「レッツ・マイトガイン!」
概要
1993年1月から1994年1月にかけて名古屋テレビ制作、テレビ朝日系列および、テレビ高知、琉球放送(以上TBS系列)、北日本放送(日本テレビ系列)、テレビ愛媛(フジテレビ系列)で放送された。ABCで先行放送されたほか、フジテレビ系列からテレ朝系列にネットチェンジするため、山形テレビは1993年3月22日からFNN/FNS脱退日となる31日迄の間、午前11時の帯枠で第1話から第8話迄を放送、ネットチェンジ後の4月3日放送の第9話からメ〜テレと同時ネットとなった。(当時の新聞・テレビ雑誌のテレビ欄参照)山口県では1993年9月までTBS系列であるテレビ山口で放送され、10月に山口朝日放送に移行、大分県では同年10月に大分朝日放送での放送が始まった。(未放送分は後年再放送枠で放送)本放送後にはTBS系列である宮崎放送で放送された。全47話。
当初は「伝説の勇者ダ・ガーン」を以て勇者シリーズを終了させ、ガンダムシリーズを復活させる予定だった。処が、テレビ朝日が当時展開していたANNネットワーク拡大運動の一環として、「ゴールデンタイムの全国ネットで放送する」事を条件に企画と権利をテレ朝に売却した為、その補填として勇者シリーズ続行となり、本作が誕生した。
しかし、皮肉な事に機動戦士Vガンダムは93年秋にスタートするつもりがスポンサーの圧力で半年繰り上がった為全国ネットが確保出来ず、内容の拙さも重なりシリーズ毎にネットが減る羽目になる。
シリーズで初めて「超AI」という設定が導入され、勇者ロボを含め登場するロボットは基本的に人間の科学力で製造された存在とされている。また、主役の勇者ロボには人格が設定されているものの、合体状態では主人公が乗り込んで操縦する等、前三作とはかなり異なった形式となっている。超AIの設定は本作では詳しく語られることはなかったが、その設定は勇者シリーズを印象付けるもののとなり、次作以降 ではそれが深く掘り下げられることとなる。
キャラクターの名称やワンシーンなど往年の日活映画等のドラマパロディがみられ、それらも含めて昭和時代の映画やロボットアニメ作品の気障でクサい作風を意図的に盛り込んでいる節があり、主役ロボの合体シーンの曲に熱いボーカル曲を用いたり決め台詞を用意するなど決めシーンにコテコテのテンプレ演出を徹底している。
勇者特急という題名通り、登場する勇者ロボは一部を除き列車をモチーフとした形態への変形が出来るようになっている。
敵組織に関しては前作『伝説の勇者ダ・ガーン』以上に複数の組織が存在する。基本的に手を組む事はなく、各回ごとに個別に事件を起こしていたが、中盤以降は更なる強大な悪の組織が登場し、各組織はそれぞれ崩壊・解散・傘下に吸収されるなどして消滅した。路線変更と思われる視聴者もいたがそうではなく、最初から予定していた路線であった。そしてその路線は最終的には意外な結末へと昇華していったのである。
メタフィクション要素もいくつかみられ、さらに本作からダグオンまでガンダムとのアイディア交換(ここでは忍ロボ→モビルファイター等)が行われた。
ちなみに、時代設定は昭和125年で西暦に直すと2050年となる。
ストーリー
かつて東京湾と呼ばれた海上に建設された巨大都市「ヌーベルトキオシティ」。
そこには、化石燃料枯渇という世界規模のエネルギー危機に対して、電気で走る鉄道を世界に向けて敷設する事で窮地を救い、財を成した「旋風寺コンツェルン」(旧 旋風寺鉄道)が存在した。
16歳という若さで旋風寺コンツェルンの総帥として手腕を振るう「旋風寺舞人」は、謎の事故死を遂げた父の旭から、「世界を狙う巨大な悪」が迫ってきている事を知らされていた。
父の遺志を継ぎ、構想のまま止まっていた「勇者特急隊」計画を実現させた舞人は、相棒の300系新幹線型ロボット「ガイン」と共に、人々の自由と平和を脅かす悪に対して、颯爽と立ち向かってゆく。
今日もまた、ヌーベルトキオシティに勇者旋風が巻き起こる。
登場キャラクター
メインキャラ
旋風寺コンツェルン
勇者特急隊
- マイトガイン / グレートマイトガイン / グレートマイトガイン・パーフェクトモード(CV:中村大樹)
- マイトカイザー
- マイトガンナー(CV:鈴木勝美)
ボンバーズ
ダイバーズ
メインキャラ関係者
ヌーベル・トキオの敵キャラ
メインキャラ
- 雷張ジョー(CV:緑川光)
- ウォルフガング(CV:佐藤正治)
- ショーグン・ミフネ(CV:梁田清之)
- ホイ・コウ・ロウ(CV:島香裕)
- チンジャ・ルース(CV:置鮎龍太郎)
- カトリーヌ・ビトン(CV:叶木翔子)
- エグゼブ(CV:菅原正志)
部下キャラ
殺し屋
ロボット
他キャラクター
- 小沢昭一郎(CV:掛川裕彦)
ロボット関連
- ★は量産機
ロボット名 | 登場話 | 組織 | パイロット | 備考 |
---|---|---|---|---|
★ガバメント・ドッグ | 1話~ | 警察 | 特機隊員 | 警察のパトカーロボ |
ギムレット | 1話~ | 銀行強盗 | ハルオ | 3体中、紺色のロボ |
ティーゲル5656 | 1話 | ウォルフガング | ウォルフガング | 雷神型 |
★パオズー | 2話 | アジアマフィア | 遠隔操縦 | 周囲の金属製品を吸収 |
パンツァーCR17 | 6話 | ウォルフガング | 雷張ジョー | ガンマン型ロボ |
★訓練ロボ | 6話~ | ウォルフガング | チェルネンコ | 轟龍の初陣相手 |
ヤッコー | 7話 | ショーグン・ミフネ | 日輪入道 | ビーム砲搭載空中要塞 |
トレインボム | 9話 | アジアマフィア | マー・ボ・ジャン | ネオ山手線を乗っ取る |
メガソニック8823 | 11話 | ウォルフガング | ウォルフガング | 飛龍の強化型 |
クールミント | 21話 | ウォルフガング | ウォルフガング | 暗視スコープ搭載 |
★ランラン号 | 25話 | TR社 | ゼンジー広東 | 3000号まで存在 |
★リンリン号 | 25話 | TR社 | ゼンジー広東 | バイク型で合体可能 |
★標的ロボ | 32話~ | 旋風寺コンツェルン | 半自律型 | ヴァーチャル訓練用 |
ドライツェン1313 | 32話 | TR社 | ウォルフガング | スナイパーと連携 |
ライジン&ジンライ | 42話 | TR社 | ランツァイ | 合体阻止光線搭載 |
★ツェット | 43話 | TR社 | ブラックノワール | - |
- ロボットの元となった鉄道車両
ガイン | JR東海・JR西日本 | 300系新幹線「のぞみ」 |
---|---|---|
マイトウィング | JR東日本 | 400系新幹線「つばさ」 |
ライオボンバー | JR東日本 | 200系新幹線 |
ダイノボンバー | JR東日本 | スーパーひたち651系(モデルは0番台) |
バードボンバー | JR東日本 | 成田エクスプレス253系(モデルは0番台) |
ホーンボンバー | JR東海・JR西日本 | 100系新幹線 |
ちなみにダイバーズ(ガードダイバー)はフランスの特急列車TGV、ドリル特急はディーゼル機関車がモチーフとされる。
衝撃のスパロボ参戦
2017年発売の『スーパーロボット大戦V』に参戦。「ガオガイガー以外の勇者シリーズは権利関係※もあるのでスパロボ参戦が難しい」と言う噂が払拭された瞬間でもある(「つい最近までそうだった」可能性もあるが)。理由としては、バラバラになっていた版権関連を整理したためとのこと。
※当時はバンダイのライバル会社である『タカラ』がスポンサードしており、後にサンライズがバンダイ子会社化した影響により権利が複雑化してしまう要因の一つとなってしまった。
引き続き翌2018年発売の『スーパーロボット大戦X』参戦。そして2019年で『スーパーロボット大戦T』では勇者王との共演、その後スマホゲーの『スーパーロボット大戦X-Ω』で期間限定参戦、初代勇者と現タカラトミーの新幹線ロボの後輩の共演を果たす。
また、本作での悪役陣営は個別運用が難しいためかVではエグゼブと結託した、『デンジャラスゴールド同盟』、Xではパープルが中心となった『ブラックダイヤモンド連合』と結託して他作品の敵組織達の傘下に加わっている(なおこの連合軍の呼称は全部EDの曲名が由来)。また、ウォルフガングはガオガイガー参戦に因みあるとんでもないクロスオーバーがある。
コンシューマーではVXTシリーズの常連になっているため今後の活躍が期待される。
サントラ
勇者系の当時のサントラはかなり抜けが多い。
その中でもマイトガインは酷い方で、大江戸ランドの歌やアジアマフィアの特徴的なテーマや、トライボンバー、ガードダイバーの合体、果ては一文字斬りのBGMまで無い始末・・・
同様に抜けが多かったエクスカイザーは後に、総音楽集が出て補完されたため他もいずれはと期待されたがその後音沙汰が無い・・・
関連イラスト
関連動画
関連タグ
勇者シリーズ 旋風寺コンツェルン 勇者特急隊 サンライズの本気
タカラトミー関連
伝説の勇者ダ・ガーン:2012年、神龙拯救队之元气星魂という最良のパートナー作品を得た。
勇者王ガオガイガー:主人公の声優が同じ檜山修之氏、肩が新幹線、東京湾に本拠地がある(前半のみ)など共通点が多くある。
シンカリオン:2015年に企画開始、2018年1月にTVアニメ化された「鉄道車両が変形するロボットもの」。マイトガインと違い現代がベースになっている為、変形する車両は全て現役(放送当時)である。これはJR貨物を除いたJRグループ各社がかかわっている。さらにシンカリオンもスーパーロボット大戦に参戦した事があり、マイトガインと共演している。
特撮関連
救急戦隊ゴーゴーファイブ:スーパー戦隊シリーズにおいて初の列車モチーフの巨大ロボが登場した作品。こちらも救急車両モチーフやAI搭載の巨大ロボ、さらにはブラックバージョンのロボも登場している。
魔法戦隊マジレンジャー:「列車モチーフの巨大ロボが登場する」「本編の終盤で相思相愛になった男女が結婚式を挙げる」「一部の敵が改心する」等の展開が描かれている。なお、サリーは当初、「魔法少女」という設定だった。
烈車戦隊トッキュウジャー:列車繋がり。こちらも蒸気機関車、新幹線、救急車両、ドリル、建設車両モチーフのメカが登場している。
炎神戦隊ゴーオンジャー、快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー、魔進戦隊キラメイジャー:列車、救急車両、ジェット機モチーフの巨大戦力が登場する繋がり。前者は「動物や恐竜をモチーフにしている列車型のキャラが登場する」、後者2つは「ドリル戦車や建設車両モチーフの巨大戦力が登場する」という共通点がある。
轟轟戦隊ボウケンジャー、天装戦隊ゴセイジャー、特捜ロボジャンパーソン:敵組織が複数いる作品繋がり。
仮面ライダーゼロワン:社長主人公繋がり。
その他
シンデレラ:作中では舞人とサリーの恋模様が描かれており、『勇者シリーズメモリアルブック超勇者伝承』等では、サリーは「勇者シリーズのシンデレラガール」と称されている。
クレヨンしんちゃん:サリーの中の人が主人公・野原しんのすけの声を演じており、マイトガインの音楽CDに銭湯の番台のアルバイトをしている最中に、しんのすけがやってくる内容のミニドラマがこっそり収録されている他、第44話では舞人とサリーが幼稚園児のコスプレをしており、サリーが『嵐を呼ぶ園児、吉永サリー!』と名乗っている(なお、サリーの弟・テツヤは赤ちゃんのコスプレをしていた)。さらに『クレヨンしんちゃん』もスーパーロボット大戦に参戦した事があり、しんのすけがカンタムロボのパイロットという設定で登場している。
超電導カンタムロボ:上記の『クレヨンしんちゃん』に登場する作中作のロボットアニメ。人間とAI搭載のロボットが巨大ロボを操縦して敵と戦うという展開が共通している。舞人の中の人は『逆襲のロボとーちゃん』で山田ジョン青年の声を演じている。さらにカンタムロボもスーパーロボット大戦に参戦している。
テイルズオブリバース:舞人の中の人とサリーの中の人と浜田の中の人が共演している。なお、第15話に登場したMr.クロオビの声を演じた石塚運昇もメインキャラの声を担当している。
丈
無敵鋼人ダイターン3:主人公が大富豪(スパロボでは財閥の社長と言う設定が追加)、巨大ロボを駆り悪党を退治するということが類似している。その反面、敵に家族を殺されている、その復讐のため裏で仇敵を探しているなどの闇の要素も併せ持っており、マイトガインはその二面性を主人公とライバルとで分ける形となった。
マイトガインラストショック:余りに衝撃的且つ物議を醸した本作最終五部作の事。
高松信司:監督。劇中にも名前だけだが登場する。
伝説の勇者ダ・ガーン ← 勇者特急マイトガイン → 勇者警察ジェイデッカー
最終回エンディングについて
最終回は旋風寺舞人とサリー夫人のツーショットがカメラで引き、実はセル画だったと言うオチだったが、後年高松信司監督も「あれは悪趣味で、やり過ぎだった」と反省していた。