概要
RX-0 ユニコーンガンダムの2号機。
ユニコーンガンダムが「貴婦人と一角獣」のタペストリーに登場する一角獣をモチーフにしたのと同様に、バンシィはタペストリーに登場する獅子になぞらえ、頭部のアンテナはライオンの鬣を思わせる物(ユニコーンモード時は鶏冠のような形状になる)が装着されている。
機体色は黒。デストロイモード時にサイコフレームは金色に発光する。
バンシィ(バンシー)とはスコットランド神話の伝承に登場するこれから起こる死を嘆く泣き女、死を告げる女神ともされる。
月のグラナダでロールアウトした後、オーガスタ研究所で調整を受けて実戦に投入された。1号機が宇宙で調整をしていたのに対しこちらは地上のオーガスタ基地で最終調整を行ったため、大気圏内での機体運動性は1号機を上回るなど、機体完成度が高められている。
また、1号機と違い「ラプラス・プログラム」は搭載されておらず、純然な「対ニュータイプ用モビルスーツ」として完成している。
武装はロールアウト直後の1号機と共通。
OVA版デザイン
OVA版では小説版から一部デザインと武装が変更されており、襟元は爪か牙を思わせる形状に変更された。
また、「アームド・アーマー」と呼ばれる増加サイコフレーム兵装を装備しており、ユニコーンガンダムと比較した際のキャラクター性の違いを演出している。
この他、登場するエピソードによって装備が異なるのも特徴である。
One of Seventy Two
U.C.95年におけるロールアウトしたばかりの仕様。
ユニコーンガンダム3号機フェネクスの試験運用の為に駆りだされ、アームド・アーマーVNを右腕に、ビーム・マグナムを左腕に装備している。
胸部は1号機・3号機と同形状だが、フェネクスとリバウとの戦闘において胸部を破壊され、その後改修を受ける。
EP4・5
オーガスタ研究所で調整を受けた直後の仕様。
この際のパイロットはマリーダ・クルス。
両腕に増加サイコフレーム兵装「アームド・アーマー」を装備することでビームマグナムよりも高い継戦能力を獲得し、同時に過剰な攻撃力による周辺被害を抑えている。
武装
- アームド・アーマーBS
右腕に装備された射撃兵装。
内蔵されたセンサーユニットから得られた空間データをサイコミュで伝達し、そのデータを2枚のフィン型ビーム偏向機と連動させ、高精度の予測照準を可能とする。ビームマグナム程の威力は無いが、劇中ではシャンブロの残骸を貫き引き裂いた。なおBSとはビーム・スマートガンの略称。
- アームド・アーマーVN
左腕に装備されるナックル状の格闘兵器。
ユニコーンモード時は前腕を覆う打撃武器兼シールドとして機能し、この状態でもガンダリウム製の装甲をへこませられるほどの硬性を持つが、デストロイモード時には獣の爪のような形状に変形し、一撃でガンダリウム製装甲を引き裂き、振動による副次効果によりMSの内部構造そのものも破壊する超振動破壊兵器となる。ちなみにVNはヴァイブレーション・ネイルの略とされる(1/100MG インストでは金色の鉤爪状部分をヴァイブロネイルと表記)。
またどちらのアームド・アーマーもビーム・トンファーに干渉しないように設計されている。
EP6・7
各種アームド・アーマーを変更し、機体の総合性能を向上させた仕様。
「バンシィ・ノルン」と呼ばれ、型式番号もRX-0[N]に変更されている。なお、ノルンとは北欧神話に登場する運命の女神の名である。
当然ながら、NT-Dによる機体各部の展開機構は、バンシィ・ノルンに与えられた増加サイコフレーム兵装にも等しく作用する。
この際のパイロットはリディ・マーセナス。
武装
基本構成は1号機と同じだが、それに追加でアームド・アーマー等を装備する形になっている。
- アームド・アーマーDE
漫画『機動戦士ガンダムUC バンデシネ』から逆輸入されたシールド用増加ユニット。
装備されているブースターを展開・可動させる事で推力の調整を行う機能を有する。また威力の高すぎるビームマグナムを補助する形でビームキャノンが内臓されている。1号機とはシールドの向きが上下逆に装備されている。
ガンダムTR-1ヘイズルやガンダムMk-Ⅴ、ギャプランのシールド・ブースター、ムーバブル・シールド・バインダーの最終発展形とも言える装備。
- アームド・アーマーXC
ジェネレーターの出力強化とパイロットと機体の親和性を向上させる目的で換装されたバックパックユニット。中央部のユニットを展開させることで、ビーム・マグナムやアームド・アーマーDEをマウントすることが可能。
デストロイモード時にはこれが大きく展開し、獅子の鬣(たてがみ)を想起させる形状へと変化する。
- リボルビング・ランチャー
ビーム・マグナムの銃身下部に装備された4連装グレネードランチャー。
用途に応じて弾種を変更可能であり、運用の柔軟さに欠けるビーム・マグナムの補助兵装として装備されている。
劇中ではビーム・ジュッテ、ボップミサイル、徹甲榴弾 (MGaAP) が装備されていた。
また、リアスカートにはビーム・マグナム用Eパックと共にリボルビング・ランチャー用の弾倉がマウントされている。
メディアミックスでのバンシィ
機動戦士ガンダムEXTREME VS.FULLBOOST
2012年4月26日のアップデートによりプレイアブル機体として参戦するが、その機体性能はコスト2500とは思えないほど高く、本家ユニコーンを上回るとも言われる。
その理由は機体の能力にあり、『耐久力が4割以下になると撃墜されるまで常にデストロイモード』という特性があるため。これは本家にはない仕様であり、コストオーバーの状態で再出撃した際も同様。代償として耐久力はコスト2500としては低めの600に設定されている。
しかし耐久力を含めても2つのモード間での性能差は大きく、耐久が減ると常に強化状態というのはありがたい。またデストロイモードはユニコーンガンダムと異なり出撃後すぐに発動できるほか、覚醒使用時にも発動するため、相対的にコスト以上の戦闘力が見込める。
これらの仕様からバンシィは大会でルールブレイクともいえる性能を発揮し、一部の店舗で使用禁止にされるという、EXVS史上例のない制約を受けることとなった。調整が入り強さがやや落とされた現在でも、この制限措置が続いているところもあるため、プレイの際は注意されたい。
SDガンダムGジェネレーションシリーズ
『OVERWORLD』より参戦。
性能は本家ユニコーンに肩を並べており、超強気以上でデストロイモードというギミックもしっかり受け継がれている。
ユニコーンと違いIフィールドを装備していないため防御面のアビリティでは一歩劣る形となるが、前述の設定通り地上適性はユニコーンよりも上である。