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トランセンド

1

とらんせんど

トランセンドとは、JRA所属の競走馬、種牡馬。主な勝ち鞍は、2010・2011年ジャパンカップダート(現・チャンピオンズカップ)、2011年フェブラリーステークス、南部杯。史上初めてJCダートを連覇し、2011年にはJRA賞最優秀ダートホースを受賞した。
トランセンドとは、JRA所属の競走馬、種牡馬。主な勝ち鞍は、2010・2011年ジャパンカップダート(現・チャンピオンズカップ)、2011年フェブラリーステークス、南部杯。史上初めてJCダートを連覇し、2011年にはJRA賞最優秀ダートホースを受賞した。

誘導

  1. (transcend)英語で「(限界を)超える」「超越する」意の動詞。
  2. 台湾に本社を置く半導体メモリ製品を中心に製造を行う企業。 日本法人(トランセンドジャパン)も持っている。→トランセンド(企業)
  3. 日本の競走馬種牡馬
  4. ウマ娘プリティーダービー』にて3をモチーフとして登場するウマ娘。→トランセンド(ウマ娘)

当記事では3に関して解説する。

検索時の支障となるため、4にあたる作品にはリンク先のタグのみを単独で使用する事を強く推奨する


名馬の肖像

前へ行け

追いつけなかった

交わせなかった。

どれほどの圧力も

お前を脅かすことは

できなかった。


だから行け

東へ、西へ、砂漠の国へ。

その逃走と闘争を

私たちは見届けよう。

かなた後ろから見守ろう。

名馬の肖像」2017年チャンピオンズカップ


概要

トランセンドとは、JRA所属の競走馬・種牡馬。2010年・11年のジャパンカップダート(現・チャンピオンズカップ)、2011年のフェブラリーステークスマイルチャンピオンシップ南部杯などを制した。2011年JRA最優秀ダートホース。

また、レパードステークスみやこステークスの第1回の覇者でもある。


プロフィール

生年月日2006年3月9日
英字表記Transcend
中字表記創昇
性別
毛色鹿毛
ワイルドラッシュ
シネマスコープ
母の父トニービン
競走成績24戦10勝
管理調教師栗東・安田隆行

経歴

幼駒時代

母・シネマスコープに、アメリカのダートGⅠを2勝し、日本に輸入されたワイルドラッシュが交配されて誕生。姉のサンドリオン(2003年産、父・コマンダーインチーフ)はオープン時代の紫苑ステークスを制しているが、父・母ともダートに良績を集めるファミリーに産まれた。ノースヒルズのスタッフによれば、「扱いやすい馬で、元気いっぱい」「牧場でも、育成した大山ヒルズでも評価の高い馬」だったという。


3歳(2009年)

順調に成長すると、栗東・安田隆行厩舎に入厩。古馬にも劣らない調教時計を記録し、若干遅めのデビューではあったものの、ダービーが目標に据えられた。

デビューは京都芝の1800mに川田将雅を背に出走。調教の充実度から注目され1番人気に推され先行してレースを進めたが、同じく逃げ馬を追走していた勝ち馬に3/4馬身差遅れた2着に終わる。続戦予定だった芝1600mの3歳未勝利戦はフレグモーネによる出走取り消しとなり、脚元の不安に鑑みてダートの未勝利戦を選択。安藤勝己を背にここを楽々と勝ち抜けると、次走のダートの条件戦も不良馬場を逃げ後続に1秒以上の差をつけ快勝した。再度ダービーへの色気をもって挑んだ初重賞は芝の京都新聞杯。2番手に取りついて馬群を率いる形でレースを進めたが、直線では余力がなく同門のベストメンバーの制覇の後方でゴールイン。調教時やレース後などに鞍上の安藤から「芝も悪くないけどふらふらする面がある。ダートの遅い流れのほうが合っているかも」というコメントがあったことを踏まえ、このレース以降は本格的にダートへと目先を移した。

ダート転向初戦に選ばれたのは新潟ダート1800m・麒麟山特別(1000万円以下)。ダートで揉まれてきた古馬のなかにあって1番人気に推されると、2番手を追走すると最後は後ろを8馬身突き放す、当時のレコードタイムでの圧勝を果たした。鞍上の内田博幸もこの競馬っぷりを「強すぎだよ、反則的なまでにね。(注文?)ないね。レベルが違いすぎて怒られちゃうね」と褒め称え、本馬を保有する前田幸治オーナーもこのレースを契機にドバイワールドカップへの出走意欲を安田師に伝えている。続けて、3歳馬向けのダート重賞として新たに設置されたレパードステークスに出走。前走で騎乗した内田が騎乗停止となったため、松岡正海が手綱をとった。すっと2番手に取りつくと逃げるアドバンスウェイを追走、直線半ばで突き放すとスーニシルクメビウスワンダーアキュートといったのちの強豪も歯牙にかけず、本来は高速決着になりにくい良馬場ながら自身が叩きだしたレコードタイの数字を刻んで完封した。

続いてオープン級古馬との初対決として選ばれたエルムステークスでは、軽ハンデもあって単勝1倍台の人気に推されるも前3頭に離された4着。内田がサクセスブロッケンに騎乗するため松岡との再タッグで臨んだ武蔵野ステークスは先行できず中団で外目を回るこの馬には向かない展開になり、同世代・ワンダーアキュートの逃走劇の裏で6着として3歳シーズンを終えた。


4歳(2010年)

シーズン初戦はオープン・アルデバランステークス。安藤との再タッグで2番手で追走する1番人気のフサイチセブンをピッタリマークすると、直線で抜け出したところを1馬身差し切って勝利。2頭が競り合いながらゴールするなかで、それまでのレコードを1秒以上更新するものであった。放牧を経て出走したアンタレスステークスで単勝1番人気に推され、グレード制重賞初制覇の期待がかけられた。レース本番では激しく急かしていったラッシュストリートをよそに先行集団につけ、先行してフサイチセブンなどを捉えにかかったが、4角で手応えを失い8着に大敗した。

続けて中京競馬場改修の影響でこの年から京都競馬場で開催されていた東海ステークスに参戦。鞍上の安藤勝己が同日に開催されるオークスオウケンサクラに騎乗するため、このレースから藤田伸二をパートナーに迎えた。それまでノースヒルズ関連の競走馬に藤田が騎乗することは少なかったが、2010年のドバイワールドカップの際に、同レースの視察に向かっていた前田幸治オーナーと、ローレルゲレイロドバイゴールデンシャヒーンに騎乗予定があった藤田が飛行機で偶然隣の席になったことがあり、このときに藤田に対して前田オーナーが「今後チャンスがあれば騎乗を依頼する」と伝えたことによるコンビ結成だった。これ以降、引退まで藤田が継続して騎乗を続けた。

レース本番は、ゲートこそ5分のスタートだったものの藤田は押していってこの馬を先頭に立たせる形を作り、直線で早めに引き離しにかかった。結果こそシルクメビウスの末脚にわずかに屈して2着となったものの、これ以降の強引にハナを奪って粘らせるスタイルが確立されたレースとなった。

秋初戦は日本テレビ盃。同年の帝王賞を制した船橋所属のフリオーソに対してハナを譲らず直線入り口まで半馬身ほどの差をつけて逃げる形をとった。しかし最終直線の手応えでは完全に見劣り、3~4番手で先行していたスマートファルコンの追撃はしのいだものの2馬身半差で2着。中央に舞台を戻して参戦した新設重賞のみやこステークスでは、これまでの藤田との2レース同様ハナを奪う形をとると4角で加速して先行勢を突き放し、外から伸びたキングスエンブレムを封じて優勝。レパードステークスに続いて新設重賞を制したことでメディアからは「初物キラー」との称号も頂戴した。

優先出走権を得て、本馬初となるGⅠレース・ジャパンカップダートに出走。ブリーダーズカップに出走した前年度の統一王者・エスポワールシチーやJBCクラシックを制したスマートファルコンといった中心的な存在が不在、さらには史上初となる海外馬・地方馬の参戦が0頭となった混戦のなか、単勝1番人気に推された。

レースでは、スタート直後にハナを奪う。後ろのバーディバーディにマークされながらもマイペースを刻み、最後は猛追してきたグロリアスノアをわずかに退けて初制覇を飾った。管理する安田隆行調教師は調教師として初めてのGⅠ制覇、馬主のノースヒルズについても2007年・オークスのローブデコルテ、自社生産馬としては2005年のヘヴンリーロマンス以来久々のGⅠ勝利となった。


5歳(2011年)

フェブラリーステークス~JRAダート統一王者へ~

放牧を経て、次走に選ばれたのはフェブラリーステークス。前走からのぶっつけや良績が1800m以上に集中していること、府中の長い直線を逃げ切れるかどうかが不安視されたが、それでもエスポワールシチーやスマートファルコンといった中央勢の中心的存在が不在となったこともあって3.5倍の単勝1番人気となった。

地方ではあり得ない芝スタートに戸惑い後方になったフリオーソをよそに、好スタートから藤田の押っつけに応えて先頭に立つと、マチカネニホンバレとともにハナに立ち先行。直線半ばで先行していたマチカネニホンバレやバーディバーディを振り落とすと、後方から上がり最速の末脚で突入してきたフリオーソも退け、GⅠ連勝を飾った。JRAダートGⅠ連覇はウイングアローカネヒキリ、エスポワールシチーに続く快挙であった。

この勝利によって届いたドバイワールドカップの招待を受け、これを受諾した。


ドバイワールドカップ

ドバイワールドカップに向けてヴィクトワールピサブエナビスタとともに出国した直後、東日本大震災が発生。各馬の陣営ともこの時期に競馬をすべきか、ということに躊躇いがあったものの、調教時間を揃える・各陣営スタッフでお揃いのシャツを着るなどの形で協力し、「チーム日本」で調整が進められた。トランセンド自身も日本にはないオールウェザーの馬場にもしっかり対応し、世界の強豪に伍していくため攻めの調整が進められた。

好スタートを切ると藤田の合図に応えて先行。普段は若干気合をこめていく本馬が、中継車のカメラを気にして落ち着いたこともあって、一発を狙った超スロー逃げを展開し13頭を引き連れて競馬を進める展開に。向こう正面から出遅れて最後方になったヴィクトワールピサが先頭までミルコ・デムーロのサインのもとで大捲りを展開するも、それでも引っかからずピサとトランセンドの2頭でまとまって先頭でレースを進める。直線でも手応え十分で回ってきたが、最後まで伸びてきたヴィクトワールピサに先着を許した。それでもこれまで全く日本馬が相手にならなかったドバイの地でワンツーフィニッシュとなり、震災で沈む日本にエールを届けた。


異例のマイルCS南部杯

長期の休みと日本テレビ盃の回避を挟み、次走に選ばれたのはマイルチャンピオンシップ南部杯。この年の南部杯は岩手競馬が東日本大震災で重大な被害を受けたため、「岩手競馬を支援する日」として興行面での収益が見込める東京競馬場での代替開催となった。

府中競馬に岩手のファンファーレが鳴り響いたこのレースでは、トランセンドはぶっつけとなったこともあってか先頭へ行くことができず、代わりに前・統一王者のエスポワールシチーにハナを譲る形に。道中で岩手の星・ロックハンドスターが芝・ダートの境目で転倒し落馬する(のち、予後不良)という波乱もありながらエスポワールシチーが1000m57秒8のハイラップを刻む展開に、本質的にマイルが短いトランセンドは対応に苦慮。コーナーから押しながら追走という形になり、最終直線半ばまで一度もハナに立つことがない厳しい競馬を強いられたが、引き離しにかかるエスポワールシチーを交わしにかかるダノンカモンと併せると驚異的な粘り腰を発揮。最後は逃げるエスポワールシチーや猛追してきたシルクフォーチュン、さらには併せたダノンカモンを競り落とし、東京ダート1600mのコースレコードにコンマ2秒迫る1分34秒8のタイムを刻んで勝利を飾った。


JBCクラシック~砂の最強王者決定戦~

次走に選ばれたのは大井開催のJBCクラシック。トランセンドはこの年中央GⅠ無敗の王者として、昨年のJBCクラシックから東京大賞典帝王賞を含む6連勝で地方ダートグレードを総なめしてきたスマートファルコンに挑む構図で、2011年の砂の王者を決定するレースとなった。オッズ面でも、スマートファルコンが単勝1.2倍、トランセンドが単勝2.4倍で多くの支持を集め、二強対決の様相を呈した。

好スタートから早々と先頭に立ったスマートファルコンに対し、トランセンドはそれをマークする形で3馬身ほど後ろを追走。後ろはシビルウォーを挟んで大きく置かれる形となり、完全に2頭のマッチレースとなった。しかし、大井のコーナーをぴったりと埒沿いに加速して回るスマートファルコンと武豊に対し、トランセンドはコーナーでやや膨れ、若干おかれる形に。最終直線入り口で手が動きながらも、ゴールから残り100m付近で再加速。ジリジリとスマートファルコンを捉えにかかったが1馬身差まで追い詰めたところがゴール。スマートファルコンの連覇を許した。このレースの3着には3番人気のシビルウォーが入り、3連複は160円、3連単は250円という史上稀に見る低配当を記録した。


ジャパンカップダート・史上初の連覇

前年度覇者として臨んだジャパンカップダートでは、スマートファルコンが出走を回避した一方で、逃げ馬にとって不利となる大外枠に入ったことや、追い切りが秋2戦ほど動かなかったこともあって、人気をエスポワールシチーと分け合う形になった。

内で先行しようとするエスポワールシチーやニホンピロアワーズをいなして早々とハナを叩くと、前年度よりもスローになった前半1分1秒8のタイムで逃走。コーナーで迫ろうとするエスポワールシチーの追撃をかわすと、直線150mを越えたあたりから完全に後続を引き離して1着でゴールイン。史上初となる同レースの連覇を達成した。


JRA主催のダートGⅠ/JpnⅠを全て勝利したという実績が評価され、この年のJRA賞最優秀ダートホースを受賞した。


6歳(2012年)

同年初戦は連覇がかかったフェブラリーステークスに出走し、単勝1倍台の圧倒的な人気に推された。しかし、レースでは先行して押しきりを図るも出足がつかず、3コーナーでは鞍上の藤田の手が動き出す形で、いつもの粘り腰どころか先頭に立つこともできないまま前崩れのペースに巻き込まれて7着に大敗。JCダートで先着したテスタマッタの台頭を許す結果に鞍上の藤田も「もう、全然進んでいかなかった」「気持ちの問題かなあ…」と首をひねった。続けて海外に遠征し前年度の雪辱を期してドバイワールドカップに向かうも、マーク対象だったスマートファルコンが出遅れたことに加え、前年度の走りが警戒されたこともあって後続に厳しく突かれる形となり、まったく見せ場を作れず13着に沈んだ。

スマートファルコンが現役から去った秋初戦・川崎開催のJBCクラシックでは再び1番人気に推されたが、2周目の向こう正面で先頭に立つのがやっとで、最終直線ではまったく粘れずワンダーアキュートに8馬身おかれた3着に終わる。中央に舞台を戻し史上初となる3連覇を目指したジャパンカップダートでも先頭に一度も立つことはなく、それどころか道中で失速しまさかのシンガリ負け。続けてキャリア初めて臨んだ東京大賞典も復調には程遠く、中央勢最下位の7着に終わった。


順風満帆だった2011年とは一転してこの年は未勝利に終わり、ダート王としての威厳はすっかり鳴りを潜めた。


7歳(2013年)

精彩を欠いたレースが続くことから、同年1月9日付で競走馬登録を抹消。アロースタッド繋養の種牡馬となった。


種牡馬成績

地方ダートに優れた産駒を輩出し、特に2017年産のゴールドホイヤーは2020年に南関ダート三冠の1つである羽田盃を制したほか、古馬でも重賞を複数勝利している。

中央では、2023年の阪神スプリングジャンプを2016年産のジェミニキングが制している。


関連項目

09世代 競走馬

ノースヒルズ 藤田伸二 安田隆行


外部リンク

netkeiba – トランセンド

JBISサーチ|トランセンド

トランセンド - 競走馬のふるさと案内所

誘導

  1. (transcend)英語で「(限界を)超える」「超越する」意の動詞。
  2. 台湾に本社を置く半導体メモリ製品を中心に製造を行う企業。 日本法人(トランセンドジャパン)も持っている。→トランセンド(企業)
  3. 日本の競走馬種牡馬
  4. ウマ娘プリティーダービー』にて3をモチーフとして登場するウマ娘。→トランセンド(ウマ娘)

当記事では3に関して解説する。

検索時の支障となるため、4にあたる作品にはリンク先のタグのみを単独で使用する事を強く推奨する


名馬の肖像

前へ行け

追いつけなかった

交わせなかった。

どれほどの圧力も

お前を脅かすことは

できなかった。


だから行け

東へ、西へ、砂漠の国へ。

その逃走と闘争を

私たちは見届けよう。

かなた後ろから見守ろう。

名馬の肖像」2017年チャンピオンズカップ


概要

トランセンドとは、JRA所属の競走馬・種牡馬。2010年・11年のジャパンカップダート(現・チャンピオンズカップ)、2011年のフェブラリーステークスマイルチャンピオンシップ南部杯などを制した。2011年JRA最優秀ダートホース。

また、レパードステークスみやこステークスの第1回の覇者でもある。


プロフィール

生年月日2006年3月9日
英字表記Transcend
中字表記創昇
性別
毛色鹿毛
ワイルドラッシュ
シネマスコープ
母の父トニービン
競走成績24戦10勝
管理調教師栗東・安田隆行

経歴

幼駒時代

母・シネマスコープに、アメリカのダートGⅠを2勝し、日本に輸入されたワイルドラッシュが交配されて誕生。姉のサンドリオン(2003年産、父・コマンダーインチーフ)はオープン時代の紫苑ステークスを制しているが、父・母ともダートに良績を集めるファミリーに産まれた。ノースヒルズのスタッフによれば、「扱いやすい馬で、元気いっぱい」「牧場でも、育成した大山ヒルズでも評価の高い馬」だったという。


3歳(2009年)

順調に成長すると、栗東・安田隆行厩舎に入厩。古馬にも劣らない調教時計を記録し、若干遅めのデビューではあったものの、ダービーが目標に据えられた。

デビューは京都芝の1800mに川田将雅を背に出走。調教の充実度から注目され1番人気に推され先行してレースを進めたが、同じく逃げ馬を追走していた勝ち馬に3/4馬身差遅れた2着に終わる。続戦予定だった芝1600mの3歳未勝利戦はフレグモーネによる出走取り消しとなり、脚元の不安に鑑みてダートの未勝利戦を選択。安藤勝己を背にここを楽々と勝ち抜けると、次走のダートの条件戦も不良馬場を逃げ後続に1秒以上の差をつけ快勝した。再度ダービーへの色気をもって挑んだ初重賞は芝の京都新聞杯。2番手に取りついて馬群を率いる形でレースを進めたが、直線では余力がなく同門のベストメンバーの制覇の後方でゴールイン。調教時やレース後などに鞍上の安藤から「芝も悪くないけどふらふらする面がある。ダートの遅い流れのほうが合っているかも」というコメントがあったことを踏まえ、このレース以降は本格的にダートへと目先を移した。

ダート転向初戦に選ばれたのは新潟ダート1800m・麒麟山特別(1000万円以下)。ダートで揉まれてきた古馬のなかにあって1番人気に推されると、2番手を追走すると最後は後ろを8馬身突き放す、当時のレコードタイムでの圧勝を果たした。鞍上の内田博幸もこの競馬っぷりを「強すぎだよ、反則的なまでにね。(注文?)ないね。レベルが違いすぎて怒られちゃうね」と褒め称え、本馬を保有する前田幸治オーナーもこのレースを契機にドバイワールドカップへの出走意欲を安田師に伝えている。続けて、3歳馬向けのダート重賞として新たに設置されたレパードステークスに出走。前走で騎乗した内田が騎乗停止となったため、松岡正海が手綱をとった。すっと2番手に取りつくと逃げるアドバンスウェイを追走、直線半ばで突き放すとスーニシルクメビウスワンダーアキュートといったのちの強豪も歯牙にかけず、本来は高速決着になりにくい良馬場ながら自身が叩きだしたレコードタイの数字を刻んで完封した。

続いてオープン級古馬との初対決として選ばれたエルムステークスでは、軽ハンデもあって単勝1倍台の人気に推されるも前3頭に離された4着。内田がサクセスブロッケンに騎乗するため松岡との再タッグで臨んだ武蔵野ステークスは先行できず中団で外目を回るこの馬には向かない展開になり、同世代・ワンダーアキュートの逃走劇の裏で6着として3歳シーズンを終えた。


4歳(2010年)

シーズン初戦はオープン・アルデバランステークス。安藤との再タッグで2番手で追走する1番人気のフサイチセブンをピッタリマークすると、直線で抜け出したところを1馬身差し切って勝利。2頭が競り合いながらゴールするなかで、それまでのレコードを1秒以上更新するものであった。放牧を経て出走したアンタレスステークスで単勝1番人気に推され、グレード制重賞初制覇の期待がかけられた。レース本番では激しく急かしていったラッシュストリートをよそに先行集団につけ、先行してフサイチセブンなどを捉えにかかったが、4角で手応えを失い8着に大敗した。

続けて中京競馬場改修の影響でこの年から京都競馬場で開催されていた東海ステークスに参戦。鞍上の安藤勝己が同日に開催されるオークスオウケンサクラに騎乗するため、このレースから藤田伸二をパートナーに迎えた。それまでノースヒルズ関連の競走馬に藤田が騎乗することは少なかったが、2010年のドバイワールドカップの際に、同レースの視察に向かっていた前田幸治オーナーと、ローレルゲレイロドバイゴールデンシャヒーンに騎乗予定があった藤田が飛行機で偶然隣の席になったことがあり、このときに藤田に対して前田オーナーが「今後チャンスがあれば騎乗を依頼する」と伝えたことによるコンビ結成だった。これ以降、引退まで藤田が継続して騎乗を続けた。

レース本番は、ゲートこそ5分のスタートだったものの藤田は押していってこの馬を先頭に立たせる形を作り、直線で早めに引き離しにかかった。結果こそシルクメビウスの末脚にわずかに屈して2着となったものの、これ以降の強引にハナを奪って粘らせるスタイルが確立されたレースとなった。

秋初戦は日本テレビ盃。同年の帝王賞を制した船橋所属のフリオーソに対してハナを譲らず直線入り口まで半馬身ほどの差をつけて逃げる形をとった。しかし最終直線の手応えでは完全に見劣り、3~4番手で先行していたスマートファルコンの追撃はしのいだものの2馬身半差で2着。中央に舞台を戻して参戦した新設重賞のみやこステークスでは、これまでの藤田との2レース同様ハナを奪う形をとると4角で加速して先行勢を突き放し、外から伸びたキングスエンブレムを封じて優勝。レパードステークスに続いて新設重賞を制したことでメディアからは「初物キラー」との称号も頂戴した。

優先出走権を得て、本馬初となるGⅠレース・ジャパンカップダートに出走。ブリーダーズカップに出走した前年度の統一王者・エスポワールシチーやJBCクラシックを制したスマートファルコンといった中心的な存在が不在、さらには史上初となる海外馬・地方馬の参戦が0頭となった混戦のなか、単勝1番人気に推された。

レースでは、スタート直後にハナを奪う。後ろのバーディバーディにマークされながらもマイペースを刻み、最後は猛追してきたグロリアスノアをわずかに退けて初制覇を飾った。管理する安田隆行調教師は調教師として初めてのGⅠ制覇、馬主のノースヒルズについても2007年・オークスのローブデコルテ、自社生産馬としては2005年のヘヴンリーロマンス以来久々のGⅠ勝利となった。


5歳(2011年)

フェブラリーステークス~JRAダート統一王者へ~

放牧を経て、次走に選ばれたのはフェブラリーステークス。前走からのぶっつけや良績が1800m以上に集中していること、府中の長い直線を逃げ切れるかどうかが不安視されたが、それでもエスポワールシチーやスマートファルコンといった中央勢の中心的存在が不在となったこともあって3.5倍の単勝1番人気となった。

地方ではあり得ない芝スタートに戸惑い後方になったフリオーソをよそに、好スタートから藤田の押っつけに応えて先頭に立つと、マチカネニホンバレとともにハナに立ち先行。直線半ばで先行していたマチカネニホンバレやバーディバーディを振り落とすと、後方から上がり最速の末脚で突入してきたフリオーソも退け、GⅠ連勝を飾った。JRAダートGⅠ連覇はウイングアローカネヒキリ、エスポワールシチーに続く快挙であった。

この勝利によって届いたドバイワールドカップの招待を受け、これを受諾した。


ドバイワールドカップ

ドバイワールドカップに向けてヴィクトワールピサブエナビスタとともに出国した直後、東日本大震災が発生。各馬の陣営ともこの時期に競馬をすべきか、ということに躊躇いがあったものの、調教時間を揃える・各陣営スタッフでお揃いのシャツを着るなどの形で協力し、「チーム日本」で調整が進められた。トランセンド自身も日本にはないオールウェザーの馬場にもしっかり対応し、世界の強豪に伍していくため攻めの調整が進められた。

好スタートを切ると藤田の合図に応えて先行。普段は若干気合をこめていく本馬が、中継車のカメラを気にして落ち着いたこともあって、一発を狙った超スロー逃げを展開し13頭を引き連れて競馬を進める展開に。向こう正面から出遅れて最後方になったヴィクトワールピサが先頭までミルコ・デムーロのサインのもとで大捲りを展開するも、それでも引っかからずピサとトランセンドの2頭でまとまって先頭でレースを進める。直線でも手応え十分で回ってきたが、最後まで伸びてきたヴィクトワールピサに先着を許した。それでもこれまで全く日本馬が相手にならなかったドバイの地でワンツーフィニッシュとなり、震災で沈む日本にエールを届けた。


異例のマイルCS南部杯

長期の休みと日本テレビ盃の回避を挟み、次走に選ばれたのはマイルチャンピオンシップ南部杯。この年の南部杯は岩手競馬が東日本大震災で重大な被害を受けたため、「岩手競馬を支援する日」として興行面での収益が見込める東京競馬場での代替開催となった。

府中競馬に岩手のファンファーレが鳴り響いたこのレースでは、トランセンドはぶっつけとなったこともあってか先頭へ行くことができず、代わりに前・統一王者のエスポワールシチーにハナを譲る形に。道中で岩手の星・ロックハンドスターが芝・ダートの境目で転倒し落馬する(のち、予後不良)という波乱もありながらエスポワールシチーが1000m57秒8のハイラップを刻む展開に、本質的にマイルが短いトランセンドは対応に苦慮。コーナーから押しながら追走という形になり、最終直線半ばまで一度もハナに立つことがない厳しい競馬を強いられたが、引き離しにかかるエスポワールシチーを交わしにかかるダノンカモンと併せると驚異的な粘り腰を発揮。最後は逃げるエスポワールシチーや猛追してきたシルクフォーチュン、さらには併せたダノンカモンを競り落とし、東京ダート1600mのコースレコードにコンマ2秒迫る1分34秒8のタイムを刻んで勝利を飾った。


JBCクラシック~砂の最強王者決定戦~

次走に選ばれたのは大井開催のJBCクラシック。トランセンドはこの年中央GⅠ無敗の王者として、昨年のJBCクラシックから東京大賞典帝王賞を含む6連勝で地方ダートグレードを総なめしてきたスマートファルコンに挑む構図で、2011年の砂の王者を決定するレースとなった。オッズ面でも、スマートファルコンが単勝1.2倍、トランセンドが単勝2.4倍で多くの支持を集め、二強対決の様相を呈した。

好スタートから早々と先頭に立ったスマートファルコンに対し、トランセンドはそれをマークする形で3馬身ほど後ろを追走。後ろはシビルウォーを挟んで大きく置かれる形となり、完全に2頭のマッチレースとなった。しかし、大井のコーナーをぴったりと埒沿いに加速して回るスマートファルコンと武豊に対し、トランセンドはコーナーでやや膨れ、若干おかれる形に。最終直線入り口で手が動きながらも、ゴールから残り100m付近で再加速。ジリジリとスマートファルコンを捉えにかかったが1馬身差まで追い詰めたところがゴール。スマートファルコンの連覇を許した。このレースの3着には3番人気のシビルウォーが入り、3連複は160円、3連単は250円という史上稀に見る低配当を記録した。


ジャパンカップダート・史上初の連覇

前年度覇者として臨んだジャパンカップダートでは、スマートファルコンが出走を回避した一方で、逃げ馬にとって不利となる大外枠に入ったことや、追い切りが秋2戦ほど動かなかったこともあって、人気をエスポワールシチーと分け合う形になった。

内で先行しようとするエスポワールシチーやニホンピロアワーズをいなして早々とハナを叩くと、前年度よりもスローになった前半1分1秒8のタイムで逃走。コーナーで迫ろうとするエスポワールシチーの追撃をかわすと、直線150mを越えたあたりから完全に後続を引き離して1着でゴールイン。史上初となる同レースの連覇を達成した。


JRA主催のダートGⅠ/JpnⅠを全て勝利したという実績が評価され、この年のJRA賞最優秀ダートホースを受賞した。


6歳(2012年)

同年初戦は連覇がかかったフェブラリーステークスに出走し、単勝1倍台の圧倒的な人気に推された。しかし、レースでは先行して押しきりを図るも出足がつかず、3コーナーでは鞍上の藤田の手が動き出す形で、いつもの粘り腰どころか先頭に立つこともできないまま前崩れのペースに巻き込まれて7着に大敗。JCダートで先着したテスタマッタの台頭を許す結果に鞍上の藤田も「もう、全然進んでいかなかった」「気持ちの問題かなあ…」と首をひねった。続けて海外に遠征し前年度の雪辱を期してドバイワールドカップに向かうも、マーク対象だったスマートファルコンが出遅れたことに加え、前年度の走りが警戒されたこともあって後続に厳しく突かれる形となり、まったく見せ場を作れず13着に沈んだ。

スマートファルコンが現役から去った秋初戦・川崎開催のJBCクラシックでは再び1番人気に推されたが、2周目の向こう正面で先頭に立つのがやっとで、最終直線ではまったく粘れずワンダーアキュートに8馬身おかれた3着に終わる。中央に舞台を戻し史上初となる3連覇を目指したジャパンカップダートでも先頭に一度も立つことはなく、それどころか道中で失速しまさかのシンガリ負け。続けてキャリア初めて臨んだ東京大賞典も復調には程遠く、中央勢最下位の7着に終わった。


順風満帆だった2011年とは一転してこの年は未勝利に終わり、ダート王としての威厳はすっかり鳴りを潜めた。


7歳(2013年)

精彩を欠いたレースが続くことから、同年1月9日付で競走馬登録を抹消。アロースタッド繋養の種牡馬となった。


種牡馬成績

地方ダートに優れた産駒を輩出し、特に2017年産のゴールドホイヤーは2020年に南関ダート三冠の1つである羽田盃を制したほか、古馬でも重賞を複数勝利している。

中央では、2023年の阪神スプリングジャンプを2016年産のジェミニキングが制している。


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  • ウマ娘と辿る競走馬列伝

    ウマ娘と辿る競走馬 トランセンド&スマートファルコン Act.3

    前→https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=10506822 次→ ということでトランセンドとスマートファルコンが歴史的名勝負を繰り広げた2011年大井競馬場でのJBCクラシックです。これがJBCどころか、ダートGⅠ史上最高の名勝負だと思います。ぜひ見ていただきたいレースです。 今回の話とは全く関係ないのですが、岩手競馬でまたしても禁止薬物が競走馬から検出され、岩手競馬は来年1月7日まで開催取りやめとなってしまいました。正直またかよって感じであきれ果てているのですが、ここまで続くと、もう岩手競馬も終わりだと思ってしまいます。 ですが、なんとか廃止にはならないでほしいものです。自分が本格的に競馬を見始めてから、旭川、荒尾、福山といった競馬場が廃止となりました。その前には北関東の足利・宇都宮・高崎が廃止になっています。 そしてこの地方競馬廃止の端緒と言えるのが中津競馬の廃止。詳細は書きませんが、突然廃止になり人も馬も居場所を失い、写真週刊誌に中津所属の競走馬たちが無惨に殺されていく姿がスクープされたのは有名な事件です。当時自分は競馬など知らなかったのですが、廃止になれば人も馬も居場所を失います。騎手は移籍してという方法が容易ならざるともあるわけですが、調教師やその下で働くスタッフはそう簡単にはいきませんし、競走馬は尚更。中津の悲劇をまたしても繰り返してしまう可能性だって0ではありません。 岩手競馬は10年少し前に赤字が重なり廃止を検討したことがあります。結局は存続が決まりましたがもし赤字が出るようであればまた廃止論が再燃するわけで、今回の開催休止で、しかも書き入れ時の年末年始に開催できないというのは岩手競馬にとっては致命的です。この時期には桐花賞や金杯といった重賞がありますがそれらが無くなるわけで、収入は大幅減になることは火を見るよりも明らか。まず、それ以前にこのような事態を何度も引き起こしたことで廃止だと主張する人が続々出てくることも否めません。 春先、馬券がちっとも当たらなかったのでいい思い出がないとはいえ行ったこともあり、その1つの競馬場…いや、2つの競馬場が消えてしまうとすればなんとも悲しいものです。なんとかなってもらいたいものですが、果たしてどうなってしまうのか…。 一方で競馬を主催している組合にも責任があります。いじめはいじめられた方にも責任があるという論は有名で自分はそんなことは絶対にないと思っているのですが、今回は被害を受けた組合もあまりに対策がずさんだったのではないでしょうか?これで5回目、再発防止に努めると言っておきながら何度も同じ目に遭っているのではいくら何でも対策が不十分だとしか言えないのですが。 水沢の馬から禁止薬物が検出されたからと、水沢「だけ」検査をして盛岡の馬はしなかったというのはいくら何でも適当でいい加減な対応ではなかったのでは?そうすれば犯人は盛岡に標的を変えるに決まっています。 ネットでは犯人捜しが広まっており、内部の犯行やら外部の犯行やら、廃止派による犯行やら、最初にスクープを出した新聞社の陰謀やら、いろいろ意見が出ているのですが、誰が犯人にせよ、岩手競馬の事件に対する姿勢があまりにも雑としか言いようがありません。組合は警察に連絡したわけですが、仮に捕まったとしてもファンの信頼の回復は極めて難しいものと思われます。 もちろん自分も犯人が早く捕まってほしいですし、一連の事件で一番悪いのは犯人であるとは思いますが、組合の姿勢にも疑問を抱きます。岩手競馬に財政的な余裕がないことは百も承知ですが、抜本的な改革や環境の整備、組織の見直しに全力でとりかかってもらいたいものです。ただでさえ競馬・ギャンブルは世間からのイメージがよろしくないのだから、生半可なやり方では元に戻ることはありません。これまで築き上げてきたものは全て壊され、また作り直しです。 今年は地方競馬で多くの事件がありました。門別では交流重賞での1着と2着を取り間違い、南関では禁止薬物で失格が2度、そして岩手は連日の禁止薬物検出で開催取りやめ…。 一体、岩手競馬はどうなってしまうのだろう…。
  • ウマ娘~王の血を継ぐ戦士~

    ~時間よ、止まれ~

    今回は高松宮記念の後、新年度イベントのお話です。趣味で書き殴っている私小説なので、文章的に、ん?となる点はご了承ください(今更)。今回、そして次回から新たに名前の登場するオリジナルウマ娘もおります。そちらのキャラクターについても、作者の想像によって描かれただけの存在です。くれぐれもご理解の上お読みいただきますようよろしくお願いいたします。 なんかお願いばかりしていますね…………。
    22,589文字pixiv小説作品
  • トランセンドと夏の日

    イラストの背景としてボヤっとイメージしてました。 オチはありませんごめんなさい。 投稿イラスト:https://www.pixiv.net/artworks/117578589
  • 君との13年間

    続きが読みたい(切実 誰か書いてくれ
  • 単発

    返り討ちトランちゃん

    トランセンドちゃんが癖に刺さりまくって書きました…
  • 怪物は担当バの夢を見るか

    不眠症の小説家が 書き上げた一作。
  • ウマ娘と辿る競走馬列伝

    ウマ娘と辿る競走馬 トランセンド&スマートファルコン Act.1

    前→https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=10495624#6 次→https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=10506822 あの日は家にいなくて遠くにいたのですが、家に帰る手段を失ってしまいどうしようもない状態でした。しかしそれ以上に「もう日本は終わるんだ」と絶望的な心境になったものでした。 そんな中でヴィクトワールピサとトランセンドの活躍には感動しました。特に純日本チームで挑んだトランセンドの活躍のほうに自分は感動していました。 まだ大震災からの復興には道半ばどころか程遠いですが、少なくとも、競馬にもこうして感動や勇気を与えてくれる要素があることは間違いありません。 さぁ、いよいよ有馬記念ウィークです。メンバーが物足りない気がするのは非常に残念ですが、いよいよ1年の締めくくるグランプリが待っています。障害最強オジュウチョウサンも参加し話題が高まっている平成最後のグランプリ有馬記念、今年も記憶に残るレースになるように…。
  • その後のトランセンド。

    ストーリー後のトランセンドとトレーナーからもうちょっと後な感じの時系列で。こんな感じだったら良いなぁという存在しない記憶なのであります■ではまた次回っす~! GW中にもう一回くらい書けたら良いっすね~!
  • トランセンドとトレーナーが好感度100を目指す話

    お久しぶりです!今回はトランセンドのお話です、いやーやばいですねトランセンド旧Twitterでも脳焼かれた人をたくさん見かけますが自分もその1人です。 この話を読んでトランセンド欲しい!と少しでもなっていただければ嬉しいです!
  • ウマ娘と辿る競走馬列伝

    ウマ娘と辿る競走馬 トランセンド&スマートファルコン Act.2

    前→https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=10499543 次→https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=10539072 今回はトランセンドがドバイから帰国しての初戦となった南部杯。この年は東京競馬場での開催でした。盛岡で使われるあのお馴染みのファンファーレは聴きごたえがあります。一時期別のファンファーレが使われていたのが不評で元に戻ったというのも頷けます。 そして今回登場したある男は某ネット掲示板に当時にあった書き込みを思い出して書いたものです。当時ものすごく印象に残っていたんですが今も忘れられません。文中にある通り実際に彼が買ったかはわかりませんが(自分は本当に買ったと思っています)、当たってよかったという気持ちと、一瞬にして金が消える競馬の怖さを思い知りました。当時はこんなことしたくねえなぁと思ったのですがね。 …まぁ私も馬券を勝ってからは負け続けて、負けが累積してもういくら負けたか計算したくないんですが。でも偶に当たった時の興奮と、脳内物質がゾクゾク分泌するあの快感がたまらないのですよ…。 そして、馬券当たって食べるメシは美味いです。学生のころ(もちろん大学のころです)に結構な配当の馬単当たって、競馬場までの交通費も浮いて、帰る前に駅で豪華な天丼食べたことあったけどあれは美味かったなぁ…。有馬記念で食わせてください。
  • ひとくちウマ娘

    非日常のおかえり

    最速実装のトランセンド 3周年にして供給がすごい
  • ウマ娘と辿る競走馬列伝

    ウマ娘と辿る競走馬 トランセンド&スマートファルコン Act.0

    次→https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=10499543 ウマ娘で辿る競走馬列伝、今回は現役時代に好きだったトランセンド、そしてスマートファルコンの2頭です。 2010年の日本テレビ盃以降、2頭はしばらくの間別路線を歩んできましたがその路線で頂点に立ちました。 そしてこの2頭が再び出会った時、果たしてどうなるのか? 【過去作品のご案内】 メジロパーマー→https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=10370014 キョウエイマーチ→https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=10401617 チョウカイキャロル→https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=10442834 さて、ウマ娘のリリースは予想通り、例によって、案の定、延期になりました。まあバグやら不具合満載でリリースされるよかマシですしどうせこうなるだろうって思ってたんで別にいいです。悪名高い、2年前の艦これの2016春イベを経験するともう「とりあえず少しくらいなら遅れてもいいからバグとか不具合とかはないようにしてくれ」って思いになります。 ああ、あと朝日杯のグランアレグリア。普通に負けましたね(デムーロはタンタアレグリアって言ってたw)。思ったよりも不甲斐なかったな。ミスエルテみたくなっちゃうんだろうか? どうも最近ちょっと牡馬を倒したくらいで「女傑」だの「怪物」だの言われるようになってて名牝のバーゲンセール状態です。この時期に人気になった馬がダービーやオークスのころには完全に戦線離脱してしまっているのが競馬。まだ有力馬はデビューしてないってこともあります。さてどうなることか?
  • 関係一つ進めたくて

    気づいたら書いてました。 僕のじいちゃんの孫が言ってたんですけど「可愛い」とか「かっこいい」とかじゃなく「好き」が先行する子は危険らしいです。 トランセンドがそうでした
  • トラン×トレがとにかく恐ろしい(1)

    筆記途中を間違えて投稿してしまったため再投稿です 許して(???) あと日常物を書くのはこれが初めてなため色々とヤバァイかもしれないのでそれが許せる人だけ読んでください。 ……あとトランセンドのクラスメイト、よくわかんない……とりあえずファル子とか入れてるけどこれ大丈夫かな……? しゃい☆
  • ウマ娘と辿る競走馬列伝

    ウマ娘と辿る競走馬 トランセンド&スマートファルコン End

    前→https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=10539072 年をまたいでしまいましたがトランセンドの章はこれで終わりです。トランセンドもスマートファルコンも、最後はあまりに残念だったなぁ…。 種牡馬としてはスマートファルコンは成功するだろうと思っていたのですが期待外れもいいとこで、ついに社台を追い出され、文中にある通りどんどん種付け数は減っています。トランセンドも惨敗続きの最後のせいか奮いません。当時のレースを生で見ていた者の意見というか願望、希望として、大物が出てほしいものです。 さて、次はどの競走馬を取り上げようかなぁ。それとも前に書いたように、1レース単位で書いてみようかなぁ。リクエストがあれば何でもしますからコメント欄にどうぞ。…ウマ娘との絡みのある競走馬にしてください。さすがに。 …年明けたけど、アプリのリリースはいつなの?
  • 単発

    今更だし

    ノリと勢いと何かで書いたやつ
  • 「あっ。そういえばトレちゃん、朝から面白い情報手に入れたんだけど欲しいかい?」 「そりゃもちろん。」

    この間、久しぶりに書いてみたら少し楽しかったので辞めたくせにまた書いたしまいました。また調子に乗って書くかもしれません、自分に都合のいい嘘つきでごめんなさい。 誤字脱字、及び独自設定にご注意ください。

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トランセンド
1
トランセンド
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トランセンド

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とらんせんど

トランセンドとは、JRA所属の競走馬、種牡馬。主な勝ち鞍は、2010・2011年ジャパンカップダート(現・チャンピオンズカップ)、2011年フェブラリーステークス、南部杯。史上初めてJCダートを連覇し、2011年にはJRA賞最優秀ダートホースを受賞した。
トランセンドとは、JRA所属の競走馬、種牡馬。主な勝ち鞍は、2010・2011年ジャパンカップダート(現・チャンピオンズカップ)、2011年フェブラリーステークス、南部杯。史上初めてJCダートを連覇し、2011年にはJRA賞最優秀ダートホースを受賞した。

誘導

  1. (transcend)英語で「(限界を)超える」「超越する」意の動詞。
  2. 台湾に本社を置く半導体メモリ製品を中心に製造を行う企業。 日本法人(トランセンドジャパン)も持っている。→トランセンド(企業)
  3. 日本の競走馬種牡馬
  4. ウマ娘プリティーダービー』にて3をモチーフとして登場するウマ娘。→トランセンド(ウマ娘)

当記事では3に関して解説する。

検索時の支障となるため、4にあたる作品にはリンク先のタグのみを単独で使用する事を強く推奨する


名馬の肖像

前へ行け

追いつけなかった

交わせなかった。

どれほどの圧力も

お前を脅かすことは

できなかった。


だから行け

東へ、西へ、砂漠の国へ。

その逃走と闘争を

私たちは見届けよう。

かなた後ろから見守ろう。

名馬の肖像」2017年チャンピオンズカップ


概要

トランセンドとは、JRA所属の競走馬・種牡馬。2010年・11年のジャパンカップダート(現・チャンピオンズカップ)、2011年のフェブラリーステークスマイルチャンピオンシップ南部杯などを制した。2011年JRA最優秀ダートホース。

また、レパードステークスみやこステークスの第1回の覇者でもある。


プロフィール

生年月日2006年3月9日
英字表記Transcend
中字表記創昇
性別
毛色鹿毛
ワイルドラッシュ
シネマスコープ
母の父トニービン
競走成績24戦10勝
管理調教師栗東・安田隆行

経歴

幼駒時代

母・シネマスコープに、アメリカのダートGⅠを2勝し、日本に輸入されたワイルドラッシュが交配されて誕生。姉のサンドリオン(2003年産、父・コマンダーインチーフ)はオープン時代の紫苑ステークスを制しているが、父・母ともダートに良績を集めるファミリーに産まれた。ノースヒルズのスタッフによれば、「扱いやすい馬で、元気いっぱい」「牧場でも、育成した大山ヒルズでも評価の高い馬」だったという。


3歳(2009年)

順調に成長すると、栗東・安田隆行厩舎に入厩。古馬にも劣らない調教時計を記録し、若干遅めのデビューではあったものの、ダービーが目標に据えられた。

デビューは京都芝の1800mに川田将雅を背に出走。調教の充実度から注目され1番人気に推され先行してレースを進めたが、同じく逃げ馬を追走していた勝ち馬に3/4馬身差遅れた2着に終わる。続戦予定だった芝1600mの3歳未勝利戦はフレグモーネによる出走取り消しとなり、脚元の不安に鑑みてダートの未勝利戦を選択。安藤勝己を背にここを楽々と勝ち抜けると、次走のダートの条件戦も不良馬場を逃げ後続に1秒以上の差をつけ快勝した。再度ダービーへの色気をもって挑んだ初重賞は芝の京都新聞杯。2番手に取りついて馬群を率いる形でレースを進めたが、直線では余力がなく同門のベストメンバーの制覇の後方でゴールイン。調教時やレース後などに鞍上の安藤から「芝も悪くないけどふらふらする面がある。ダートの遅い流れのほうが合っているかも」というコメントがあったことを踏まえ、このレース以降は本格的にダートへと目先を移した。

ダート転向初戦に選ばれたのは新潟ダート1800m・麒麟山特別(1000万円以下)。ダートで揉まれてきた古馬のなかにあって1番人気に推されると、2番手を追走すると最後は後ろを8馬身突き放す、当時のレコードタイムでの圧勝を果たした。鞍上の内田博幸もこの競馬っぷりを「強すぎだよ、反則的なまでにね。(注文?)ないね。レベルが違いすぎて怒られちゃうね」と褒め称え、本馬を保有する前田幸治オーナーもこのレースを契機にドバイワールドカップへの出走意欲を安田師に伝えている。続けて、3歳馬向けのダート重賞として新たに設置されたレパードステークスに出走。前走で騎乗した内田が騎乗停止となったため、松岡正海が手綱をとった。すっと2番手に取りつくと逃げるアドバンスウェイを追走、直線半ばで突き放すとスーニシルクメビウスワンダーアキュートといったのちの強豪も歯牙にかけず、本来は高速決着になりにくい良馬場ながら自身が叩きだしたレコードタイの数字を刻んで完封した。

続いてオープン級古馬との初対決として選ばれたエルムステークスでは、軽ハンデもあって単勝1倍台の人気に推されるも前3頭に離された4着。内田がサクセスブロッケンに騎乗するため松岡との再タッグで臨んだ武蔵野ステークスは先行できず中団で外目を回るこの馬には向かない展開になり、同世代・ワンダーアキュートの逃走劇の裏で6着として3歳シーズンを終えた。


4歳(2010年)

シーズン初戦はオープン・アルデバランステークス。安藤との再タッグで2番手で追走する1番人気のフサイチセブンをピッタリマークすると、直線で抜け出したところを1馬身差し切って勝利。2頭が競り合いながらゴールするなかで、それまでのレコードを1秒以上更新するものであった。放牧を経て出走したアンタレスステークスで単勝1番人気に推され、グレード制重賞初制覇の期待がかけられた。レース本番では激しく急かしていったラッシュストリートをよそに先行集団につけ、先行してフサイチセブンなどを捉えにかかったが、4角で手応えを失い8着に大敗した。

続けて中京競馬場改修の影響でこの年から京都競馬場で開催されていた東海ステークスに参戦。鞍上の安藤勝己が同日に開催されるオークスオウケンサクラに騎乗するため、このレースから藤田伸二をパートナーに迎えた。それまでノースヒルズ関連の競走馬に藤田が騎乗することは少なかったが、2010年のドバイワールドカップの際に、同レースの視察に向かっていた前田幸治オーナーと、ローレルゲレイロドバイゴールデンシャヒーンに騎乗予定があった藤田が飛行機で偶然隣の席になったことがあり、このときに藤田に対して前田オーナーが「今後チャンスがあれば騎乗を依頼する」と伝えたことによるコンビ結成だった。これ以降、引退まで藤田が継続して騎乗を続けた。

レース本番は、ゲートこそ5分のスタートだったものの藤田は押していってこの馬を先頭に立たせる形を作り、直線で早めに引き離しにかかった。結果こそシルクメビウスの末脚にわずかに屈して2着となったものの、これ以降の強引にハナを奪って粘らせるスタイルが確立されたレースとなった。

秋初戦は日本テレビ盃。同年の帝王賞を制した船橋所属のフリオーソに対してハナを譲らず直線入り口まで半馬身ほどの差をつけて逃げる形をとった。しかし最終直線の手応えでは完全に見劣り、3~4番手で先行していたスマートファルコンの追撃はしのいだものの2馬身半差で2着。中央に舞台を戻して参戦した新設重賞のみやこステークスでは、これまでの藤田との2レース同様ハナを奪う形をとると4角で加速して先行勢を突き放し、外から伸びたキングスエンブレムを封じて優勝。レパードステークスに続いて新設重賞を制したことでメディアからは「初物キラー」との称号も頂戴した。

優先出走権を得て、本馬初となるGⅠレース・ジャパンカップダートに出走。ブリーダーズカップに出走した前年度の統一王者・エスポワールシチーやJBCクラシックを制したスマートファルコンといった中心的な存在が不在、さらには史上初となる海外馬・地方馬の参戦が0頭となった混戦のなか、単勝1番人気に推された。

レースでは、スタート直後にハナを奪う。後ろのバーディバーディにマークされながらもマイペースを刻み、最後は猛追してきたグロリアスノアをわずかに退けて初制覇を飾った。管理する安田隆行調教師は調教師として初めてのGⅠ制覇、馬主のノースヒルズについても2007年・オークスのローブデコルテ、自社生産馬としては2005年のヘヴンリーロマンス以来久々のGⅠ勝利となった。


5歳(2011年)

フェブラリーステークス~JRAダート統一王者へ~

放牧を経て、次走に選ばれたのはフェブラリーステークス。前走からのぶっつけや良績が1800m以上に集中していること、府中の長い直線を逃げ切れるかどうかが不安視されたが、それでもエスポワールシチーやスマートファルコンといった中央勢の中心的存在が不在となったこともあって3.5倍の単勝1番人気となった。

地方ではあり得ない芝スタートに戸惑い後方になったフリオーソをよそに、好スタートから藤田の押っつけに応えて先頭に立つと、マチカネニホンバレとともにハナに立ち先行。直線半ばで先行していたマチカネニホンバレやバーディバーディを振り落とすと、後方から上がり最速の末脚で突入してきたフリオーソも退け、GⅠ連勝を飾った。JRAダートGⅠ連覇はウイングアローカネヒキリ、エスポワールシチーに続く快挙であった。

この勝利によって届いたドバイワールドカップの招待を受け、これを受諾した。


ドバイワールドカップ

ドバイワールドカップに向けてヴィクトワールピサブエナビスタとともに出国した直後、東日本大震災が発生。各馬の陣営ともこの時期に競馬をすべきか、ということに躊躇いがあったものの、調教時間を揃える・各陣営スタッフでお揃いのシャツを着るなどの形で協力し、「チーム日本」で調整が進められた。トランセンド自身も日本にはないオールウェザーの馬場にもしっかり対応し、世界の強豪に伍していくため攻めの調整が進められた。

好スタートを切ると藤田の合図に応えて先行。普段は若干気合をこめていく本馬が、中継車のカメラを気にして落ち着いたこともあって、一発を狙った超スロー逃げを展開し13頭を引き連れて競馬を進める展開に。向こう正面から出遅れて最後方になったヴィクトワールピサが先頭までミルコ・デムーロのサインのもとで大捲りを展開するも、それでも引っかからずピサとトランセンドの2頭でまとまって先頭でレースを進める。直線でも手応え十分で回ってきたが、最後まで伸びてきたヴィクトワールピサに先着を許した。それでもこれまで全く日本馬が相手にならなかったドバイの地でワンツーフィニッシュとなり、震災で沈む日本にエールを届けた。


異例のマイルCS南部杯

長期の休みと日本テレビ盃の回避を挟み、次走に選ばれたのはマイルチャンピオンシップ南部杯。この年の南部杯は岩手競馬が東日本大震災で重大な被害を受けたため、「岩手競馬を支援する日」として興行面での収益が見込める東京競馬場での代替開催となった。

府中競馬に岩手のファンファーレが鳴り響いたこのレースでは、トランセンドはぶっつけとなったこともあってか先頭へ行くことができず、代わりに前・統一王者のエスポワールシチーにハナを譲る形に。道中で岩手の星・ロックハンドスターが芝・ダートの境目で転倒し落馬する(のち、予後不良)という波乱もありながらエスポワールシチーが1000m57秒8のハイラップを刻む展開に、本質的にマイルが短いトランセンドは対応に苦慮。コーナーから押しながら追走という形になり、最終直線半ばまで一度もハナに立つことがない厳しい競馬を強いられたが、引き離しにかかるエスポワールシチーを交わしにかかるダノンカモンと併せると驚異的な粘り腰を発揮。最後は逃げるエスポワールシチーや猛追してきたシルクフォーチュン、さらには併せたダノンカモンを競り落とし、東京ダート1600mのコースレコードにコンマ2秒迫る1分34秒8のタイムを刻んで勝利を飾った。


JBCクラシック~砂の最強王者決定戦~

次走に選ばれたのは大井開催のJBCクラシック。トランセンドはこの年中央GⅠ無敗の王者として、昨年のJBCクラシックから東京大賞典帝王賞を含む6連勝で地方ダートグレードを総なめしてきたスマートファルコンに挑む構図で、2011年の砂の王者を決定するレースとなった。オッズ面でも、スマートファルコンが単勝1.2倍、トランセンドが単勝2.4倍で多くの支持を集め、二強対決の様相を呈した。

好スタートから早々と先頭に立ったスマートファルコンに対し、トランセンドはそれをマークする形で3馬身ほど後ろを追走。後ろはシビルウォーを挟んで大きく置かれる形となり、完全に2頭のマッチレースとなった。しかし、大井のコーナーをぴったりと埒沿いに加速して回るスマートファルコンと武豊に対し、トランセンドはコーナーでやや膨れ、若干おかれる形に。最終直線入り口で手が動きながらも、ゴールから残り100m付近で再加速。ジリジリとスマートファルコンを捉えにかかったが1馬身差まで追い詰めたところがゴール。スマートファルコンの連覇を許した。このレースの3着には3番人気のシビルウォーが入り、3連複は160円、3連単は250円という史上稀に見る低配当を記録した。


ジャパンカップダート・史上初の連覇

前年度覇者として臨んだジャパンカップダートでは、スマートファルコンが出走を回避した一方で、逃げ馬にとって不利となる大外枠に入ったことや、追い切りが秋2戦ほど動かなかったこともあって、人気をエスポワールシチーと分け合う形になった。

内で先行しようとするエスポワールシチーやニホンピロアワーズをいなして早々とハナを叩くと、前年度よりもスローになった前半1分1秒8のタイムで逃走。コーナーで迫ろうとするエスポワールシチーの追撃をかわすと、直線150mを越えたあたりから完全に後続を引き離して1着でゴールイン。史上初となる同レースの連覇を達成した。


JRA主催のダートGⅠ/JpnⅠを全て勝利したという実績が評価され、この年のJRA賞最優秀ダートホースを受賞した。


6歳(2012年)

同年初戦は連覇がかかったフェブラリーステークスに出走し、単勝1倍台の圧倒的な人気に推された。しかし、レースでは先行して押しきりを図るも出足がつかず、3コーナーでは鞍上の藤田の手が動き出す形で、いつもの粘り腰どころか先頭に立つこともできないまま前崩れのペースに巻き込まれて7着に大敗。JCダートで先着したテスタマッタの台頭を許す結果に鞍上の藤田も「もう、全然進んでいかなかった」「気持ちの問題かなあ…」と首をひねった。続けて海外に遠征し前年度の雪辱を期してドバイワールドカップに向かうも、マーク対象だったスマートファルコンが出遅れたことに加え、前年度の走りが警戒されたこともあって後続に厳しく突かれる形となり、まったく見せ場を作れず13着に沈んだ。

スマートファルコンが現役から去った秋初戦・川崎開催のJBCクラシックでは再び1番人気に推されたが、2周目の向こう正面で先頭に立つのがやっとで、最終直線ではまったく粘れずワンダーアキュートに8馬身おかれた3着に終わる。中央に舞台を戻し史上初となる3連覇を目指したジャパンカップダートでも先頭に一度も立つことはなく、それどころか道中で失速しまさかのシンガリ負け。続けてキャリア初めて臨んだ東京大賞典も復調には程遠く、中央勢最下位の7着に終わった。


順風満帆だった2011年とは一転してこの年は未勝利に終わり、ダート王としての威厳はすっかり鳴りを潜めた。


7歳(2013年)

精彩を欠いたレースが続くことから、同年1月9日付で競走馬登録を抹消。アロースタッド繋養の種牡馬となった。


種牡馬成績

地方ダートに優れた産駒を輩出し、特に2017年産のゴールドホイヤーは2020年に南関ダート三冠の1つである羽田盃を制したほか、古馬でも重賞を複数勝利している。

中央では、2023年の阪神スプリングジャンプを2016年産のジェミニキングが制している。


関連項目

09世代 競走馬

ノースヒルズ 藤田伸二 安田隆行


外部リンク

netkeiba – トランセンド

JBISサーチ|トランセンド

トランセンド - 競走馬のふるさと案内所

誘導

  1. (transcend)英語で「(限界を)超える」「超越する」意の動詞。
  2. 台湾に本社を置く半導体メモリ製品を中心に製造を行う企業。 日本法人(トランセンドジャパン)も持っている。→トランセンド(企業)
  3. 日本の競走馬種牡馬
  4. ウマ娘プリティーダービー』にて3をモチーフとして登場するウマ娘。→トランセンド(ウマ娘)

当記事では3に関して解説する。

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名馬の肖像

前へ行け

追いつけなかった

交わせなかった。

どれほどの圧力も

お前を脅かすことは

できなかった。


だから行け

東へ、西へ、砂漠の国へ。

その逃走と闘争を

私たちは見届けよう。

かなた後ろから見守ろう。

名馬の肖像」2017年チャンピオンズカップ


概要

トランセンドとは、JRA所属の競走馬・種牡馬。2010年・11年のジャパンカップダート(現・チャンピオンズカップ)、2011年のフェブラリーステークスマイルチャンピオンシップ南部杯などを制した。2011年JRA最優秀ダートホース。

また、レパードステークスみやこステークスの第1回の覇者でもある。


プロフィール

生年月日2006年3月9日
英字表記Transcend
中字表記創昇
性別
毛色鹿毛
ワイルドラッシュ
シネマスコープ
母の父トニービン
競走成績24戦10勝
管理調教師栗東・安田隆行

経歴

幼駒時代

母・シネマスコープに、アメリカのダートGⅠを2勝し、日本に輸入されたワイルドラッシュが交配されて誕生。姉のサンドリオン(2003年産、父・コマンダーインチーフ)はオープン時代の紫苑ステークスを制しているが、父・母ともダートに良績を集めるファミリーに産まれた。ノースヒルズのスタッフによれば、「扱いやすい馬で、元気いっぱい」「牧場でも、育成した大山ヒルズでも評価の高い馬」だったという。


3歳(2009年)

順調に成長すると、栗東・安田隆行厩舎に入厩。古馬にも劣らない調教時計を記録し、若干遅めのデビューではあったものの、ダービーが目標に据えられた。

デビューは京都芝の1800mに川田将雅を背に出走。調教の充実度から注目され1番人気に推され先行してレースを進めたが、同じく逃げ馬を追走していた勝ち馬に3/4馬身差遅れた2着に終わる。続戦予定だった芝1600mの3歳未勝利戦はフレグモーネによる出走取り消しとなり、脚元の不安に鑑みてダートの未勝利戦を選択。安藤勝己を背にここを楽々と勝ち抜けると、次走のダートの条件戦も不良馬場を逃げ後続に1秒以上の差をつけ快勝した。再度ダービーへの色気をもって挑んだ初重賞は芝の京都新聞杯。2番手に取りついて馬群を率いる形でレースを進めたが、直線では余力がなく同門のベストメンバーの制覇の後方でゴールイン。調教時やレース後などに鞍上の安藤から「芝も悪くないけどふらふらする面がある。ダートの遅い流れのほうが合っているかも」というコメントがあったことを踏まえ、このレース以降は本格的にダートへと目先を移した。

ダート転向初戦に選ばれたのは新潟ダート1800m・麒麟山特別(1000万円以下)。ダートで揉まれてきた古馬のなかにあって1番人気に推されると、2番手を追走すると最後は後ろを8馬身突き放す、当時のレコードタイムでの圧勝を果たした。鞍上の内田博幸もこの競馬っぷりを「強すぎだよ、反則的なまでにね。(注文?)ないね。レベルが違いすぎて怒られちゃうね」と褒め称え、本馬を保有する前田幸治オーナーもこのレースを契機にドバイワールドカップへの出走意欲を安田師に伝えている。続けて、3歳馬向けのダート重賞として新たに設置されたレパードステークスに出走。前走で騎乗した内田が騎乗停止となったため、松岡正海が手綱をとった。すっと2番手に取りつくと逃げるアドバンスウェイを追走、直線半ばで突き放すとスーニシルクメビウスワンダーアキュートといったのちの強豪も歯牙にかけず、本来は高速決着になりにくい良馬場ながら自身が叩きだしたレコードタイの数字を刻んで完封した。

続いてオープン級古馬との初対決として選ばれたエルムステークスでは、軽ハンデもあって単勝1倍台の人気に推されるも前3頭に離された4着。内田がサクセスブロッケンに騎乗するため松岡との再タッグで臨んだ武蔵野ステークスは先行できず中団で外目を回るこの馬には向かない展開になり、同世代・ワンダーアキュートの逃走劇の裏で6着として3歳シーズンを終えた。


4歳(2010年)

シーズン初戦はオープン・アルデバランステークス。安藤との再タッグで2番手で追走する1番人気のフサイチセブンをピッタリマークすると、直線で抜け出したところを1馬身差し切って勝利。2頭が競り合いながらゴールするなかで、それまでのレコードを1秒以上更新するものであった。放牧を経て出走したアンタレスステークスで単勝1番人気に推され、グレード制重賞初制覇の期待がかけられた。レース本番では激しく急かしていったラッシュストリートをよそに先行集団につけ、先行してフサイチセブンなどを捉えにかかったが、4角で手応えを失い8着に大敗した。

続けて中京競馬場改修の影響でこの年から京都競馬場で開催されていた東海ステークスに参戦。鞍上の安藤勝己が同日に開催されるオークスオウケンサクラに騎乗するため、このレースから藤田伸二をパートナーに迎えた。それまでノースヒルズ関連の競走馬に藤田が騎乗することは少なかったが、2010年のドバイワールドカップの際に、同レースの視察に向かっていた前田幸治オーナーと、ローレルゲレイロドバイゴールデンシャヒーンに騎乗予定があった藤田が飛行機で偶然隣の席になったことがあり、このときに藤田に対して前田オーナーが「今後チャンスがあれば騎乗を依頼する」と伝えたことによるコンビ結成だった。これ以降、引退まで藤田が継続して騎乗を続けた。

レース本番は、ゲートこそ5分のスタートだったものの藤田は押していってこの馬を先頭に立たせる形を作り、直線で早めに引き離しにかかった。結果こそシルクメビウスの末脚にわずかに屈して2着となったものの、これ以降の強引にハナを奪って粘らせるスタイルが確立されたレースとなった。

秋初戦は日本テレビ盃。同年の帝王賞を制した船橋所属のフリオーソに対してハナを譲らず直線入り口まで半馬身ほどの差をつけて逃げる形をとった。しかし最終直線の手応えでは完全に見劣り、3~4番手で先行していたスマートファルコンの追撃はしのいだものの2馬身半差で2着。中央に舞台を戻して参戦した新設重賞のみやこステークスでは、これまでの藤田との2レース同様ハナを奪う形をとると4角で加速して先行勢を突き放し、外から伸びたキングスエンブレムを封じて優勝。レパードステークスに続いて新設重賞を制したことでメディアからは「初物キラー」との称号も頂戴した。

優先出走権を得て、本馬初となるGⅠレース・ジャパンカップダートに出走。ブリーダーズカップに出走した前年度の統一王者・エスポワールシチーやJBCクラシックを制したスマートファルコンといった中心的な存在が不在、さらには史上初となる海外馬・地方馬の参戦が0頭となった混戦のなか、単勝1番人気に推された。

レースでは、スタート直後にハナを奪う。後ろのバーディバーディにマークされながらもマイペースを刻み、最後は猛追してきたグロリアスノアをわずかに退けて初制覇を飾った。管理する安田隆行調教師は調教師として初めてのGⅠ制覇、馬主のノースヒルズについても2007年・オークスのローブデコルテ、自社生産馬としては2005年のヘヴンリーロマンス以来久々のGⅠ勝利となった。


5歳(2011年)

フェブラリーステークス~JRAダート統一王者へ~

放牧を経て、次走に選ばれたのはフェブラリーステークス。前走からのぶっつけや良績が1800m以上に集中していること、府中の長い直線を逃げ切れるかどうかが不安視されたが、それでもエスポワールシチーやスマートファルコンといった中央勢の中心的存在が不在となったこともあって3.5倍の単勝1番人気となった。

地方ではあり得ない芝スタートに戸惑い後方になったフリオーソをよそに、好スタートから藤田の押っつけに応えて先頭に立つと、マチカネニホンバレとともにハナに立ち先行。直線半ばで先行していたマチカネニホンバレやバーディバーディを振り落とすと、後方から上がり最速の末脚で突入してきたフリオーソも退け、GⅠ連勝を飾った。JRAダートGⅠ連覇はウイングアローカネヒキリ、エスポワールシチーに続く快挙であった。

この勝利によって届いたドバイワールドカップの招待を受け、これを受諾した。


ドバイワールドカップ

ドバイワールドカップに向けてヴィクトワールピサブエナビスタとともに出国した直後、東日本大震災が発生。各馬の陣営ともこの時期に競馬をすべきか、ということに躊躇いがあったものの、調教時間を揃える・各陣営スタッフでお揃いのシャツを着るなどの形で協力し、「チーム日本」で調整が進められた。トランセンド自身も日本にはないオールウェザーの馬場にもしっかり対応し、世界の強豪に伍していくため攻めの調整が進められた。

好スタートを切ると藤田の合図に応えて先行。普段は若干気合をこめていく本馬が、中継車のカメラを気にして落ち着いたこともあって、一発を狙った超スロー逃げを展開し13頭を引き連れて競馬を進める展開に。向こう正面から出遅れて最後方になったヴィクトワールピサが先頭までミルコ・デムーロのサインのもとで大捲りを展開するも、それでも引っかからずピサとトランセンドの2頭でまとまって先頭でレースを進める。直線でも手応え十分で回ってきたが、最後まで伸びてきたヴィクトワールピサに先着を許した。それでもこれまで全く日本馬が相手にならなかったドバイの地でワンツーフィニッシュとなり、震災で沈む日本にエールを届けた。


異例のマイルCS南部杯

長期の休みと日本テレビ盃の回避を挟み、次走に選ばれたのはマイルチャンピオンシップ南部杯。この年の南部杯は岩手競馬が東日本大震災で重大な被害を受けたため、「岩手競馬を支援する日」として興行面での収益が見込める東京競馬場での代替開催となった。

府中競馬に岩手のファンファーレが鳴り響いたこのレースでは、トランセンドはぶっつけとなったこともあってか先頭へ行くことができず、代わりに前・統一王者のエスポワールシチーにハナを譲る形に。道中で岩手の星・ロックハンドスターが芝・ダートの境目で転倒し落馬する(のち、予後不良)という波乱もありながらエスポワールシチーが1000m57秒8のハイラップを刻む展開に、本質的にマイルが短いトランセンドは対応に苦慮。コーナーから押しながら追走という形になり、最終直線半ばまで一度もハナに立つことがない厳しい競馬を強いられたが、引き離しにかかるエスポワールシチーを交わしにかかるダノンカモンと併せると驚異的な粘り腰を発揮。最後は逃げるエスポワールシチーや猛追してきたシルクフォーチュン、さらには併せたダノンカモンを競り落とし、東京ダート1600mのコースレコードにコンマ2秒迫る1分34秒8のタイムを刻んで勝利を飾った。


JBCクラシック~砂の最強王者決定戦~

次走に選ばれたのは大井開催のJBCクラシック。トランセンドはこの年中央GⅠ無敗の王者として、昨年のJBCクラシックから東京大賞典帝王賞を含む6連勝で地方ダートグレードを総なめしてきたスマートファルコンに挑む構図で、2011年の砂の王者を決定するレースとなった。オッズ面でも、スマートファルコンが単勝1.2倍、トランセンドが単勝2.4倍で多くの支持を集め、二強対決の様相を呈した。

好スタートから早々と先頭に立ったスマートファルコンに対し、トランセンドはそれをマークする形で3馬身ほど後ろを追走。後ろはシビルウォーを挟んで大きく置かれる形となり、完全に2頭のマッチレースとなった。しかし、大井のコーナーをぴったりと埒沿いに加速して回るスマートファルコンと武豊に対し、トランセンドはコーナーでやや膨れ、若干おかれる形に。最終直線入り口で手が動きながらも、ゴールから残り100m付近で再加速。ジリジリとスマートファルコンを捉えにかかったが1馬身差まで追い詰めたところがゴール。スマートファルコンの連覇を許した。このレースの3着には3番人気のシビルウォーが入り、3連複は160円、3連単は250円という史上稀に見る低配当を記録した。


ジャパンカップダート・史上初の連覇

前年度覇者として臨んだジャパンカップダートでは、スマートファルコンが出走を回避した一方で、逃げ馬にとって不利となる大外枠に入ったことや、追い切りが秋2戦ほど動かなかったこともあって、人気をエスポワールシチーと分け合う形になった。

内で先行しようとするエスポワールシチーやニホンピロアワーズをいなして早々とハナを叩くと、前年度よりもスローになった前半1分1秒8のタイムで逃走。コーナーで迫ろうとするエスポワールシチーの追撃をかわすと、直線150mを越えたあたりから完全に後続を引き離して1着でゴールイン。史上初となる同レースの連覇を達成した。


JRA主催のダートGⅠ/JpnⅠを全て勝利したという実績が評価され、この年のJRA賞最優秀ダートホースを受賞した。


6歳(2012年)

同年初戦は連覇がかかったフェブラリーステークスに出走し、単勝1倍台の圧倒的な人気に推された。しかし、レースでは先行して押しきりを図るも出足がつかず、3コーナーでは鞍上の藤田の手が動き出す形で、いつもの粘り腰どころか先頭に立つこともできないまま前崩れのペースに巻き込まれて7着に大敗。JCダートで先着したテスタマッタの台頭を許す結果に鞍上の藤田も「もう、全然進んでいかなかった」「気持ちの問題かなあ…」と首をひねった。続けて海外に遠征し前年度の雪辱を期してドバイワールドカップに向かうも、マーク対象だったスマートファルコンが出遅れたことに加え、前年度の走りが警戒されたこともあって後続に厳しく突かれる形となり、まったく見せ場を作れず13着に沈んだ。

スマートファルコンが現役から去った秋初戦・川崎開催のJBCクラシックでは再び1番人気に推されたが、2周目の向こう正面で先頭に立つのがやっとで、最終直線ではまったく粘れずワンダーアキュートに8馬身おかれた3着に終わる。中央に舞台を戻し史上初となる3連覇を目指したジャパンカップダートでも先頭に一度も立つことはなく、それどころか道中で失速しまさかのシンガリ負け。続けてキャリア初めて臨んだ東京大賞典も復調には程遠く、中央勢最下位の7着に終わった。


順風満帆だった2011年とは一転してこの年は未勝利に終わり、ダート王としての威厳はすっかり鳴りを潜めた。


7歳(2013年)

精彩を欠いたレースが続くことから、同年1月9日付で競走馬登録を抹消。アロースタッド繋養の種牡馬となった。


種牡馬成績

地方ダートに優れた産駒を輩出し、特に2017年産のゴールドホイヤーは2020年に南関ダート三冠の1つである羽田盃を制したほか、古馬でも重賞を複数勝利している。

中央では、2023年の阪神スプリングジャンプを2016年産のジェミニキングが制している。


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