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寝取られ

ねとられ

自分の配偶者や恋人、または友達以上恋人未満の相手が第三者と性的関係を持つことを示した言葉。対義語は「寝取り」。
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この記事にはR-18要素を含みます


定義

「寝取られ」の定義は、近年急速に拡張する傾向がある。以下にいくつかの定義を述べる。


1.最狭義 - 辞書的定義

――自分の配偶者または恋人が、第三者と性的関係を持つこと。


辞書的な日本語としては概してこのような定義で用いられており、文字通りに「寝て(同衾して)」「取られる」ものと捉えられている。


2.狭義 - オタク界隈でのスラング的定義

――自分の配偶者や恋人、または友達以上恋人未満の相手が、第三者と性的関係を持つこと。


オタク用語としての「寝取られ」は、このような意味で使われる(想定される)ことが多くなっており、一定以上の好意が踏みにじられれば即ち「寝取られ」とする感覚が支配的である。

特に男性向けR-18界隈においては、それに伴って読み手が鬱勃起的な興奮を味わえることも必要とされ、どのように「寝た」のかという過程に極端な比重が置かれて描写される。


3.広義 - オタク界隈である種の一般化を経た定義

――一定以上の好意を抱いている相手が、第三者と自分以上に親密になること。


「寝取られ」作品が増加するにつれ、一般向けへの逆輸入的広まりが発生し、「寝る」過程が必ずしも克明に描写されなくなってきた。また、pixivを始めとする双方向的な交流の発達により、タグ付け等によってジャンル分けが以前より容易に行えるようにもなった。そのため益々多くの作品が「これは寝取られである」と定義されるようになった。

ただし、これは愛好者以外も容易に携われる「認定」行為でもあり、全てがポジティブな動機で行われるわけではない。


寝取られ好きの間では、設定上両思いであるか否かは作品の評価を左右しない、としばしば言われる。そもそも男性向けR-18作品の本質はエロにあり前後のシチュはそのための装飾でしかないこと、例え通常の(配偶者や恋人としか性的関係を持たない)ヒロインであっても読み手にとっては他人の性的関係を出歯亀しているに変わりないことなどが原因であろうか。また、ヒロインの細かな属性については作品の説明や他のタグで知ることもできるため、「寝取られ」はできるだけ広い意味を持っているほうが検索上簡便という都合もある。


寝取られ嫌いの間では、両思いでなくとも主人公の好意が無碍にされること自体に嫌悪感を抱くという風潮があり、場合によってはフラグを乱立するヒロインに対する処女厨カプ厨的なヘイトが加わることもある。それらの回避を容易にするためには、やはりまとめて「寝取られ」と表記されているほうが都合がいい。


このように利害が一致する形で「寝取られ」という言葉は一層広まったのである。


4.最広義 - 再帰的定義

――読み手が寝取られと感じたらそれは寝取られである。


しばしば冗談めかして言われる定義であり、再帰的にもほどがあるが、興味深い定義でもある。上述のように作品から寝取られ特有の喪失感や鬱勃起的興奮、嫌悪感などを受けるかどうかはヒロイン属性などの設定ではっきりと区別できるものではなく結局読み手の主観によるというのは確かである。

また、「そのような感情を抱かせる作品ジャンル」を一括りにして意味する適当な名称が存在せず、結局「寝取られ」という言葉で括るのが一番近かったという事情も窺える。現在では視点違いの「寝取り」をも含めた「NTR」という表記も生まれており、一層包括的な概念になり続けていると言える。


このように定義に関してはかなり揺れがあり、一概に何が寝取られであるとするかは難しい。

主観や個人の都合が根拠になる以上、定義論争も不毛となりがちである。

以下では、その仔細には踏み込まず、とりあえず2.狭義の定義に従って概要を述べる。


概要

自分の配偶者や恋人、または友達以上恋人未満の相手が、他者と性的関係を持つこと。また、このことをフェティシズム的に捉えて作られた作品群を示すジャンル名。

主に男性向けR-18作品で使われる言葉で、女性向けにおいては、大手販売サイトであるDLsiteがるまに内でも寝取られというジャンルタグは存在しないほどであり、実際に「彼氏を寝取られて性的興奮を得る」という観点の作品も非常に少ない。


「男性の主人公が、ヒロイン間男に寝取られる」という構図を基本とし、近年は同性愛を絡めるなどさまざまな人間関係が描かれている。

最初から自発的に不貞関係に及ぶような浮気不倫といったジャンルとは似て非なるものとされており、痴漢脅迫洗脳といった犯罪卑劣な手段を用いた強姦も多く含まれる。逆に言えばレイプ物とは重なる点も多いが、「ヤリ捨て」を好みがちな先方とは異なり、最終的にはヒロイン自ら間男を求める「快楽堕ち」をオチとする作品が多いという相違点もある。


愛する女性を他の男に奪われるだけの寝取られ男の視点で興奮するという性嗜好はまるで理解できないと言う人も多い。大まかな分類としてはマゾヒズムの一種とされ、具体的には「大切な存在が失われる・汚されることへの喪失感」や「ヒロインに間男と比較され見下される・貶されることへの屈辱感」へのマゾ的興奮といった点などが寝取られに興奮する理由の例として挙げられる。


単に漫画やアニメで目の肥えた、もしくは歳を取ったオタクが自然と行き着いたという見解もある。(人間は成熟してくると愛憎劇背徳ものなど脂っこいモノを好む傾向にある)

よくも悪くも相手を神聖視・特別視する下地があってこそ、それを荒らされる事でドMな快感を引きずり出されるものと思われる。


寝取られを好まない人間が、うっかり目にすると致命的なトラウマを作る恐れがある。

アブノーマルな性癖の一種に数えられ、ジャンルの特性上、嫌悪感を感じる人がいるかも知れないので扱う場合は注意が必要である。


古典における寝取られ

神話伝説物語上でも、源氏物語をはじめとして多数の作品がある寝取りほどではないが、寝取られに関するエピソードは多数ある。

有名な話ではギリシャ神話ゼウス半神イクシオン、あるいは巨人正室ヘラを襲われてしまう話がある。前者はゼウスの策略で未然に防ぎ、後者はギリギリで救い出している。そこまで節操にこだわったゼウスだが、後期の話では寝取る側に回っている……嫁さんを二度も襲われたことでひねくれたのだろうか。どうしてこうなった


史実で有名なところではチンギス・ハーンも正室ボルテを寝取られている。このため長男のジュチは不義な子と言われて悩み苦しんだ事が元朝秘史などに記されている。そのチンギスもまた、「敵を撃破して彼らの愛する女子を我がものにするのが喜び」と、自ら寝取る(当時は敵の姫を娶るのは常識だったが…)事の意義を誇るほどになってしまう。


ゲームにおける寝取られ

恋愛ゲームではいわゆる恋のライバルに攻略対象を寝取られるケースが少数ながら存在したようだが、大体寝取るとは思えない爽やかな奴だったり、いかにも寝取りそうなゲスの場合は作中で制裁されている。

しかし、家庭用に於いてバハムートラグーン(寝取られではなくビッチとの意見も)、そして描写の制限が緩いアダルトゲームでは下級生2催眠術、そしてエロゲ雑誌TECHGIANの付録ながら未だ伝説と語られるディアプリンセスにより、数多くなトラウマと物議を醸しその萌え属性は広く認知されることとなる。

ちなみに後世まで徹底的に嫌われキャラクター扱いされる事もあるので、まともな評価もされないキャラクターとなり、名前が出るだけで「○○死ね」とまで言われてしまうケースも(ネタ含めて)少なくない。場合によっては作品そのものがそのインパクトの強さしか語られなくなってしまう弊害もある。


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