もしくは、ハンゲームのキャラクターのこと。
モビルスーツのジェスタについては、本項にて解説する。
カタログスペック
型式番号 | RGM-96X |
---|---|
所属 | 地球連邦宇宙軍独立機動艦隊ロンド・ベル戦艦ラー・カイラム、同軍シェザール隊巡洋艦ダマスカス |
開発 | アナハイム・エレクトロニクス |
生産形態 | 特務用少数生産機 |
全長 | 19.3m |
本体重量 | 24.8t |
全備重量 | 57.2t |
ジェネレーター出力 | 2,710kW |
装甲材質 | チタン合金セラミック複合材+一部ガンダリウム合金使用 |
スラスター総推力 | 89,030kg |
固定武装 | 頭部バルカン・ポッド1門、左腕部ビームサーベル1振、腰部3連グレネードラック2基6発、左背部4連装ミサイルランチャー内蔵シールド |
携行武装 | ビームライフル1挺、トライポッド付きメガ・ビーム・ランチャー1挺(シェザール隊仕様)、キャプチャー・ガン1挺(同左) |
概要
地球連邦軍で進められる「UC計画」によって開発された、ジェガンの上位機種にあたるモビルスーツ。
デストロイモードの稼働時間に制限があるユニコーンガンダムのサポート機として開発され、ユニコーンガンダムの護衛の他、敵ニュータイプまたは強化人間と直接対峙できるよう、周囲の敵戦力を排除する「露払い」の役目を担っているが、その開発目的については軍内部に於いて秘匿されていた。
上記の戦闘を主とする機体ではあるが、対象であるユニコーンが任務に専念できるように通常のジェガンタイプを上回る基本性能を追求した結果νガンダムの9割に達するとされており、事実、スペックノートで同年代においてエース仕様として運用されていたジェガンA2型およびD型を全ての面で上回る。
ジェガン・タイプの後継機は本機だけでなく別系統でも模索されていたが、バックパックのシールド保持用サブアームといった新機軸の装備や、後述のジェスタ・キャノンへの拡張性、出で立ちが他の模索機に比べるとジェガンに似てる事からジェガンとのパーツ共有性が考えられる事などを加味すると、オリジナル設計として開発された20m級量産型MSとしては、最上位に位置すると言っても過言ではない。
装甲の形状などにUC計画の成果が反映されており、評価試験の為に12機が「ロンド・ベル」隊の旗艦ラー・カイラムに配備、運用された。
しかしながら、宇宙世紀0096年のラプラス事変を経て『UC計画』そのものが頓挫、その上約5年後の宇宙世紀0102年にサナリィが小型MS計画を提唱すると、開発の主流は完全にそちらへと移り、結局は全く別の機体が次期主力機として採用される事となったという、時代の流れに乗り切れなかった不遇な機体である。
主なパイロットはナイジェル・ギャレット、ダリル・マッギネス、ワッツ・ステップニー。
彼らはトライスターと呼ばれる連邦軍でも指折りのエースであり、ガンダムUC劇中、特にエピソード4において多数の活躍を見せた。
武装
ビームライフル
速射性に優れた専用武器で、通常モデルより加速装置、偏向装置の追加と銃身が伸長されている。セミ/フルオートの切り替えが可能で、更にグレネードユニットなどの拡張機能を有する。予備マガジンは右腕に3本収納されている。
ビームサーベル
左腕にマウントされている斬撃兵装。ユニット外形はジェガンと共有しているが、ビームの最大出力が向上している。ジェスタ・キャノンは左腕のサーベルラックが追加装甲で塞がれるため、ハンド・グレネードと選択式になっている。
バルカンポッドシステム
頭部右に配置された牽制及び迎撃用の実弾兵装。
シールド
本機専用に開発されたシールド。
バックパックからフレキシブル・アームユニットを介して接続することで、腕の可動を妨げずにあらゆる方向からの攻撃を防ぐことができる。
ジェガンと同様シールド側面に、サブウェポンのミサイルを内蔵している。
ハンド・グレネード
機体両腰部の投擲武器。片側ラックに3発ずつ、計6発がマウントされている。
ラックから直接射出可能で、使い方によっては効果的かつ数値以上の威力を出す。
バリエーション
ジェスタ・キャノン
カタログスペック
型式番号 | RGM-96X |
---|---|
所属 | 地球連邦宇宙軍独立機動艦隊ロンド・ベル戦艦ラー・カイラム |
開発 | アナハイム・エレクトロニクス |
生産形態 | 特務用少数生産機 |
全長 | 19.3m |
本体重量 | 39.7t |
全備重量 | 75.4t |
ジェネレーター出力 | 2,710kW |
装甲材質 | チタン合金セラミック複合材+一部ガンダリウム合金使用 |
スラスター総推力 | 89,030kg |
固定武装 | 頭部バルカン・ポッド1門、右肩部ビームキャノン1基1門、左肩部4連マルチランチャー1基4門、腰部ビームサーベル0~2振(右記グレネードラックと選択式)、腰部・脚部3連グレネードラック2基6発~4基12発(左記ビームサーベルと選択式)、左腕部スモールシールド |
携行武装 | ビームライフル1挺 |
機体概要
ジェスタの重装砲撃備仕様。
全身に装甲、肩部にジェネレーター直結型のビーム・キャノンや四連マルチランチャーが増設され、それに伴って火器管制機能が強化されている。
ジム・キャノンのようなMS本体への改修は加えられておらず、型式番号にも変更は無い。FSWS計画機のようなスラスターおよび推進剤の増設やジェネレーターの増強も行われていないため、バリエーション機と言うよりは中距離支援・援護砲撃用のいち形態のような立ち位置にある。
機体重量の増加に伴い、パワー・ウェイト・レシオが低下しているが、砲撃機の常として防御力の強化が成されているため、ジェスタ本体の高い基本性能と併せ、前線での戦闘にも一定は対応出来る。
また、増加装甲は爆砕ボルトにより装着されており、緊急排除によって瞬時に本来の白兵戦能力を取り戻す事も可能。
この他、左腕のビームサーベルのマウントラッチはスモールシールドに置き換えられている為、サーベル装着位置は腰部に変更され、グレネード・ランチャーとの選択式となっている。
主なパイロットはワッツ・ステップニー。
追加武装
- ビームキャノン
ジェスタ・キャノンの右肩部に装備されたビーム砲。ジェネレータ直結型で威力が高く、出力を落とさず一定の連続発射を可能にした。
- 4連マルチランチャー
ジェスタ・キャノンで追加された左肩部の多目的対MS弾発射装置。閃光弾などの特殊弾も複数装填されており、随時撃ち分けも可能。
- 追加ハンド・グレネード
両脚部に増設された、グレネード・ラック。
これにより、腰部と合計して12発を携行できるようになった。
EWACジェスタ
ラー・カイラムに配備された12機の内、コードU011(ユニフォーム・イレブン)が使用した早期哨戒仕様。
EWACネロに搭載されている物と同一の電子戦ユニットと観測機器を装備しており、同時期に運用されたEWACジェガン、アイザックなどと同様に強行偵察・情報収集型モビルスーツとして部隊の「目」としての役割を担う。
シェザール隊仕様
『不死鳥狩り』作戦任務を帯びた、『シェザール隊』が運用した合計六機に施された特殊仕様。
全機の頭部にスコープ型のセンサー強化ユニットが装備されている。
そこから、作戦の役割に応じて、バックパックを高機動型に換装したA班、メガビームランチャーにトライポッドを組み合わせたスナイパー装備のB班、89式ベース・ジャバーに乗り捕獲用のキャプチャーガンを携行するC班の各二機ずつが、小隊編成されている。
UC計画唯一の成功作
劇中の扱いといえばあまりに大人しすぎて不遇と言われる本機体だが、UC計画の成果としては唯一の成功例である。
そもそもメインであったユニコーンガンダムであるが、連邦の保有していた2号機3号機の2機のうち2号機は0094年の実戦で旧型機に乗った強化人間を取り逃す、そうでなくても0096年のUC劇中では連邦の敵である袖付きの強化人間パイロットをわざわざ洗脳して乗せないといけないという深刻な適正パイロット不足を起こしており、3号機に至っては不適任な者を乗せた事でパイロットが自分の母艦を破壊し機体は失踪という、事実上計画が頓挫してるとしか考えられない状況になっていた。
しかしユニコーンの露払いを目的として開発されていたはずのジェスタは早期から単独でロンド・ベルなどの実力高い実働部隊に配属され、ロンドベルのトライスター隊や選抜編成されたシェザール隊にジェスタ以外の所属機が無い事からも、エースからは高い評価を得ていた事が判る。
そもそも連邦がユニコーン開発にあたり想定してるようなニュータイプはテロ組織側から組織を維持する抑止力として中々前線に出てこない、そんな優秀なニュータイプ自体もUC0090年代中期には絶対数がかなり少なく比較的大規模な組織が抱え込んでいたという(その組織でさえトップの実質的な後継者が抑え込みに動いたので鎮静化)事からも、実際多く行われたであろう残党狩り(UCのダカール戦にて大量に湧いてきたような旧型機保有集団)においては結果的にジェスタ配備のような通常戦力の増強のみで十分であったという結果のため、ジェスタのみが成功したと考えられる。
そして、後にユニコーン1号機と2号機、ついでに3号機が揃って”奇跡”を起こした事でニュータイプを根絶するという計画のコンセプトすらボロクソに否定する始末となりUC計画自体は闇に葬られたが、ロンド・ベルのようなエースパイロット部隊には次の世代交代までジェスタが配備され続けたと考えられる。
UC、NTが機動戦士ガンダムF91などより前の時代で現実だと作品制作後に作られた"後付け"であるというメタ的な問題は置いておいて、現在においてNTより後の時代でジェスタが登場した作品は無いが、UC計画が破棄された0096年より後の0097年でシェザール隊が運用していた事からもジェスタはUC計画から独立して次の世代まで運用が続いたと考えられる。
シェザール隊の面々は、当時の人知を超えたフェネクスを「岩礁地帯を潜り抜けながらA装備の計画的な運用を行い一瞬でも捕らえる」ことが出来る(計画・教本通りに出来ると言うだけでも、それが出来ず死んでいく兵士が多い宇宙世紀においてはかなり上出来)ほどの技量を持つヨナ・パシュタを"模擬戦で軽くあしらっている"ほど技量が高く、メタ的に言うとエースしか乗っていないジェスタ相手に生半可なテロリストが勝負を挑んでも一瞬で物語が終わってしまうという、ジェスタはその”丁度良さ”から活躍させてもらえないというジレンマ的な立場に位置してしまったと考えられる。
外部出演
スーパーロボット大戦シリーズ
出演作のUCは第三次Z時獄篇・天獄篇・BX・V、NTは30に出演しているが、その内本機を自軍で使用可能なのは天獄篇とV。いずれもナイジェル機のみ。
天獄篇ではバルカン・ビームライフル・ビームサーベル装備の標準的な量産機仕様だが、全体的にジェガンよりは強い。とは言え必殺技や召喚攻撃などもないため、シリーズ最終作で自軍の戦力が充実している天獄篇では機体愛が無いと採用の余地はあまり無い。
Vではダリル・ワッツ機を召喚するトライスターフォーメーションが追加。主役機のような爆発力はないものの、そこそこの火力を出し続けられる地味に優秀な機体となった。
機動戦士ガンダムバトルオペレーション2
原型機に加えてジェスタキャノン、シェザール隊仕様A/B班仕様が実装されている。
- ジェスタ
「気を抜くなと言った!」
2022/7/21実装。600コストの汎用機。4周年記念機体であるユニコーンガンダムの露払いの如く前週に実装された。
兵装はビームライフル、腕部ビームサーベル、バルカンポッドシステム、ハンドグレネード、2連装ミサイルランチャーx2。
比較的シンプルな壁汎用で耐久力と格闘の威力が高い。集束ビームライフルやミサイルによる射撃火力も高いが、弾持ちは非常に低く射撃戦は苦手。このコストの汎用機にしては珍しく緊急回避が無いが代わりに能動的に攻撃を受け止めるアクティブガードを有するため、タイマン能力は極めて高い。
壁汎用に求められる能力自体はいずれも高水準なものの、アクティブガードの活用が必須なため玄人向け。
- ジェスタ・キャノン
「足をとめますっ!!」
2022/8/18実装。600コストの支援機。
兵装はビームライフル、ビームライフル付属グレネード、ビームサーベル、バルカンポッドシステム、肩部ビームキャノン、肩部マルチランチャー、肩部マルチランチャー[閃光弾]、脚部射出式グレネード。
しゃがみ中によろけを軽減する機体固定装置とスコープ中に火力が向上する高精度スナイプを併用した遠距離戦が強力だが、よろけ武装は中射程のため拘束力を重視するなら汎用機に随伴していく機体。見た目通り堅牢な耐射撃装甲と多数の兵装を有するため撃ち合いには非常に強く、連撃こそ無いものの高性能バランサー+中判定と汎用機並みに格闘が振れるため近寄られた際のダウン取り能力も支援機としては高い。
ポテンシャルは高いものの兵装自体が多い上に使用距離がはっきりと分かれている為使い分けが難しく、上級者向けの機体。
- ジェスタ[シェザール隊仕様A]
「俺には、これが精一杯だ!」
2022/12/22実装。650コストの強襲機。
兵装はビームライフル、腕部ビームサーベル、バルカンポッドシステム、腰部射出式グレネード。
作中では機動力重視の軽装仕様だったが、本ゲームでは何故かステルス機に。スラスター移動しながら上昇できるフラップブースターで高低差を無視して迫るステルス機がチャージ格闘で支援機を切り倒していくという中々の害悪機体。ステルス機にしては珍しく緊急回避もあり、15秒間スラスターが無制限に使用可能なLv2EXブーストで逃げ性能も優秀とステルス格闘機の完成形とでも言うべき性能をしているが、650コストの強襲機は射撃が強力な機体が多く膠着状態でも一定の働きができるため、一強にはなっていない。
- ジェスタ[シェザール隊仕様B]
「遠慮するな、当てにいけぇ!!」
2022/12/8実装。650コストの支援機。
兵装はビームライフル、腕部ビームサーベル、バルカンポッドシステム、腰部射出式グレネード、2連装ミサイルランチャー、メガビームランチャー。
鈍足低耐久の典型的な支援機。メガビームランチャーは長時間集束ながら長射程高威力というこれまた典型的なゲロビ兵装だが、ラピッドスナイプによりスコープ中は威力が下がる代わりに連射可能になるという特殊兵装。同コストでもぶっちぎりの長射程から繰り出される連続射撃は鬱陶しい事この上ない。
だが本機の本懐はジェスタ譲りの集束ビームライフルによる足止めから叩き込まれる高火力の実弾兵装にある。弾持ちの悪さもジェスタから引き継いでしまっているものの、瞬間火力だけは環境機レベル。
ただ射撃コンボの届く距離では汎用機に撫でられただけで撃破される低耐久ぶりから、もはや玄人向けすら超えた何かと化している。
余談
上述の通り、新規設計によって製造された20m級量産機としては間違いなく最高レベルだが、結局地球連邦軍は主にコスト面の問題から『名機』ジェガンを第一線配備し続けており、宇宙世紀0110年代(約10年後)から簡易改修・運用され始めたジェガンJ型にはスペック上の数値では完全に追い抜かれている(尤も、ジェスタも同様にアップデートされていた可能性は否定できないが)
更にそのジェガンでさえも宇宙世紀0120年代においてはマイナーチェンジを繰り返したとはいえ、基礎設計から30年以上を経た完全に旧式となっており、最終改修機のジェガンJ型が(どころか、ワンランク上の指揮官用であるR型ですら)完全に『やられメカ』に成り下がってしまった。これには、相対的にCVのデナン・タイプとの単純な性能差や、パイロットの練度に文字通り「次元が違う」差があった事実を物語っている。
ジェスタのパイロットの一人であるイアゴが0097年に老齢から自身のパイロット人生が長くない事を悟っていた事、0079年の一年戦争当時18歳であったブライト・ノアが0105年の頃には45歳になるなど前線に出る者がもう世代交代を始めている為、ジェスタを扱える者がいなくなり不要になっていったと考えられる。
しかし、先代主力量産機のジムⅢが"繋ぎ"とはいえ2年で次世代主力量産機が決まり5~7年程度で置き換えられた事を考えると、30年のジェガンも10年(予定)のジェスタも長く運用された方である。