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概要編集

1996年6月23日、NINTENDO64と同時発売されたローンチソフトの一本(他の同時発売ゲームは『パイロットウィングス64』と『最強羽生将棋』)。発売当時の価格は9,800円(税抜)でこの価格は『スーパーマリオヨッシーアイランド』と並んでマリオシリーズでは最も高額なソフトでもあった。後に『スーパーマリオ64DS』としてニンテンドーDSでリメイクされている。


スーパーマリオ」シリーズ初の本格的な3Dアクションゲームとして発売された。

それまで家庭用ゲーム機に於ける「3Dアクションゲーム」は、「コースそのものは3Dポリゴンで構成されているがルートは予め決まっており、コースの最後でゴール条件をクリアするかボスを倒せばコースクリア」となるものが殆ど(ちょうど、『スーパーマリオブラザーズ』のコースをそのまま3Dポリゴンで描画したようなものである)だったが、本作はコースがどの方向にも自由に移動できる「3Dの箱庭」として構築されているというのが最大の特徴。

(ただ、この特徴と合わせて本作は「プレイヤーが自発的に気付きを得る仕様」となっているため、発売当時は「何をすればいいのかわからない」と投げ出す人も少なくなかったとか)


要するに、「本当の意味で3D空間を自由に歩き回れる初の家庭用ゲーム機向けソフト」なのである。


なお、冒頭ではマリオの顔を手のアイコンでいじって遊べる謎の機能もあるが、このネタは後に開発中止になった『マリオペイント64』に搭載予定であった機能のテストを入れたものである。


翌年の1997年にはウェーブレース64と共に振動パック対応版が発売。値段が6,800円と大幅に下がり、赤コインを入手した時の効果音が海外版と同様になる、ピーチ姫にボイスの追加、一部バグの修正など細かい変更点がある。


タイムアタック競技が盛んなゲームとして有名。発売から20年以上が経過した現在でも、実機(RTA)・エミュレータ(TAS)双方で日々ガチ勢がタイムをいかに縮めるかの研究が行われており、特に後者では後述する「ケツワープ」バグなどを活用したネタ動画も多数アップされている。

中でもスター0枚RTAは界隈において言わずと知れた花形種目であり、見ている方も一瞬たりとも気の抜けない高速プレイが日夜繰り広げられる。


2020年9月18日に発売されたNintendo Switch対応ソフト『スーパーマリオ3Dコレクション』には1本目として収録。選択画面に表示されているパッケージは無印版だが、収録されているのは振動パック対応版なので注意。


ストーリー編集

またまたピーチがさらわれた。そしてマリオの大冒険の旅がいま始まる!


『おしろへ あそびにきてください。ケーキを つくって まってます。 ピーチより』


「Wow、ピーチからの招待状だ。今すぐ行くよ待ってておくれ!」

ピーチ姫から手紙をもらったマリオは大喜び。

しかし、マリオがキノコ城に来てみると、城はもぬけの殻。


『ようこそいらっしゃいませ だれもいませんので とっとと おかえりください。ガハハハッ!』


たまたま近くにいたキノピオに話を聞いてみると、クッパが突然城にやってきて、城の力の源である「パワースター」を奪い、さらにピーチを始めとした城の住人たちを絵の中に閉じ込めてしまったとのこと。

困ったマリオは、一か八か、壁に掛かった絵の中に飛び込んでみました。するとどうでしょう、そこにはまったく別の世界が!

どうやらクッパは絵の世界の住人も怪物にしたてあげ、本当の世界に送りこんで、マリオたちの国を支配しようとしており、奪われたパワースターは、絵の世界のさまざまな場所に隠されているらしい。

ぐずぐずしてると、この世界はクッパ軍団のものになってしまう。

「やっぱりこれは、クッパのしわざだ! クッパの思い通りにさせてたまるか!」

さあいけ、マリオ!やっぱりたよりになるのは君しかいない。知恵と力でキノコ城の平和を取り戻せ!

(一部文章は取扱説明書から抜粋)


コース編集

全15コースあり、1コースに7つスターが手に入る(100枚コイン含む)。

クッパコースなどコース番外のスターは、「おしろのかくれスター」という名前でひとくくりになっており、計15枚隠されている。


キノコ城1階編集


キノコ城地下編集


キノコ城2階編集


キノコ城3階編集


その他:おしろのかくれスター



キャラクター編集

主要・味方キャラクター編集

お馴染みの主人公。本作から様々な声が付き表情も豊かになった。また、2段・3段ジャンプや壁キック、ヒップドロップなどのアクションが追加されたのも本作からとなっている。


マリオに宛てた手紙を出す。今回は城を乗っ取られ、ステンドグラスに封印されてしまう。


敵として登場するものもいるが、本作ではカメラ操作をしているという設定になっている(オープニングやアイコンなどで確認することができる)。


何名か城内に隠れている。中にはパワースターを持っている者もいる。


絵の中でマリオのサポートをする。話しかけると大砲が使用可能になる。


敵として登場するものの他にも、各地でレースを開くちょっと大きめのノコノコも登場する。

本作ではノコノコのコウラに乗ることもできる。


「バッタンキングのとりで」の入口近くの木で寝ているフクロウ。掴まると上空まで行くことができる。


氷モチーフのコースによくいるペンギン。親子でいるものやスライダーのチャンピオンなどキャラクターは様々。


イタズラ者のウサギ。パワースターを隠し持っている。


地底湖に棲む黒ぐろとした恐竜。おとなしい性格。


イタズラ好きなサル。マリオの帽子を奪おうとする。


クリア後にキノコ城の屋根に現れる。パワースターを120枚入手すると大砲が使えるようになり会いに行くことができるようになる。話しかけると…。


敵キャラクター編集


ボスキャラクター編集

お馴染みのラスボス。今回は3回戦うことになる。尻尾を持って爆弾へぶつけなければならないが、慣れないうちはかなり難しい。ちなみにクッパの笑い声を早くするとテレサの声と同じになる


「ボムへいのせんじょう」のボス。マリオのことを掴み投げ飛ばしてくる。逆に投げ返してしまえばダメージを与えられる。


「バッタンキングのとりで」のボス。超巨大なバッタンでマリオのことを潰そうとしてくる。倒れたところにヒップドロップを当てればダメージを与えられる。


「テレサのホラーハウス」に登場する大型のテレサ。なんらかの方法で3回ダメージを与えればよいが、向かい合っている間は透明化し攻撃を受け流されてしまうので注意。


「ファイアバブルランド」のボス。既に登場しているものと、どんけつ隊を倒した後に現れるものの2体がいるが、どちらもマグマに落とせば倒せる。


「あっちっちさばく」のピラミッド内にいるボス。岩で出来た手に目がついているボス。見た目通り目が弱点。


「スノーマンズランド」のボス。対処法はボスどんけつと同じだが、足元が氷の床なので滑りやすくなっている。


「ちびでかアイランド」のボス。素早いが割と簡単に倒せる。



死亡演出編集

本作はマリオの死に方のバラエティが豊富で、そのバラエティたるや「ドンキーコング(ゲームボーイ版)」にも迫るほどである。

流石にドンキーコングにおける一部の死に方のようなエグいものは無いものの、

などと中々の多彩な死に方である。

また、ダメージにより体力が0になったときの死に方(バタッと倒れる)や、ゲームオーバー時の画面(背景が赤ベースになり、散々な表情のマリオが表示される)も中々のトラウマもの。

さらに、巨体と顔面のインパクトの強い「ウツボ」、目玉のお化け「アイクン」、何よりマリオ史上最凶のドッキリキャラ候補とも思われるキラーピアノなど、敵キャラやトラップも中々どうしてエグいものが少なからずある。


バグなど編集

本作はN64という新ハードのソフト第一弾や、或いは「本当の意味での3Dゲーム第一弾」であることもあってか、いくつかのバグが存在する。

有名なものとしてケツワープがある。

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細かいことはニコニコ大百科の記事の方が詳しいが、要するに「壁に向かって後ろ幅跳びを連続して繰りだすとマリオに加速度が蓄積され、その状態で移動するととんでもない速度でマリオが吹っ飛んでいく」というものである。

(厳密には、階段のような場所で幅跳びのタイミングを合わせると、加速していき壁にぶつかって勢いが無くなるまで何故か滑る現象である)

実機でも再現できる技ではあるが、とにかく制御が難しいのでTASの記録更新のような競技に使う、或いは単なる小ネタとして使う以外は(一般のプレイヤーにとっては)それほど利用価値があるとは言えない技でもある。というか、そもそもそういう技を使わなくても十分クリアすることも遊ぶこともできるゲームである。

尚、後に発売された振動パック対応版ではケツワープを筆頭としたバグは修正されている。


漫画版編集

沢田ユキオ作の『スーパーマリオくん』ではコロコロコミック学年誌で「スーパーマリオ64編」として、本山一城作の『スーパーマリオ』シリーズはコミックボンボンにて『スーパーマリオ64』のタイトルでそれぞれ展開。

コロコロ版・ボンボン版双方で、途中からゲームには小ネタ程度にしか登場しないヨッシーとそもそも登場すらしていないルイージが同行している。

学年誌版ではマリオと赤ボムとヨッシーのメンバーで進み、ルイージは冒頭で少しだけ登場する程度に留まっている。


余談編集

本作のマリオは、クッパとの対決にジャイアントスイングを披露している。これは映画『ピーチ姫救出大作戦!』でマリオがクッパを倒した時に披露している。また高瀬ひろし版『スーパーマリオくん』や大乱闘スマッシュブラザーズシリーズでもマリオはジャイアントスイングを行う。


今でこそ家庭用ゲーム機向けソフトでも「ゲーム内の空間を好き勝手に歩き回れる」のが当たり前となっているが、当時はこれだけでも非常に衝撃的な内容であり、N64の性能を見せつける印象的なタイトルになった(そもそも、N64自体がこのようなタイプのゲームを実現させるために開発されたゲーム機だった)。一方で、それまでの(視点固定の)3Dゲームと違い視点が激しく変わるので酔いやすく「マリオ64で3D酔いを初めて味わった」という人や、本作のプレイがトラウマになって3Dアクションゲームに苦手意識を持ってしまう人も少なくなかった。また、初の本格3Dアクションだったためかキノコ城周りで何をすればいいのか分からずに何時間も迷いまくったというプレイヤーまで存在した。本作以降、任天堂は「酔いにくいゲーム」を目指して3Dアクションゲームのカメラ視点に試行錯誤を繰り返すことになる


本作が他社や他シリーズに与えた影響も非常に大きく、例えばスクウェア(現スクウェア・エニックス)のキングダムハーツシリーズは本作にヒントを得た(『ファイナルファンタジー』のキャラを『マリオ64』のように3Dの箱庭を歩かせてみる、というのが出発点らしい)とも言われている。


関連イラスト編集

テーマ「パワースターをダブルゲットしようとするマリオ」※実話


関連動画編集


関連タグ編集

任天堂 マリオ 緑の悪魔 奴が来る パワースター ケツワープ NINTENDO64 アクションゲーム スーパーマリオブラザーズ

3Dマリオ


スーパーマリオ64DS…操作キャラクターを追加し、一部パワースターが追加・変更されているリメイク。


キングダムハーツ…本作に影響を受けたとされているタイトル。



外部リンク編集

公式サイト

3Dコレクション公式サイト

NINTENDO 64 Nintendo Switch Online公式サイト

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