概要
変種とは、基本種と同一種だが、何らかの特有の遺伝的形質で区別され、基本種の近くで群を形成している植物種のことをいう。学名の後ろに"var.(varietyの略 )"で表記される。
基本的に植物のみに認められ、植物分類学では変種の上位に当たる亜種"subsp.(subspeciesの略)"よりも重視される。亜種を設けず変種で区分されている種も多く、植物分類学者によっては亜種という概念そのものを用いない。メイン画像の例でいえば、ヤセイカンラン(Brassica oleracea)の変種ブロッコリー(var. italica)となる。
変種よりもさらに下位の型"f.(formaの略)"を区別する場合もある。亜種・変種・型の厳密な違いは定義されていないので、研究者によって見解が違うことがよくある(さらに言うと植物は雑種ができやすいので、ある個体群を種と認めるか亜種や変種と考えるかの見解が分かれがちなものも多い)。
なお、現在の動物命名規約では学名の後ろにつけられるのは亜種のみが認められ、過去に認められていた変種は全て亜種とされている。→亜種