白雷の幻獣
概要
モンハン世界で非常に珍しいとされる古龍種モンスターで、通称「幻獣」。
白銀に輝く体毛と額から伸びる一本角が特徴で、神々しい姿だが神出鬼没で目撃例が極めて少ない。一部作品ではクエストの出現がランダム(これは他の古龍にも当てはまる)。
「ユニコーン」の様な姿で、純白の個体と蒼白い個体に分けられるが、全身が発光しているので肉眼では分からない。馬の様な姿と体毛から哺乳類に見えるが、鱗状の皮膚を持っている。
その名前や姿から幻獣の麒麟がモデルと思われる。
MHWでは植物を食べている事から、外見通り草食性らしい。
ハンターズギルドでは大型として扱われているが、小柄で、中型モンスター程度の大きさしかない。
生態も謎が多く、目撃例の少なさ故に情報も錯綜し、「青白く光る牛」や「角の生えた狼」の様なモンスターと言われていた時期もあった。
一時期は分類不明の生物として扱われていたが、その後の研究結果から「古龍種」に認定された。
本種が古龍種に定められた理由は、自在に雷を操る能力を持つ点にある。
鬣が蓄電器と帯電体の役割を併せ持ち、蓄積できる電力はフルフルを軽く凌駕する。
キリンが現れる前は快晴でも雷鳴が鳴り響き、空気がピリピリと張り詰めた様になり、出現すれば周囲の天候は一変し、地域一帯の上空には雷鳴轟く巨大な雷雲が発生する。
天に向かって嘶く度に発生する雷の威力は凄まじく、巨大な岩塊を一撃で真っ二つに割る程であり、並の生物は当たればひとたまりもない。
こちらが危害を加えない限りは、近くに来たモンスターやハンターを無視する事もあるが、敵と認識した者には、雷で徹底的に攻撃を加えて排除しようとする。
自身を守る様に雷の束を降り注がせる、敵をピンポイントで狙う落雷を繰り出す、地面を縦横無尽に駆け巡る雷を発生させて攻撃する等、その技は多種多様で、汎用性が高い。
雷一つでも予測は困難なので、その威力にあっさり倒されるハンターも多い。
他にも、自身は耐電性を持っているようで、時折自らにも雷を落とすが平然としている。
近年ではこれにより新陳代謝を高めているのではないかという説も提唱されており、実際、自らに雷を落とす事で身体能力の強化を行う個体も存在するという。
目撃例は少ないが、出現が確認された地域は広範囲に及び、フラヒヤ山脈などの寒冷地、クルプティオス湿地帯などの湿地帯やラティオ活火山などの火山帯、フォンロンの古塔の頂上、ハンターズギルドでもその全容が掴めない「未知の樹海」の一角や、近年では古代林や遺群嶺や新大陸の各地でも発見報告が挙がっている。環境が異なる様々な地方に出没しているが、これはキリンの驚異的な移動速度と持久性、そして環境適応能力によるもの。
キリンは基本的に特定の住処を持たず、さらに行動範囲がかなり広い。
同一個体が山を越え、海を渡って別の土地に出没する事も珍しくなく、周囲から隔絶された海に浮かぶ「導きの地」で痕跡を残した個体が、数日も経たない内に新大陸を挟んだ向こう側の「渡りの凍て地」で確認された例もある。
この特徴から、研究者の間では「健脚の古龍」とも呼ばれている。
発達した脚から放たれる後ろ蹴りは非常に強力で、戦闘では華麗なステップで相手を翻弄し、頭突きや突進で蹴散らしてしまう。
跳躍しながら駆け回る動作は草食種のケルビに似ている(プレイヤーからは「ケルビステップ」と呼ばれており、他にはラージャンが同じ走り方をする)為、オンラインやネットの会話等では「ドスケルビ」と言われる事もある。
しかし、動きはケルビとは比べ物にならない程早く、雷を自在に操り、額に生えた蒼白い角と身体に纏った電撃でハンターを攻撃する。この角は強固な鎧も刺し貫く必殺の武器であると同時に、雷を操る部位でもあるらしく、雷を放つ際には電撃を纏って強く発光する。
華奢な体形でありながら頑丈な皮膚を持っており、下手な武器では傷一つ付けられない。
興奮状態になると鬣がより強く発光し、全身から電気を放ち始める。
近年では電気を放つだけに留まらず、全身に雷を纏う姿も確認される様になった。
この状態のキリンは周囲に蒼白いスパークが発生する程の雷を宿しており、その影響で鬣が大きく逆立つ。
当然、雷撃も激しくなり、地を走る雷撃や、雷をまるで豪雨の様に降り注がせる様になる。
突進の威力も桁違いに上がる。
弱点は角であり、角は比較的柔らかいので、何度も攻撃を加えると怯む。
MH4では部位破壊が可能。また、闇夜を照らす程に輝く角に魅了される者は多く、角はキリンから得られる素材の中で最も価値があるとされている。
属性攻撃に対しても高い耐性を持っているが、状態異常の耐性はやや低い。
ただし、古龍なので罠は一切通用せず、雷を操るので当然、閃光玉や麻痺は全て無効化される。
下位と上位以降では体格の差が大きく、倍以上の差をもつ個体も存在する。
亜種
こちらは氷属性の攻撃を繰り出す。詳細はリンク先を参照。
その後MH4GでもG級難関クエストの対象とされている。
MHFで登場した特異個体は、瞬間移動と言ってもいい勢いの突進を繰り出してくる。
さらに剛種は時間差で3連続なので、初見で躱せた人はまず居ないだろう。
ちなみにMHFでは、怒り時に赤い稲妻を纏うと共に、自身の影も赤みを帯びる。
MHXRでは、キリン雷帝種という、黄金のキリンも登場する。
MHW
★5クエストで下位個体、上位フリー等で上位個体、ハンターランクを解放するクエストや解放後の調査クエストで歴戦個体が討伐対象として対峙することになる。
従来の落雷攻撃に加え、地面と水平に迸る放電攻撃が追加された。
さらに今作では古龍の特殊能力として、自らに雷を落として身体に電気を纏い、胴体の肉質を大幅に硬化させる能力を備えている。
この状態では胴体も斬れ味が青ゲージでも弾かれ、ガンナーのあらゆる弾や矢を弾く。
ケルビステップ時や歩行時の小規模落雷以外にも、蹴り上げや角を使った近接モーションもあり、ダッシュにもダメージ判定がある。
歴戦個体
HR50以上のランク解放の為に討伐が必須であり、ストーリーのネルギガンテやリオレイア亜種のようにプレイヤーを振るいに掛ける強烈なストッパー。
これをクリアしなければ歴戦古龍クエストや古龍装備のカスタム強化が不可能。
早いとこクリアしたい所だが、ただでさえ攻撃力が異常なキリンをさらに強化した個体である為、雷撃が直撃した場合は解放前のランクで揃えられるどんな防具の防御力の数値でも殆ど意味を成さない。
仮に、防具を400台手前まで強化し、硬化薬+料理で体力MAXにしても移動時などの小規模の落雷が直撃すれば体力の半分以上は軽く持っていかれ、大きく振りかぶったり範囲攻撃など隙が大きい大技に至っては400台でも9割~即死が当たり前のレベル。
体力の装衣ですら各種落雷の1~2発の直撃で使い物にならなくなる。
故にマルチプレイでも高確率で誰かが乙るのは日常茶飯事。
さらに追撃や起き攻めすら狙ってくる上に、気絶や麻痺で行動不能に陥れてもくる為、火力より耐性スキルを積んで挑む方が優先される。
クエストをいくつか先にクリアする必要があるが、先述の★5のキリンクエストをクリアすると対雷撃特化の耐雷の装衣が、強大な相手だがナナ・テスカトリの一連のイベントを済ませばオート回避出来る転身の装衣が手に入るので、保険として入手しておくと幾分かマシになる。
現在ではお助け装備や熟練ハンターの救難参加により難易度は若干下がっている。
ちなみに拡張コンテンツたるアイスボーンを購入した状態であれば、上記の解放クエストは免除され、そのまま進行することが可能(クエスト自体は受けられる)。
歴戦王
歴戦個体の中でもとりわけ危険度が高い個体。
HR50以上且つ期間限定でのみ討伐に赴く事が可能。
メタリックな見た目になり、ツノや一部落雷の範囲が広くなっている他、体力と攻撃力が上昇しており、落雷のダメージは勿論だが、角や突進のダメージも中々エグいものになっている。
今までの戦法は一応通用はするが、麻痺や気絶耐性を積まずに舐めて掛かると速攻でネコタク送りになる。
討伐すると、「キリン防具γ」シリーズの作成に用いられるチケット素材が手に入る。
マスターランク
大型DLCであるアイスボーンでも当然登場。
角による突き上げ等の一部モーションの標準追加、地面に水平に走る放電攻撃中に別の行動を挟んでくるようになった事以外は、純粋に体力や攻撃力が強化された程度に収まっている。
ストーリークリア後の特別任務では「角折れのキリン」が登場する。
常時怒り状態だが手負いの為か、体力はやや低い。
しかし前述の通りアイスボーンの購入によりキリンと会敵することもなく上位を通りすぎたハンターも少なくない為、嘗ての解放クエストと似たようなストッパー状態になっている。
調査団はこのキリンの鬣や蹄から本来の生息地及び角の折れた要因を割り出す。
あれこれ
歴戦キリンの後を付けると歴戦の痕跡が多数見つかる事を利用し、敢えてクリアを目指さずにストーキングして歴戦古龍の調査クエスト集めに活用する手段が存在する。
- 調査レポートは必ずしも痕跡を残した対象のものが発生するわけではないランダム制
- 移動が徒歩で瘴気も熱気もなく、他のモンスターが出ないので追跡しやすい
- 目の前に長時間居座ったり攻撃しなければ敵対しない
などの性質を利用したメリットがある。
余談
- 古龍種だが、どう見ても龍ではない。古龍種とは「生態系から大きく外れた分類不能な生物の総称」とされている為である。ヤマツカミやオストガロアも竜型ではないが、キリンが古龍種に分類される様になったのはMH2からで、それ以前は分類不明という扱いであった。なお、モデルとされている麒麟は、黄龍(竜)と同一視されている。
- 古龍種だが、その中では最も格下の存在らしい。実際、危険度が他の古龍(級)モンスターより一段下(=リオレウスらと同じ)の★5に定められている他、強さでも古龍種の中で唯一「とても強い」ではなく「強い」に分類されている。さらにMHW:Iでは、「古龍の中でも特に小柄なキリンがラージャンを避けようとするのは仕方ない」という他の古龍との違いを示す事が大団長の口から語られている。また、ラージャンだけでなく、イビルジョーの捕食対象らしく、ゲーム中の縄張り争いでもイビルジョーがキリンを襲っている姿が確認できる。
- ただし、最も格下というのは古龍種の中であって、当然、一般モンスターよりは格上として扱われており、古龍級モンスターとされる相手以外に劣るという描写や設定も見当たらない。
- 実は野生のキリンが人間の子供を育てていた事例が存在し、その子供はキリン素材で出来た片手剣を持っていたとされている。その子供が何故その剣を持っているのか、どの様にしてキリンと遭遇したのか等、謎に包まれた不思議な事例である。
- 前述の通り、「ドスケルビ」等と呼ばれるキリンだが、これはネタであり、当然ケルビとは生物学的にも一切関連は無い。ケルビに似ているという記述や設定も特に存在しない。
- キリンを素材にした防具(キリン装備)にも、「キリン」タグが付けられる事がある。
- 2014年は午年なので、姿が似ているキリンを描いた年賀イラストが数多く投稿された。
- また、カプコンも1月1日から、キリン原種と亜種を狩猟するイベントクエスト「かくもめでたきキリンかな」を配信している。
- セガの競馬を題材にしたメダルゲーム「STAR HORSE3」のコラボイベントでまさかの参戦。何故か2匹のプーギーや騎手代わりのアイルー・メラルーと一緒に、カーブが1つしかないオリジナルコース『極東競馬場』を爆走した。また、キリン亜種も原種と入れ替わりで登場した。属性の力を纏いながらラストスパートを仕掛ける彼らにハラハラする人が多かったそうな。
関連タグ
ラージャン:好物が『キリンの角』。
イビルジョー:同じくキリンを捕食している恐るべき怪物。