概要
ドラゴンクエストシリーズの呪文。デイン系の最強呪文で、パーティ全員の力を合わせて敵の頭上に凄まじく激しい電撃を落とす。
初登場は『ドラゴンクエストⅣ』。下位呪文に当たる「ライデイン」、「ギガデイン」は『ドラゴンクエストⅢ』で初登場したが、こちらは一作遅れて登場している。
勇者専用呪文として扱われることが多いデイン系、その最上位呪文ということもあり習得者は一握りもしくは習得条件が極めて困難に設定されることが多い。
基本的に「ミナデイン」を唱えるターンは他のキャラクターは行動出来なくなってしまうので、使いどころが難しい呪文。
名前の由来は「みなで(皆で)デイン」と思われる。
作品別の解説
ドラゴンクエストⅣ
主人公である勇者がレベル37で習得する。バトルメンバー4人全員がMPを15ずつ消費し、敵1体に300~350のダメージを与えるのだが、MPを持たないライアン、アリーナ、トルネコがいると唱えられないというかなり問題のある呪文となっている。何しろ今作はアリーナが最強であり、「かいしんのいちげき」製造機になっているので、アリーナを馬車に入れるデメリットの方が遥かに大きい。
また、バトルメンバーが3人以下だったり、「ミナデイン」を唱える前に誰かが戦闘不能になると不発に終わってしまう。勇者が「ミナデイン」より先に覚える「ギガデイン」を使い、他のバトルメンバーがバラバラに攻撃した方が普通はダメージが出ることもあり、初登場の作品にも拘わらず使う場面が全くないという不遇な呪文となってしまっている。例として敵単体攻撃呪文の「メラゾーマ」は消費MP10で180前後のダメージを与えると言えば、ダメージもMP効率の悪さも窺えるだろうか。せめてダメージが500台ならばまだ使えたのだろうが。
以上のことからこの作品のミナデインはナンバリングシリーズの中でもぶっちぎりでトップの無能呪文と言える。
ちなみにクリフト、ブライ、マーニャ、ミネア以外にも、パノンやルーシアといったMPを持つNPCキャラクターがバトルメンバーでも使うことは可能。まぁ習得レベルの関係上まずお目にかかれる機会は無いのだが。
ドラゴンクエストⅤ
本作も勇者が使う呪文であり、主人公の息子がレベル38で習得する。「ライデイン」と「ギガデイン」を習得する仲間モンスターが登場しデイン系の使い手が増えたことで、「ミナデイン」だけが勇者専用呪文となった。本作はバトルメンバーが3人な上に、消費MPが10になったので相対的には強化されているが、結局他のキャラクターが行動出来ないという致命的な欠陥がそのままなのでやはり使い辛い。しかも、呪文を重複して発動させる「やまびこのぼうし」+「メラゾーマ」があまりにも強力。ちなみにやまびこのぼうしと併用しようにも、装備出来ないというオチが待っている。
リメイク版ではやまびこのぼうしが削除されたことで相対的にマシになったかと思いきや、バトルメンバーが4人に戻ったことでやはりどうにもならない。しかも威力は据え置きという。挙句の果てにはプチヒーローがレベル60で習得することになったことで、勇者専用呪文という立ち位置すら消えてしまった。酷過ぎる。
ドラゴンクエストⅥ
勇者が誰でも転職可能な職業となったことで、全ての仲間キャラクターが覚えられるようになった。とはいえ、基本的には主人公が最初に覚えることが出来る。ダメージが600~700と、なんと威力が倍増した。また、必ずターンの最初に唱えることが出来る。しかし最大の欠点である他キャラクターが動けない点はそのまま。しかも今作は特技がやたらめったら強いせいで、せっかく倍増した威力よりも簡単に高いダメージが出せてしまう。
…とはいえ、今作では前作で出来なかったやまびこのぼうしとの併用ができ、1200以上もの大ダメージを出すことが可能なので、全く使えないということは無くなった。まあそこまでやっても、高レベルになると4人それぞれが特技を使うことでそれ以上のダメージが出せてしまうのだが。
リメイク版ではやまびこのぼうしは削除されなかったものの、発動対象外にされるという謎の弱体化を受けた。強過ぎる訳でも無いのにこの弱体化は酷い。
ドラゴンクエストⅦ
前作同様、勇者に転職すれば誰でも習得可能。まぁ今作で転職可能な仲間は5人だけだが。
しかし、相変わらずの特技優遇で「ミナデイン」より先に覚えていても不思議でない「アルテマソード」で500ダメージ以上出せてしまうため、全く話にならないというレベルになってしまっている。なぜダメージを据え置きにした。
一応本作もやまびこのぼうし対応なのだが、裏ボスである神さまを3回以上倒した後に行ける隠しダンジョンに行かないと手に入らないということで、その頃にはバトルメンバー全員が「アルテマソード」を使って2000ダメージ超えしててもおかしくない状況になってしまう。1200ダメージが基本でも使われるか怪しいので、調整が甘いとしかいいようがない。
リメイク版では「アルテマソード」を使えるのは、習得した特技を引き継げない人間の上級職である「ゴッドハンド」のみになったことで、全員で「アルテマソード」なんて場面はまず無くなった。しかし、威力は相変わらず据え置きな上に、せっかく早めに手に入るようになったやまびこのぼうしに非対応となってしまった。ここまで来ると嫌がらせかと思ってしまう。
ドラゴンクエストⅩ
Ver.5のラスボスへのトドメとして世界中の人々の祈りの力を込めたミナデインが使用されたが、イベント用なので通常戦闘で使うことは出来ない。
それとは別に「みんなでインするミナデイン!」という関連誌が不定期で刊行されている。
ドラゴンクエストⅪ
呪文ではなく4人れんけい技となった。主人公が「ギガデイン」を習得することで使えるようになる。今作から全体攻撃になっており、威力はバトルメンバーの攻撃魔力の合計に依存し、最大ダメージも約1500と、「マダンテ」を除けば最強クラスの威力を持った攻撃呪文に返り咲いた。
れんけい技になったことで、他のキャラクターが自由に行動出来るようになり致命的な欠点がようやく改善されたものの、使用には戦闘メンバー4人がゾーン状態になっている必要があり、攻撃魔力の無い仲間が入っている状態で発動すると威力が伸び悩むので注意が必要。
同じく4人れんけい技の「ギガバースト」があるが、こちらは威力は高いものの敵一体への攻撃となるので差別化はされているが、「ギガバースト」の方が使いやすいのは言うまでもない。
この技、4人の攻撃魔力の合計が527~1986の間でダメージが変動する。どこかで見たことがある数字だと思った人はいないだろうか?
実は初代『ドラゴンクエスト』の発売日「1986年5月27日」から取られているのである。
なお、「ギガバースト」の方は4人の攻撃力の合計が527~1986の間でダメージが変動する。
そして最終ダメージは2970~3030の間になるのだが、これは本作『ドラゴンクエストⅪ』が発売日7月29日であり、さらにドラゴンクエストシリーズ30周年記念作であることを示している(ただし『ドラゴンクエストⅪ』の発売年である2017年は、厳密には31周年である)。
演出・メディアミックスでの扱い
『仲間の力を一つに合わせる』というドラマチックなイメージから、漫画作品では最後の切り札として重宝されている。
『ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章』や『ドラゴンクエスト 幻の大地』にて、多くの人の力を集めて放つ様子はまるで元気玉である。特にラスボス戦では世界中の人々の祈りを結集し、本来のスペックをはるかに超えた「正義の鉄槌」が放たれている。
またゲーム外ではメイン画像のようにMPを持たないキャラは武器の魔力を使用するという形で参加している。
ゲーム実況時にこの呪文でラスボスに止めを刺せば映えるかも!?
関連イラスト
関連タグ
マダンテ:同じ作品の呪文(特技)であり、「皆から少しずつ魔力を集めて放つ」ミナデインとは真逆の「一人の魔力を全て用いて放つ」大技。こちらは単体が放つ強力な技としてのイメージが強いためかシリーズ初登場時からラスボス級のモンスターが使用してくることも多いものの、ミナデインは敵が使ってくることはないという意味でも真逆の存在。