概要
チャックとも表記されるマヤ神話における雨と雷などといった気象を司る神。
アステカ神話のトラロックやサポテカ神話のコシーホ(またはコシーヨ)と同一視される。
また、水を司っている為、農業の守り神ともされる。
長い鼻と下方に突き出た牙に両目からあふれる涙が彼の象徴であり、時代によっては石斧や蛇などの光り輝く武器を携えた姿で描かれたり、炎を伴って描かれる事もある。
雨はチャクの持つ瓢箪からばら撒かれた水であり、雷はチャクの持つ魔法の石斧が振るわれた結果起こるものとされ、「トウモロコシの石」を割り開いてトウモロコシの神を呼び覚ましたともされている。
また、基本的には善神だが、時に大量の雨を撒き散らして大洪水を引き起こしてしまう事もあるとされている。
ゲゲゲの鬼太郎
ユムチャックという名称で、アニメ第2期第44話、第3期第83話に登場。
古代メキシコに栄えていたマヤ文明を支配していた雨を司る神で、ユタカン半島のチチェン・イッツアという遺跡の町の中央に湧き出ている泉の源にあるもう一つの隠された泉に築き上げた永遠の国に住んでいるとされる。
また、第3期では遥か昔に日本の小笠原諸島の一島・魔矢ヶ島を訪れ、島の住人である雨降り小僧を日本の雨の神と認識し、自身が作り上げた理想郷の番人として任命し、理想郷の門の鍵となる金の笛を託している。
水を自在に操る力を持っているが、神という立場から基本的に妖怪や人間たちには不干渉の立場を取っている。
しかし自身の供物として捧げられた莫大な財宝や名誉欲の為に聖域を荒らす愚かで不届きな人間たちに対しては容赦なくその力を振って鉄槌を下し、そのような者たちは命を落とす結末を迎える事となる。
余談
元々は鬼太郎とは全く関係ない短編『雨神ユムチャック』が原作となっている。