キャラ概要
秘密結社ゲゼルシャフトの私兵たちの総称。“私兵たち”というのは、ゲセルシャフトの幹部にして彼らの上司であるアドラーを元にしたクローンであり、大量生産されているためである。OPの絵でも多くのゾルダートが登場していたり、唯一ストーリーで同キャラ対戦があるのもその設定のため。
製造方法は不明だが、ストーリーモードで登場する個体の「俺たちに親はいない」という台詞から、代理母体による出産ではなく培養装置のようなものを使用していると思われる。
総称の「エレクトロゾルダート(Elektro-Soldat)」とは、ドイツ語で「電気の兵隊」という意味であり、その名が示す通り装備された『電光機関』を使って強力な電気エネルギーを操る事が出来る。
しかし、『電光機関』を使用するには装着者の「アデノシン三リン酸(ATP)」を無理やりに消費しなくてはならず、「ATP合成酵素」を大量に生み出す特定細胞群を保有する適合者以外が使うとなると寿命を著しく削ってしまい、やがては吐血して死に至る。その問題を数で解決しようとして生み出されたのが彼ら。要は、特攻兵器にして捨て駒の扱いである。更に作中を見る限り、負傷し戦えなくなった個体は電光戦車の生体材料に使われているようである。
また、大量生産されたクローン兵士という設定から、ロボットのような無機的・没個性な印象を持たれるが、少ないながらも個体差はある。基本的には上司や組織に忠実かつ愛国心が強く、外部の人間や敵対者には排他的かつ攻撃的という共通性質を持つ。
しかし、何らかの精神的・外的要因などが引き金となり独特の個性が生じ得るという、ある種の突然変異のような事例もある(後述参照)。
ゲームでは
『アカツキ電光戦記』
プレイヤーが操作する個体のストーリーでは、アカツキが所持する『電光機関(オリギナール)』奪取の任務を受け活動。アカツキを撃破し順調にオリギナールを手に入れた後に、自分たちの生みの親とも言える不律との遭遇が彼の精神に多大な影響を及ぼしたようで、ゲゼルシャフト帰還後には明確な個性が芽生え反逆。
「フン、敗北主義者どもが……。丁度いい、貴様らで試してやる」
「やめておけ……オリギナールを得た俺には勝てぬ」
その個性は同胞や上司に対しても高圧的な態度を示し、更にはゲゼルシャフトの総帥がドイツ人ではないムラクモである事を不服とし、彼に代わって自らが頂点へ君臨する事を狙う、野心に溢れた何処かの誰かさんにそっくりなものであった。ムラクモによれば、複製體(クローン人間)にこれ程の強い個性が育った前例は無かったようである。
……しかし、本質部分で同じためなのか、なんでロボットやクローン人間はこうも余計なところばかりオリジナルに似るのか。別ゲームでは逆に似ても似つかない奴がいるが。
そのエンディングではムラクモを倒し、組織乗っ取りに成功する。
ところが、オリギナールを得た事でパワーアップを果たした代償に、自らに限界があるという事実に気付かないまま『電光機関』を酷使した事で身体が耐え切れずに吐血(AC版では吐血の描写はなし)して倒れ、そのまま死亡。
追い討ちを掛けるように、彼の死から数ヵ月後にムラクモは何事も無かったかのように転生によって復活するという、見事なまでのバッドエンドであった。
『エヌアイン完全世界』
ゲゼルシャフトは既に壊滅しているが、完全者率いる新聖堂騎士団の私兵としてエレクトロゾルダートの生産は続行されていた。本作でプレイヤーが操作する個体もその一人である。また、ストーリー中の会話において、前作にて個性が芽生えた個体の話題が出ている。
なお、他のキャラクターと同じくカットイン画像や服装が変わっている。前作の何処となく無機的な印象から一変して、目元を中心に整った全体的に明るい雰囲気の耽美形な顔立ちになった。
プレイヤーが操作する個体も、当初は騎士団の忠実な私兵として活動していたが、エヌアインとの接触と彼からもたらされた情報が引き金となり、前作同様に独自の個性が芽生えた。この個体の行動目的は私欲目的であった前作の個体とは異なり、『電光機関』によって長くない命である自らと同胞を救うためであり、それを実現する可能性を秘めた古代遺産を求めていた。後にヴァルキュリアを倒し、エンディングでは自身の余命がほとんど残されていない中、同胞を救うために崩壊間近の遺跡へと趣いている。
「俺はそれに賭ける――」
その結末は定かではないが、前作とは逆に僅かながらも希望の残るEDを迎えている。
キャラクター性能
キャラ性能はガイルのようなスタンダードタイプのタメキャラ。必殺技も隙の少ない飛び道具と無敵対空技の2種類のみだが、本体性能が良くこちらもガイルと同じく通常技や特殊技が強力でコンボ、固め、牽制など色々な用途に使える。
反面、3ゲージ消費技の「ブリッツボンベ」の火力が他のキャラの3ゲージ技と比較すると異様に低い事や、崩しの性能がイマイチという欠点がある。
しかし、総じて高いバランスで整った性能から、初心者やタメ技に慣れていないプレイヤーにも扱いやすいキャラクターである。
ちなみに『エヌアイン完全世界』では連鎖攻撃(所謂チェーンコンボ)用に幾つか新規に書き起こされたスプライトがある。…それでもキャラランクはあまり変わらないのが悲しい。
余談
戦闘中に叫ぶ「アーイ!」「イィィヤッ!」「シュテルベン!」などの個性的で耳に残るボイスがプレイヤーの心を掴み、今や電光戦車に並ぶアカツキシリーズのアイドルキャラとしての地位を確立。オリジナルであるアドラーと同等かそれ以上に、多くのプレイヤーから萌えキャラとして愛されている様子。アドラー隊長の方は専ら色物扱いなのに。\シャイセ!/
関連イラスト
左が『アカツキ電光戦記』、右が『エヌアイン完全世界』でのゾルダート。
左画像の中央、右画像の右端が彼らの上司であるアドラー。
カメラード(戦友)である電光戦車。彼ら同様に人命を糧とした特攻兵器。