概要
セグウェイとは、動力を持つ二輪車の一つ。
2000年代初期に「ジンジャー」のコードネームで開発された。
運転者が体重を移動することで操作し、モーターと、ジャイロやセンサーを通じたコンピュータ管制による半自動運転によって動く。
海外から搬入された当初は「未来の乗り物」として各メディアで大きな話題を呼んだが、保安基準を満たせなかったことと一台あたり約80万円という高価格から日本ではあまり普及しなかった。
企業沿革
2009年12月、セグウェイ社は英国の資産家・投資家であるジミー・ヘセルデンに買収された。翌年の2010年9月、ヘセルデンは自宅近くの森でセグウェイを運転中、林道から川に転落し事故死した。
2015年4月、セグウェイ社は中国に拠点を輸送ロボット企業「Ninebot Inc.」(ナインボット社)に買収された。そのため現在ではブランド名として「Segway-Ninebot」が使われている。
2020年7月15日、ナインボット社はセグウェイの生産を終了することを発表した。セグウェイブランドではなくナインボット社ブランドの立ち乗り電動二輪車はまだ生産されている模様である。2022年時点におけるナインボット社の主力製品は電動キックスクーターであるようだ。
形状
ホッピングに車輪を付けたようなシンプルかつコンパクトな外見をしており、並行して並んだ車輪の間に足場がある。ホッピングのような外見と、それが乗り物という点ゆえに見た目のインパクトは絶大である。本体から上に伸びているハンドルバーには、アクセルもブレーキも付いていない。
走行
足場に乗って体を前に傾けることで、機体がその傾きを察知して自動発進し、走行する。走行速度は約5km/h~20km/h。ただし「体の傾きを感知して走行する」という原理上、急ブレーキ・急発進は苦手である。
走行原理
倒立振子(とうりつしんし)とよばれるもので、上の重りを倒さないように車台を加速して制御するもの。要は手の上に箒を立てて乗せて倒さないようにバランスをとるあれと同じ原理。
この原理ゆえ重量制限には最大重量(118kg以下)のほかに最小重量(45kg以上)もある。
ラインナップ
走る場所に応じたものと、(人が乗るためではない)機能部品としてのものがある。
基本モデル
室内および整地された場所用。警備・工場・物流・園内業務向け。
不整地用
タイヤがオフロード用になっている。森林ツアーなどの用途向け。
芝生用
芝生の上を走りやすく、かつ芝生をいためないように幅が広く空気圧の低いタイヤを装備している。主にゴルフ場向けのモデル。
自立制御ロボット用モジュール
走行部分だけのものでコンピュータとの接続・通信用インターフェースを備えており、自立制御ロボットの機能部品として販売されている。二輪モデルと牽引力を重視した四輪モデルがある。
警備・警察用三輪モデル(海外のみ)
二輪モデルより頻繁な乗り降りや乗ったままの立ち作業を重視したモデル。操作系統はスクーターやオートバイの様になっており、見た目、各種装備ともにセグウェイとスクーターの合いの子といった感じになっている。
バランススクーター
セグウェイの発展型として、車輪を小型化してハンドルをなくした「バランススクーター」が発売された。
「セグウェイミニ」「ミニセグウェイ」と商品名に付けられていることもあり、2023年時点で「セグウェイ」と言えばこちらを指すことも多い。
余談
マイコン制御の学習用に外見は似ても似つかないものの、似たような構造を持つものもあり、またマイコン制御の学習ネタとして取り上げられることがある。さらに、技術や技能に長けた人の中にはちょっした戯れ事としてセグウェイもどき("Balancing Scooter"や"DIY Segway"とよばれる)を造る人もいる。
(戯れ事としての)セグウェイもどきの例
日本での利用
現在日本では公道での利用が一切認められていないので、利用は私有地内に限られる。
理由としては、今の道路交通法で公道を走る際に満たさねば成らぬ条件をセグウェイが満たすのが構造上無理がある為。
日本でのエピソード
2003年7月に東京・渋谷の路上にて「日本にセグウェイを取り締まる法律は無い」として無許可でセグウェイのイベントを行った業者が自賠責保険違反・整備不良で2004年4月に略式起訴され罰金50万円の判決を受け、セグウェイ本体は証拠物件として10ヶ月以上に亘り押収された。この際に、警視庁の検証でモーター出力が0.6kWを超えている事から、道路交通法でのセグウェイの分類は中型バイクに相当するとされた。
関連タグ
外部リンク
Segway Inc.(英語)
セグウェイジャパン(国内総販売代理店 法人のみ購入可)