「アムロ、ガンダム行きまーすっ!!」
プロフィール
誕生日 | 宇宙世紀0063(or0064)年11月4日 |
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星座 | 蠍座 |
血液型 | AB型 |
出身地 | 山陰地方・鳥取(TV版)プリンスルパート(劇場版)ロサリト(THE ORIGIN) |
身長/体重 | 168cm(一年戦争&グリプス戦争時)→172cm(シャアの反乱時)/55kg(一年戦争~シャアの反乱) |
階級 | 曹長(TV版)・少尉(劇場版)→大尉(Zガンダム以降)→中佐(UC以降。MIAのため2階級特進) |
生死 | 消息不明(公式記録では死亡(0093年3月12日、29歳)) |
CV | 古谷徹/代永翼(ガンダムさん) |
来歴
宇宙世紀0064年11月4日(一説によれば0063年11月4日)父テム・レイと母カマリア・レイの一人息子として生まれる。
幼い頃に母カマリアと離別し、父テム・レイと共に宇宙へ移民した。
宇宙のどこで暮らしていたかは定かではないが、サイド7への移民が開始されたのは宇宙世紀0078年5月からであるため、他のサイドで暮らしていたとするのが通説である。
父が仕事で家を空けることが多いため、自宅では一人で過ごすことが多かった。そのためかコンピューターや機械いじり好きの内向的な少年に育った。
サイド7移民後は、隣家に住んでいた少女フラウ・ボゥとその家族によく面倒を見てもらっていた。また、この時期にペットロボット・ハロを自分で作り上げている。
パイロットとして
サイド7でのMSの戦闘にて当時民間人だったアムロが偶然にも父親が開発したガンダムに乗り込んで操縦し、ジオン軍のザクⅡを2機破壊したのが最初で、その後は愛機ガンダムを駆って多くの強敵たちと渡り合い、ニュータイプとしての覚醒以降はその卓越した能力はなお加速し、シリーズを通して超人的な戦績を挙げていった。
ただ、アムロはニュータイプとしてはオールドタイプ的感性を持っていることを、監督の富野由悠季は「月刊マガジン」のインタビューで語っている。
「カミーユに比べてアムロは学習できないため、オールドタイプとして死んでいくしかない」という部分である。
これは、あくまで富野が思い描く「ニュータイプの究極像」であるカミーユと比べての評価である。
パイロットとしての技量は宇宙世紀史において最高峰であり、ワンオフ機や量産機、果ては輸送機と言った数々のマシンを使い分け、巧みな戦績を残している。
『機動戦士ガンダム』の初陣時ですら「ビームサーベルでコックピットを狙って機体を停止させる」など高度な技術を発揮している。終盤にはさらに覚醒し、ビットによるオールレンジ攻撃をビームサーベルで切り払う、三分でMS12機と戦艦数隻を撃墜するといった神業を見せている。
なお、ガンダムは一対少数の白兵戦を目的としたMSで、このような一対多数の使い方は想定されておらず、逆にガンダムの性能が付いていけないほどに成長していたという。そのせいでガンダムはアムロについていけず、自壊寸前まで振り回されてしまった。
また、後のアムロ曰く「(シミュレーションで)6機撃墜するに1分もかからなかった」と述懐している。
『Zガンダム』では軟禁状態で腕が鈍っていたとはいえ、輸送機という直接戦闘を想定していない機体でアッシマーを撃墜した他、量産機のリック・ディアスでカミーユらと肩を並べる程の活躍を見せていた。
『逆襲のシャア』では性能で劣るZガンダムの量産機リ・ガズィを駆り、(シャアの乱入があったものの)ネオ・ジオン軍エースであるギュネイのヤクト・ドーガを中破させている。
νガンダムに乗り換えてからも長距離射撃や高速速射もさることながら、仕留めた敵MSの射撃をも利用して別MSを連鎖撃破、射撃と同時に回避運動を取るといったマルチタスク機動など離れ業を見せ、シャアが駆けるザザビーとは格闘戦に持ち込むなど機体性能を存分に発揮していた。
シャアとの確執
一年戦争での邂逅から、シャアとは浅からぬ因縁を持っている。特にララァの死が二人の間に深い溝を落としてしまった。
グリプス戦役では共に戦ったものの、シャアが地球の人々に絶望してからは再び袂を分かった。
劇中での活躍
一年戦争後期 (『機動戦士ガンダム』)
ガンダムとの出会い
宇宙世紀0079年9月18日、地球連邦軍の新造艦ホワイトベースを追ってジオン公国軍の巡洋艦ムサイが周辺空域に侵入、コロニー内へのザクⅡ強襲に遭遇する。
当時15歳の彼は、避難の最中に「V作戦」の極秘ファイル(ガンダムの操縦マニュアル)を偶然入手し、アイドリング状態だったガンダムに乗り込んで起動させ、初陣にして強襲を仕掛けてきたザクを2機撃破する。
なお、この戦闘が歴史上初の実戦におけるモビルスーツ同士の対戦であった。
また、父親のテム・レイはこの戦闘で宇宙空間に放り出され行方不明となる。
その後は民間人でありつつもホワイトベースの乗組員としてガンダムに搭乗し、ホワイトベース地球降下を阻止すべく執拗に追い迫るジオン軍のエースパイロット、そして以後宿命のライバルとして戦い続けることとなるシャア・アズナブルの追撃を振り払う日々が始まる。
この頃は、なし崩しとはいえまともにガンダムを操れたのはアムロのみであった事から、何時の間にか地球連邦軍の正規パイロットのように扱われるようになる。
戦場からの逃亡
しかし、地球降下以後、「生き残る」という以外に戦う意義を見出せぬまま、アムロの精神は疲弊していった。
ガルマの執拗な追撃を何とか退けたものの、自分を戦争の駒のように扱う二代目ホワイトベース艦長のブライト・ノアとは度々衝突し、唯一のアイデンティティとなっていた「ガンダムのパイロット」の地位さえ、ブライトの「リュウに任せよう」という発言から脅かされることとなる。
これを偶然聞いてしまったアムロは脱走を決意し、ガンダムに乗って砂漠の大地に消えていった。
この脱走は一見発作的に見えたが、自分の動かすガンダム単独で戦果を持って帰りブライトたちを見返すという子供じみた思惑もあっての事だった。
この脱走中、砂漠の町のレストランに立ち寄ったところ、偶然ジオン公国の軍人ランバ・ラルと出会う。
ラルの愛人であったクラウレ・ハモンと共に大変気に入られたが、敵同士であったが故に戦場で再会、対峙することになる。
ラルの駆るグフを退けたものの、その口から「勝てたのは腕ではなくモビルスーツの性能のおかげだ」と指摘され、ここで初めて「あの人に勝ちたい」と、パイロットとして「生き残る」以外の意味を見出した。
その後、アムロの目の前で軍人として殉じたランバ・ラルの姿は、敵ながらにして越えねばならぬ父親のような存在としてそびえ立ち、彼に大きな影響を与えることとなった。
そして、ラルの仇を討つためにホワイトベースに特攻を仕掛けたハモンに、逆に特攻を仕掛けて窮地を救ったリュウの死が、彼の中に生きる意味を問いかける事となる。
ニュータイプへの覚醒
救援として駆けつけた連邦士官マチルダ・アジャンより「エスパーか」とも評されたアムロは、ラル、黒い三連星等、数々のジオンの戦士との死闘を経ていつしかニュータイプとしての覚醒を見せ始め、ジャブローでは再びあいまみえたシャアと互角以上の戦いを演じた。
ジャブローから再び宇宙に舞い戻ってからも、ドレン大尉率いるキャメルパトロール隊のムサイを撃沈し、コンスコン機動艦隊との交戦では敵艦隊擁する12機のリック・ドムのうち9機を3分で撃破した上に、コンスコンの乗る旗艦チベまでも撃沈して見せた。
それ以降もアムロのニュータイプ能力は拡大し続け、ソロモン攻略戦など、幾多の戦闘で大きな戦果を挙げる。
ジオンからは、“赤い彗星”シャアと対比して“連邦の白いヤツ”と恐れられるようになる。
アムロの成長に伴い、その超人的な反応速度に対応しきれなくなったガンダムはマグネット・コーティング処理を施される。
このとき、モスク・ハンの「生き延びて、いいデータを持ち帰ってくれ」という自分勝手な応援の言葉を「これだから人の本音は聞きたくない」と苦笑しながら受け流しており、人間としての成長が窺える。
この頃にはシャアのゲルググを、通常のパイロットではありえない距離(ララァさえも、実験の際にはかなりの苦痛を伴った距離)から正確に狙撃する鬼神の如き働きを見せる。
そして最終決戦となったア・バオア・クー攻略戦でシャアの駆るジオングと交戦、両者相打ち(ただしジオングは撃破、ガンダムはAパーツの頭部と両腕、Bパーツの右脚を失う大破)となり、ガンダムは破壊されるものの、最終的に一年戦争を戦い抜く。
なお、彼の撃墜スコアは連邦軍内においては第2位(MS142機、艦船9隻)を記録し、地球連邦軍が勝利する一翼を担った英雄として軍の歴史教科書に載るなど、この時既に伝説的な存在となっていた。
ララァとの出会いと別れ
上記の通り、彼の成長の影にはセイラ・マスやリュウ等のホワイトベース乗組員や、憧れの人となるマチルダ等の魅力的な大人との出会いがある。
その中でも、サイド6におけるララァ・スンとの出会いは彼の人生を決定付けたと言っても過言ではない。
同じ様に物事を感じ取れるニュータイプ同士として、ララァとの邂逅はアムロのニュータイプとしての能力に磨きをかけ、その存在はアムロの中で強くなる。
そのララァとは敵同士として戦場で邂逅し、その中でニュータイプ同士としての精神の交感を体験するが、その最中に襲い掛かるシャアに反撃した際、シャアを庇ったララァを戦死させ、さらにララァの死を共感してしまう。
これは以降の人生の大きなトラウマとなり、終生彼を苦しめることになる。
グリプス戦役 (『機動戦士Ζガンダム』)
軟禁された英雄
一年戦争後は英雄的扱いを受け、彼に注目した多くのジャーナリストから「ニュータイプとは何か?」と取材を受けることになるが、キリストやブッダ、マホメットなど歴史上の偉人と絡めた彼の発言は大衆にとって抽象的でわかりにくかったのである。
そのため、アムロ・レイの発言に面白さを感じられなくなったジャーナリスト達はアムロの発言を取り沙汰する事も無くなっていき、次第に世間一般の記憶からアムロ・レイの存在は忘れられていった。
やがて大尉に昇進後、北アメリカのシャイアン基地に勤務。シャイアン基地は衛星とレーダーが分断されている為に防空監視システムが機能しておらず、北アメリカ大陸の光ケーブルで繋がれた地域の情報を収集、監視するだけの閑職軍人用の基地だったのである。アムロ以外で主に働いているのは一線を引いた年老いた軍人のみであることからもそれが分かる。
彼もララァを死に至らしめたことの後悔を引きずり、宇宙に戻る衝動も湧かず鬱屈した生活を送っていた(この時の彼にエマ・シーンが出会ったと証言する場面があるが、詳細不明)。
また、堕落したニュータイプの姿を士官候補生達に晒すストレス、加えて週に一・二度軍が調達した女が送り込まれる陰険な連邦の官僚システムに長期間囚われていた影響で精神的な疲弊が起きていたのか、当初はMSへ再び乗ることを躊躇していた。
また、エマの回想によれば死んだ魚のような目で、笑顔もどこかヤケクソじみた感じで相当投げやりな心情だった事が窺える。
エゥーゴへの参戦
しかし宇宙世紀0087年、かつてのガールフレンドでありハヤトの妻になっていたフラウと再会しカツ・コバヤシに説得され共に監視を抜け出す。
空港で輸送機を奪いエゥーゴの支援組織カラバに合流。
その際、シャア(クワトロ)と7年振りの再会を果たす。
また、昔の自分を思い出させるカミーユ・ビダンや、ベルトーチカ・イルマによって刺激され、再びモビルスーツで戦うことを決意する。
7年のブランクを感じさせない卓越した操縦技術でエゥーゴを援助。
宇宙に上がったアポリー・ベイ中尉が残したリック・ディアスでカミーユを指導しながらアッシマーを撃墜したのを皮切りに、リック・ディアスやディジェを駆って、キリマンジャロ攻撃作戦やダカールでの戦い、ニューギニア基地攻略などで活躍した。
地球への残留
その後、シャアから宇宙に上がり共闘することを薦められたが、無重力の感覚への恐怖を理由に固辞している。
しかしシャアからは「ララァと再び会うのが怖いのか」と胸中を看破され、一年戦争時代に負ったトラウマを克服できていないことを否定しきれず、ハヤトらと共に地球に残った。
第一次ネオ・ジオン抗争 (『機動戦士ガンダムΖΖ』)
宇宙にて消息不明
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第一次ネオ・ジオン抗争においては全く姿を見せることは無かったが、アーガマが地上に降りた時のブライトとハヤト・コバヤシとの会話から、この時既に宇宙に上がっていたと思われる。
これ以降、消息不明となったシャアの居場所を探るべく、数年にわたる内偵を開始する。
小説版では、カラバと合流したジュドー・アーシタやエルピー・プルと会い彼らの可能性を感じ、プルツーの駆るサイコガンダムMK-Ⅱとの戦いで、今の宇宙は若いニュータイプに任せると言っていた。
搭乗したMSはシュツルム・ディアスであった。(アニメ版ではアクシズに横流しされているのを考えると皮肉である)
ロンド・ベルへの転属(機動戦士MOONガンダム)
その後、地球連邦軍の外郭部隊として「ロンド・ベル」が結成され、アムロはMS隊隊長として転属される。しかしアムロのニュータイプ能力を危険視した上層部により、ガンダム・タイプのMSは一切配属されることはなく、旧型機のZガンダムの配備申請を行っても却下される有様だった。
第一次ネオ・ジオン抗争期から引き続き、シャアの行方を追うため内偵活動を行っていたが、ロンド・ベルは旧ハマーン派をはじめとするジオニスト系セクトやそれ以外の反連邦活動の弾圧・残党狩りが目的というその性格上、ティターンズと同様の組織とスペースノイドの多くには認識され、憎悪の対象となっていた。その結果、無策な連邦政府とコロニーの民衆との間で板ばさみの立場を強いられ、シャアの行方を追うことすら叶わなかった。
また、この間にティターンズの残党が投入してきたガンダム・タイプのMSを撃破しており、その残骸である頭部と特殊装備がムーン・ムーン・コロニーへと流れ着くのだが、ここから先はまた別の話である。
第二次ネオ・ジオン抗争 (『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』)
ネオ・ジオンとの戦い
その後もロンド・ベルのMS隊の隊長として職務を全うするが、行方をくらましていたシャアが現れ『スウィート・ウォーター占拠宣言』を行う。事態を重く見た連邦上層部は対抗できる戦力としてロンド・ベルを急遽増強し、アムロの地位も安泰となった。そして、リ・ガズィやνガンダムを駆り、ブライトらと共にシャア率いるネオ・ジオンとの戦いに臨む。
当時の階級は大尉。既に一人のプロの軍人として立派に成長しており、かつてのような神経質さやナイーブさは鳴りを潜めていた。
だが、アムロもまたシャアと同じくララァの死に対するトラウマからは未だ脱し切れてはおらず、たびたび彼女の夢や幻影を見てはうなされていた。
第二次ネオ・ジオン抗争が勃発した宇宙世紀0093年3月4日、地球連邦軍本部があるチベットのラサに向け小惑星5thルナの落下を目論むネオ・ジオンを阻止するためにリ・ガズィに搭乗して戦闘に参加。
ヤクト・ドーガを駆るギュネイ・ガスを退けるのには成功したものの、サザビーで出撃してきたシャアには圧倒された上に、落下阻止限界点を越えてしまい、5thルナを巡る攻防は惨敗に終わる。
その後、未だフォン・ブラウン市の工場で開発中であったνガンダムを半ば強引に受領し、シャアとの決戦に備える。
その後、サイド1のロンデニオンでハサウェイ、クェスと共にドライブをしている時に、白馬に乗って散歩していたシャアと遭遇。
シャアに掴みかかり取っ組み合いになった後、銃で狙撃しようとするも、クェスに邪魔をされギュネイがホビー・ハイザックで救援に来たために逃げられる。
シャアとの最終決戦
アクシズ落としを目論むシャアの動きを看破したアムロ達ロンド・ベル隊は、アクシズへ急行する。
宇宙世紀0093年3月12日、アクシズの防衛ラインを単機で突破し、シャアとの決戦では、サザビーとのMS戦だけではなく生身での白兵戦(舌戦も含め)も交えた激戦を繰り広げ、再びMSに搭乗して全ての武装を使い果たした後もガンダムの殴打攻撃でサザビーを圧倒し、これによってサザビーからシャアの乗る脱出ポッドが放出される。
その時、ブライト達が行った落下阻止のためのアクシズ分断作戦が裏目に出て、片割れがそのまま地球への落下を開始する。
アムロはシャアを逃がすまいと脱出ポッドを捕まえるが、シャアに「ブライト達が行った作戦のおかげでアクシズ落下という目的を果たせる」と、高々と勝利宣告をされる。
これに怒ったアムロはシャアの脱出ポッドをアクシズの壁面に食い込ませ、地球へ落下していくアクシズの片割れをνガンダムで押し返そうとする。
そのとき観測された光の虹(サイコフレームの共振現象とも言われるが詳細は不明。「人の心の光」とも形容される)が、敵味方問わず「地球への落下を阻止する」という意識の統一を促し、数多のMSがアムロに同調して落下阻止に駆けつけた。
その内に多くの人の意思を集めたサイコフレームは、驚異的な規模で光の虹を広げ、摩擦熱で熱暴走を起していたνガンダム以外のMSを振り払い、光の虹が地球を取り囲むほどの規模までに拡大すると、アクシズは奇跡的に軌道を変え、地球への落下は阻止された。
シャアと共に生死不明
シャアはグリプス戦役で連邦内部の腐敗と「地球の重力に魂を縛られた人々」に絶望した。その結果、地球に核兵器を積んだ隕石を落下させ汚染しようとしてまで、スペースノイドに地球と人類の再生を託そうとしたシャアに対し、アムロはインテリ(シャア)の理想主義の暴走で一般人が試験台として犠牲になるのを黙って見過ごすことが出来なかった。アムロとて、一部のエリートが地球からスペースノイドを支配・管理している独善を認めているわけではない、だが、アムロは人類の叡智も信じていた。それがアムロを地球連邦軍にとどまらせていたのである。
シャアにとっては単に愚民に才能を利用されているようにしか見えなかった、愚直なアムロの信念が地球を救ったともいえる。
しかし、同時にアムロとνガンダム、アクシズにめり込んだサザビーの脱出ポッドに乗っていたシャアは閃光に包まれ行方不明となる。
ガンダムUCにおいては連邦軍の公式記録で戦死したことになっており、階級も後に二階級特進され最終階級は中佐となっている。
以後の消息は語られていないが、伝説的英雄の生存を信じ続ける者は少なくなかったという。
なお「機動戦士ガンダムUC」ではブライトがラー・カイラムの艦長室にアムロの写真を飾っており、またシャアと共に戦死した事を匂わせるような描写もなされている。
「閃光のハサウェイ」ではマフティーの正体をアムロだと推測している一般市民も散見している。
なお、アムロとシャアの行方について、生みの親である富野由悠季監督は「あの二人は死んだと思ってもらって構わない」、アムロを演じた古谷徹氏は「アムロはララァのいる世界に行ったのだろうと思っています」と、それぞれ語っている。
搭乗機体
RX-78-2 ガンダム
RX-78-3 G-3ガンダム (小説版)
RX-75 ガンタンク (一時的に搭乗)
RX-77 ガンキャノン (一時的に搭乗)
FF-X7コア・ファイター
RGM-79 ジム(『機動戦士ガンダムTHEORIGIN』)
RMS-099 リック・ディアス TVシリーズ、劇場版等では唯一アムロとシャアが共通して搭乗した機体
MSK-008 ディジェ(劇場版は未登場)
MSZ-006A1 Zプラス(テスト機)
MSZ-006-3 Zガンダム3号機(グリーンダイバーズ)
MSZ-006-3 Zガンダム3号機 "ホワイト・ゼータ"
RMS-099B シュツルム・ディアス(小説版『機動戦士ガンダムΖΖ』)
MSZ-009M プロトΖΖ"MΖ-メガゼータ-"(逆襲のギガンティス)
RGM-88X ジェダ (小説『ハイ・ストリーマー』)
MSK-008R リック・ディジェ (機動戦士ムーンガンダム)
RGZ-91 リ・ガズィ
RX-93νガンダム
RX-93-2(RX-93-ν2) Hi-νガンダム (小説『逆襲のシャア ベルトーチカ・チルドレン』)
その他
パーソナル・マークは、自身のイニシャルである「A」とユニコーンを図案化したもの。
プラネタリウム映像作品「グリーンダイバーズ」に、Zガンダム3号機パイロットとして登場。
またフルCG短編『ガンダムイボルブ../』では「ホワイト・ユニコーン」のコードネームを持つ、アムロと思しき人物が登場している。
「最終兵士」
「機動戦士クロスボーンガンダム スカルハート」の一編「最終兵士」において、一年戦争における彼の戦闘データを収めた教育型コンピュータ(ラストで漂流していったコア・ファイターに搭載)から、『アムロと全く同等の戦闘能力「のみ」を有した人工合成脳』を量産するという計画が描かれている。
この『人工アムロ脳』は試作第1号が完成し、トビア・アロナクスとグレイ・ストークの2人と交戦している。
なおSDガンダム Gジェネレーションスピリッツにこの『人工アムロ脳』が登場した際、能力値は「機動戦士ガンダム」時の天然アムロとまったく同一(指揮・整備など含む)に設定されていた。
余談
今の時代でこそ『ガンダム』におけるアムロのような「内向的な性格で、自分自身の戦う理由と意義に思い悩む主人公」というキャラクター造形は一つの定型として定着しているが、それまでのロボットアニメの主人公像は「正義感に燃える、強くて明るい熱血漢」というのが通例であった当時としては非常に斬新なものであった。
演者を務めた古谷徹も他にお手本が存在しなかったことから、役作りに非常に苦労したと述懐しているが、それまで当たり役であった星飛雄馬のような熱血漢的な演技を要求され続けることに悩んでいた古谷は、アムロを演じたことで演技の幅を広げ、結果的に役者として大きく成長できたとも語っている。
『逆襲のシャア』放映時の特番では本編のアムロと古谷自身の実年齢が近くなったため、今の自分と重ねる形で演じることができたと語っている。
また、アムロのイメージが強すぎるということで、古谷徹は「ガンダム」シリーズにおいてアムロ以外の役を演じることはなかった。
だが、「機動戦士ガンダム00」でリボンズ・アルマーク(アムロ・レイのキャラオマージュ)を演じる際、正体を知られないように「蒼月昇」名義で出演し、更には劇場版で彼の遺伝子データの提供者であるE・A・レイという人物を古谷徹として演じ、同時に「蒼月=古谷」であることを公式に認めた。
なお現在、EXVSでのリボンズの担当声優は『蒼月昇(古谷徹)』と表記されている。
1stガンダムのアムロ役のオーディション最終選考で水島裕と競い、敗れた水島は「科学冒険隊タンサー5」の海波流役に抜擢された。また、「きまぐれオレンジロード」では春日恭介役をジャンプアニメフェスタ'85版を水島が、新きまぐれオレンジロードラジオドラマ版を除き、TVアニメ版以降は古谷がそれぞれ演じていた。(新きまぐれオレンジロードラジオドラマ版のみ堀川亮(現・りょう)が担当した。)
メディアミックス作品
スーパーロボット大戦・Another Century's Episodeシリーズでは
たいていの場合逆襲のシャア版で登場。個性的な味方メンバーを纏めるリーダー役、もしくは経験不足な若いパイロット達を教え導く先輩役として活躍し、他のガンダムシリーズの主人公たちに対して援護攻撃・防御時に専用のセリフを喋ることもある。逆もまた然りで、出自が軍属のキャラ(コウ・ウラキ、シン・アスカなど)は「アムロ大尉」、民間のキャラ(ロラン・セアック、キラ・ヤマトなど)は「アムロさん」と敬称付きで呼ばれる事が多く、呼び捨てにされる事は少ない。歴戦を戦い抜いた伝説レベルのパイロットということもあり、味方側のガンダム主人公からは尊敬されている。
味方で呼び捨てにするのはブライトをはじめとした旧ホワイトベース隊のメンバーや、ライバルであるシャアといった、主に一年戦争からの付き合いがある面々が多い
逆に1st設定で登場した場合は精神面での未熟さが描かれ、OEではアムロより年上である刹那・F・セイエイに気後れすると言った一幕も。
作品によっては少年アムロがνガンダムに乗ったり、逆に大人アムロがファーストガンダムに乗る場合もある(特にA PORTABLEでは序盤からの搭乗機であるファーストガンダムが強力な性能且つ戦闘アニメもかなり気合の入った出来のためνガンダム入手後もプレイヤーによってはずっとそのままアムロを乗せたまま、ということもあったりする)。
能力や成長補正が高めに設定されているため、終盤までエースとして活躍してくれる。
また、ギム・ギンガナム、ラウ・ル・クルーゼ、フロスト兄弟、リボンズ・アルマーク等の宇宙世紀作品ではないガンダムシリーズや、デューイ・ノヴァクなどのガンダムシリーズとは関係ない作品のボス敵との戦闘台詞も存在している。
隠し要素的な部分ではあるが、戦闘中に実物を見たことが無いモビルスーツを見つけて必要以上に傷つけずに鹵獲した(させた?)り、出くわした敵部隊のモビルスーツの開発経緯や制式採用競争などの裏話を解説しながら戦ったりとメカオタクな所も見せることもある。
なお、第2次・GC・XO・OEではFG版で、第3次・ZではZガンダム版で登場している(ACE:RおよびスパロボZシリーズではΖガンダム時のアムロが逆シャア時のノーマルスーツを着るという事も)。Rでは、進行シナリオによって逆シャアとZ両方登場するが別キャラ扱いのため、経験値や撃墜数の共有はされない(ブライトやナデシコのエステバリスのパイロットたちも同様)。ACE3では基本的に逆シャア版で登場するが、ガンダムまたはフルアーマーガンダムではFG版のアムロになり、セリフや口調が大きく変化する(ただし、戦闘中のイベント会話は逆シャア版のまま)。もちろん同一人物扱いのため、FG版と逆シャア版のアムロを同時出撃させることは不可能である。
また、スパロボシリーズでは第1作の時点からガンダム、マジンガー、ゲッターロボの3シリーズを合わせてスパロボ御三家としており、各作品の初代主人公同士である兜甲児や流竜馬とは初共演となった第2次ではアムロがFG版であったこともあり、旧シリーズ展開の間は「同世代の戦友」として対等な友人関係だった(実年齢として。上記の通り諸事情によりアムロのみ数ヶ月で劇的に外見が老ける)。その後の作品でのアムロは殆どが逆シャア版かΖ版での出演となり、後に竜馬もチェンゲ版での出演が中心になったことから年齢も戦歴もバラバラな作品が多くなった(上記の通りGC・XOでのアムロはFG版だったが、このときは竜馬がパイロットじゃなかった)。しかしTと30では甲児も初代アニメの約10年後を描いたINFINITY版で登場したため、旧シリーズとは異なる形ながら御三家の主人公達が再び対等な戦友同士として共演しており、実際劇中の設定における一年戦争では、第2次スーパーロボット大戦のときと同様に甲児やゲッターチームもホワイトベースに乗艦してアムロと共にジオン軍、およびミケーネ帝国やインベーダーと戦っていたということになっている。
30ではシャア共々アクシズ落としの絶望的状況から奇跡的に生還を果たすが、サイコフレームの共振が引き起こしたアクシズ・ショックの当事者であった事から地球連邦政府によって幽閉同然の扱いを受け、北米のシャイアン基地で隠遁生活を送っていた。この期間は同じく生還したチェーンを秘書としており、公私にわたるパートナーとして生活を共にしている。
しかし、基地に機械獣が攻め寄せた際に、趣味で組み上げたファーストガンダムのレプリカに乗り込み出撃。
その後は救援として駆け付けたドライクロイツの面々と共に地球圏に平和を取り戻すための戦いに身を投じる事になる。
シャア(クワトロ)とは既に逆襲のシャア原作シナリオの最後まで経てしまった(加えておそらく下記の性癖暴露までやってしまったと思われる)ことから決して関係性は良くなく、基本的に互いに接触を避けているのか直接の絡みも少なめだが、それでもアムロが窮地に陥った際には真っ先に救援に駆け付け、それに対して(当初は拒否する姿勢だったものの)アムロがシャアに礼を言うなど、これまでのスパロボにもなかったなんとも複雑な関係性として描かれている。
基本的に登場した場合はどの作品においても原作準拠の結末(MIA扱い)にはならない。
SDガンダム外伝では
騎士アムロを参照
アムロ語録
機動戦士ガンダム
- 「こいつ……動くぞ!?」
ガンダムに初めて乗り込み、コクピットのコンソールが生きているのを見た際の台詞。
- 「すごい、五倍以上のエネルギーゲインがある」
同じくガンダムに初めて乗った時に言った台詞。
ちなみに「エネルギーゲインとは何ぞや?」という疑問が視聴者からよく出てくるが、実際のところ「エネルギーゲイン」という言葉自体には特に意味は無く、わかりやすく「他のものよりすごい」という印象を持たせるための台詞だったとのこと。
- 「アムロ、行きまーすっ!!」
ガンダム発進時の掛け声であり、アムロの最も有名な台詞の一つ。
アムロを演じた古谷徹氏もお気に入りの台詞。
ただし、実際にはこの台詞は全43話中第21話の1回しか登場していない上にガンダムではなくコアファイターで発進した(「ガンダム、行きまーす!」や「行きまーす!」などの類似する台詞は度々言っている)。
- 「相手がザクなら人間じゃないんだ!」
第2話でザクにビームライフルの照準を合わせつつ発した台詞。
TV版ではこの前に生身のシャア一行に向けてビームライフルを撃ったがあまりに目標が小さすぎて全然当たらなかったシーンが描かれており、「今度は人間のような小さな目標ではないから当てられる」という意味がこめられているが、劇場版ではそのシーンがカットされているため、あたかも「相手はザクであって人間を殺しているわけではない」と自分に言い聞かせているような印象を受ける。
- 「こ、これが…た、戦い…」
記念すべきシャアとの初めての交戦にて。
シャアに先手を取られたアムロは、戦闘の高揚感と恐怖に戦慄する。
- 「殴ったね…」
- 「二度もぶった…!親父にもぶたれたことないのに!」
度重なる戦闘で疲労とストレスから疲弊し、部屋にひきこもって戦うことを拒絶したアムロが、ブライトに鉄拳制裁を受けた時に言った言葉。
激怒したアムロは「誰が二度とガンダムになんか乗るものか」と当時のロボットアニメではまずあり得ない台詞を吐いて戦闘を拒否するが、フラウ・ボゥの「 自分のやった事にうぬぼれられない人なんて嫌いよ!」という叱咤激励を受け、「悔しいけど、僕は男なんだな…」と意を決してジオンとの戦いに向かうこととなる。
ガンダムシリーズの中でも最も有名な台詞の一つであり、度々他作品でパロディやオマージュされる。
- 「ぼ、僕が…仇…?」
ホワイトベース隊との戦闘で戦死したガルマの婚約者イセリナに、初対面にもかかわらずいきなり仇呼ばわりされて。
先の戦闘で戦ったジオン軍の中にガルマがいたことなど露も知らなかったアムロだったが、自分達の戦いもまた、どこかで誰かの憎しみを生んでしまっていることを否応なく実感させられた。まあ、正確には本当の仇はガルマを陥れたシャアではあるし、撃ち落としたのはホワイトベースなのだが…。
ちなみにこのエピソードを担当した脚本家の山本優氏は、富野監督のこのシーンの演出があまりにも芝居がかり過ぎていて宝塚歌劇団のようなクサさがあって気に入らなかったという。
- 「じゃ、じゃあ母さんは僕がやられてもいいって言うのかい!せ、戦争なんだよ!」
母カマリア・レイとの再会後、難民キャンプで巡回に来たジオン兵をやむを得ず発砲してしまったことを彼女に責められて。
かつては虫も殺せない少年だった息子アムロの変わりようを嘆くカマリア、生き延びるために必死に戦ってきたこれまでの自分を否定され、母が戦争という現実を理解できていないようにしか見えないアムロ…あまりにも深い母子の断絶。結局、和解しないままアムロはカマリアの前から去り、再びホワイトベースに乗り込んで戦いへと赴くのだった。
初期の富野監督作に多く見られる「家族だからといってわかり合えるとは限らない」という家族愛へのアンチテーゼの代表例である。
- 「僕が一番、ガンダムを上手く扱えるんだ!!」
ランバ・ラルの駆るグフを死闘の末に撃破するも、勝手にガンダムを持ち出してホワイトベースを飛び出した罰として営倉に入れられるアムロ。
営倉の中で屁理屈言いまくるアムロに、次から次へと厳しい言葉を浴びせかけるホワイトベースのクルー達。押し潰されそうな自尊心、ガンダムの操縦についての自惚れ…受け入れがたい現実に向かって、絞り出すようにアムロは叫ぶ。
これまたアムロの有名な名台詞の一つであり、古谷氏の感情を爆発させた演技がとにかく素晴らしいワンシーン。
- 「僕は…あの人に勝ちたい!」
上記の台詞の直後に発した台詞。
泣き崩れた後、ラルから「小僧、自分の力で勝ったのではないぞ!そのモビルスーツの性能のおかげだということを忘れるな!」と言われた事を思い出し、アムロの瞳に火が灯る。
それまで「生き延びる」ことしか戦いに意味を見出だせていなかったアムロが、乗り越えるべき壁を得た瞬間。
- 「ヒャッホーゥッ!」
マチルダとの集合写真を手にして。
大人の女性に憧れる年頃の少年らしさが垣間見えるワンシーン。
- 「マチルダさーん!」
ホワイトベースクルー全員が名誉の戦死を遂げたマチルダ中尉に敬礼する中、憧れの女性の死に悲しむアムロは心中で何度も彼女の名前を呟き叫んだ。
- 「二階級特進だけで…それだけで、おしまいなんですか!?」
戦死したリュウ・ホセイの処遇を聞いて。
戦死した軍人の二階級特進は現実でも軍隊においては通常の措置ではあるのだが、アムロには仲間の死に対する対応としてはあまりにも冷たくそっけないものに感じられた。
- 「小さい子が人の殺し合い見るの…いけないよ…」
カツ、レツ、キッカの三人を連れていくかジャブローに残していくかの議論で、ボソッと呟いた言葉。
何度もの死線をくぐり抜けてきたアムロだからこそ言える、重みある一言。
ただし、この時のアムロも子供といえる年代なので、その事を考えると皮肉になっている。
- (こ、こんな古い物を……父さん、酸素欠乏症にかかって……)
酸素欠乏症にかかって精神に異常をきたしたテム・レイからガンダムの部品なるものを渡されて。
- (そう、知っている…。ぼくは、あなたを知っている…)
中立コロニーのサイド6にて、ドライブ中だったララァ・スンとシャアの乗った車と接触事故を起こした際、シャアから助けられて。
今まで何度も戦ってきた宿敵との初めての生身の状態での対面。しかし、アムロはシャアが名乗るよりも先に彼がシャアであることを理解できていた。一方、シャアの方もアムロがガンダムのパイロットだとは全く知らなかったが、既に彼を知っているような奇妙な感覚を覚えていた。
- 「あ、圧倒的じゃないか…!」
ソロモン攻略戦にて、MSどころか連邦艦隊からの砲撃すらものともしないビグ・ザムの絶大な力を見て戦慄する。
- 「やったなあああああッッ!」
ビグ・ザムに捨て身の特攻をかけて散っていったスレッガー・ロウの死を目の当たりにして。
アムロは凄まじい気迫と共にビグ・ザムにビームサーベルを突き立てた。
- 「信じるさ、君ともこうして分かり合えたんだから。人はいつか時間さえ支配することが出来るさ…!」
ララァの駆るエルメスと交戦する中、アムロは彼女との互いのニュータイプ能力の共鳴で理解を深めるも、シャアの介入を受ける。
そして既にパイロットとしてもニュータイプとしてもシャアを凌駕していたアムロは、逆にシャアを追い詰めてとどめを刺そうとするが、彼を庇ったエルメスを刺し貫いてララァを殺してしまった。その瞬間、ララァの思念が爆発。アムロとララァは「刻」を形象として垣間見る…。
- 「僕は……取り返しのつかない事をしてしまった…!」
心ならずもララァを殺してしまい、号泣するアムロ。
以降のアムロとシャアにとって、この出来事は一生消えない傷となり、二人の人生に深い影を落とすことになる…。
- 「光と、人の命が溶けて行く…!あ、あれは…憎しみの光だ!」
レビル将軍とデギン・ソド・ザビ公王の和平調停を狙ったソーラ・レイの発動を察知したアムロ。しかし、時既に遅く…。
- 「やるしかないのか…な、なぜ出てくるっ!」
ア・バオア・クー攻略戦にて、シャアのジオングと対峙する中に訳もわからず突っ込んできたジオン学徒兵の乗るザクに対して。
ガンダムに押されたザクはジオングのメガ粒子砲の巻き添えを食らう。
名も知れぬ学徒兵は「か、母さん!」と叫びながら炎に灼かれて消えていった…。
この学徒兵には『ミッシングリンク』で名前が付いた。
- 「こう近づけば四方からの攻撃は無理だな、シャア!」
- 「何故ララァを巻き込んだんだ!?ララァは戦いをする人ではなかった!」
互いにニュータイプ能力を全開にして死闘を繰り広げるアムロとシャア。
ジオングのオールレンジ攻撃を封じるために懐に飛び込んだアムロは、ララァを戦場に連れてきたことを責め立てる。
- 「まだだ!たかがメインカメラをやられただけだ!」
ついにジオングの胴を撃ち抜いたガンダムだったが、ジオングはコクピットのある頭部を分離させて反撃、ガンダムの頭部を破壊する。
アムロの有名な名台詞の一つ。頭部が無くなったからといって機体を動かせなくなるわけではないという、ガンダムがあくまでも兵器であることを強調した一言。同時に富野監督による当時のヒーローロボットへの皮肉とも取れる。
ただ、以前にガンダムに無断搭乗したセイラがメインカメラを破壊された際に大いに混乱し恐慌していた事を考えると、アムロの凄まじい感知能力と肝の据わりようが窺える。
- 「貴様だって…ニュータイプだろうに!」
シャアの「ニュータイプは戦場では強力な武器になる」と言う言葉を受けて。
互いに乗機を失ったアムロとシャアは、ア・バオア・クー内部にてフェンシングによる生身の白兵戦を展開し、相打つ形で決着。その際、ララァの残留思念が介入し、最後の最後で二人はニュータイプとして意思を通じ合うが、結局歩み寄ることは無かった…。
- 「ごめんよ…まだ僕には、帰れるところがあるんだ…こんなにうれしい事はない……わかってくれるよね?ララァには、いつでも会いに行けるから…」
最終回を締めくくった最後の台詞。
ララァの残留思念に導かれたアムロは、自らも思念でホワイトベース隊を導き脱出させた後、カツ、レツ、キッカの誘導で燃えるア・バオア・クーからコア・ファイターで脱出を果たす。ララァの言葉通り、ニュータイプ能力を人殺しの道具にするのではなく、誰かを助けるために使ったのだった。
機動戦士Ζガンダム
- 「ここの生活は地獄だよ…」
軟禁生活を送っている中、久々に再会したカツから「あなたは、ここの生活がなくなるのが怖くって、軍の言いなりになってるんでしょ?」と問い詰められて答えた返答。
実際、アムロは現状に不満を抱いてはいたが、カツの言う通り結局はこの生活が崩れるのが嫌なのであった。7年間にも及ぶ軟禁生活は、アムロをかつてのコンプレックスと言い訳だらけの少年へと退行させてしまっていた。
- 「下がっていろシャア!」
一念発起して軟禁先から脱出し、奪った輸送機でブラン・ブルタークのアッシマーに特攻をかけてクワトロ・バジーナ(シャア)達の窮地を救った際に。
アムロもクワトロも互いの姿を視認していないにもかかわらず、彼らはお互いを感知していた。かつて敵対していた二人が、今度は共闘する立場となって再会するというファン歓喜のワンシーン。
- 「俺は…ガンダムのパイロットだったんだ…!」
無断出撃してしまったカツを追って出撃しようとしたアムロをハヤト達が止めた際に発した台詞。
実際のところは、ブランクから恐怖に駆られて動けなくなってしまっていたのが真相。彼の復活にはまだ時間が必要である事を物語っていた。
- 「行きたくはない。あの無重力帯の感覚は怖い」
クワトロの「君も宇宙(そら)に来ればいい」という言葉を受けて。
すかさず、クワトロに「ララァに会うのが怖いのだろう?」と言われると、アムロは「喋るな!」と立腹するのであった。
- 「後ろにも目をつけるんだ!」
カミーユと共闘して、ブランが駆るアッシマーと交戦した際のカミーユに対するアドバイスの一つ。
ベルトーチカ・イルマの激励とクワトロの叱咤もあり、戦いの中で歴戦の勇士としての勘を取り戻したアムロは見事に復活。アッシマーをリック・ディアスで見事に討ち取った。
しかし、アムロのニュータイプパイロットとしての卓越した感性を示す台詞ではあるが、同じニュータイプであるカミーユならともかく、常人にしてみれば無茶な話である。
- 「人の善意を無視する奴は一生苦しむぞ!」
TV版、カミーユを宇宙に戻そうとした時の台詞。全くもってその通り。
フォウ・ムラサメが命懸けでスードリのブースターを使ってカミーユを宇宙に上げようとしていることをいち早く感知したのは、カミーユではなくアムロの方だった。
それまで人一倍周囲を振り回し、そして振り回されてきたアムロが言うだけに色々と含蓄があり過ぎる台詞。
- 「人身御供の家系かもな…」
TV版、正体を明かしてのダカール演説の後「これで私は自由を失った」と寂しそうにつぶやくシャアに「誰かが人身御供にならなければならないんだ」と言い、さらに「私は人身御供か?」と冗談めかして返すシャアをからかって。
良い意味で遠慮のない会話であり、この直後にはお互い微笑を浮かべながら乾杯するなど、視聴者に2人の和解を印象付けたシーンだったのだが…。
- 「地球のことは任せてほしい、シャア・アズナブル」
- 「変えてくれたのは、あなただよ」
TV版、軌道上に待機するアーガマと合流するために再び宇宙に戻るシャアとカミーユを見送る際の、シャアとの会話にて。
これがΖにおけるアムロとシャアの最後の会話となった。次に邂逅することになる6年後、まさか再び敵同士として戦うことになろうとは…。
機動戦士ガンダム 逆襲のシャア
劇中冒頭、フィフス・ルナでの戦闘時、人類の粛正を掲げるシャアに対する否定の言葉。
アムロの有名な名台詞の一つであり、実生活でも汎用性が高い。
- 「チェーンがチャーミングすぎるからさ」
オクトバーにラー・カイラムのクルーだと信じてもらえなかったのを愚痴るチェーンに対して。
かつては女性に奥手だったひきこもり少年は、さりげなく女性を口説くこともできる立派な大人の男へと成長していた。
- 「純粋だと!?」
夢の中でララァの幻影に翻弄されるアムロ。「永遠にアムロとシャアの傍にいたいだけ」というララァにアムロは「シャアは否定しろ」と反駁するも、彼女は「シャアは純粋だ」と告げる。
- 「俺たちと一緒に戦った男が何で地球潰しを?!」
ロンド・ベル拠点のスペースコロニー・ロンデニオンで偶然鉢合わせしたシャアに対して言った台詞。Z時代の彼らのやり取りを考えると感慨深い。
- 「人間の知恵は、そんなものだって乗り越えられる!」
鉢合わせした後アムロとシャアは殴り合いに発展。その際シャアから「地球は人間のエゴ全部を飲み込めやしない!」と言われて人類を信じているアムロが返した台詞。
この言葉に対してさらにシャアは「ならば今すぐ愚民ども全てに英知を授けてみせろ!」と言い返し、アムロも「貴様を殺ってからそうさせてもらう!」と言い返すという、まさに売り言葉に買い言葉とはこのこと。
殴り合いの末にアムロはシャアに対して銃を向けるが、既にアムロに幻滅していたクェスはこれが原因でシャアの元へと行ってしまうことに。
- 「そんなことじゃハサウェイだって死人に引っ張られるぞ!!」
シャアによって戦闘マシーンに変えられつつあるクェス・パラヤを取り戻そうと躍起になるハサウェイに対して。
ララァの死だけでなく、フォウとカミーユの件も踏まえたアムロなりの警告。そしてこの発言は、後に現実となってしまう。
- 「敵意が無邪気すぎる。シャアじゃない。あの男でもない」
- 「子供に付き合っていられるか!」
これまでシャア、ギュネイなどのニュータイプとの戦いをくぐり抜けてきたアムロにとって少女クエスの乗るaアジールの行動は非常に分かりやすく、子供の遊び相手のような感触だったのだろう。
- 「情けない奴ッ!」
アクシズが地球へ向かって始動し、遂に始まったアムロのνガンダムとシャアのサザビーの最終決戦。凄まじい射撃戦の末に互いにファンネルとライフルを失い、ビームサーベルを抜いて激しく斬り結びながら、シャアに「ララァが死んだ時のあの苦しみ!存分に思い出せ!」と言われて。
ララァの死のトラウマを振り払おうと必死に足掻いてきたアムロにとって、未だララァの死に固執し、彼女を戦場に連れてきた自らの責任を棚上げして一方的に恨みをぶつけて来るシャアは、ひどく情けないものに見えた。だが、シャアほどではないにしろ、アムロもまだララァの死から抜け出し切れておらず、今のシャアの姿はどこか自分を見せつけられているような居心地の悪さもあったのかもしれない。
- 「世直しの事、知らないんだな。革命はいつもインテリが始めるが、夢みたいな目標を持ってやるからいつも過激な事しかやらない」
- 「しかし、革命の後では、気高い革命の心だって、官僚主義と大衆に呑み込まれていくから、インテリはそれを嫌って世間からも政治からも身を引いて世捨て人になる。だったら…!」
アクシズ内部、シャアとの生身の白兵戦でのシャアに対する痛烈な批判。
富野流の革命・インテリ批判の代表例として採り上げられる事がある。「革命=人類の革新」と解釈するのであれば、ニュータイプの代表たるアムロ直々のニュータイプ批判として読む事が出来るであろう。これは、貴族でありながらコスモ貴族主義を批判したベラ・ロナや、後のD.O.M.E.の発言を先取りするものと言えるかもしれない。
なお、この台詞を言っている間、アムロは的確かつ素早く通路の各所にトラップを仕掛けており、彼がMSパイロットとしてだけではなく、兵士としても優秀な人物に成長していることが窺える。
- 「このくらいッ!」
- 「シャアッ!!」
アクシズ内部から再びMSに戻っての戦闘。決め手であったビームサーベルも失った2機の戦いは、とうとう徒手空拳による壮絶なドつき合いに発展する。
アムロの超絶的操縦技量の前に、シャアは圧倒され追い詰められていく。
- 「たかが石っころ一つ、ガンダムで押し出してやる!」
- 「貴様ほど急ぎすぎもしなければ、人類に絶望もしちゃいない!」
アクシズを押し返す時の台詞。
ブライト達の奮闘によってアクシズを分断することには成功したものの、爆発の威力が強すぎて割れたアクシズ後部が地球へと降下を開始してしまう。アムロはシャアの乗ったサザビーのコクピット・ポッドをアクシズの壁面に押し付け、νガンダムでアクシズを押し返そうとする。それは自殺にも等しい無茶な行為だが、アムロの愚直なまでの信念の顕れでもあった。
- 「νガンダムは伊達じゃない!!」
アクシズを押し返す時の台詞。
アムロの最も有名な伝説的名台詞の一つである。
- 「馬鹿にして…!そうやって貴様は、永遠に他人を見下すことしかしないんだ!」
アクシズが地球に近づいて赤熱化する中、シャアから彼がサイコフレームの情報をロンド・ベル側にリークした真意を暴露されて。
「アムロと対等の条件の下で決着をつけたかった」というシャアの動機は、アムロにとっては「対等の条件の下でアムロに勝利することで自分の強さと正しさを証明し、アムロを見返したかった」というシャアの独りよがりな自己満足としか思えなかった。
だが、このシャアのちっぽけなプライドの顕れとも言える行為が、皮肉にも地球を救う鍵となる…。
また、小説『ハイ・ストリーマー』では少々台詞は異なるものの同様のやり取りがあるが、シャアもアムロの指摘を受けて「自分でもそう思うよ!」と自嘲すると共に、対等の条件で決着を付けたいというだけではなく、アクシズを落とそうとする自分自身に恐怖してそれを止めてもらうためにアムロにサイコフレームが渡るよう手配したという複雑な内心を明かしており、こちらではシャアの思惑通り地球を救う鍵になった事になる(さすがにサイコフレームによってアクシズ・ショックが起きたのは想定外だったとも言っているが)。
後年の非宇宙世紀作品でも最終決戦で似たような発言をしたガンダムパイロットが登場しているが、それは主人公ではない。しかし、言われた側は一応シャアのオマージュキャラである。
- 「だから、世界に人の心の光を見せなけりゃならないんだろ!」
チェーンのサイコフレーム試材はまるで彼女の意志を宿したかのように宙域を飛び回り、アムロの「アクシズを止める」という意思を広げていく。それに触発され統一を促された地球圏の人々の無意識の想念が、νガンダムとサザビーのサイコフレームを媒介に集積、オーバーロードを起こして巨大な虹色の光として発現する。それはまさに、人の心が本来持つ力そのものによって齎された奇跡の光であった。
その光の中に確かな温かさと安らぎを感じつつも人類への絶望を棄てきれないシャアに対し、アムロはだからこそこの輝きを世界に示さなくてはならないと叫ぶ。
- 「貴様ほどの男が、なんて器量の小さい!」
この期に及んで「そういう男にしてはクェスに冷たかったな」と揚げ足取りをしてきたシャアに、自分ではクェスの求めていたような父親代わりにはなれなかったからだと認め、逆に優しく接するフリをして彼女を戦闘マシーンに仕立て上げたシャアを責め返すアムロ。
しかし、シャアは自分がなぜクェスにそのようなことをしてしまったのかをここでアムロに指摘されるまで全く自覚できておらず、アムロはこの言葉でシャアをなじる。このようなことを言ったのは、アムロがシャアを器量の大きく大義によって動いている人間だと思っていたからだろう。だが、現実はそうではなかった。
- 「お母さん…?ララァが!?」
ラストシーン、最期の台詞。シャアの「ララァ・スンは私の母になってくれるかもしれなかった女性だ。そのララァを殺したお前に言えたことか!!」という言葉へのリアクション。
シャアに戦闘で勝利し、口論でも論破し続けてきたアムロだったが、長年のライバルの突然の性癖(?)の暴露に対してはただただ驚き、オウム返しするしかできなかった。
直後、コクピットをサイコフレームの光が包み、これを最後にアムロとシャアは宇宙世紀の歴史からその姿を消した…。
「他者との相互理解」を本質とする筈のニュータイプの中でも稀代の存在であったシャアとアムロの最後のやり取りが、女絡みの恨み節の応酬による相互否定(口喧嘩)であり、その最後の言葉が相手を真に理解できていなかった・理解が追いつかなかったという断絶の言葉であったという点が実に皮肉である。
機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ
- 「身構えている時には、死神は来ないものだ。ハサウェイ···」
敵機により自らが操るΞガンダムが潰されそうになるマフティー・ナビーユ・エリン(ハサウェイ)の脳裏に聞こえてきた台詞。
この言葉を受けたマフティーは「言われなくてもぉっ···!」と奮起し、反撃ヘ移るのであった。
PVのラストにもアムロと古谷氏の名前がある。
詳しくは該当記事へ。
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- 地球連邦軍
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