くなるのだが、地盤が弱いと揺れが強くなる。
また、揺れが構造物に与える影響は周波数により異なる。同じような揺れの地震で、建物が受けるダメージが異なるのはそれが理由。
また大きな地震になると、前震・余震と呼ばれるものを生じさせることがある。
巨大地震などの前の予兆となる地震が前震で、巨大地震の後の地震が余震である。
東北地方太平洋沖地震では、この余震の回数がかなり多かったと言われている。
震度とは各々の地点での揺れの強さを表す為、一つの地震であっても、場所ごとに別々の値が出る。
一方で、マグニチュードは地震そのものの規模(エネルギー)を表すものであり、一つの地震に対して一つの値しか出ない。
地震による被害には火災、土砂災害などが挙げられ、建築物の倒壊、道路の寸断などにより救援が困難になるケースも少なくない。
特に兵庫県南部地震においては建物などの倒壊で救急車や消防車の到達が遅れることとなった。
また、海で地震が発生した場合は、しばしば津波が被害をもたらす。明治三陸地震のように、揺れによる被害がほぼないにもかかわらず、津波が沿岸部を襲い大被害が出ることもある。
震度
日本における震度は以下の10等級と決められている。
震度 | 状況など |
---|---|
0 | 人は揺れを感じない |
1 | 屋内で静かにしている人には地震を感じる人もいる |
2 | 屋内で静かにしている人の大半は地震に気付く |
3 | 屋内で静かにしている人のほとんどが地震に気付く |
4 | ほとんどの人が驚く、電灯が揺れる、不安定な置物が倒れる |
5弱 | 多くの人が恐怖を覚える、固定していない家具が動く |
5強 | 物につかまらないと歩きにくい、食器などが落ちる、家具が倒れる |
6弱 | 立つのが困難になる、家具のほとんどが倒れたり動く |
6強 | 這わないと動けない、地割れが生じる、家具のほとんどが倒れる |
7 | 建築物が壊れたりひび割れたりする |
同じ地域でも、状況(地盤の強弱など)により震度(と被害)は変わる。
また、他国では別の体系の震度を使っている。
マグニチュード
地震のエネルギーを示す。
対数関数であるため、マグニチュードが2増えるとエネルギーは1000倍になる。
そのため、マグニチュード5とマグニチュード7ではほとんど違わない、のではなく、マグニチュード5の1000倍、マグニチュード3の100万倍のエネルギーと言う事である。
マグニチュードの例
エネルギー量の末尾は単位を示す(K=キロ)。
マグニチュード | エネルギー量(単位ジュール) | 補足 |
---|---|---|
0 | 6.3K | |
1 | 2.0M(メガ) | |
2 | 63M | |
3 | 2G(ギガ) | 確実に検知可能とされる最下限値 |
4 | 63G | 小型の核爆弾が爆発するエネルギー量 |
5 | 2T(テラ) | 中規模の地震 |
6 | 63T | 津波を発生させるとされる最下限値 |
7 | 2P(ペタ) | 兵庫県南部地震のエネルギー |
7.5 | 11P | 関東地震のエネルギー |
8 | 63P | 昭和三陸地震のエネルギー |
8.5 | 350P | チリ地震(2010年)のエネルギー |
9 | 2E(エクサ) | 東北地方太平洋沖地震のエネルギー |
9.5 | 11E | チリ地震(1960年)のエネルギー、現時点で地震の最大 |
10 | 63E | 理論上の地球での地震の最大エネルギー |
11 | 2Z(ゼタ) | 恐竜が滅んだ際の隕石衝突時の地震エネルギー(推定値) |
12 | 63Z | 地球が断裂するエネルギー |
2ちゃんねるでは、中国の建築物が手抜き工事を原因として崩壊する事故の事を「マグニチュード0の地震」と称する。
神話・伝説での地震
日本では、鯰が地震を起こすという言い伝えがあるが、これは元は竜だったらしく、中世の絵図では日本を囲う竜が描かれている。この竜を押し込めて動かなくしているのが、鹿島神宮の境内に頭だけ出して埋もれている「要石」だという。
これとは別に、日本神話に「なゐの神(=地震の神)」という神が出てくるが、これは神の特性であり、特定の名前は知られていない。
←こういう姿かも不明。
中国では、地震に限らず、大きな災害の原因は為政者の不徳にあるという考えがあった。ただし、中国の地震は古来からの中心である中原で発生する頻度が低いため、洪水や旱魃などに比べると地震は影が薄い。
ギリシア神話では、ポセイドンが地震の神でもある。
伝説でも地震絡みのものは多いのだが、本題が地震以外にある物が多いため、その辺は略する。
地震は予知できるのか
地震が予知できれば被害も激減できるはずで、関東地震や東海地震のように、周期的に発生すると考えられていたものを中心に予知が研究されていた。
しかし、
・発生源となる断層は数が多い。
・断層の大半は活動頻度が低い。
・特に日本では、地殻変動や堆積などで覆い隠された断層も多いとみられる。
・断層の破壊には無数の要素が絡むため、地震が毎回同じように発生するわけではない。
(関東の地震は震源帯も毎回ずれている。東海地震は東南海地震や南海地震と同時発生する事が多い)
ため、「予知に期待するより、常に地震に備えた方が早い」と考えられる事も多い。
緊急地震速報
予知ではないが、「緊急地震速報」では、地震波を感知して大まかな地震の強さと震源を計算する事により、発生直後に速報を出す事ができる。震源帯の辺りでは役に立たない(起こったのに今更)が、遠隔地で対処の余裕を(秒単位だが)与えてくれる。
ただし、
・観測点の密度が低い地域の情報精度が粗い。
・観測点が観測不可能に陥ると情報が欠落する。
・同時に複数の地震が発生すると、それらを「同じ地震」と見なして範囲を拡大解釈してしまう。
などの課題が存在する。
宏観異常現象
・地震の前に動物が騒いだり集団移動したりする。
・地震の前に豊漁や不漁がある。
・地震の前に異様な気象現象が起きる。
・地震の前に地下水位が変動する。
などのように、「動物や自然現象が地震の前に通常と異なる振舞いをする」という話があり、総称して「宏観異常現象」と呼ぶ。
なのだが、
・肝心の宏観異常現象とされる現象の種類が多過ぎる。
・その現象があっても、必ず地震が起きるというわけではない。
・地震と因果関係のない現象を、強引にこじつけている。
・普段から起こっている何の変哲もない現象が、地震のせいで記憶に焼き付いただけ。
という例が多過ぎるため、地震予知に役立てるのはほぼ無理であると考えられている。
創作での地震
ファンタジーでは、地震を起こす能力や魔法が戦闘に使われることも多い。
大抵の場合、飛行状態だと被害を受けなかったりする。
逆に、屋内や地底で平気で使えたりする事もあるし、戦闘後に地形にダメージを与えたままという事は滅多にない。
ぶっちゃけ、人に与えるダメージ以外は、範囲も威力も実際の大型地震に遠く及ばない。範囲では無感地震に勝つのも難しいだろう。
だが、人知を超えた強力なキャラクター(大魔術師、上位精霊、神など)が、戦闘以外のイベントで使う物は、御無体なほど強力である。場合によっては、一つの文明を崩壊に追いやれるほど。
pixivのタグについて
pixivの『地震 の関連タグ』は上位に『Tバック、けつ、指揮、尻、撫で回したい尻、尻神様、おしり、お尻』等尻に関連した単語が多く見られる他、単なる尻の絵に「地震」というタグが付けられている事が有るが、これは「ふたば☆ちゃんねる」の、地震が発生した時に大槍葦人の描いた絵を貼り合い「地震だけど美しい尻の画像でも見て落ち着こうぜ」とやりとりする文化に由来する。
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現実に発生した地震
東北地方太平洋沖地震(平成23年3月11日発生) → 東日本大震災