「我々ニ敵意ハナイ タダ繁殖シ 大気ヲ浄化スル 我々ハ ソノタメニ作ラレタ」
概要
別名: | 人工生命体 |
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身長: | 56m |
体重: | 5万2千t |
出身地: | 惑星ビザーモ |
CV: | 麻生智久 |
第31話「襲われたGUTS基地」に登場。
南極で発見された隕石から見つかった、アメーバ状の生物。電気の力で繁殖し、二酸化炭素を吸って酸素を吐く性質を持つ。そのため、ビザーモの付近にいる生物は酸素中毒に陥る。後述するように機械類に取り付いて他者と会話することも出来る他、他者の映像を使って人間を欺くという狡猾さも見せる。
名前の由来は「Bizarre(奇怪)」から。
その正体は、「惑星ビザーモ」で遺伝子操作によって生み出された人工生命体である。惑星の大気浄化のために作られたが、個体数を増やすために電気エネルギーを吸収、さらに高度な機械類の内部に侵入して知能を高めていき、ついには惑星ビザーモを滅ぼしてしまった。
地球にとって有益な存在となり得るビザーモとの共存を考えたホリイ隊員を利用してTPCのメインコンピューターを乗っ取り、ダイブハンガーのシステムを麻痺させ、基地が大混乱に陥っている間に電力を吸収し増殖を開始。
しかし、ビザーモの目を盗んだホリイが基地のサブシステムのパスワードを隊員たちに知らせたことで、メインシステムからの電力供給を絶たれてしまう。
ホリイを襲った個体は救出に来たダイゴたちの手で始末されるが、増殖した別個体がレナ隊員を拉致し、ガッツウイング2号を乗っ取って高純度エネルギー発電所を目指す。
追ってきたガッツウイング1号との接触により撃墜されたものの、脱出に成功し、送電線に取り付くと大量の電気を吸って巨大化した。
巨大化時の戦力は、目や腕から放つ電撃、腹部の口からの電撃光弾、腕から発生させる電磁波のバリヤー。バリヤーはゼペリオン光線やマルチキックも防ぐ強度を持つ。
それらを駆使し、さらに内部に気絶したままのレナがいるガッツウイング2号を狙うというせこい手でウルトラマンティガを苦戦させるが、パワータイプにチェンジされ、腕と目の部分を破壊されてしまったことでバリヤーと電撃を封じられる。
それでもなお口からの電撃光弾で応戦するも、ティガ・ホールド光波で撃ち返され、怯んだところにデラシウム光流を受けて爆発四散。
その後、ごくわずかに残った残滓がダイゴの画像でムナカタ副隊長のPDIにアクセスし、レナを驚かせたが、レナがPDIを取り落とした瞬間にノイズと共に消滅した。
ホリイはビザーモを「進んだ科学が生んだ許されざる命」と評する一方、純粋に生きようとしながらも他者に歩み寄ろうとする「慈悲の心」を持たなかったために結局は滅ぼされたその末路を憐れんだのであった。
しかし、繁殖が第一義でない生物などそもそもおらず、当のGUTSも元々は「人類が宇宙で生きられる環境を作る為に」つまりは自分達の為だけに(彼等に心があるか無いかなど関係なく)彼等の能力を利用しようとしていた為、一概にビザーモを悪と決め付け責めてはならない。
余談
『小説・ウルトラマンティガ 白狐の森』が文庫化された際に追加された短編ストーリーにおいて、詳しい誕生の経緯が説明されている。
元々は原因不明の酸素枯渇で滅亡の危機に瀕した惑星ビザーモを救うため、そこに生息する「アタビラ」という名のアメーバ状の生物に「ソーカス」という名の植物の遺伝子を組み込んで作られた。当初は脆弱な生物だったが、その問題を解決するために高い知性を持つよう改良されていったらしい。
ビザーモが地球に来た経緯も明らかになっており、それによれば、ビザーモの力で(一時しのぎでしかなかったが)無事に滅亡の危機から救われた惑星ビザーモの住人たちが、この力を他の星々の住人たちにも有効に利用してもらおうという善意から宇宙へと旅立たせ、巡り巡って地球へと辿り着いたというのが真相であった。
なお、大元となったビザーモは惑星を覆い尽くすほどに増殖して母星を滅ぼした後、食料となる電気が枯渇したことで仮死状態となり、未だ死の星と化した惑星ビザーモで眠り続けているという。
惑星ビザーモの知的生命体
※名前は仮称
惑星ビザーモで繁栄を極めていた異星人。
TV本編ではその存在が仄めかされただけだったが、文庫版『小説・ウルトラマンティガ 白狐の森』において断片ながら詳しい詳細が語られた。
ちなみにモデルとなったのは古のもの。つまる所、ビザーモのポジションは言わずもがなショゴスという事になるわけである。
本来はビザーモに生まれた種族ではなく、電気エネルギーを常食としている他の惑星からやっていた種族であり、4つの触手を持つ両性具有の生命体で、種を残す際はその波動を交わらせて共有する事で古い体を捨て去り、新しい1つの生命体へと生まれ変わるという形で世代交代が行われる。
彼らはこの次世代へと生まれ変わる行為を“結婚”や“新たな進化”と表現している。
なお、地球で言う所の貴族階級とそれ以外の身分の者たちがこの行為をすると災いが降りかかるという迷信があるらしい。
惑星ビザーモの内核で生み出される発電エネルギーを食料として繁栄して来た為、争う必要が無く、平和に暮らしていた彼らだったが、ある日を境に原因不明の窒素と二酸化炭素に覆われた領域が多くなっていき、酸素に覆われた領域が段々と少なくなっていく滅びの現象が起き(明言は無いが、あきらかの彼らの発展し過ぎた文明社会の弊害が原因だと思われる)、この現象を止めるべく、サウル、タオラ、ラカスという名の個体によって研究がおこなわれていた。
しかし研究はなかなか上手くいかず、行き詰った彼らは“結婚”を行い、打開策を模索することを決心。しかし貴族階級ではないサウルと他の2人が結婚することを渋る長老たちを説き伏せ3人は“結婚”し新たなサタラという名の個体へと生まれ変わる。
サタラがまだ3人であったころに持っていた知識を総動員し、酸素を生み出す新生物=のちのビザーモを完成させ、遂に惑星の大気を改善させて酸素が豊富な惑星へと改造することに成功する。この功績をたたえられたサタラは科学アカデミー賞を会得し、惑星の人々はこの素晴らしい力を持つビザーモの力を他の惑星でも役立ててもらおうと考え、宇宙へと旅立たさせた。
後にその生物が、「慈悲の心」が欠如しているという災厄の欠陥を持ち合わせていたが故に自分たちが滅びの道へと突き進むことも知らずに………。
なお、ビザーモという名前はあくまでも彼らの母星名であり、サタラがビザーモを宇宙へと旅立たさせる際に自分たちの惑星がどれだけの科学力を持っているのかを他の惑星の人々に伝えてもらう様にそのように名乗ってくれと頼んだためであり、本来の真名は別にある可能性が示唆されるが、詳細は不明。
演者の麻生氏は本作においてスタンデル星人のレドルに続き2度目の出演となった。