運行系統
基本的な運行系統は以下の8つであるが、このほかに臨時や入出庫などの扱いで運転される0号線がある。
なお、4号線は忌み番号のため欠番となっている。
1号線:広島駅-八丁堀-紙屋町東-広島港(宇品)
2号線:広島駅-八丁堀-紙屋町(紙屋町東・紙屋町西)-十日市町-広電西広島(己斐)-広電宮島口
3号線:広島港(宇品)-紙屋町西-十日市町-広電西広島(己斐)
5号線:広島駅-比治山下-広島港(宇品)
6号線:広島駅-八丁堀-紙屋町(紙屋町東・紙屋町西)-十日市町-江波
7号線:広電本社前-紙屋町西-十日市町-横川駅
8号線:江波-十日市町-横川駅
9号線:八丁堀-白島
路線
市内線
文字通り広島の市内を運行する路線で、独立した系統である9号線を除いては殆どの電車が複数路線間で直通運転を行っている。たとえば1号線は本線と宇品線、2号線は本線と宮島線、といった具合である。市内線区間の路線は以下の通りである。
本線[M]:広島駅-八丁堀-紙屋町(紙屋町東・紙屋町西)-十日市町-広電西広島(己斐)
宇品線[U]:広島港(宇品)-広電本社前-紙屋町(紙屋町東・紙屋町西)
白島線[W]:白島-八丁堀
横川線[Y]:横川駅-十日市町
江波線[E]:江波-土橋
皆実線(比治山線)[H]:皆実町六丁目-比治山下-的場町
宮島線
広電西広島(己斐)と広電宮島口を結ぶ路線で、他の路線が軌道なのに対してこちらは「鉄道」、つまり郊外電車区間である。大部分が山陽本線と並行しているが、駅間距離が短く電車の本数もこちらのほうが多い。ただ、前便が各駅停車であるため広島市内から宮島口方面へは時間がかかる。このため急行運転が要望されているが、依然としてメドは立っていないようだ。
電停・駅ナンバリング
広電では、駅ナンバリングを採用している。なお、路面電車では広電のほかに豊橋鉄道(東田本線)、京福電気鉄道(嵐電)、長崎電気軌道がナンバリングを採用している。
本線・宮島線:直通運転先の宮島線(Miyajima)のM
宇品線:宇品(Ujina)のU
白島線:白島(Hakushima)のH、といきたかったが、比治山線がH使ったため、最初の「白」を英語読み。ホワイト(White)のW
横川線:横川(Yokogawa)のY
江波線:江波(Eba)のE
皆実線(比治山線):皆実(Minami)では本線・宮島線と重複するので、別名である比治山線(Hijiyama)からH
車輌
広電では、3・5車体連接車による運行を「連接車」、1車両での運行を「単車」と呼ぶ。つまり1車輌での運行であれば、路面電車でも一般的なボギー車でも「単車」と呼ばれる。
単車
100形(3代):101号、開業当時の電車を再現した車輌。いわゆるレプリカ。4月~10月の土曜日、日曜日、祝日に「レトロ電車」として8号線で運行される。
150形:被爆電車。156号が1987年に復籍したが、室内などが木製で運行の都度許可を取らなければならないため、現在はまったく動かない。
200形(2代):238号「ハノーバー電車」。1988年に、広島市がドイツ(当時は西ドイツ)・ハノーバー市との姉妹都市提携5周年記念として茶室を寄贈したお礼として、ハノーバー都市交通事業に戻っていた当車が広島市に寄贈され、広島電鉄に入線。毎年11月~3月の日曜日・祝日に8号線で運行される。12月にはクリスマス電車として活躍。
350形:宮島線直通対応だが、現在は実質的に直通不可。乗務員研修にも用いられる。3両全車が現役。
570形:もと神戸市電500形。神戸市電時代から数えて80年ほど走っている電車である。現在は582号のみ在籍。
600形(2代):もと西鉄北九州線500形。現在は602号のみが在籍するが朝ラッシュ時しか動かない。
650形:木南車両製でノーシル・ノーヘッダーの美しい車体が特徴。「被爆電車」として有名だが小型で収容能力が小さく、651号と652号のみが現役。
700形(2代):市内線主力形式の一つ。製造時期によって性能が違う。701~707は旧型車の足回りを利用した釣り掛け式、711~714はカルダン駆動の完全新造車。
750形:もと大阪市電1601、1651、1801形。このうちもと1601形については700形に機器を譲り廃車。残りのグループも一部廃車が行われて入るものの、輸送力が大きいため混雑路線で重宝されている。なお、1両(766号)が「西部警察PART-Ⅱ」のロケで使用され、広電宮島口駅構内で爆破され、壮絶な最期を遂げたことで有名。しかもこのエピソード、広電の社史に堂々と書かれてたりする。
800形(2代):市内線主力形式の一つであり、サイリスタチョッパ制御を採用した軽快電車。
900形:もと大阪市電2601形。現在でも大部分が残存しており市内線の主力として活躍中。
1150形:もと神戸市電1150形。冷房化も行われたが、プリペイドカードの機械を取り付けたときにパワー不足が発覚、輸送力もそれほど大きくなかったため1156号を残して廃車された。
1900形:もと京都市電1900形。全車両に京都にちなんだ愛称がつけられているのが特徴。全車両現役。
連接車
70形:もとはドイツ(当時は西ドイツ)・ドルトムント都市事業70形。1959年デュワグ社製。ドルトムント市電が一部地下化されたため余剰となった電車を購入・改造したもの。保守に手間がかかるため新型連接車が入るといらない子になってしまい77号は2006年に解体。76号のみがマダムジョイ(広電系のスーパーマーケット)千田店前に展示。
3000形:1975年にもと西鉄福岡市内線の1100・1200・1300形を譲り受けたもの。まず1300形が2連接のままで運行を開始し、その後輸送力増強のため3連接車に改造。このときに3000形を名乗った。当初は宮島線直通運用に就いていたが現在は市内線での活躍が中心。
3100形:もともとは2500形として登場したもの。1985年に無理矢理(←ここ重要)3車体連接車に改造して3100形となった。この際に「ぐりーんらいなー」色となっているが、どうも似合わないような…。
3500形:初代「ぐりーんらいなー」、1980年に登場した「軽快電車」である。宮島線直通電車のサービスアップを狙い登場したが、最近は車庫で寝ているときのほうが多い。それでも詰め込みが効くのでラッシュアワーには動いているらしい。1編成のみ。サイリスタチョッパ制御。
3700形:事実上3500形の量産車といえるタイプで、各部が簡素化されて生産性と信頼性が上がっている。座席配置も若干変わっている。制御方式は抵抗制御。
3800形:広電では初めてVVVFインバータ制御を採用した。この3800形と3900形は従来とカラーリングが違う。
3900形:3800形を踏襲したデザインだが性能面ではモーターの出力が上がっているなど進歩が見られる。
3950形:3900形の車体をマイナーチェンジしたもの。デザインを外部に委託してよりスマートなスタイルとなった。愛称も英語表記の「Green Liner(グリーンライナー)」となった。
超低床連接車
5000形:ドイツ・デュワグ(現シーメンス)製、5車体連接の超低床電車「コンビーノ」の広島仕様。通称「GREEN MOVER(グリーンムーバー)」第1編成は飛行機に乗せられてやってきたことで有名。試運転のときは黒いフィルムを貼り付けていた。広電初の超低床電車として活躍し、2号線で運行中。朝ラッシュは3号線にも入る。
5100形:国産初の100%5車体連接の超低床電車で、愛称は「Greenmover max(グリーンムーバーマックス)」。おもに、市内線(1号線)での運用が主だが、朝ラッシュには5号線に入る。また、1編成が2号線の運用に就いている。
1000形:国産の100%3車体連接の超低床電車。1001号の愛称は「ピッコロ」、1002号の愛称は「ピッコラ」。市内線7・8・9号線で運行。
関連イラスト
5100形・グリーンムーバーマックス。
西部警察での爆破シーンを再現したイラスト。