誰かが君を狙っている 何かがやって来る
誰だ? 誰だ!? 誰だ!?
(第1話ナレーション)
概要
1979年10月から放送された。
仮面ライダーシリーズは、諸事情から『仮面ライダーストロンガー』で一旦終了する。
しかし、『スターウォーズ』や『宇宙戦艦ヤマト』が火付け役となったSFブームによりシリーズは復活することとなる。初代への原点回帰を意識して、題名は『仮面ライダー』である。そして、初代と区別をつけるため、最大の特徴である、空を単独で飛行が可能という要素が付けられた(当時大ブームを巻き起こした映画『スーパーマン』の影響が強い)。初期のEDである「はるかなる愛にかけて」はライダーシリーズの中でも高い評価を得ている。
物語の途中から「おやっさん」(立花藤兵衛ではなく本作から初登場した二代目)が登場し、先輩ライダーが客演するという王道の展開にシフトしていった。
なお、主人公は当初は番組タイトル通りに『仮面ライダー』と呼称されており、正規ライダーにもちゃんとカウントされているのだが、一仮面ライダーとしての名称は『スカイライダー』(名称に仮面ライダーが付いていない)という歴代でも特異な立ち位置にある。
なお、タイトルが初代と紛らわしいことはネットムービー「ガチで探せ!君だけのライダー48」でもネタにされていた。
また、本作が村上弘明氏のデビュー作である。
ちなみに、放送前の特番『不滅の仮面ライダー』では立花藤兵衛がスカイライダーのベルトを手に本作の番宣を行なっている。
あらすじ
ハングライダー部に所属する大学生の筑波洋は、練習中、謎の集団に追われる一人の男性を助けた。博士の名は志度敬太郎、人間改造工学の権威であった。彼は悪の秘密結社「ネオショッカー」の科学者だったが、組織のやり方に耐えられず脱走したのだった。しかし、博士を拘束すべくネオショッカーは怪人ガメレオジンを派遣した。手始めに洋のクラブ仲間を皆殺しにした後、ガメレオジンは博士を捕まえる。さらに助けに入った洋に瀕死の重傷を負わせた。自分を助けてくれた洋を死なせたくない博士は彼を救うためにネオショッカーと共に彼に改造手術を行う。そして洋は仮面ライダーとして生まれ変わった。しかし、ネオショッカーのコンピュータが仮面ライダーを組織の脅威と判断し、ガメレオジンに仮面ライダーの抹殺を指示する。だが圧倒的なパワーで仮面ライダーは怪人を見事に打ち倒した。改造人間にしてしまったことを洋に深く謝罪する博士だったが、洋は闘う力を与えてくれた博士に感謝の意を示すと共に、正義のために悪の組織であるネオショッカーと戦うことを誓うのだった。
登場人物
→仮面ライダー(新)の登場人物一覧を参照。
主題歌
作詞:石森章太郎/作曲・編曲:菊池俊輔/歌:水木一郎、こおろぎ'73
前期OP。OP映像はスカイターボで壁をぶち破る「ライダーブレイク」が始まって早々に披露されるど迫力なものになっている。
第1話のみナレーションが「誰かが君を狙っている!何かがやってくる!誰だ!?誰だ!?誰だ!?」となっており、それ以降は「仮面ライダー筑波洋は改造人間である。人類の自由のために、悪の秘密結社ネオショッカーと戦うのだ!」というナレーションに置き換わっている。
作詞:石森章太郎/作曲・編曲:菊池俊輔/歌:水木一郎
後期OP。
スカイライダーが砂浜をスカイターボで爆走するOP映像が使用されている。また、お馴染みのナレーションが廃止された代わりに仮面ライダーの名を呼ぶ子供達の歓声が挿入されている。
OP変更後も前期OPをアレンジしたインスト曲が引き続き次回予告で使われた。
作詞:八手三郎/作曲・編曲:菊池俊輔/歌:水木一郎、こおろぎ'73
前期ED。仮面ライダーとは何か、何の為に戦うかを歌っている。スカイライダーだけでなく、昭和ライダー全体に共通したテーマに踏み込んだ曲と言えよう。
- 輝け!8人ライダー
作詞:八手三郎/作曲:菊池俊輔/編曲:武市昌久/歌:水木一郎、ザ・チャープス
後期ED。名前こそ8人ライダーだが、個別の名前は登場しない。
仮面ライダーV3の前期ED以来のメジャースケール曲となっており、「はるかなる愛にかけて」と比較するとかなり明るい曲調になっている。
挿入歌・イメージソング
- 変身!仮面ライダー
作詞:石森章太郎/作曲・編曲:菊池俊輔/歌:水木一郎、こおろぎ'73
スカイライダーの戦闘テーマ。作中ではアレンジBGMが戦闘曲として使用された。
本来はこちらがOPの予定であった。
- オーオー仮面ライダー
作詞:八手三郎/作曲・編曲:菊池俊輔/歌:水木一郎、こおろぎ'73、ザ・チャープス
- 地平線からやってきた男
作詞:石森章太郎/作曲・編曲:菊池俊輔/歌:水木一郎
- あれは仮面ライダー
作詞:石森章太郎/作曲:菊池俊輔/編曲:武市昌久/歌:水木一郎、ザ・チャープス
- いま斗いの陽が昇る
作詞:石森章太郎/作曲:菊池俊輔/編曲:武市昌久/歌:ささきいさお、ザ・チャープス
各話リスト
話数 | サブタイトル | 登場怪人 |
---|---|---|
1 | 改造人間大空を飛ぶ | ガメレオジン |
2 | 怪奇!クモンジン | クモンジン |
3 | 勇気だ!コウモリ笛の恐怖 | コウモルジン |
4 | 2つの改造人間 怒りのライダーブレイク | サソランジン |
5 | 翔べ少女の夢のせて | ドクバチジン |
6 | キノコジン 悪魔の手はつめたい | キノコジン |
7 | カマキリジン 恐怖の儀式 | カマキリジン |
8 | ムカデンジンの罠 謎の手術室 | ムカデンジン |
9 | コブランジンの殺人軍団 | コブランジン |
10 | 見た!カニンガージンの秘密 | カニンガージン |
11 | サンショウジン!地獄谷の脱出 | サンショウジン |
12 | 暗闇のサンタクロース あぁ~変身不能 | ナメクジン |
13 | アリジゴクジン 東京爆発3時間前 | アリジゴクジン |
14 | ハエジゴクジン 仮面ライダー危機一髪 | ハエジゴクジン |
15 | 恐怖 アオカビジンの東京大地震 | アオカビジン |
16 | 不死身のゴキブリジン G(ゼネラル)モンスターの正体は? | ゴキブリジン、ヤモリジン、プロフェッサー・ドク |
17 | やったぞ!G(ゼネラル)モンスターの最後 | ヤモリジン、プロフェッサー・ドク |
18 | 魔神提督の電気ジゴク大作戦 | シビレイジン、プロフェッサー・ドク |
19 | 君も耳をふさげ!オオカミジン殺しの叫び | オオカミジン |
20 | 2人の仮面ライダー もう1人はだれだ? | クラゲロン、サイダンプ |
21 | ストロンガー登場 2人ライダー対強敵2怪人 | クラゲロン、サイダンプ |
22 | コゴエンスキー 東京冷凍5秒前 | コゴエンスキー |
23 | 怪人ムササビ兄弟と2人のライダー | ムササベーダー兄弟 |
24 | マダラカジン 毒ガスの恐怖 | マダラカジン |
25 | 重いぞ!重いぞ!!50トンの赤ちゃん | ゾウガメロン、ボンゴ |
26 | 3人ライダー対ネオショッカーの学校要塞 | ドクガンバ |
27 | 戦車と怪人二世部隊!8人ライダー勢ぞろい | グランバザーミー、ヒルビラン、オオカミジンII世、サイダンプII世、ドクガンバII世、ジャガーバンII世、キノコジン、ゴキブリジン、ヤモリジン、シビレイジン、クラゲロン、コゴエンスキー、ムササベーダー・弟、マダラカジン、ゾウガメロン |
28 | 8人ライダー友情の大特訓 | グランバザーミー、オオカミジンII世、サイダンプII世、ドクガンバII世、ジャガーバンII世、キノコジン、ゴキブリジン、ヤモリジン、シビレイジン、クラゲロン、コゴエンスキー、ムササベーダー・弟、マダラカジン、ゾウガメロン |
29 | 初公開!強化スカイライダーの必殺技 | ヒカラビーノ |
30 | 夢を食べる?アマゾンから来た不思議な少年 | オオバクロン |
31 | 走れXライダー!筑波洋よ死ぬな!! | 黄金ジャガー、トリカブトロン |
32 | ありがとう神敬介!とどめは俺にまかせろ!! | 黄金ジャガー、トリカブトロン |
33 | ハロー!ライダーマン ネズラ毒に気をつけろ!! | ドブネズゴン |
34 | 危うしスカイライダー!やって来たぞ風見志郎!! | タコギャング、マントコング |
35 | 風見先輩!タコギャングは俺がやる!! | タコギャング、マントコング |
36 | 急げ一文字隼人!樹にされる人々を救え!! | キギンガー、ドラゴンキング |
37 | 百鬼村の怪!洋も樹にされるのか? | キギンガー、ドラゴンキング |
38 | 来たれ城茂!月給百万円のアリコマンド養成所 | ガマギラス、ドクター・メデオ |
39 | 助けて!2人のライダー!!母ちゃんが鬼になる | ウニデーモン、オカッパ法師 |
40 | 追え隼人!カッパの皿が空を飛ぶ | ウニデーモン、オカッパ法師 |
41 | 怪談シリーズ 幽霊ビルの秘密 | クチユウレイ |
42 | 怪談シリーズ ゾンビー!お化けが生きかえる | ゾンビーダ |
43 | 怪談シリーズ 耳なし芳一999の耳 | ミミンガー |
44 | 怪談シリーズ 呪いの化け猫 子供の血が欲しい! | ドロニャンゴー |
45 | 怪談シリーズ 蛇女が筑波洋を呪う! | ヘビンガー、アブンガー |
46 | 怪談シリーズ くだける人間!鏡の中の恐怖 | カガミトカゲ、アブンガー |
47 | スカイライダー最大の弱点!0.5秒の死角をつけ | アブンガー |
48 | 4人のスカイライダー 本物はだれだ? | ドロリンゴ、ニセスカイライダー |
49 | ロケット発射!筑波洋を宇宙の墓場へ | ザンヨウジュー |
50 | 君もアリコマンド少年隊に入隊せよ!? | タガメラス |
51 | ネオショッカー 紅白死の決戦 | リングベア |
52 | 洋の父が生きていた!改造人間FX777とは? | 魔神提督、ドクターX、隊長蛇塚 |
53 | 魔神提督の最期!そして大首領の正体は? | 魔神提督、ネオショッカー大首領 |
54 | さらば筑波洋!8人の勇士よ永遠に… | ネオショッカー大首領 |
余談
中盤からは設定を生かしづらくなった(体の色を変更したためバンクフィルムが使用できなくなった)理由で「セイリングジャンプ」や「ライダーブレイク」が封印されたが、使用する描写がなくなっただけで、使用できなくなった訳ではない(一応画面外で使用した描写はある)。
なお上記の理由から勘違いされやすいが、決して強化以降唐突に使わなくなったわけではない。
どちらもは序盤以降に徐々に使用頻度が減っていき、2クール目に入る頃にはほとんど使われていなかった。
要するにバンクが使えなくなった事も要因の1つではあるが、そもそもそれ以前から使わなくなっていたのである(ちなみにあまりに使わなかったためか後半ではスカイライダーが飛べることを忘れていた怪人すらいる)。
だが、最終回では8人ライダーセイリングジャンプを行っている。
また、(初代ライダーなどの主役が交替した場合を除けば)仮面ライダーで初めて変身後の主役が一切登場しない回が作られた作品である。
更にその回は風見志郎こと仮面ライダーV3の客演回であり、何と主役を差し置いて変身しており、番組を乗っ取っていた回として有名。
ただしこれは前後編の前編である為(合わせて1話としてみれば前編で変身しないのは珍しくことではない)で、後半となる次回ではちゃんとスカイライダーも登場しており、その前編もBパートになるまでは風見志郎は影も形もない。その為、厳密には1話丸々乗っ取られていたという訳ではない(とはいえ特撮作品全体で見ても客演したヒーローのみが変身する回は後にも先もほぼ例がなく、偉業を成し遂げているのは間違いないだろう)。
様々な番組強化の流れの中で、主人公も徐々にキャラクターが定着して魅力を発揮するようになり、当初の予定から若干延長した1年間強の放映となった(2年間で98話放送の『仮面ライダー』に次ぐ、13か月全54話放送)。
本来はさらに延長の予定があったらしいが、筑波洋役の村上のスケジュール調整がかなわず、放映を終了し、『仮面ライダースーパー1』へ引き継がれた。
2024年10月にはTOKYOMXにおいて『仮面ライダーストロンガー』の後番組として、放送されることに。なお、放送時間帯は午後8時後半枠へと移動することになる一方、10月第1週はストロンガーの最終回が放送、第2週からの放送となる点にはご注意を。
(それだけでなく、ストロンガー最終回から翌週に始まるという流れは、リアルタイムを経験した人からは「早すぎる」と言う反応があったとか。なお、第2話はクライマックスシリーズを放送した関係上で第4週から再開と言うことになる)
関連項目
8人ライダー対銀河王:この作品の劇場版。
仮面ライダー(新):この作品の通称。
仮面ライダーアマゾン/仮面ライダーアマゾンズ:『仮面ライダー(スカイライダー) 』のリメイク版が作られれば『スカイライダー』という作品名で完成するのかもしれない。
主なゲスト出演者
中田博久(9話)⇒時代劇や特撮で悪役を多数演じたが、珍しく悪役でない役。
小林綾子(14話)※22話で別役。⇒後に『おしん』で人気に。
北村総一郎(23話)⇒後に『踊る大捜査線』での神田総一朗署長役で一躍人気に。
南城竜也(24話)⇒『変身忍者嵐』『鉄人タイガーセブン』で主演。
仮面ライダーストロンガー → 仮面ライダー → 仮面ライダースーパー1