概要
1954年1月28日生、東京都出身。本名は塩澤 敏一(しおざわ としかず)。
生前は、青二プロダクション所属だった。
日本大学第二高等学校を経て日本大学に通った。同じく声優の水島裕は高校の下級生であり、大学でも後輩にあたる。
人物
独特の「艶」を帯びた美声の持ち主で、美形キャラボイスの代名詞的存在であった。
『北斗の拳』のレイや『戦闘メカザブングル』のアーサー・ランクのような正統派美青年や、『聖闘士星矢』の牡羊座のムウや『戦国魔神ゴーショーグン』の レオナルド・メディチ・ブンドルといったクールでシニカルなイケメンキャラを数多く演じており、中でも冷酷で癖のある美形悪役を独壇場レベルで得意としたため、特に女性ファンの人気が常に安定して高かった。
反面、ぶりぶりざえもんや物星大のようなギャグキャラや、R・田中一郎のようなボケキャラも自在にこなす役幅の広さで知られ、これといって役を選ぶこともなかった。
名優のひとりであり、それだけに特に代えが利かない役者と称された。
なお、「兼人」という芸名は自分が好きだった映画監督の新藤兼人にちなんで、本人が考案したもの。サ行の発音が苦手である(本名にサ行の文字が4つ入っていたため発音しづらかった)ことに加えて、「人」の字が付く名前に憧れていたことも理由に挙げている。
突然の事故死
2000年5月10日未明、前日(5月9日)に自宅の階段から転んで頭を強く打ったことによる脳挫傷が原因で、46歳という若さで急逝。当初は問題ないと夫人に答えていたが、後に容態が悪化したという。
実力も知名度もあり、多数のレギュラーを抱え、声優として脂の乗り切った時期での突然且つ早すぎた別れは各界に衝撃を与えた。芝居のことでよく塩沢と語り合ったという神谷明は、特に悲しい同業者の死だったとしばしば語る。また、大先輩となる柴田秀勝は、「自分の弔事は塩沢に読んでもらう」と約束していたが、逆に自分が弔事を読むことになり、悔しさから馬鹿野郎と叫んだという。
生前の持ち役の多くは後述の注釈通り様々な声優が継承・代演しているが、一部のキャラクターについては2016年現在もあえて代役を立てずに過去のバンクを利用しているケースもあり、中には『声』を尊重して止むなく登場できなくなってしまったケースも複数ある(ただし、そのうちの幾つかは長年のブランクを経て、後任が正式に決まり復活している)。
塩沢が逝去してから20年以上経過した現在でも彼の死を嘆き、悲しむ人々は多い。特に作品がリバイバルされた際はその死が再び思い起こされる人も多いだろう。
その死を惜しんだファンによってファンクラブも継続して運営されており、遺された夫人もしばしばコメントを寄せていた。
主な出演作
☆は、現在のところ、代役を立てずに生前の声がサンプリングされて使われているケースを示した(ここでは、作品によって代役が立てられている場合を除く)。
アニメ
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西郷@Gu-Guガンモ
塞臥@冥王計画ゼオライマー*2
マー・ボジャン@勇者特急マイトガイン
宗孔明@レッドバロン
ルーメン@超魔神英雄伝ワタルルーメン
ゲーム
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ジュドー@空想科学世界ガリバーボーイジュドー
剣部アラゴト@超魔神英雄伝ワタルAnotherSTEP
特撮
吹き替え
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etc...
*1 没後に製作された特別版では、田中正彦が担当。これ以外のスパロボなどのゲーム作品では、基本的に、生前の塩沢の声がサンプリングされて使われているが、作品によっては田中が新規に吹き込んだセリフも用いられている。
*2 没後に製作された『スーパーロボット大戦』では、山崎たくみが担当。
*3 パチンコ版では山崎たくみが、塩沢の没後にリリースされたゲーム作品と『キン肉マンII世』では大場真人が担当。
*4 没後に発売されたゲーム作品『キン肉マン マッスルジェネレーションズ』では、太田真一郎が担当。
*5 没後に発売されたゲーム作品『サンライズ英雄譚』および『A.C.E.』では、加瀬康之が担当。マ・クベや司馬亮と同じく、これ以外の作品では、基本的に生前の塩沢の声がサンプリングされて用いられている。
*6 没後に発売された本作とのコラボゲーム『SIMPLEキャラクター2000シリーズ Vol.05 ハイスクール!奇面組 THE テーブルホッケー』では岡野浩介が担当。
*7 没後のメディア作品での担当者は、千葉一伸(アーケード版・PS2版・パチンコ版)、はらさわ晃綺(タイピングゲーム「激打3」)、三木眞一郎(新OVA)、植木誠(NDS版ゲーム)、子安武人(『北斗無双』)。
*8 後任は山崎たくみ(没後にリリースされたOVA以降)。
*9 没後に発売されたゲーム『ドラゴンボールZ Sparking!METEOR』では、竹本英史が担当。
*10 後任は阪口大助。
*11 没後に発売されたゲーム版では、遊佐浩二が担当。
*12 後任は神谷浩史(2016年5月以降の放送・制作分)。ただし、塩沢の死去直後より神谷が後任に起用されるまでの16年間は、遺族やファン、および作者を含む番組関係者全員の意向により欠番状態となっていた(詳細は、ぶりぶりざえもんのページを参照)。
*13 没後に公開された劇場版では、田中秀幸が担当。
*14 テレビアニメ版では、三木眞一郎が担当。
*15 没後にテレビ朝日系列で放映されたテレビアニメ版では、子安武人が担当。
*16 没後に発売されたPSPゲーム版では置鮎龍太郎が担当。
*17 没後に制作されたゲーム作品では、千葉一伸(スーパーロボット大戦)、高木渉(PS2ゲーム版)が担当。
*18 没後に発売されたリメイク版OVA・ドラマCDでは、大川透が担当(ただし、他のキャストも一新されている)。
*19 没後に発売されたゲーム『ドラゴンボールZ W爆烈IMPACT』では置鮎龍太郎が担当。
*20 後任は井上和彦(テレビシリーズ第205・206話『本庁の刑事恋物語3』以降全てのメディア作品にて担当)。
*21 後任はカシワクラツトム(塩沢の没後に放送された第2シリーズ以降)。
*22 後任は納谷六朗。
*23 没後に放送された『星界の戦旗』第9話以降、『星界の戦旗II』ではドラマCD版のの音声流用によるライブラリ出演。番外編のラジオドラマ『星界の断章 併呑』では小杉十郎太が担当。
*24 没後に発売されたリメイク版ゲーム作品(Xbox 360版、モバイル版)では、子安武人が担当。
*25 没後にリリースされたドラマCDでは、子安武人が担当。
*26 没後にリリースされたドラマCDでは、近藤隆が担当。
*27 後任は田中秀幸(塩沢の没後に発売された続編のゲーム作品『アンジェリークトロワ』・『アンジェリークエトワール』以降の全てのメディア作品にて担当)。
*28 没後に発売されたゲーム『MGS2(特別出演)』、『MGS4』、『スマブラシリーズ』ではライブラリー出演、OVA『MGSBD』では山崎たくみ、外伝のゲーム作品『MPO』では福山潤が担当。
*29 没後に製作されたOVA、ゲーム作品(2006年リリースのPSP版、およびその他のゲーム作品での客演時)では森川智之が担当、OVA以前の外伝作品ではライブラリー出演。
*30 没後に製作されたOVAでは辻谷耕史、2006年リリースのPSP版では稲田徹が担当。なお、SFC版では、本来はもっと多くの台詞が用意されていたが、大人の事情で大幅にセリフが少なくなっている。
*31 スーパーロボット大戦OGサーガ以降の作品では山崎たくみが担当。
*32 後任は藤田圭宣(『SDガンダム GGENERATION SPIRITS』での担当) -> 津田健次郎(『SDガンダム GGENERATION OVER WORLD』での担当)。