降り立つ気高き神秘!キュアマジェスティ!
CV:古賀葵
概要
『ひろがるスカイ!プリキュア』に登場する追加キュアで、チームの中では5人目のメンバーとなる。スカイランドの王女であるエルが変身する。イメージカラーは紫。
初登場は第31話。
アンダーグ帝国の刺客であるスキアヘッドに捕えられ帝国へ連行されたエルが、自分を救うためにソラ達が死闘を繰り広げているのを目の当たりにし、彼女達を守りたいと強く願った時、その祈りに答えるように姿を現し、自ら「キュアマジェスティ」と名乗った。
キュアマジェスティと交戦したスキアヘッドは脅威を感じて自主的に撤退。それと同時にマジェスティも姿を消したが、代わりに捕えられていたはずのエルがソラ達の前に戻ってきた。
第32話で、エルが「える、きゅあまじぇすてぃなの!」と自ら明かした。
ソラ達は驚愕したが、エルは普通の赤ちゃんではないことが既に判明していたため、あっさりと受け入れられた。
初登場時はスカイミラージュを使用することなく「ひろがるチェンジ」と唱えただけで瞬時に変身したが、赤ちゃんに戻ったエルは、なぜ自分がプリキュアに変身したのかよく分かっていなかったため、もう一度マジェスティに変身しようとしても上手くいかない状態になっていた。
しかし、試行錯誤の末「みんなを守る」という気持ちを自覚したことで、エルはミラージュペンを手にし、以降は自由に変身できるようになった。
赤ちゃんが変身するプリキュア
シリーズでは初となる、「赤ちゃんが変身するプリキュア」である。
赤ちゃんだったキャラが変身する前例はキュアフェリーチェやキュアトゥモローなど、プリキュア内外問わず数多くいるが、マジェスティの場合は少女の姿に成長してから変身するのではなく、変身する際に一時的に少女の姿になる。
このため、変身バンクは他の4人と異なり、「ミラージュペンのスカイミラージュへの変形」ではなく、「エルが少女の姿になってスカイミラージュを手にする」ものになっている(ただし、同時変身ではカットされてしまうため、何も知らずに見るといきなり別キャラが現れたように見えるかもしれない)。ある意味二段変身である。
変身後は淑女らしい落ち着いた雰囲気になり、カーテシーをする、着地の際はふわりと音を立てずに着地、時折髪を払う仕草をするなど優雅なふるまいを見せる。一人称が「エル」から「わたし」になって流暢に話せるようにもなり、口数こそあまり多くないが(後述する出来事が起こる第47話以降から口数が増えた)、その言動には元が赤ちゃんらしい純真さをのぞかせる。相応に背伸びしたくなるのか、第39話では、キュアスカイの子供染みた言葉に大人ぶって「うんうん」と頷いたり、ヨヨからもらったお菓子が赤ちゃん用である事に不服そうな場面もあった。
また、以前プリズムがスカイに投げかけた言葉をそのまま口にする等、エルの時に聞いていた言葉ははっきり覚えている。
その特異性ゆえ、当初は「エルちゃんを危険な目に遭わせたくない」「戦いに巻き込みたくない」というキュアプリズムの気持ちが余りにも強過ぎたため、後述する合体技を発動することはできなかった。
第47話以降は変身前でも成長した姿が基本となるが、空腹になると赤ちゃんの姿に戻ってしまうため、「赤ちゃんが変身するプリキュア」というスタイルは最後まで変わらなかった。
容姿
エルがミドルティーンにまで急成長したような姿になっている。『アニメディア』2023年10月号の記事によると、キュアマジェスティの年齢イメージは「ソラ&ましろとあげはとの間くらい」で、肉体年齢としては高校生に相当すると思われる。
髪型はウェーブのかかったツインハーフアップ。唇には薄ピンクのリップをつけている。
コスチュームは、女王が着るドレスに似たデザインになっている。頭の飾りも王冠を思わせるデザインが施されている。また、他の4人のコスチュームとそれぞれ似た部分があり、他の4人からの影響と絆を感じさせるものになっている。
スカートの裏地には一番星が描かれており、他にも至るところに同じ星の意匠があるため、恐らく「夜の星空」をテーマにしていると思われる。
足元は足首までのニーハイソックスに低いヒールを履いている(ルビースタイルマジカル以来のケース)。
なお、髪に隠れて見えにくいが、イヤーカフを両耳に着けている。変身バンクでははっきり強調されているため、それで初めて気付いたという視聴者もそれなりにいた。プリキュアにしてはかなり刺々しいデザインになっており、後述するように何かの伏線と見た視聴者もいた。
戦闘能力
それまでプリキュア達が苦戦していたスキアヘッドや巨大化したミノトンとタイマンで渡り合うほどのパワーとタフネスと格闘能力を持つが、真っ向から間合いに飛び込むスカイ等とは異なり、その戦闘スタイルは「瞬間移動めいた速さで一気に懐へ飛び込んだり死角に回り込んだりして重い一撃を的確に叩きこむ」という、優雅にして峻烈なもの。
並大抵の攻撃なら、最低限の動きだけで回避したり素手で弾いたりできてしまう。
しかも電撃を駆使する力を持つ様子(現状は掌で直接相手に叩きつけるような使い方をしている)で、小さいながらもバリアのような使い方で攻撃を防御する事も可能。
超パワー・光属性攻撃・スピード・バリアと、実質他の4人のいいとこ取りである。他の4人それぞれの得意分野では一歩劣る面こそあるが、そのオールマイティさは他の4人を追いかけてプリキュアになったエルらしい能力と言える。このため、4人の誰と組んでもしっかりした連携ができる。
また、ソラの百裂拳めいた挙動を完コピしているところから、学習能力も高い様子。
スキアヘッドによると、その力にはまだ底知れぬものがあるようだ。
登場してからしばらくは個人の浄化技を持っていなかったが、初登場時はスキアヘッドのバリアを吹き飛ばした余波で浄化にあたる現象を起こしている。現に、一時は破壊されたあげはの愛車が元に戻っている。
第33話で『マジェスティクルニクルン』を入手してからは、全員での合体技である、「プリキュア・マジェスティックハレーション」の中心を担う事になり、ストーリー最終盤の47話にてようやく個人の浄化技が使用可能になった。
このように高い戦闘力を秘めたキュアマジェスティであるが、当初は単独の浄化技を持っていなかったため、実は単独で敵を倒した事は47話までなかった。第34話から登場したキョーボーグには敵わないようでフルパワーの攻撃を受け止めようとしても力負けしてしまう(ただし、回を重ねるに連れて単なる力押しはせず連携を重視するようになっており、徐々に学習してきている様子はある)。戦術ではやや未熟で相手の攻撃に反応が遅れることがあり、ダメージを受けてしまったり仲間に守ってもらう場面も多い。
相応に体力を消耗するのか、戦闘後強制的に変身解除され、そのまま眠ってしまった事もある(ただ、変身解除になって眠ってしまったのは第32話のみであり、まだ戦いに慣れていなかったためとも考えられる)。
以上の点から、「未成熟ながら高いポテンシャルを持ち成長していく、赤ちゃんらしさ」と「仲間達を繋げる要石となる事で真価を発揮する、これまで仲間達を繋げてきたエルらしさ」を併せ持ったプリキュアと言えるだろう。
謎
これまでにも、プリキュアではあるがその存在そのものが作品の謎の一つとなっていた追加キュアはいたが、キュアマジェスティは歴代の追加キュアの中でも特に異質かつ多くの謎に包まれた追加キュアとなっている。
敵側との関係
第32話では、エルは自分がプリキュアに変身できるなんてそれまで知らなかった事が明示されているが、一方でアンダーグ帝国の女帝カイゼリン・アンダーグと側近のスキアヘッドは「エルがプリキュアになる」事を事前に予測していて、それが帝国の運命を左右すると警戒していた事も明かされており、マジェスティへの覚醒後は、エルを誘拐対象から他のプリキュアと同様に抹殺対象に切り替えている。
しかし、黒幕の真の目的を踏まえると「最初から彼女の正体を知った上で覚醒するように仕向けていた」と考えられる。
また、マジェスティはカイゼリンとも類似している面が多い。どちらも電撃を操り、刺々しい装飾を身に着け、ドレスの中心にはハートマークがある。
しかしこれは、どちらかというとカイゼリンの方がマジェスティに近かったというのが真相であり、秘められていたカイゼリン本来の気質を示す伏線になっていたといえる。
伝説のプリキュアとの関係
後に登場した伝説のプリキュア・キュアノーブルとは容姿が似ているだけでなく、名乗りも同じ。変身者も300年前のスカイランドの王女「プリンセス・エルレイン」である。
ある理由により、第47話にて彼女の力を継承する事になる。
具体的な関係については各個別記事にネタバレがあるので注意。
持ち技
第47話にて披露。キュアノーブルのプリキュア・マジックアワーズエンドを継承したもの。ヒーローガールならぬヒーロープリンセスとも言うべきなのかウィング、バタフライ同様ひろがるの部分を伸ばさずに発声する。
同じく第47話にて披露。エルレインから継承した力で使用可能になった防御技。
元々はキュアスカイの技だが、最終話にて彼女との合体技として使用。
事前の予想
放送開始時点から数多くのグッズでエルが他のプリキュア変身者達とほぼ同格に扱われていたり、本編でもえるたろうを始めとした伏線がしっかり張られ、後期EDのサビ前部分で登場するプリキュア達をイメージした流れ星の中に紫色の5つ目が混ざっている事から、「エルが追加キュアになる」と予想する声は早くからあった。一方、10年前のキュアエースこと円亜久里の様に全くの新キャラが登場する可能性を予想する声もあった。
最終的に変身者はエルで確定はしたが、さすがに赤ちゃんのまま変身すると予想できた視聴者は少なかったようだ。
余談
- 名前と色
マジェスティとは「尊厳」「威厳」を意味する言葉で、ユア・マジェスティ(Your Majesty)で「陛下」の敬称になる。
また、紫はかつて原材料が希少で高価な色であった事から王族など高貴な身分の人々が好んだ歴史があるため、「ロイヤルパープル(日本語では貝紫色)」という紫があるほか、英語には「王家の生まれ」を意味する「born in the purple」という慣用句もある。
まさに王女であるエルにふさわしいネーミングとイメージカラーと言えるだろう。
ニンテンドースイッチ用のゲームにおける、キュアマジェスティとお話ができるモードでは、マジェスティという言葉には「おうぞく(王族)」という意味がある事を本人から教えてもらえる。
余談だが、「マジェスティ」の名称はプリンセスを題材にした『Go!プリンセスプリキュア』でも「ロイヤルマジェスティ」として使用されている(企画段階では最終フォームとしての名称だったが、諸事情でロイヤルドレスに差し替えられ、本編ではホープキングダムに移動するワープ呪文として使用されている)。
- 登場時期
『ドキドキ!プリキュア』以降、追加メンバーの加入時期は夏で固定されていた中、秋に加入するパターンは『スイートプリキュア♪』のキュアミューズ以来、実に12年ぶりである。
もっとも、前述のキュアミューズおよびキュアムーンライトはメンバーとしての正式加入の時期が秋というだけで、実際にはストーリー序盤から登場しているため、純粋に秋に初登場した追加戦士はマジェスティが初であり、メインキャラクターとしては最も遅いタイミングでの登場となる。
第32話(9月10日放送)からはEDにて初登場。同時に公開された新予告でプリキュアオールスターズFにも登場する事も明かされた。
第33話(9月17日放送)からは、OPにも初登場。ただしOPにおいて戦闘シーンはない。
第34話で初めて全員揃っての名乗りに参加したが、販促期間の関係もあってか、全員揃っての変身は第37話からとなる(第36話ではスカイとプリズムとの同時変身を行っている)。
- 他の4人との違い
追加キュア故か、他の4人と共通しない点がいくつか見られる。
まず前述の通り、名前とイメージカラーに空に繋がる要素は皆無である。
また、変身直後のウインクも他の4人が口を開けているのに対してマジェスティは口を閉じており、他の4人より上品さが際立つものになっている(しかしウインクしている目はプリズム以外の3人と同じ左目)。
- 並び順
近年の追加キュアは名乗りなどでの並び順が主人公の隣になる事が多いのだが、マジェスティの場合は基本的にキュアウィングの左隣で一番左端。3代前の追加紫キュアと同じパターンだが、モチーフ的には右からちょうど夕暮れから夜という並びになる。これは、体格差による見映えも考慮されたと思われる(変身後はウィングが最も小柄なため)。
- 初のプリキュア変身者同士の結婚?
第40話において、バラエティ番組「生旅ヤッホー!」を観ていたエル達。結婚式をテーマに取り上げられたのだが、エルは強い憧れを抱き「ツバサと結婚する!」と言い出してしまい、事実上エル&ツバサ(マジェスティ&ウィング)が結婚という展開になったエピソードもある。
- 同時期の放送で…
赤ちゃんが変身するプリキュアとして話題になったキュアマジェスティであるが、第37話の放送前日の夕方に放送されていた『キボウノチカラ〜オトナプリキュア‘23〜』第2話では、往年の姿に若返って変身する先輩プリキュアが登場し話題になった。奇しくも、日を跨いで全く正反対の変身をするプリキュアが登場する形になった。
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