解説
名前の由来となっている大きく発達した顎が特徴の甲虫。
クワガタとは【鍬形】と書き、日本の甲冑(大鎧)の兜飾の一種に由来する。
英語では「Stag beetle」(スタッグビートル)と呼ばれる。「牡鹿のような甲虫」という意味で、その大顎を牡鹿の角に例えた名前。
カブトムシとは違ってこの部位はあくまでもツノではなく顎なのだが、クワガタモチーフのキャラは大顎を「ツノ」としてデザインに取り入れる作品が多い。
主食はクヌギやコナラの樹液で、餌場を争ったりメスを巡ってケンカとなった場合には、強靭な上顎で敵対する昆虫を挟み、放り投げる。
種によっては朽ち木や枯れ葉に隠れて越冬し、2年以上生きることもある割と長寿な昆虫。
昭和中期までの東北山間部では、冬季に薪として伐採した樹木の中に幼虫がいる事が多く見られ、冬の貴重な蛋白源として薪ストーブで焼いて食用に供したそうである。セルロースが主成分の木材が主食と言う性質から、甘味が多く意外に美味であったようだ。(同様の食性のカミキリムシの幼虫も食用に供された。一方カブトムシは堆肥が食物で有ったため一般の食用に耐えるものではなかったようだ)
カブトムシよりも幼虫の飼育は難易度が高く、カブトムシが腐葉土で育つのに対してクワガタムシは朽木で育つのが多い為、念入りな計画と知識が必要。
菌糸瓶で育てる場合、あまり幼虫が幼い段階で産卵木から菌糸瓶に移行すると逆に菌糸に寄生される恐れがあるので注意。また、菌糸をしっかりと固めておかないと、大アゴがヒョロヒョロの格好悪い成虫に育ってしまう恐れがある。
また、飼育の場合はクワガタムシを一匹ずつ個別にゲージに入れないと本気の殺し合いをするので注意。気性の荒いヒラタクワガタやノコギリクワガタ、ミヤマクワガタはこの傾向が強いが、比較的温厚なオオクワガタやコクワガタでもごく稀に殺し合いが発生する危険性がある。
日本国内のクワガタは夜行性のものが多いため闇夜に紛れる黒色の種が中心で、昼間にも活動するミヤマクワガタもせいぜい茶色ぐらいなものである。それに対して高温多湿の熱帯雨林に生息するクワガタは昼行性でなおかつ木の葉の水滴の光に紛れて保護色になるためカラフルでメタリックな種が多い。
カブトムシのライバルとして扱われ、よく子供達の間で戦わされる事が多い。
カブトムシと勝負した際には体重の関係などもあってカブトムシの勝率が圧倒的に高く、世界最大のクワガタが日本のカブトムシに負けてしまうことも少なくない。一方で立派な顎で対戦相手の体面に穴をあけることもある。
なお、クワガタムシはクワガタムシ科という独自の科が存在しているのに対し、カブトムシはコガネムシ科であり、クワガタムシは平べったい体に対してカブトムシは分厚い。
どちらも皮膚が固く、スズメバチの針も通さないほどに固い。
日本では概ね人気のある虫という評価に落ち着いているが、西洋ではイメージはかなりバラバラ。
国名 | イメージ/伝承 |
---|---|
ドイツ | 現れると火事が起こると考えられた。 |
ギリシャ/イタリア | デュカリオンの洪水を生き延びた羊飼いケラムボスの化身(カミキリムシという説もあり) |
北欧/ドイツ | 雷で焦げた木から現れる為、雷神トールの化身とされた。 |
西洋の殆どの国 | 牛や鹿などのツノのある動物に例える。 |
クワガタムシは益虫ではなく、害虫としても成虫が夏限定で出現して果樹園の果物を荒らす程度程度なのでそもそも研究する必要性が薄く、未知の部分が多い。
二次創作(モチーフキャラ)の扱いについて
クワガタムシがモチーフのヒーローは基本タイトルを飾る事は少ない。
理由はもちろんカブトムシ(をモチーフにしたキャラ)が主役を張る事が多いためで、基本的には「もう一人の主人公」や「準主役」「ライバル」として扱われ、やはり同作品内のカブトムシキャラと比べ活躍やスペックでも見劣りしがちな面もある。
甲虫王者ムシキングでさえカブトムシの方が優遇されている。
アニマルカイザーでも金レアのクワガタムシのカードはない。最高ランクはギラファノコギリクワガタの銀でそれより強いクワガタムシとして名高いスマトラオオヒラタクワガタやパラワンオオヒラタクワガタやアルケスツヤクワガタは登場しなかった。
クワガタムシをモチーフにした主人公と言えば『仮面ライダークウガ』が代表例の一つと言えるが、クワガタムシ系の主人公作品ではカブトムシなどの他の昆虫の要素がそこまで濃くない作品がほとんどである(例として『王様戦隊キングオージャー』ではクワガタがこれでもかと優遇されている)。
また、日本産クワガタの種類がカブトムシに比べ多いからか、「○○クワガタ」と特定されない場合や複数のクワガタを混ぜた様な例も多々ある。
もっとも裏を返せば「準主役やライバルといった比較的重要な役柄」が多いという事でもあるので、某永遠の二番手に比べたらそこまで悲惨な扱いではないが…
代表的なクワガタムシのなかま
日本
世界
その他多数
詳細は「クワガタムシの一覧」を参照。
クワガタムシがモチーフのキャラクター
特撮
スーパー戦隊シリーズ
- タグレドー(星獣戦隊ギンガマン)
- クワガライジャー(忍風戦隊ハリケンジャー)
- 臨機兵ワガタク(獣拳戦隊ゲキレンジャー)
- クワガヘッダー(天装戦隊ゴセイジャー)
- ビート・J・スタッグ/スタッグバスター/シルバースタッグ・クワガタロイド・SJ-05 スタッグビートル(特命戦隊ゴーバスターズ)
- クワガタオージャー/ゴッドクワガタ・オオクワガタオージャー・ゴッドクワガタZERO(王様戦隊キングオージャー)
仮面ライダーシリーズ
平成ライダーシリーズではクワガタ形態持ちの主人公が出た作品が2作、クワガタモチーフがメインキャラとして登場した作品4作(ギャレン、ガタック、『ディケイド』のクウガ、スタッグハードスマッシュ)、計6/20作と相当優遇されている。
- ワナゲクワガタ(仮面ライダーV3)
- クワガタ奇械人(仮面ライダーストロンガー)
- クワガタ怪人(仮面ライダーBLACK)
- 仮面ライダークウガ・ゴウラム・ン・ダグバ・ゼバ(仮面ライダークウガ)……主人公がクワガタムシをモチーフにしたヒーローに、ラスボスもクワガタムシをモチーフにした怪人に変身する数少ない作品。
- スタッグビートルオルフェノク(仮面ライダー555)
- 仮面ライダーギャレン・ギラファアンデッド・スタッグビートルアンデッド(仮面ライダー剣)
- 仮面ライダーガタック・ガタックゼクター(仮面ライダーカブト)
- クウガゴウラム・ディケイドクウガ(仮面ライダーディケイド)
- スタッグフォン(仮面ライダーW)
- ガタキリバコンボ・ウヴァ・クワガタヤミー(仮面ライダーOOO)
- ピクシス・ゾディアーツ(仮面ライダーフォーゼ)※正確には羅針盤座
- クウガアームズ(仮面ライダー鎧武)
- クウガ魂(仮面ライダーゴースト)
- クワガタアマゾン(仮面ライダーアマゾンズ)
- クウガゲーマーレベル2(仮面ライダーエグゼイド)
- スタッグハードスマッシュ/スタッグハザードスマッシュ/スタッグロストスマッシュ、グリスブリザード・仮面ライダーグリスパーフェクトキングダム(仮面ライダービルド)
- アナザークウガ/???・クウガアーマー(仮面ライダージオウ)
- エキサイティングスタッグ(仮面ライダーゼロワン)
- 仮面ライダーオーバーデモンズ・デモンズトルーパーβ(仮面ライダーリバイス)
- スタッグバイン・スタッグミラー・エクシードマイティ(仮面ライダーガッチャード)
メタルヒーローシリーズ
ウルトラシリーズ
その他特撮
ゲーム
- カイロス※、メガカイロス、クワガノン(ポケットモンスター)
- クワノ武士・クワガ大将・オオクワノ神(妖怪ウォッチ)
- バグジー(星のカービィシリーズ)
- はさみくわがた(ドラゴンクエスト)
- スタッグビートル(バーコードファイター)
- エスパディア(武装神姫)
- ブーメル・クワンガー(ロックマンX)
- クワガスト・アンカトゥス(ロックマンゼロ)
- クワガタツヤ(SHOW BY ROCK!!)
- ドゥームビートル(ドラゴンズクラウン)
※デザインのモチーフはアリジゴクだが、開発の経緯でクワガタムシがモチーフ、ということになった。
メダロット
デジタルモンスター
アニメ
漫画
その他クワガタが(山ほど)出演する作品
その他
クワガタに例えられたキャラ
- 南夏奈 (みなみけ)・・・「コタツの中にクワガタがいる!」
- 中野梓 (けいおん!)・・・フィギュアのツインテが稼働しクワガタのように物を挟める事から
- 建宮斎字 (とある魔術の禁書目録)
- ビルトビルガー (スーパーロボット大戦)・・・誰が呼んだか「赤いカブトムシの弟分」、右腕の得物はその名もズバリ「スタッグビートル・クラッシャー」
- メガトロン(トランスフォーマーマイクロン伝説)・・・頭の形状からスラストに陰口で「クワガタンク」と言われている。
- 倉橋陽菜乃(暗殺教室)・・・コードネーム「ゆるふわクワガタ」