来栖三成
くるすみつなり
喧嘩は嫌いじゃない…… 死にたきゃおいで
CV:西村隆主
ヒューマンバグ大学に登場する獅子王組に所属する武闘派ヤクザ。獅子王組のエースと呼ばれており、現段階で獅子王組No.3の黒澤航太郎率いる黒澤派に加入している。ちなみに口癖は「嫌いじゃない」等。
組の英才教育を受けて育った生え抜きである。
性格
黒澤派に属しているものの、本来は仁義と正義感に溢れる男であり人望も厚い。キャンディーが好物であり、基本よく口にしている。時には戦闘の補助手段に用いられる事もある。
自分が本来しているシノギを改悪して金を巻き上げた構成員は容赦なく始末してしまう冷徹さは持っているが、自分に非があれば殴り合った相手にも誠心誠意謝罪できる律義さや迷惑を掛けた被害者のアフターフォローも約束した上で実行する誠実さを持っている。その人柄も敵対派閥である眉済派に与している阿蒜からも(分裂前に接触していたとは言え、)好感触を持たれていた。
拝金主義にして結果主義である黒澤の下にいるのも、「ヤクザも稼がなきゃいけない時代」だからという理由だが、それでも「継続不可能なことはシノギじゃない」という信念を持っており、本来は詐欺や恐喝などといった外道なシノギは嫌っている模様。
『稼げて任侠のある組』や『ハイブリッドな極道』を目指しており、「貧乏な組では任侠の精神は宿らない」や「シノギができる人間に任侠を教えた方が早い」と言う思想が根底にあり、任侠を組に浸透させる前段階としてまずはお金が必要であると一種の哲学のようなものを持っている。黒澤からも自身の考えを理解していると認められており、本人も「余程高尚な精神でもない限り 極貧で任侠って言える奴はいない」と言い切ってすらいる。
極道になる前、貧困を理由に父を見限り母が出て行ってしまった経験を持っており、それを茶化されると冷静を失いやすくなる。
能力
獅子王組のエースと呼ばれるだけに凄まじく高い戦闘能力を持っており、殴り合いに滅法強い紅林二郎とも互角以上に渡り合ったほか、数多の猛者や修羅場を超えてきた紅林さえ持っていたことすら分からないほどに速いナイフ捌きを披露している。ナイフを交えたフェイントのクオリティも恐ろしく高く眉済派に与し『伝説の剣豪』として恐れられる柳楽和光や同派閥でトップクラスの戦闘力を持つ井上月麦すら初見では躱せなかったほどである。
入門3年目にして一気に名を挙げ、当時の河内組の組長を狙った殺し屋組織の幹部クラスを単独で倒したという、若手ながら挙げている実績も相当なモノである。
ただでさえ近隣極道の天羽組や京極組を凌ぐほどの層の厚さをもつ獅子王組の中でもトップクラスの戦闘力をもつ来栖であるが、その強さは今もなお発展途上であり、まだまだ成長の余地が残っていると底が知れない。
- 2023年1月13日付の動画(紅林二郎)
自身の舎弟が詰めているアジトに紅林が半グレ達を概ね片づけたところに初登場。
この件の被害者女性の一人である深道真津梨と共にこのシノギを指揮していた半グレのアジトにカチコミを仕掛けた紅林相手に何も知らずに交戦、カタギ相手なので素手で戦い紅林の攻撃を悉く回避して翻弄するが、紅林の拳が信念を持っている事に興味を覚えて改めて話を聞き、その中で深道からシノギの改悪について知らされブチギレて自分を欺いた半グレの首を一瞬で掻っ切って壊滅させた。
本来は上京した女性に住居と仕事(風俗業)を斡旋するシノギをしていたが、手下の半グレ共が悪徳マンション業者や闇金業者と結託して無断でシノギの内容を捻じ曲げ、マンション契約を一方的に破棄した挙句、金を返せと正当な主張をした女性に対して逆ギレして女性を借金漬けのホームレスにして風俗で働く事を強要するという物に改悪されていた。
手掛けていたシノギの内容こそカタギを巻き込むものであったが、自らの手違いや監督不足で被害者達の人生に悪影響を及ぼしてしまった件については深道に謝罪をし(お金で解決できる問題じゃない事を理解した上で)損失をカバーするための大金を渡し、まだ公園に残っているその他の被害者達の面倒を見る事も約束する。やり合った紅林にも謝罪と共に何かあったら頼るように伝えた。
「いつになく賑やかじゃん こういうの嫌いじゃないよ」
「お前、俺らに隠れてそんなシノギしてたんか...お前大っ嫌いだわ。うん、この世にいなくていい」
「お兄さんありがとうな 俺は獅子王組の来栖三成だ...何かあったらいつでもおいで。ただ今ウチは揉めててさ...黒澤派の来栖って言ってくれたら俺に繋がるから」
- 2023年1月20日付の動画(久我虎徹)
黒澤派の最強戦力として、鮎川鉄次・犬亥鳳太郎と共に紹介された
「まあ 大喧嘩も嫌いじゃない」
- 2023年2月1日付の動画(久我虎徹)
黒澤の質問に答える形で久我虎徹に関する情報を派閥内部で共有。来栖曰く久我は「根性とスピードと奇妙な髪形の男」として有名とのこと(久我は髪型を罵倒されるとキレることは知らないのだろうか)。
「久我は若い極道の中では有名ですよ。根性とスピードと奇妙な髪型の男って言われてます」
(黒澤「なんだそりゃ」)
- 2023年2月12日付の動画(状況整理)
人格者であるはずの来栖が黒澤派に所属している理由について詳細が明かされた。
底無しの強さがより詳しく明かされた。
組が分散する前、阿蒜と一度顔を合わせており、今でも母を探している彼に「見つかった時にお金を稼げるようになれ」や「親に小遣い送れるくらいになれば関係もすぐ良くなる」とアドバイスを送っていた。助言をもらった阿蒜は来栖のことを悪い人じゃないと改めて人柄の良さが窺えた。
黒澤派で作戦会議をしている中、黒澤から眉済派の中心戦力を抹殺するよう指示された際は少々難色を示したものの、黒澤の「任侠だけじゃシノギは成り立たねぇ」と言う分厚すぎる信念の前に気持ちを切り替えた。
「どうしてもやんなきゃダメっすか?」
「はい、金が無ければ結局犯罪集団に成り下がる 余程高尚な精神でもない限り極貧で任侠って言える奴はいませんから」
黒澤からの指示で眉済に与し、伝説級の剣豪と称される柳楽和光の抹殺に動く。黒澤派の若手である橘花清志郎と出くわした際は強さと眉済の行動パターンを掴んだ手腕を認めつつも、高慢な態度を見せた際は少々呆れていた。
3日後、慢心を捨てた橘花がスト2のガイルのような髪型に変えた時は「ダサい」と評しつつも、その変化を見込んで「嫌いではない」と認めた。
「時代が変わる瞬間を作ってみせましょう」
「アイツほんとムカつくな、嫌いだわぁ まあでも確かに...強いんだよねぇ」
「橘花ぁ 髪型はそれでいくの?めちゃダサいぜ、俺は嫌いじゃないけど」
黒澤派 生え抜きの天才vs眉済派 伝説の剣豪 ぶつかり合う最高戦力
- 2023年3月8日付けの動画(阿蒜寛太)
柳楽の事を探す中、同期であり眉済派の一員である鮫洲誠司と出くわす。戦闘に発展するものの、圧倒的な実力差で打ち負かしたところで柳楽が現場に駆け付け、来栖vs柳楽の戦闘に発展する。
戦術と非常に質の高いフェイントで先制を浴びせるも、それが柳楽の本領を引き出すトリガーとなってしまい、伝説と言われた剣術と実力の前に流れを引き寄せられてしまう。
二振りのナイフの内一本を投げつけて隙を誘い、スライディングの蹴りを浴びせようとするが、柳楽は上空にジャンプして躱す。それは攻撃を躱せない空中へ柳楽を誘いトドメを刺そうとするための作戦だったが、柳楽が不意にカウンターの飛び蹴りをしてきたことで反撃にあってしまう。
それでも柳楽の胸をナイフで斬り、優勢に持ち込もうとするが、柳楽による見事な合気道の投げ技で完璧にいなされ、決定的な隙を作る事を許してしまう。
しかし柳楽は斬る寸前で刀の向きを切り替え、来栖に肋骨数本をへし折る峰打ちで抑えたのだった。
それは来栖に討伐を依頼した黒澤は柳楽が若い身内を殺さないと踏んでいたことと、柳楽の凄まじい強さを体感させる事で更なる成長を促すために依頼していたことであり、予想通り来栖は生き延びた。
それでも戦況の悪さは変わっていない状況の中、電車が通りかかろうとする踏切を利用して上手く撤退する事に成功する。
そして大きなダメージを負いつつも、柳楽の強さを体感したことで更なる成長の兆しを見せるのだった。
「柳楽の兄貴...長い間お疲れ様でした。貴方の時代は今日で終わりです」
「うぉおおお!これちょっとヤバいっすねぇ!俺今日死ぬのかなぁ!」
「一旦カルシウム取りに帰ります!続きはまた!」
黒澤派 生え抜きの天才vs眉済派 獅子王組の最終兵器 ぶつかり合う拳と本心
- 2023年5月17日(阿蒜寛太)
早期決着を図ろうとしている眉済派の井上から貧困を理由に逃げられた母や黒澤が新たな半グレ組織と組まんばかりの状況をネタに揺さぶられ、人気のない公園で待ち構える井上とかち合う。
そして、黒澤派と眉済派のエースが戦闘に発展する。
斬って躱し合いになる中、かつて柳楽との戦いで見せたフェイントで先制を取る。しかし、それは井上の本気を引き出すトリガーとなった。再び斬り合いになり、一撃浴びせかけるも、井上は自分の片腕を掴み、同タイミングで井上の片腕を掴んで超密着状態になり、互いの頭突きが飛ぶ。互角になったところで様々な策で井上のナイフを奪おうとするが、間髪入れずにタックルを決められ、狭い電話ボックスの中に押し込まれてしまう。
自慢のスピードを活かせない狭い空間での防御を捨てた殴り合いにもつれ、互いに一歩も退かない状況となった。そんな中で本心を打ち明ける。
「アンタらが勝ったら組は貧乏になるんだよ!」
「困窮の中で仁義を覚えられるか!裕福であれば仁義は後からでも教えられる!」
自分の生活を固める事ができないままでは、悪い方向に結局行ってしまう考えから、組の財政を建て直してから仁義や任侠を教えたいとぶちまける。それに対し井上は・・・
井上「もしそうだったとしても任侠者としてやっていい事と悪い事があるだろうが‥」
井上はたとえ半グレでも内部終結に貢献したなら恩人なり今後半グレの申し出を無下には出来なくなる、忘恩の徒になれば任侠者として終わりであり勝つためだとしても未来を潰してはいけないと訴える。目先の金に囚われ仁義を捨て、未来を見ようとしない姿を見た下の者は真っすぐに育たないと強く響かす。
殴り合いの末に勝ったのは井上であり、最終的には敗れてしまった。
力なく座り込む自分を見て井上は出て行き、伝えたい事は拳に乗せて伝えたうえで、「敵として現れたら殺すからな」と言い残し、去って行こうとする。しかし、後ろめたさの欠片もなく仁義のために戦う井上の姿に納得するような表情を見せ、井上は優しく微笑んだ。
井上との死闘を終えて黒澤の下に戻り、その労を労われた後に『羅威刃』ら半グレ組織と手を切るように進言する。井上に指摘されてすぐに情報屋を通して裏を取った上で、羅威刃は花宝町の半グレ達を傘下に入れ、ミカジメ料をせしめようとしている事を打ち明ける。半グレ達と協力していたら極道はやっていけない事やカタギからそっぽ向かれたら自分達の存在意義が揺らぐ事を訴えるが、黒澤は分厚い信念の前に聞き入れようとしなかった。
そして、黒澤が協力関係を結ぼうとした東北最大の半グレ組織『戒炎』のトップ・我妻と会合した際は得体の知れない狂気を感じ取り、「内部抗争に勝てば花宝町の利権を半分寄こせ」と言い出されてしまった。そこへ追い打ちをかけるように、一時的に協力していた『羅威刃』トップの東雲から眉済派に出向していた久我らが元居た場所に帰った事を理由に協力関係の打ち切りと龍本を潰した借りを返す事の取り付けを強要されてしまうと言う、井上が心底危惧していた懸念が最悪な形で現実のモノになってしまう。
黒澤は橘花から眉済派のヤサを見つけた事を知ると呼び出しを受け、自分が乗り込むと言い出した際は止めるも、覚悟を決めた彼の前に折れる形でサラシを巻いた。黒澤が出向く際、自分が帰って来なかった後の事を橘花と共に託された。
- 2023年6月14日の動画(阿蒜寛太、最終回)
眉済新組長に受け入れられ新獅子王組に改めて参加。その中で井上が睨めっこ対決を企画し来栖は井上と激突。らしくない顔芸を披露したものの井上の顔芸に敗北した。
その後は阿蒜を自分の仕事に付き添わせた。
眉済の指示を受け、羅威刃の幹部を中心に抹殺していく事を武闘派極道にして中心戦力である伊武隼人・犬亥鳳太郎らと共に動いていく。圧倒的な実力を以て羅威刃の末端構成員を次々に潰していくのだった。
声優について
来栖の声は、同じヒューマンバグ大学内の瓜生シリーズ(EL戦争編)にて登場した鵺(智也)も演じている西村隆主氏が担当。紅林シリーズでは、鵺→来栖の順で主人公の紅林二郎と各回連続で対戦することになり、古風な口調で冷徹に振る舞う殺し屋の鵺と、何処か余裕を持った飄々とした振る舞いをみせる来栖との演技のギャップに驚いた視聴者もいた。
因みに両者共に、当初は主人公のチームの敵対者として登場するが、最終的に味方になるという点でも共通している。
苗字被りについて
苗字の「来栖」だが、過去に伊集院シリーズにて来栖道臣という名前のキャラクターが登場したことがある。こちらのキャラは、当時のシリーズ内では屈指の猟奇性を帯びた連続殺人鬼で、ロザリア・ロンバルドのミイラの美しさに魅了されて以来、目に止まった女性の美を永遠のものにしたいという狂気に目覚め、祖父の財産を元手に半グレたちを雇い、目当ての女性を拉致しては剥製に加工するというおぞましい所業を繰り返しており(当然、このあと協力した天羽組の須永陽咲也と伊集院に捕縛され処刑された)、利益を優先しつつも仁義を重んじている来栖とは真逆の人格の持ち主である。
一方で(こちらは赤・白・黒が主体だが)ビビットの強いカラーリングの服装に顔にも黒リップをはじめメイクを施したV系の装いと、何処となくデザインが本項の三成と通じる部分もあり、また名前も「みつなり」と「みちおみ」と微妙に似ていたりする。そのせいか、極稀に両者の名前を逆転して認識してしまうリスナーもいたりする。
本来は正義感と義侠心に溢れる中で『シノギあっての任侠』が根底にあり、自身の経験から金稼ぎを重視する黒澤派に与している事が分かってきている。
しかし、(獅子王組シリーズに限った話ではないが、)金や権力を手にしてしまえば人は悪い方向に変わる確率が高いのも事実であり、来栖の考えや発言にも賛否両論が分かれているのも確かである。
ただし黒澤、橘花、彼自身の過去から分かる通り、金がなければ幸せになれないのも事実であり、黒澤派を支持する視聴者も一定数いる。しかし、内部戦争が終盤に差し掛かった辺りで「半グレ組織と協力すれば組もシマも荒らされる」懸念が最悪な形で実現してしまった。後に黒澤は自身のケジメのため、眉済のいる場所に乗り込み、一騎討ちの末に敗死してしまう。黒澤は乗り込む前に自分と橘花に「俺が戻って来なかったら花宝町の半グレ達を叩き出せ」と言う旨のメッセージを託された事から、今後の同行が気になるところである。
後に黒澤が眉済の下に出向き、一騎打ちの末に命を落とす事になり、獅子王組は眉済派の勝利に終わる結果となった。一時は破門されても文句は言えないと思っていたものの、最終的には眉済主導の組織で再スタートを切る事になり、黒澤から最後に渡されたメッセージは実行していくものになった。
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