概要
トロッコという語は、英語のTruck(トラック=台車)が訛ったものであるといわれ、読んで字のごとく「鉱石や土砂、木材などを運搬する台車」のことであり、特に軌道上を走行するものを指す。
トロッコそのものには通常自走する動力はなく、人力によって押すか、牛や馬などの家畜、もしくは機関車などの他の動力により牽引あるいは押し出す必要がある。
こうしたトロッコは鉱山鉄道にその端を発し、軽便鉄道や産業鉄道、森林鉄道、軍用鉄道などにおいても広く使われた。
(「トロッコ」の一例。国鉄トラ45000形)
普通鉄道におけるトロッコのような貨車
なお、一般の鉄道でこれに相当する貨車は「無蓋車(むがいしゃ、上に覆いのない車両)」と呼ばれる。 当該記事参照
なお、国鉄の貨車記号において無蓋車は「ト」という記号で示されるが(例:トキ15000など)、これは英語の「Truck」から来ているものであり、つまりはトロッコの一種ということになる。
音楽ライブにおけるトロッコ
音楽ライブにおいては、アリーナ・スタジアムレベルの巨大会場において、アーティストが車輪が付いた移動式のステージに乗って、メインステージから遠い奥の方の席の観客の近くまで周回しながら歌うことがあり、この移動式ステージをトロッコと呼ぶ。なお、観客から見えやすいようにメインステージと同等の高さがあり、走行しやすいように必要最低限の大きさしかないため、転落防止の観点からも柵がつけられており、ダンスパフォーマンス等激しい振り付けは行わず、観客を盛り上げたり手を振るなどのパフォーマンスに限られる。新型コロナウイルス対策で柵の上にアクリル板を設置してアーティストと観客とのソーシャルディスタンスを保っている例もある。
なお、動力はスタッフ数名による人力であり、レールもなく、トロッコの前を歩く別のスタッフによって曲に合わせて走行速度や進行角度を調整誘導している。
関連作品
関連タグ
芥川龍之介:「トロッコ」という作品がある。