タケミカヅチとは――
- 日本神話の剣と雷の天津神『武甕槌命(たけみかづちのみとこ)』
- âgeのアドベンチャーゲーム『マブラヴオルタネイティヴ』に登場するロボット。→武御雷
- ATLUSのRPG『女神転生』のキャラクター。
- ATLUSのRPG『ペルソナ4』に登場するペルソナ。→タケミカヅチ(ペルソナ)
- アニメ『ソ・ラ・ノ・ヲ・ト』に登場する多脚戦車。→タケミカヅチ(戦車)
- かつてJRAに所属していた元競走馬。
- ライトノベル『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか』に登場する神。→タケミカヅチ(ダンまち)
- サンライズ制作のTVアニメ『機動戦士ガンダムSEEDDESTINY』に登場する大型航空母艦→タケミカズチ級
- ゲーム『一血卍傑』に登場するキャラクター→タケミカヅチ(一血卍傑)
- RPG『エヌイノセンス』に登場するキャラクター。→タケミカヅチ(エヌイノ)
日本神話のタケミカヅチ
(右はタケミカヅチ、左はタケミナカタ)
イザナギ命がホノカグツチを剣で斬り殺した際、イザナギの剣である天之尾羽張に付いたホノカグツチの血から生まれた武神とされる。
そのため『古事記』では「天之尾羽張の子」、『日本書紀』では「天之尾羽張から4代後の子孫」とされており、その意味ではホノカグツチと天之尾羽張との間に生まれたとも言い得る。
漢字では建御雷神、武甕槌神、また武御雷男之神(タケミカヅチオノカミ)、近年では建御雷命とも書かれる。
『古事記』では建御雷之男神・建御雷神、『日本書紀』では、武甕槌、武甕雷男神などと表記され、単に建雷命と書かれることもある。別名 建布都神(タケフツ)、豊布都神(トヨフツ)。なお三輪氏の系譜に建甕槌命が登場するが、偶然に名前が同じなだけであり、本来は全く関係のない人物である。
彼が最も活躍したのは、古事記収録の『国譲り』事業のときである。
天照大御神が大国主神に葦原中国(地上世界=日本列島)を天津神に譲らせる交渉をするために遣いを出すが、幾人もの使者がその事業に失敗し、状況は混迷を極めていた。
その最後の使者として派遣されたのがタケミカヅチであり、彼は切っ先を上にして突き立てた剣の上で刺さらずに胡坐を掻くという芸当でオオクニヌシの度肝を抜き、これが功を奏して国譲りの交渉を見事成功させている。
オオクニヌシは、自分一人の独断で決めるわけにはいかないとして二人の子息にも意見を聞くように求め、長男の事代主神は譲渡に賛成して船に隠れたが、次男の建御名方神はタケミカヅチを悪神と誤解し、国譲りに最後まで抵抗して戦いを挑む。
しかし、神通力を使えるタケミカヅチには敵わず、それでも負けを認めずに逃げ回る建御名方神をトコトンまで追いまわした末に、科野国の州羽の湖まで追い詰めた際に誤解が解け、建御名方神も父兄に従い中つ国を天津神に譲ることに同意する。
更に訪れた諏訪の地を気に入った建御名方神は諏訪に留まり、国に尽くすことをタケミカヅチに誓う。
この後、建御名方神はタケミカヅチに神通力抜きによる純粋な力比べがしたいとして、了承したタケミカヅチは建御名方神と勝負して、結果は引き分けに終わる。
この取っ組み合いは相撲のルーツの一つとされている。
(余談だが最初の方の戦いは、神通力を使っているだけあって描写的にはどちらかと言うとSUMOUに近い。そもそも冷静に見てみると卑怯な戦い方でもあるが、世界を見ても大抵の神話では基本勝てば官軍敗ければ賊軍である)
また布都御魂剣はタケミカヅチの化身ともされ、神武天皇が東征事業で危難に遭った際に布都御魂剣を神武天皇の下に遣わし、熊野の悪神を退けるのに助力したとされる。
そのほか、藤原氏の氏神ともされているが、系譜関係などから天児屋命(八意思金神と同一とする説も)の父神である興台産霊神は建御雷神の別名ではないかとする説があり、その説に従えば藤原氏の祖神となる。
御利益
特に鹿島神宮は歴史が深く、建造は2500年前。初代神武天皇(紀元前660年)がタケミカヅチの「韴霊剣」によって窮地を救われ、その感謝の印として勅祭された。
武芸守護(特に剣道・剣術)、諸芸上達、必勝祈願、五穀豊穣などの御利益がある。
それゆえに源頼朝、徳川家康などの武将から信奉され、奥宮や門が奉納されたという。
『女神転生』シリーズのタケミカヅチ
初出作品は「真・女神転生」。“鬼神”、または“天津神”族の悪魔として扱われ、神話になぞらえて電撃・物理属性に特化したスキルと防御相性を持つ。
当初は剣や弓で武装し古代の装束に身を包む姿だったが、「真・女神転生デビルサマナー」以降は真っ赤に焼けた肌に金色の眼を持ち、両手に火花を散らす武具を携えたデザインで統一されている。なおデザインを担当した金子一馬氏は「チ」が名につく日本の神々は、神が扱う道具のイメージを含めてデザインしたという。
日本の神様だけあって、髪型は基本的に鬟である。
「真・女神転生Ⅱ」ではヒルコの裏切りとヘブライ神族の暗躍によって力を失った日本の神の一柱として登場し、封印の岩戸でアレフに助けられた際にその経緯の一端を口にし怒りを現す。
「女神異聞録デビルサバイバー」ではジンの仲魔として登場、彼に関するイベントを攻略することで合体解禁される。また「デビルサバイバー・オーバークロック」のユズルート追加シナリオにおいては、『護国の神』としての神性を利用してタケミカヅチを東京の結界強化の要としている。
護国神としての性格は「真・女神転生Ⅳ」のチャレンジクエスト『百年の護国』においても強調されており、物語の百年前に起きた大戦で敵国に対抗するために召喚された悪魔として登場する。クエストクリアに際して、数十年前自分と同じ理由で召喚された悪魔達を案ずる言葉を漏らす。