概要
1990年9月28日に発売された『ロックマン』シリーズの第三弾。爆発的な人気を得た『ロックマン2』から約1年半の後に発表され、前作のゲームシステムを踏襲した上で操作性やステージ構成などの向上に努めた後継作品。正式名称は『ロックマン3 Dr.ワイリーの最期!?』。
特徴
基本的な操作性は前作に倣いつつ、後発作品におけるフォーマットに密接に関わる様々な新要素を追加しており、以下はその代表例である。
- アクション『スライディング』の追加
機動力と戦略性を向上させると同時に、ステージに設置された各種トラップに一層の幅を広げた。
- ゲストキャラクター『ブルース』の出演
ロックマンを影で助け、時には敵対する謎のキャラクターとして登場し、ストーリーに新機軸を打ち出した。
- サポートキャラクター『ラッシュ』の登場
前2作品に登場した無機質なサポートメカにキャラクター性を与え、主力購買層に当たる小学生に対する親近感を持たせた。
- 武器アイコンの導入
略号となるアルファベットで示された武器選択表示に特徴的なアイコンを付与し、直感性と理解性を容易にした。
- 残機の上限
意外と気付かれてないが、残機の上限は今作まで「99」まで貯める事が可能。前作・前々作同様に時間はかなりかかるが。
- E缶の所持数の上限の改定
前作は4個までしか持てなかったが上限が「9個」になった。その為、前作よりもゴリ押しがやりやすくなっている。しかし、今作でもライフ満タンの状態でE缶を使うと一個消費した扱いになってしまうので注意(使用直後は個数が変わらないが、ウインドウを切り替えたりするとちゃんと減っている)。また、ゲームオーバーになっても没収されず、ちゃんとその時点での所持数がパスワードに残るようになっている。
ストーリー
Dr.ワイリーは改心し、Dr.ライトと共に巨大ロボット「γ(ガンマ)」の研究に力を注いでいた。
「γ」……それは、Dr.ライトが長年夢見た、世界平和のための巨大ロボットであった。
研究はほぼ完成し、残るは未知の惑星に散らばる8個のエネルギー元素を合成し、「γ」に与えるだけになっていた……
しかし、各惑星に異変が起きた。
エネルギー元素を採掘していたロボット達が、突然狂い始めたのだ!!
ライト博士からの知らせを受けた「ロックマン」は、未知の惑星に向けて出発した……
新たな戦いの始まりである!!
登場キャラクター
主要キャラクター
DRN.001。平和を愛する心優しいロボット。Dr.ライトの要請を受けて再びロックマンとなり、愛犬ラッシュと共に事件の解決に乗り出す。
DRN.002。ロックの妹に当たる後継機。
作業用ロボット『ライトナンバーズ』を開発した工学博士。ワイリーと共にガンマの開発を進めていた。
戦闘用ロボット『ワイリーナンバーズ』を開発した工学博士。前作でロックマンに敗れた末に改心し、ライトと共にガンマの開発を進めていたが……
時に敵として、時に味方として現れる正体不明のロボット。
ライト家のペットとして開発された犬型ロボット。様々な変形機構を持ち、随所でロックマンをサポートする。
ボスキャラクター
ワイリーナンバーズ
DWN.017。本来は岩盤掘削用ロボットとして開発され、非常に強固な針型徹甲弾『ニードルキャノン』を持つ。
DWN.018。本来は屑鉄処理用ロボットとして開発され、磁力探知式誘導爆弾『マグネットミサイル』を持つ。
DWN.019。本来は硬質物破砕用ロボットとして開発され、高密度の反射光線『ジェミニレーザー』を持つ。
DWN.020。本来は整地作業用ロボットとして開発され、凄まじい破壊力を誇るロケットパンチ『ハードナックル』を持つ。
DWN.021。本来は特殊バリア試験用ロボットとして開発され、高速回転によって発生させる防護障壁『タップスピン』を持つ。
DWN.022。本来は地形調査用ロボットとして開発され、地形に沿って高速移動する蛇型探査メカ『サーチスネーク』を持つ。
DWN.023。本来は作業機器充電用ロボットとして開発され、莫大な発電力によって生み出される球状電気弾『スパークショック』を持つ。
DWN.024。詳細なデータが存在しない謎のロボットであり、メカを狂わせる液体を塗布した巨大手裏剣『シャドーブレード』を持つ。
その他
ロックマンのチップ交換による能力コピーと同様に、プログラム交換によってあらゆる能力コピーを可能とした純戦闘用ロボット。前作でロックマンに倒されたロボット達の攻撃を駆使する。
ブルースに酷似した戦闘用ロボット。
- カメゴロー&カメゴローメーカー
水質調査用に開発した亀型メカと、それを生み出す本体を転用した水中戦闘用ロボット。
イエローデビルの後継機。移動機能の実装は見送られたが、巨体を構成する形状記憶パーツの集合、分裂パターンに改良が加えられている。
- ホログラフロックマンズ
Dr.ワイリーが以前に開発したホログラフ投影装置と、ロックマンのコピーロボットを組み合わせた巨大防衛システム。
- ワイリーマシーン3号
弱点となる搭乗部の問題を解決を図り、飛行型から歩行型に切り替えたワイリー専用の決戦用戦闘機。
ライトとワイリーが平和利用の為に共同開発した超巨大ロボット。1号と2号の2タイプがある。
その他
- ゲーム内のイベントシーンの少なさ故にストーリー展開についての情報不足に陥りやすい点があり、特にゲーム中半で唐突に登場するドクロボットK-176がストーリーとどう関係があるのかがわかりづらい上に、ドクロボットを全て倒した後に一度きりの登場となるブレイクマンの存在までもが現在でも謎が残っている。
- 今作ではボスの弱点は8人全員一巡しておらず、三人のグループと五人のグループで分かれておりそれぞれのグループ間で弱点が一巡している。また、ボスラッシュでのみでできるが全員自分の武器が効く。
- 本来は「2」と同様にオープニングデモが入る予定だったが、容量の関係で無しになったらしい。
- オリジナルであるファミコン版でのみ使用可能な裏技があり、2コンの十字ボタンを押す事で後述の二つ効果が出る。まず上を押しっぱなしにするとスローがかかり、右を押しっぱなしにすると通常の数倍の高さのジャンプができるようになる。ちなみにこのジャンプ技を使うと、穴に落ちてもミスにならなくなる。このジャンプ技を利用して穴に落ちた瞬間にライフが0になるようにするとロックバスターは撃てなくなるが無敵になる。この場合はラッシュを選択してバスターを使える状態にしなければならない。ライフエネルギーを取得したりE缶を使ってライフを回復すると無敵ではなくなる。また、無敵状態にするには落とし穴があるステージ限定である事と2コンの右を押すタイミング等でやや難しい。特にドクロボットステージで行うとドクロボット戦が反則的に難易度が下がる。ちなみにこの無敵状態でもトゲだけは触れると爆発四散するので注意。ロックマンクラシックスコレクションではコントローラーを二つ用意してもコントローラー2として二つ目を認識しない為この裏技は使えないが、チャレンジモードで他のタイトルとの混成だと稀にライフ0になる瞬間にロックマン3のステージに移動した場合にこの無敵状態になる事がある。
- 今作でもパスワードでE缶の所持数を記録できるが、そのフラグ配置が前作に比べるとシンプルである為、新規で始める場合はパスワードで該当箇所に1個(赤・青は関係ない)入れると効果が出る。
- ステージセレクトやパスワードでの背景に「ROCKMANⅢ」と書かれた見慣れないデザインのロゴが羅列されているが、実はこれ、海外版である「MEGAMAN」のロゴデザインとほぼ同じ。クラシックスコレクションで設定をMEGAMANに変更するとわかりやすい。
- マグネットマンステージでのみ、Dr.ライトとDr.ワイリーのシンボルマークが合体したシンボルマークがある箇所が存在する。シリーズでも唯一である。