1945年から1989年(91年?)までの米ソを軸にした世界構造の時代。
アメリカ合衆国を中心とする資本主義の西側陣営と、ソ連を中心とする共産主義の東側陣営の対立構造が基本。ただし東寄りでありながら資本主義を維持したフィンランドや、アメリカから援助を受ける反ソ連派の共産主義勢力もいたりと、なかなかに複雑怪奇な対立構造であった。
第二次世界大戦を連合国として共に戦った米英とソ連はもともとファシズム=ナチス・ドイツを共通の敵とした「呉越同舟」であり、対立は決定づけられていたとも言える。大戦末期のヤルタ会談から米英ソの思惑が見え出し、戦後にイデオロギー対立が表面化。
米ソの核開発競争は激しくなり、各地で両陣営による代理戦争や民族分断の悲劇を生んだ。さらに東側での中ソ対立やどちらにも属さない第三世界の台頭で、二極対立から多極化した。
1980年代後半、ソ連のゴルバチョフ政権は西側への融和姿勢を強め、冷戦は終結に向かう。1989年に東欧諸国が次々と民主化革命を起こし、ソ連から自立。89年12月のマルタ会談で米ソは冷戦終結を宣言。91年のソ連崩壊で冷戦は完全に過去のものとなった。
しかし、ユーラシアの諸民族を圧迫していたソ連の消滅により各地の宗教・民族紛争が顕在化、21世紀の9.11に始まる対テロ戦争へとつながったとも言われる。
21世紀に入ってからは資源問題などを背景に、米日欧対中露の間で対立関係が露わになり、「新冷戦」が始まっているとする見方もある。が、多極化・グローバル化と形容される現代において、かつての冷戦のような、はっきりと世界を二分する対立構造が成立しているかと言われれば、それは疑問を呈さざるを得ないのも事実である。
西側 | アメリカ カナダ イギリス フランス イタリア 西ドイツ ノルウェー モロッコ チュニジア 南ア トルコ サウジアラビア イスラエル 日本 韓国 中華民国 南ベトナム タイ オーストラリア メキシコ ブラジル |
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東側 | ソ連 東ドイツ ハンガリー ポーランド ルーマニア ブルガリア イラク イエメン エチオピア アンゴラ 中華人民共和国 北朝鮮 ベトナム カンボジア アフガニスタン モンゴル キューバ エジプト(途中で民主化) |
中立 | スイスは永世中立 オーストリア・スウェーデンは西寄り ユーゴスラビア・フィンランドは東寄り イランはイスラム主義 |