「僕が、みんなに迷惑かけた。今度は僕が、みんなを… 助ける」
「僕しか、みんなを案内することができないから、怖いけど、シスター・エルもがんばってたから…」
「怖いけど、僕しかみんなを助けられないから…」
「シスター。僕、魔界に帰ったら勉強をするよ」
「勉強して、清麿みたいに頭良くなって、今度こそ、大切な人達を… 世界を… 守るよ」
(※)曖昧さ回避
- 『オーバーロード』に登場するモモンについてはこちら
- ポケットモンスターシリーズに登場する木の実についてはこちら
本来であれば当記事も「モモン(金色のガッシュ!!)」というタイトルの方がよいのかもしれないが、
- 当記事が作成されたのが2017年9月8日であり、既に長い月日が経っていること。
- 閲覧数も既に7万を超えていること。
- 少なくとも2023年7月現在までは特にトラブルが起きた様子は無いこと。
等を踏まえて、現記事名のまま運用されていると思われる。
なので、もし「モモン(金色のガッシュ!!)」という記事を新規作成し、当記事を誘導分岐に直したいという方がいれば、一旦その旨をコメント欄に書いていただき、確認を取ってから編集していただけると幸いである。
概要
ファウード編から登場した魔物。
CVは高橋直純氏。
本の持ち主はエル・シーバス(詳細は個別記事を参照)。
公式からプロフィールが明かされていないため、人間換算年齢や好物等は不明。
後述のように、作中に登場する全魔物の中でも非常に優れた魔力探知能力を持ち、気配を感知しては逃げ続けていたため、ガッシュ一行と会合するまで一度も他の魔物に出会わずファウード編まで生き残っていたという珍しい魔物。
人物像
容姿
作中で「猿とウサギを足して2で割ったような顔をした魔物」と清麿が表現している通り、独特な顔立ちやピンク色の体毛、月見団子が描かれた服とサスペンダーが特徴的。
月見団子が描かれた服の色は原作カラーやアニメ版では黄色、文庫版表紙や集合絵では白。
サスペンダーの色は原作カラーやアニメ版では赤、文庫版表紙や集合絵では焦げ茶色となっている。履いているシューズの色はピンク。
性格/おてんばイタズラ大好き
後述のように確かな善性も秘めている一方、やはり作中を通して、女性物の下着が大好きなイタズラ小僧という印象は強いだろう。
エルも「おてんばイタズラ大好き」と表現しているように、スカートめくりや下着泥棒などのイタズラを度々繰り返しては、ティオの逆鱗に触れ、彼女に張り倒されている。
その結果、ティオにとってイレギュラーとも言える攻撃呪文「チャージル・サイフォドン」を覚醒させた張本人となったほど。
また、自分にとって都合が悪くなった時や、どうしても受け入れられない恐怖を感じている時には耳を畳み、話を聞こうとしないというやや自分勝手な面もある。
ちなみに嘘をついたり、適当な返答をする度に鼻の下が伸びていく(おそらくピノキオをイメージした演出だと思われる)。
秘めたる勇気
とはいえ、決してスケベな言動を自堕落にしているばかりというわけではなく、いざ覚悟が決まれば勇気を振り絞って行動できる心の強さもきちんと持っている。
現に後述のように、ファウード編中盤にてエルの涙ながらの説得を受けた後からは自身の臆病さを反省した上で自主的な行動を取り、ガッシュ達に僅かではあるが貴重な休息時間を提供した(※)。
(※)エルに説得されてからは言語を用いて流暢に会話するようになっており、ファンからも「本気で反省して勇気を出すようになったという意味合いの変化」と解釈されている。
また、ファウード編終盤でのコントロールルームでは、清麿の復活を感じ取ってからは意気揚々と余裕すら感じさせる戦いぶりを披露し、敵味方ともに驚くほどの勇敢さを見せた。
総じて、ガッシュ達のように如何なる困難にも屈しないほどの精神を持っている……とまでは言えないかもしれないが、「何か一つでもきっかけがあれば、腹を括って人並み以上に立ち向かっていけるタイプ」なのかもしれない。
実力
個性的な術の数々
他の魔物と比べても非常に特殊な用途の術を数多く修得しており、攻撃呪文を持たない魔物の中では最強クラスの実力者とまで言えるほどの実力を秘めている。
もとより戦いから逃げる能力に特化していたせいか、直接的に攻撃する呪文は持っていない。
だが、使いようによっては非常に強力な呪文を多数修得しており、仲間との連携で真価を発揮したり、回避だけでなく防御にも使用できたりと、汎用性という点に関しては単純な攻撃呪文よりも強力な呪文も多い。
特にオラ・ノロジオとミミルオ・ミファノンに関しては、余程の広範囲や手数の多い術でなければ等級や系統としての強さを無視して防御可能も同然な性能をしており、作中でも「ディオガ級の術でも僅かしか動きを止められない小腸のドリル」を「押し返す」のではなく「遅くする」という唯一無二の方法で対処し仲間を救っている。
超高精度の魔力感知能力
そして、やはり最大の強みは超広域かつ正確な魔力感知能力だろう。
この能力はモモンの持つ「魔物としての能力」である為、心の力の消費なしで行使可能。
作中には他にも魔力感知に長けた魔物が度々登場しているが、その中でも精度に関しては間違いなく作中最強クラスである(※)。
(※)一応、クリアや修行後のガッシュ達は約5000km以上離れている相手の場所も把握できるほどの探知能力を披露しているので、探知範囲に関してモモンが「作中最強」とまで言い切れるのかは不明。
前述の通り、「王を決める戦い」の残り40名の内の一人に残り、かつファウード編まで魔物から逃げ続ける形で一切戦闘をせずに生き残るという唯一無二の芸当を成し遂げているため、並の魔物とは比較にならないほどの距離を探知できるのは間違いないと思われる。
更に感知範囲だけでなく、精度に関しては作中で唯一無二といってよいほどの正確性を見せている。
現にロデュウ&ジェデュン戦では、
- たとえ相手に背を見せている状態でも、魔力を探知することで相手の動きを読み、直接目で確認せずとも回避行動を取る。
- 相手が術の詠唱すらしていない心の力を漲らせた段階で、術の大まかな系統や細かい軌道まで完璧に把握し、並の術なら僅かな挙動で回避可能。
という超高等技術を平然と行っているほど。
このような超高精度の魔力感知能力と、自身の身軽さや多彩な術を駆使し、「相手の心の力を消耗させつつ、本の持ち主から直接本を奪う機会をうかがう戦法」を格上相手に対しても容易く実現できるのがモモンの真骨頂。
作中でも(あくまで「攻撃」ではなく「搦め手」とはいえ)「ゴデュファの契約」によって強化されたジェデュンとロデュウを同時に相手にして敗北寸前まで追い詰めるほどの底力を見せた。
術
公式から術属性が明かされていないため、公式情報としての表記は不明。
一応は肉体強化の延長線上である術が多いため、公式ファンブック「金色のガッシュ!!まるかじりブック」及び「金色のガッシュ!!まるかじりブック2」までに明かされた属性の中で当てはめるなら「強化」属性になると思われる(同じく搦め手を用いるキャンチョメも「強化」属性に分類されている)。
もし他の魔物と被らないオリジナルの属性である場合は、「回避・逃走」属性といった概念的なものになるだろうか?
アムロン
腕をゴムのように素早く伸ばし、遠く離れた対象に命中させる(腕部強化の「アム系」+しなりが加わる「ロン系」)。
あくまでリーチに重きを置いているようで、腕力や握力等は向上していないようだが、速度はなかなかに高いので本を奪う際には有用。
ファウード復活後はウマゴンやカルディオに乗った状態で腕を伸ばし、仲間が捕まるという移動手段としての応用も見せた。
アグラルク
水中に飛び込むように地面に潜る。作中でも唯一の、地中をある程度自在に移動できる呪文。
壁やバリアなどをかいくぐりつつ移動したり、緊急回避にも応用できる。
地表などを熱せるウマゴンや、粘液などを地面にばらまけるパピプリオのような術が皆無に等しいティオには、効果覿面。
だが、さすがに潜れる深度自体はそれほどでもないのか、地面や床下深くまでバリアで阻まれている場合は対処できない模様。
オラ・ノロジオ
モモンが修得した術の中でも非常に強力な性能を持ち、一部のファンからも「実は最強クラスの呪文なのではないか?」と評価されることすらある優秀な呪文。
両手を前方に向け、命中した対象の動きを遅くする特殊な光線を放つ(光線の色はアニメ版では赤、カードゲーム版ではピンク色)。
光線自体に攻撃力は無いのだが、この術の強みは人間や魔物・何らかの物体・術の全てを対象にでき、かつ対象が近くに固まっている場合は複数同時に術をかけられ、更に効果が約8秒も持続するという点。
なので(あくまで理論上ではあるが)、相手の魔物と本の持ち主が近くにいる状況でこの術を命中させれば、完全に無抵抗となった相手から本をあっさりと奪って一方的に勝利できるという手段を取れる。それが「最強クラスの呪文なのではないか?」とまで囁かれる理由である。
他にも作中で描写されたように、
- 相手の術に命中させて速度を落とし、悠々と安全地帯まで避難する。
- 頑強な小腸のドリルの速度を落とすことで、攻撃力に頼らずより安全に罠を攻略する。
- 落下している人や物にかけ、衝撃を緩和させて安全に着地する。
等、こと安全確保に関しての応用性であれば作中でも最高クラスであり、総じてファンから並の攻撃・防御呪文より強力と称されるのも納得のスペックを誇る。
ミンフェイ・ミミルグ
両耳を伸ばし、プロペラのように回転させて飛行する術。
単純に耳が長いせいもあるのだろうが、「飛行」を意味する「フェイ系」の中でも移動速度はそこまで速いようには見えず、作中ではヘリコプターのようにゆっくりと上昇しているような描写がなされている。
とはいえ空中での旋回能力は決して低くなく、ゆっくりと飛行するが故に味方が振り落とされにくいという安全面の強みもあり、ファウード編ではモモン単独というより味方と共に飛行する描写が多い。
ミミルオ・ミファノン
原作のファウード編終盤にて、モモンの勇気に呼応するかのように発現した術。
両耳をピンと伸ばし、「モモ~ン」という独特の効果音を伴ったリング状の音波のようなものを出す。
この音波は、たとえギガノ級のような強力な術であっても触れた瞬間に軌道を捻じ曲げる性質を持っており、かつ複数の術が同時に放たれた際も音波に触れさせれば一度に捻じ曲げることが可能。
「タイミングをズラして放たれる複数の術への対処が容易」という点ではオラ・ノロジオをも上回っており、総じてこちらも強力な呪文といえるだろう。
フェイ・ミウルク
同じく原作のファウード編終盤にて、モモンの勇気に呼応するかのように発現した術。
術を唱えるとモモンの両足が光り、足場がなくとも空中を駆け回り、自由自在に飛び回ることができる。
ミンフェイ・ミミルグとは異なり空中での旋回性能や加速力も非常に高いため、今までのモモンではできなかった三次元的な回避行動が取れるようになったのは大きな強みであるといえるだろう。
ミンフェイ・ミミルグが「仲間の空中移動をサポートする術」だとすれば、フェイ・ミウルクは「モモンが単独で回避行動を行う際に効果的な術」という棲み分けがされているのだと思われる。
活躍
本編
初登場は原作184話。
訪れたモチノキ町でエルとはぐれ、川で溺れていたところを清麿に助けられるが、彼が魔物の本の持ち主だと分かった途端に顔面蒼白になり、清麿のズボンをずり下げた挙句川に蹴り落として逃走。
当然ながら清麿の逆鱗に触れ、たまたまエルと共に清麿の自宅に集っていたガッシュ達と逃走劇が始まる。
逃げる中でもティオにイタズラをし続けたことで、当然ながら怒りを覚えたティオと公園で戦闘になる。
……のだが、本の持ち主であるエルは戦闘経験が一切なく、これまでもアムロンしか唱えたことがなかったというファウード編まで生き残った本の持ち主としては有り得ないような事実を明かし、戦闘の中で術の効果を知っていく珍事(?)に。
モモンは徹底してスカートをめくることに執着していたため、結果的に怒りの頂点に達したティオが「チャージル・サイフォドン」を発現させるきっかけとなり、怒りの籠った一撃を受けて重傷を負い敗北。
ティオは本を燃やそうとするも、「モモンは優れた魔力感知能力を持っている」と勘付いていた清麿に制止され、ファウードの位置を特定するための戦力としてガッシュ陣営に加わることになる。
そしてファウード潜入後にアリシエの奮闘で逃げ切った後も、いざ自分達が捕まってしまえば終わりという状況になってさえ、まだ恐怖を拭えずに適当な態度を取り続けていたが、エルの喝により奮起する。
清麿がリオウ戦で死亡、その後も昏睡状態になった時は誰よりも先に清麿の鼓動を感じ取り、ファウードのメインコントロールルーム内の戦闘中に清麿の鼓動がより強くなって復活が近づいていることを察知。清麿の復活という状況から勇気を得て、戦いへの恐怖を完全に克服。
優れた探知能力と二つの新しい術を合わせ、「ゴデュファの契約」で強化されたロデュウとジェデュン2体を同時に相手し、最後のオラ・ノロジオさえ命中させれば勝利確定という状況まで追いつめるほどの大活躍を見せる。
だが、モモンが認識できていなかったどこかで術をくらってしまい、足を怪我したエルのピンチを救うために自ら大きなチャンスを手放した結果、エルは救えたものの本が術に触れてしまい、燃えてしまう。
「世界を救うチャンスを捨てた」ことを泣きながら謝罪するモモンだったが、直後にモモンの想定より早く必死に走ってきてくれていた清麿が到着。
モモンの頑張りは決して無駄にはならず、エルと清麿から感謝の言葉をもらい、嬉し涙を流しながら魔界に送還された。
そして原作最終話では、1コマだけとはいえ図書室で本を読んでいるシーンが描かれており、シスターとの別れ際の約束をしっかりと果たしていることがうかがえる。
その他
本編外の描写としては、少年サンデーコミックス版20巻の中扉にて、修道院で下着泥棒に及んだことでシスター達に取り押さえられるという場面が描かれている(少年サンデーコミックス版の中扉は「必ず」出会いの瞬間が描かれているわけではないが、おそらくこれがエルとモモンの出会いだったと思われる)。
アニメ版では変更が加えられており、アニメ版121話にて街の女性達から下着を取って追われていたところ、偶然その場に居合わせたエルに助けを求める形で出会った……という流れとなっている。
金色のガッシュ!!2にて(ネタバレ注意!)
活躍
page25にて遂に登場。魔界のエリオスという場所の近くで身を隠していた、幼い魔物の兄妹にチョコレートを与える形で登場した。
共に行動していた鳥形の魔物曰く「今俺達が最も取り返さなくてはならないもの(すなわち術の入った瓶)、その位置を記す地図を作りに来た」らしい。
登場時は全身をマスクやマントで覆っており、誰かわからなかったのだが、page25の最終ページでその素顔が明かされる。それは…
とんでもない老け顔のモモンだった
前作の見た目の年齢から鑑みても、まだモモンはせいぜい20歳前後の筈なのだが、言い方は悪いがあまりにも老け顔だった。
しかし、顔は何とも言えぬ渋さになっていた彼だが、前作同様その魔力感知能力は桁違い。初登場時には幼い兄妹のうち、妹の方を視認していないにも関わらずその存在に気づいていた。
今後もさらなる活躍が見込まれるのは想像に難くないだろう。
関連タグ
エル・シーバス……共に世界を旅したパートナー。大切な勇気を教えてくれた恩人でもある。
高嶺清麿……原作では清麿の行動に大きな感動を覚えていたと語っており、ファウード編終盤では清麿を「希望」と称し、勇気を振り絞って戦い抜いた。
キャンチョメ……原作、アニメ版ともに共闘。「攻撃力のある術ではなく搦め手で勝負するタイプ」という強みも共通。
コーラルQ/ザルチム……近い時期に登場した魔物達。こちらも「広域の魔力感知能力使い」筆頭としてファンから名前を挙げられることが多い。