概要
その姿から「戦場の女王」と称されたマチルダは歩兵支援を目的に26tの重量で75mmの重装甲を持つ事を優先的に開発され、1939年に本格的な運用が始まった。
車体前面75mmから78mm、砲塔全周75mm、側面75mmから45mmの垂直装甲はソ連のT-34に匹敵する防御能力を秘めていたマチルダ戦車は色んな意味で一時ドイツ軍を驚かせた。
なぜなら、マチルダに搭載されている搭載されたのは2ポンド砲及び同軸機銃のみの武装であったからだ。
オードナンスQF 2ポンド砲はイギリス軍の主力対戦車砲であり、各国の対戦車砲と比較して優秀な対装甲能力を持っていたが、歩兵の様な軟目標に有効な榴弾が存在しなかった。
『歩兵戦車』と呼ばれているのに、対戦車砲に効果的な榴弾が装備されていないと言う致命的な欠陥から、しばしば敵の大口径対戦車砲の餌食となった。
さらに、戦況が進むにつれて火力と装甲を増し続けるドイツ戦車に対してマチルダの優位性は消え失せていたが、イギリス戦車の中で大戦を駆け抜けた数少ない戦車である点だけは称賛に値する。
性能
全長:5.6m
全幅:2.6m
重量:27t
発動機:液冷ディーゼル174馬力
速度:24km
装甲:75mm~45mm
武装:52口径2ポンド戦車砲×1 7.92mm機銃×1