概要
英語において「少女」を指す「girl」のアメリカ英語における俗語「gal」を由来とする言葉。
「ギャルのパンティ」の様に元々は若い女性全般を指す言葉であったが、時代と共に用法が変化していった。
用法の変遷
渋谷に若者向けのファッションビル「PARCO」や「109」が開店した1970年代に、ファッションやメイクの流行の最先端を行く若い女性達が渋谷系ギャルと呼ばれる様になった。
この時期はまだ、特定のファッションを指す名称ではない。
バブル期の1980年代後期〜1990年代初期には、ワンレン・ボディコンを着てディスコで踊りまくる若い女性が「イケイケギャル」等と称されて世間でもてはやされた。
又、中年男性の様な下品な行動をしたり、ゴルフや競馬等の趣味を持つ若い女性をオヤジギャルと呼んだりもした。
1990年代には美少女・美女・ガールなどの言葉が代替となり一般の使用が減少し、女子ファッション専門用語となる。1996年〜1998年頃には、安室奈美恵に傾倒するアムラーの影響を受け、ガングロ茶髪でルーズソックスを履いたコギャルスタイルが流行。
これが2000年代ギャルファッションの母体となる。
ギャルファッション
1990年代末、コギャルたちが年齢を重ねてからもそのファッションスタイルを貫いた事で、茶髪や金髪に染めた髪(多くは巻き髪)、つけまつげ等の濃いアイメイク、重めのブーツや華やかなネイル、アクセサリー等のアイテムで特徴づけられる「ギャルファッション」が生まれた。
ここで、かつて「コギャル」スタイルと呼ばれていた物が、「コ(小、子)」を取る形で広く「ギャル系」と括られる様になり、以降ギャルファッションの根本的なスタイルとして上記に挙げられる様なファッションが定義される様になる。
2000年を境に、ギャル達の間でカラコン(カラーコンタクトレンズ)使用が浸透。
ガングロは「ヤマンバ」という極端なスタイルを生む一方、浜崎あゆみをファッションリーダーとする白肌のギャルファッション(「白ギャル」)等多様化し、2000年代(ゼロ年代)初頭がギャルファッションの最盛期と言われる。
ゼロ年代中盤以降は黒髪のギャルファッションも現れる等さらに多様化と拡散をとげ、時代が進むにつれ「お姉系」として、より大人でコンサバティブなスタイルとの融合・移行や、ロリィタファッション寄りのもの(ロマ系、姫系)迄も出現する等、他のファッションとの区別も不明確化していく。
10代女性向けのファッション誌の老舗「Popteen」はこの時期、ギャル雑誌であった。
又、キャバクラ等でホステスとして働く女性をメインターゲットとした雑誌「小悪魔ageha」で取り上げられた、ロングドレスや盛り髪等、よりきらびやかでグラマラスなスタイルも、コンサバへの移行(=ギャルの卒業)である「お姉系」とは別の「姉ギャル」として、従来の10代〜20代前半より高めの年齢層も含めて定着した。
2000年代半ばには「Popteen」読者モデル出身の益若つばさがブレイク。
又、倖田來未に代表されるよりセクシーで大人っぽいイメージが注目されるようになった。
2000年代末には西野カナや加藤ミリヤらがギャルのカリスマとなった。
しかし先に挙げた様な様々なスタイルの派生と、2000年代後半には美白寄りのAKB48及びK-POPの拡大、ギャル文化圏を構成していたガラケーの衰退等により求心力を失い、徐々に衰退。2010年代に入ると「Popteen」は清純派アイドル路線に舵を切り、2011年以降は典型的なギャルファッションは街角でほぼ見かけられなくなった。
2014年頃には「ギャルファッション雑誌」も次々と休刊、時代に一区切りがついた。
2020年代に差し掛かる頃からルーズソックスや厚底靴等に代表されるかつてのギャルファッションのパーツが若い世代の間で「個性的」と評価され、再注目される様になっている。
これにはストリート系ファッションや韓国系ファッションに取り入れられる形で人気になった事や、かつてギャルであった世代が親となり、その子供達に受け継がれていったという経緯が考えられる。
更に平成レトロブームもギャルファッション復活に拍車をかけたのかもしれない。
漫画やアニメ等においては、特に2010年代から萌え属性の一つとしても人気を博しており、メインヒロインやメインキャラクターに抜擢されることも増え、「オタクに優しいギャル」や「見た目はギャルだけど中身はオタク(もしくはおっさん)」というジャンルも開拓され始めている。
一方、創作キャラクターとしてデフォルメ・テンプレ化された「ギャル像」と、(作品が発表された時代の)現実のギャルでは、そのファッションや趣味嗜好、言動、精神性に乖離が見られるという指摘もある。
性格・性質などのイメージ
性格、言動
- 基本ウェーイでパリピ(イケイケでノリノリとも)、明るく自由奔放な性格。
- 陽キャラでリア充、スクールカースト上位
- 良くも悪くも刹那的で、小さな事にこだわらない。
- 敬語を使えない、素行不良で品行が悪く援助交際をする等社会意識・規範・貞操観念が希薄。
- 気に入らないと思ったり、自分より弱い相手には男性の不良顔負けな残酷で凄惨ないじめを行う
- 興味のない事には「ウザい」「ダルい」と言って参加しようとしない。
- 遊ぶ金欲しさにパパ活や売春を平然と行う。
- 異性の相方はチャラ男やギャル男と呼ばれる存在が多い。
- いわゆるDQNと仲が良かったり、自分がDQNな行動を取ったりする。
- おとなしい清楚系や陰キャラには天敵扱いされがち。
- 学校の勉強に興味がなく、成績はあまりよくない。
- これらのイメージのせいで、世間からは勝手に不良少女でビッチと思われており、またそれを気にしている。
- 特に芸能人の場合、若い頃ギャルキャラで売り出して派手なイメージのまま成功する人もいれば、早々にイメチェンしてギャル時代が黒歴史になっている人もいる。
趣味・嗜好
- ファッションやレジャー、スイーツ等、その時々の流行(トレンド)に敏感で詳しい。
- 東京では渋谷の109や原宿近辺(渋谷系or原宿系)、新宿等に多くいる。
- HIPHOPやR&B、レゲエ等の音楽が好き、ダンスミュージックをよく聞く。
- クラブ(ディスコ)によく出入りしている。
- パチンコ・パチスロの影響で、アニメに意外と詳しい。
ファッション・アイテム等
- 日サロで焼いた肌(褐色肌)
- 派手な髪色、髪型
- 厚化粧でケバい感じ
- 学生の場合、ピアスや染髪、巻き髪など学校では禁止されているファッションをあえてしている。
- 露出度が高くて華やかな服装
- ギャル文字、ケータイ小説といった個性的な言葉遣い(ギャル語)
- デコったり、ストラップがジャラジャラ付いてるガラケーやスクールバッグ等
- ハローキティを始めとするサンリオキャラクター等、ファンシーな物
- ファー、豹柄、ハイビスカス
※あくまでもイメージであり、当てはまらない人はいくらでもいます。
関連人物
実在人物
歌手・アイドル
安室奈美恵 浜崎あゆみ 倖田來未 モーニング娘。(特に後藤真希、田中れいな、卒業後の辻希美等)西野カナ 加藤ミリヤ 板野友美(AKB48)
モデル・タレント
若槻千夏 益若つばさ 舟山久美子 木下優樹菜 木村有希(ゆきぽよ)
池田美優(みちょぱ) 古川優奈(ゆうちゃみ) 藤田ニコル ギャル曽根
作家・漫画家
お笑い芸人
キャラクター
主に外見。作品五十音順。
あ行
か行
さ行
た行
な行
は行
ま行
キャラクター | 作品名(五十音順) |
---|---|
草葉える | まえせつ! |
マギアレコード | |
槍水りり | マジカミ |
ムーン | マジカルドロップ |
魔法少女・オブ・ジ・エンド | |
魔法少女サイト | |
高岡雅 | 淫らな青ちゃんは勉強ができない |
月島まいら | ミュークルドリーミー |
宇佐美育絵 | ももくり |
馬超※特に進化前 | モンスターストライク |
や行
ら行
わ行
キャラクター | 作品名(五十音順) |
---|---|
知花純加 | 私の百合はお仕事です! |
弥生ひな | ワッチャプリマジ! |
ギャル系(の様な外見をしてる)キャラクターが多く登場する作品
アイドルマスターシンデレラガールズ→城ヶ崎姉妹/ファミリアツイン、セクシーギャルズ
アズールレーン→ブレマートンや熊野など。特にユニオンに多い。
やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。→由比ヶ浜結衣、一色いろは、三浦優美子
ヤンキーJKクズハナちゃん→牛込優菜をはじめとするメインキャラだけでなくモブキャラにも多数存在する。
ギャル系VTuber(卒業、引退者含む)
関連イラスト
派生
黒ギャル 白ギャル おやじギャル オヤジギャル ぴちぴちギャル ピチピチギャル
お立ち台ギャル 水着ギャル コギャル ギャル文字 ギャルゲー ギャル化 ギャル軍団
関連タグ
パンク リア充 小悪魔 ケータイ小説 ナウなヤング シティーガール
負のイメージ
ギャルをテーマにした書籍
漫画…GALS! はじめてのギャル 姫ギャルパラダイス おしえて!ギャル子ちゃん ギャルと恐竜