「アトロポス、何をグズグズしている。この力を使い、早く敵を取れ……グリオン様の仇を取るのだっ!」
データ
概要
『仮面ライダーガッチャード』第31話に登場。
オカルトケミー「マックラーケン」と無数の〈悪意人形〉が結合して誕生したマルガム。
墨で真っ黒に染まった蛸の怪物が背後から素体に纏わり付いて拘束されたような姿を持ち、四本の触腕が頭部と両腕の役割を果たしている。頭部から一際伸びた二本の触腕が角のように見え、角を生やした悪魔を思わせ、左目部分はバンドで拘束された箇所から赤い墨が溢れており、眼帯から流血しているようにも見える。
なお素体の両腕は、暴れ回る蛸を押さえるために抱きかかえるように配置されている。
主たるグリオンの復讐に燃えるが、直情的だったマンモスマルガムと比べると忠誠心は些か低く、自身の能力で翻弄される様子を見て嘲笑うなど本性は陰湿。
主の仇を取れずに後手へ回っているアトロポスにも横柄な態度を取っており、わざわざ彼女に幻影を見せて仮面ライダーへの憎しみを煽っていた。
能力
非常に柔軟な体で衝撃を吸収してダメージを軽減し、軟体動物を思わせる予測不能の滑らかな動きと伸縮自在の八本の腕で対象を翻弄する。
また背中から放出する墨を浴びたものは「地獄の闇」と呼ばれる暗黒フィールドに包まれ幻覚に囚われてしまい、対象が大切に思っている人物に化けて相手を攻撃する陰湿な性格を体現したかのような戦法を得意としている。
ただし背中にある蛸の頭部が墨を貯蔵するタンクの役割を果たしており、これを破壊されると幻覚攻撃が封じられ、一気に弱体化するという弱点を持つ。
活躍
前回からの間にマックラーケンを取り込んで誕生していたらしく、マンモスマルガムを使ってりんねの心を壊そうとしたが失敗したアトロポスの前に、グリオンの姿に見せかけてアトロポスの復讐心を煽らせると、一ノ瀬宝太郎達のいる富良洲高校を襲撃。
騒ぎを聞き付けたスパナの変身する仮面ライダーヴァルバラドと交戦し、恩師の幻影を見せて動揺を誘わせ、変身解除に追い込む。
その後は合流した宝太郎と九堂りんねに能力を伝えようとするスパナを無数の触手と墨で封じ込め、仮面ライダーガッチャードと仮面ライダーマジェードと戦闘を開始。
二人を地獄の闇に閉じ込めることに成功し、幻覚で同士討ちさせてガッチャード達を戦意を削ごうとする。
すると、マジェードが「私を攻撃して」とガッチャードに指示。彼女の姿がクラーケンマルガムの姿にしか見えないガッチャードはその言葉を信じ「スチームホッパーフィーバー」を発動。地獄の闇は解けたものの、必殺技を喰らったマジェードはピクリとも動かなくなってしまう。
「フフフフ……混乱し、ついには仲間の命を…オ〜ホッホッホ!」
そんな様子を嘲笑い、激しく動揺する相手にトドメを刺そうとするも、マジェードが忍ばせていたヨアケルベロスのカードを装填したエクスガッチャリバーから放つ「ヨアケルベロスエクストラッシュ」を喰らい、背中のタンクを切り裂かれてしまった。
実はマジェードが「ロミオとジュリエット」の物語の中でヒントを見出し、わざと必殺技を喰らい、ネミネムーンの力で自らを仮死状態にして相手の目を欺くと言う、互いの信頼関係があってこそできる決心の奇策だったのだ。
これにより能力を封じられて弱体化し、プラチナガッチャードへの変身を許してしまうと二人のコンビネーションに圧倒され、最期はダブルライダーキックを叩き込まれ爆散。身体を構成していた悪意人形達は焼失し、マックラーケンもプラチナガッチャードに封印された。
余談
蛸やイカをモチーフとしたライダー怪人は多く存在するが、クラーケンをモチーフとしたのは『仮面ライダー電王』のクラーケンイマジン以来となる。
東映公式サイトによると、マックラーケンの声も担当する代永氏は宝太郎とりんねのそれぞれの声に似せて幻影の声を演じてもらったとのこと。