🛵概要
オートバイ(バイク、自動二輪/三輪車)の中でも、足を前方のフロアに置くタイプのものを指す。分かりやすく言うと普通のバイクが"跨る"のに対し、こちらは"座る"という乗車姿勢の違いがある。
原型はキックスケーターにエンジンを取り付けたもので、若者などのレジャー用であったが、日本含む東アジア諸国ではその小回りの良さから業務用途にも広く使われている。
排気量50cc未満の原動機付自転車はほとんどがスクーターであり、高校生のうちから免許を取得して愛用する人も多い(熱海・長崎などの急坂の多い街では自転車はほぼ実用にならず、足は原付一択である)。
一般的な特徴
- 車体前方に足を収めるためのスペース(フロア)が確保されている
- 動力部が座席の真下に設計されている
- 車体がボディパネルで覆われ、エンジンが露出していない(パッソルやZOOMERなど一部の車種を除く)
- エンジン及び変速機のユニットが駆動輪側に固定されており、電車の吊り掛け駆動に近い構成となっている(構成の簡素化のため)。動力部は全てバネ下質量である。
などが挙げられる。
MTのスクーターも一応存在するが、需要の関係で大半のスクーターはCVT・ATを採用している。
特に小型スクーターは同車格のバイクに比べて車体のコンパクトさや操縦のしやすさ、収納スペースの大きさ、車輪の小ささなどから、馬力は低くとも実用性・経済性に長けている。そのため、新聞配達や郵便配達の際の移動・運搬手段や、農協の銀行サービスでの顧客への訪問手段など業務用にも広く使われている。
一方で排気量250cc~の大きなものはビッグスクーター(俗に"ビクスク"とも)といい、その中でも大型二輪免許が必要なものはメガスクーターと呼ばれることもある。ビッグスクーターはエンジンのサイズが大きくなり車体も頑丈なものが求められるため、小型のスクーターとは構造が大きく異なる。
それゆえ同車格のバイクと比べて大型で重いものになりやすいため、取り回しがしにくく低速では玉乗りと呼ばれるほど不安定になりやすいが、その分積載能力は格段に高く、運転姿勢も楽なため、長距離ツアラーとして愛用する人も多い。
世界最大の排気量を持つスクーターはイタリア・ジレラ社のGP800ieと、同じくイタリア・アプリリア社のSRV850の2台。いずれも排気量は約840ccにも達する。
日本で乗るにはAT限定以上の大型自動二輪免許が必要となる(限定なしでも可。2019年よりAT限定の排気量制限が撤廃された)。
スクーターの代表例
世界累計生産台数1位を誇る、日本を代表する小型スクーターシリーズ。とにかく頑丈で壊れないことで有名である。
すっきりとしたシャープなデザインで一世を風靡。2018年4月25日発売のモデルは本田技研工業製造のTACTのOEMに切り替えられているが、2022年10月に自社モデルが復活すると同時に初の125ccモデルが登場した(50ccモデルは引き続きHONDAのOEM生産)。
・ゴールドウィング(HONDA)
国産バイクで唯一、水平対向6気筒を採用するビッグスクーター。
・PCX(HONDA)
2010年代最も日本で売れた二輪車。四輪のイメージの元に設計され、アイドリングストップも装備している。
・トリシティ(YAMAHA)
抜群の安定感を誇る、フロント二輪の三輪スクーター。
徹底的に安価さと気楽さを追求した、SUZUKIの自由な発想を象徴するスクーター。
イタリアのバイクメーカーが手がける小型スクーター。名前は「スズメバチ」の意味。日本でも販売されている。
日本におけるビッグスクーターの元祖。
YAMAHAのパッソルが現れるまで長らく日本のスクーターの代名詞だった。
漫画・アニメ・ドラマ等で有名な愛用者
- 福田のり子:クラウザー号(アイドルマスターミリオンライブ!)
- 伊藤伸恵(苺ましまろ)
- がんがんじい(仮面ライダー(スカイライダー))
- 城戸真司:ズーマー(仮面ライダー龍騎)
- 白丸結(君は放課後インソムニア)
- 日名倉莉子(CUE!)
- 坂田銀時(銀魂)
- 荒岩一味(クッキングパパ)
- 飯塚ゆず(桜Trick)
- 海咲野くくる(白い砂のアクアトープ)
- 工藤俊作(探偵物語)
- 渋井丸拓男(DEATH NOTE)
- 加賀山楓(のんのんびより)
- 中野千雨(ばくおん!!)
- 鴨川源二(はじめの一歩)
- 大家さん(ひだまりスケッチ)
- 宇佐美マサムネ(まよチキ!)
- 志摩リン(ゆるキャン△)
その他
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