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山田悠介

やまだゆうすけ

山田悠介とは日本の小説家の1人。SF調のサイコホラーを得意とする。
目次 [非表示]

曖昧さ回避

1.日本の俳優。→ヤマダユウスケ

2.日本の小説家。本稿で記述。


経歴・人物

東京都出身。神奈川県の大和市立南林間中学校と平塚学園高等学校を卒業した。

中学時代に担任によって学級委員に任命されている。その際に「おまえは何もするな。みんなにやってもらうのがおまえの仕事だ」と言われたのが記憶に残っていて、その後の生き方を決めたと本人は後に語っている。


高校卒業後はアルバイトで生活しつつ、「将来は想像力を活かした仕事に就きたい」という思いから、並行して小説を書いていた。

なお、学生時代はごくフツーの青春を送っていたとされ、べつに文芸部や漫研などに所属していたわけではない。というか、一度も出版社の新人賞に応募したことは無い。それでも小説家になろうとしてたのは自身の妄想癖に愛着を持っていたこととコスパがいいから」(意約)。

山田「『物語』が作れればなんでも良かったのですが、例えば、映画を作るには組織力が必要だし、莫大なお金もかかります。それらに比べて早く形にできそうなのが、小説を書くことだったんだと思います。」


もちろん高校卒業間際の進路指導の際に上述の理由から進学等はしないと教師に告げると、今までの学生生活との脈絡の無さから「おまえ何言ってんの⁉(意訳)」といわれてしまっている。「高校卒業間近になって、自分は何をやりたいんだろうと考えた時に、なぜか小説を書いてみようと思ったんです。」とは本人の弁。

さらに読書はどちらかというと嫌いだったらしい。


自分が小説を書いていると家族友人に知られるのは恥ずかしいとの思いから、デビューするまでそれを隠していた。


2001年(平成13年)、『リアル鬼ごっこ』(文芸社)を自費出版し、作家デビューした。

自費出版で、である。しかもこれが発行部数100万部超えの大ヒットとなった。

これだけでも山田の経歴が作家としていかに異質か分かろうというもの。


しかも「新聞の広告欄で自費出版の宣伝があったから」(本人談)という、どう評価するべきか分からない動機だったりする。

高校卒業後、2カ月くらいで処女作(※題名不明)を一気に書きあげた山田であったが出版社にいきなり持ち込んでいいレベルかどうかも分からなかったという。本当に創作物を論評するツールやコミュニティとは無縁であったのである。当時はネット環境でさえ2ちゃんねるが開設されて間もないという状況で、我らがpixivはおろかYouTube小説家になろうも存在していないため仕方がないっちゃそうだが()。

そのため『出版費用は著者が負担するものの、編集者が講評をし、出版後は全国の本屋に置かれる』という宣伝文句にホイホイ乗っかり処女作の原稿を文芸社に送ると編集者からは出版を勧める返信が届いた。しかし、そのころに本人は次作にあたる『リアル鬼ごっこ』へ手応えを感じ始めており結局こちらを自費出版するはこびとなった。

山田本人はその際に編集者が作品をしっかりと読み込んで論評してくれたことで「ひと筋の光が見えたような心強さを感じた」ことを後に回想しているが、

現実の自費出版とは(出版社によって差異はあるだろうが)、出版社側にとってはとにかく依頼主から多額の費用を出させてその利ザヤを稼ぐための「商売」であり、依頼主側も赤字が大前提でこれに望む「大人の趣味」的な要素が強く、これを知らないままに踏み切った(当時の)山田の世間知らずさは現在でも是非が分かれるポイントではある。また、後述のようにこの時に出版した製品に関してもエンタメ作品としての面白さはとにかく文字製品としては本来ならとても流通に耐え得る代物ではなかったことを加味すると、この時点で出版社側が山田を本当に評価していたのかは疑問が残るところ。

(山田自身も自費出版時の印税がドケチであったことには不満を述べている。)


しかし、この『リアル鬼ごっこ』が1999年出版の『バトルロワイアル』と共に現在までエンタメジャンルの巨大な一角を築いている「デスゲーム物」の金字塔として君臨し続けるとは、その時点で誰が予想したであろうか。


その後、幾多の作品を世に送り出し、多くは同じくヒットを飛ばし続けた。

その間に各社の担当編集にしごかれまくり4作目の『パズル』(2004年)執筆の際にはダメ出しを食らい続け7回の書き直しをする羽目になる地獄を味わいつつも現在まで続く作風と立場を完成させる。参考


『親指さがし』の発売時期に合わせて登場人物の箕輪スズのウェブサイト(箕輪スズ 親指さがし)を実際に開設したり、渋谷の街頭ビジョンに登場させるなどの宣伝活動を行うなどしたこともある。

2005年(平成17年)11月からは「B-Quest」(文芸社)誌上で『パラシュート』を連載した。なお、この『パラシュート』は山田にとって初の連載である。

※現状ではこれ以外の作品は書き下ろし。


山田悠介という人物は、読書歴ゼロ、執筆歴ゼロ、投稿歴ゼロ、その他、郵便配達等のアルバイト以外には諸々のスキルゼロであるにもかかわらず、一躍小説界のヒットメーカーとして名を馳せた異才である。



作風

主に(いろんな意味で)非現実的なゲームか、劣悪な環境で事件に立ち向かう物語が多い。その作風から中高生に大人気であった。また映画化も実現しているが中にはPG-12R15+指定されている作品もあるため見る際は注意が必要になる。


ジャンルとしては、広義にはSFなシチュエーションで、狭義にはサバイバルデスゲームサイコホラータイプのものが多くを占める。

著作に登場する多くの悪役は、政府ないし国家権力(描写からして我らが日本)に属する組織である場合が大半で、実に言いようがないほど理不尽で、説明のしようがない不条理な理由によって主人公らを追い詰めていくケースが多い。

あまりにもこのパターンが多すぎるために国家に対して何か恨みでもあるのだろうか」と一部ユーザーにツッコまれているのはご愛嬌。


デビュー当初はまったくと言っていいほど文章の基礎が皆無で、誤字脱字慣用句の間違い、(一般書籍と比して)乏しいボキャブラリー等々の物書きとしてやってはいけないミスが多いことがネタにされまくった。

(後述のように徐々に出版社側が真面目に校正するようになったので多少は改善されたが……)


また、ほとんどの作品がライブ感が前提となっていて、その多くで登場人物の行動理由や背景説明など、内容の整合性がほぼ考慮されていないことも多かったりする。


しかし、これが逆にその作品郡に独特の雰囲気を醸し、一部の読者から「キテレツな文章と超展開が強烈に印象に残る」「小難しい表現が無くてむしろ読み易い」と評価を得て好評の一端(?)となった。

長澤まさみはその簡潔な文体を評して「とにかくスピード感が凄い。それに、リズムがある感じ。文中に台詞が多いので、主人公の心に入り込みやすいとしている。

(文庫版『あそこの席』解説より)


現状では、人によって評価が大きく分かれやすい。


作品

単行本

2001年

リアル鬼ごっこ(文芸社、2001年)(幻冬舎文庫、2004年)

続編決定!


2003年

@ベイビーメール(文芸社、2003年)(角川ホラー文庫、2005年)

親指さがし(幻冬舎、2003年)(幻冬舎文庫、2005年)

あそこの席(文芸社、2003年)(幻冬舎文庫、2006年)


2004年

パズル(角川書店、2004年)(角川文庫、2007年)

8.1(文芸社、2004年)(角川文庫、2007年) - 短編集 「8.1」

「写真メール」

「黄泉の階段」

「ジェットコースター」

「骨壺」  ※文庫版Horror Landに収録。

「人間狩り」 ※文庫版Game Landに収録。

×ゲーム(幻冬舎、2004年)(幻冬舎文庫、2007年)

Aコース(幻冬舎文庫、2004年)


2005年

Fコース(幻冬舎文庫、2005年)

ライヴ(角川書店、2005年)(角川文庫、2009年)

ブレーキ(角川書店、2005年)(角川ホラー文庫、2008年) - 短編集 「ビンゴ」

「サッカー」

「ババ抜き」

「ゴルフ」

「ブレーキ」

スイッチを押すとき(文芸社、2005年)(角川文庫、2008年)


2006年

レンタル・チルドレン(幻冬舎、2006年)(幻冬舎文庫、2008年)

スピン(角川書店、2006年)(角川文庫、2010年)

特別法第001条 DUST(文芸社、2006年)(幻冬舎文庫、2009年)


2007年

ドアD(幻冬舎、2007年)(幻冬舎文庫、2009年)

オール(角川書店、2007年)(角川文庫、2009年) - 連載作品『何でも屋』の単行本化 オール ミッション2(角川書店、2008年)(角川文庫、2011年)

パラシュート(文芸社、2007年)(幻冬舎文庫、2011年) - 同名の連載作品の単行本化

パーティ(角川書店、2007年)(角川文庫、2011年)

ワカマツカオリ


2008年

魔界の塔(幻冬舎、2008年)(幻冬舎文庫、2010年)

その時までサヨナラ(文芸社、2008年)(文芸社文庫、2012年)

モニタールーム(角川書店、2008年)(角川文庫、2012年)


2009年

ニホンブンレツ(文芸社、2009年)(文芸社文庫、2013年)

自殺プロデュース(幻冬舎、2009年)(幻冬舎文庫、2012年)

アバター(角川書店、2009年)(角川文庫、2013年)

アバター(色付き)


2010年

メモリーを消すまで(文芸社、2010年) (角川文庫、2014年)

キリン(角川書店、2010年)

キリン


2011年

復讐したい(幻冬舎、2011年)

BLACK(文芸社、2011年)

名のないシシャ(角川書店、2011年)

名のないシシャ


2012年

種のキモチ(文芸社、2012年)

「種のキモチ」 


2013年

奥の奥の森の奥に、いる。(幻冬舎、2013年)

93番目のキミ(文芸社、2013年)

貴族と奴隷(文芸社、2013年)


2014年

君がいる時はいつも雨(12月、文芸社文庫)


2015年

天使が怪獣になる前に(2月、文芸社文庫)

配信せずにはいられない(4月、文芸社文庫)


2016年

神様のコドモ(3月、幻冬舎/2019年8月、幻冬舎文庫)

神様のコドモ


2017年

お宝探しが好きすぎて(2月、文芸社文庫)

僕はロボットごしの君に恋をする(10月、河出書房新社/2020年4月、河出文庫)

僕はロボットごしの君に恋をする


2020年

俺の残機を投下します(7月、河出書房新社)


山田悠介「以後」

賛否両論毀誉褒貶激しいまでも、有名作家の仲間入りをした山田であったが、その前途は決して洋々としているわけではなかったりする。

なにせ、デビューから20年以上経つにもかかわらずポスト山田悠介」と呼ばれるべき後継作家が登場していないのである


関連項目

小説家 自費出版


似た傾向の作品・作家


  • バトルロワイアル』:1997年の第5回日本ホラー小説大賞応募作にして作者である高見広春の出世作。前述のように『リアル鬼ごっこ』と共にデスゲーム系を一大ジャンルに押し上げた名作。

  • デスノート』:コミック作品におけるサイコ・サスペンスの金字塔。

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