今里筋線とは、大阪市営地下鉄の所有する路線の一つ。
ラインカラーはオレンジ。ナンバリング記号はI(Imazatosujiより)。
路線概要
全線小断面トンネルによるリニアモーター式のミニ地下鉄である。
リニアモーター式地下鉄はトンネル掘削費用が安い、急勾配に強いなどといった利点があるが、建設・車両費用が膨大になるため、大阪市営地下鉄を除く公営地下鉄では1路線のみにとどまっている。
よって、この路線が開通したことにより、大阪市は全国で唯一複数路線のリニアモーター式地下鉄路線を所有することとなった。
トンネルは掘削範囲を節約できるシールドマシン工法だが、駅付近は従来通り開削工法である。
現在、大阪市営地下鉄の路線の中で最も収益の無い大赤字路線である。
この赤字が御堂筋線の収益のほとんどをかっさらっており、結果として大阪市交全体が赤字となっている。
運行形態
操作はATO(自動列車運転装置)とTASC(自動列車停止支援装置)の併用で、ワンマン運転だが一応運転士は乗務するので運転室にむやみに入ることはできない。
車両は80系1形式のみで、デザインは長堀鶴見緑地線の70系に似ているが、機器類がナウい。車内案内表示装置もナウい。
ワンマン運転のため、全駅に可動式ホーム柵が設置されている。
駅
全11駅。井高野~今里間。
全駅に液晶式列車案内表示装置がホーム柵の各扉上に設置されている。
今里筋線内の駅は、清水駅を除いてすべて島式ホームなのが特徴。
なので、日中の列車は井高野,今里を除いてすべて右側の扉が開く。
全駅案内
駅名 | 読み | English | ナンバリング | 乗り換え | |
---|---|---|---|---|---|
井高野 | いたかの | Itakano | I10 | ||
瑞光四丁目 | ずいこうよんちょうめ | Zuiko-4-chome | I11 | ||
だいどう豊里 | だいどうとよさと | Daido-Toyosato | I12 | ||
太子橋今市 | たいしばしいまいち | Taishibashi-Imaichi | I13 | 谷町線 | |
清水 | しみず | Shimizu | I14 | 鶴見緑地北車庫(今里筋線の車庫)へ出入り可能 | |
新森古市 | しんもりふるいち | Shinmori-Furuichi | I15 | ||
関目成育 | せきめせいいく | Sekime-Seiiku | I16 | 谷町線・京阪電気鉄道 本線 | |
蒲生四丁目 | がもうよんちょうめ | Gamo-4-chome | I17 | 長堀鶴見緑地線 | |
鴫野 | しぎの | Shigino | I18 | JR西日本 片町(学研都市)線 | |
緑橋 | みどりばし | Midoribashi | I19 | 中央線 | |
今里 | いまざと | Imazato | I20 | 千日前線・近畿日本鉄道 大阪線・奈良線 |
赤字の原因
今里筋線は先述のとおり赤字だが、その理由は以下の点が挙げられる。
- 大阪の大動脈である御堂筋線と接続する場所が全くない。
- 今里筋線沿線は軟弱な地盤で、建設に長期間とかなりの費用がかかった。
- この路線がほぼ直下を通る今里筋は、バスが運行されており、気軽に利用できる点ではバスが有利だから開業してもあまり使われなかった。
- (上の補足)今里筋線は大阪一深い位置に建設されており、駅にたどり着くまでにかなりの労力を使うから。
以上の理由により、今里筋線は高コストな路線にもかかわらず乗客が少ないことが理由とまとめ上げることができる。
過去には南進して藤井寺方面に延伸の計画もあったが、利用客が伸びてない事を理由に立ち消えになった。北進についても、一時、高槻、茨木、吹田各方面への延伸が取りざたされた事もあったが、こちらも話が進まないまま消えている。
よってきわめて中途半端な路線が今後も残る事になる。