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概要

Low Cost Careerの略。

様々なサービスを簡略化し、低コストでの運営を可能とした航空会社

低コスト運営を行うということは、その分運賃を格安にしやすいということでもあり、従来の航空会社(レガシーキャリアあるいはフルサービスキャリア)に対して文字通りの価格勝負を挑む事が多い。(但しLCCによっては大手よりは若干安いかな、という程度のところもある)

航空業界の自由化・規制緩和に伴い急成長を遂げたジャンルである。

日本でも規制緩和などによりいくつかのLCCが誕生、もしくは日本進出を果たしている。


普通の航空会社との違い

低コストで運営する(≒安価な運賃を実現させる)ために、フルサービスキャリアとは異なる面がいくつもある。

  • 機体は小型~中型機で統一

一般的にフルサービスキャリアは近距離から長距離まで多彩な路線を持つため、複数の航空機を保有する場合が多い。

しかし複数の機体を持つということは整備や運航などで余計な面倒を作り、乗務員や整備員の教習などで余計なコストを生むことになる。

また、長距離路線は飛行時間が長くなる分相応に機内食などのサービスを充実させなければならないためLCCとは相性が悪く、路線は必然的に中・近距離に特化される事になる(その点で後述のZIPAIRは長距離路線に進出する最初の格安航空会社になった)。

一方、最近の小型機や中型機は意外に長い航続距離を持つものが多い。例を挙げるとB737は定員150人程度の比較的小型な機体にもかかわらず、モデルによっては6000kmもの航続距離を持つものもある。

そこで「長距離機は切り捨ててそこそこ長い航続距離を持つ小型機一択でもいいじゃん」って発想の転換を行い、比較的小型の機体一機種に統一するのが基本となっている。

機内もファースト・ビジネスといった上級クラスや座席指定はなく、全席自由席のエコノミーに統一する代わりに座席数を増やしている事が多い。あったとしても利用には追加料金がかかる。エコノミーでも快適性を犠牲にしてシートピッチを詰め、場合によってはリクライニングすらも省略することでできる限り座席数を増やしている。

ただ、できるだけ少ない機数で効率よく運航しようとする傾向にあるため、もし機材にトラブルが起きても予備機がないという事がよくあり、結果欠航率が高めになりやすいという難点がある。

これらの機体は全てリースで賄っており、整備は法律で定められた必要最低限とすることで整備費用を抑えつつ、メンテナンスフリーな新型に頻繁に置き換えている。そのためあまり古い機体は使われないのも特徴。


  • 予約はセルフサービスで

フルサービスキャリアは搭乗券を購入する場合、航空会社カウンターや電話での予約、或いは旅行会社に依頼するなどして「○○から××に行きたいんだけど」と申し込んで…というのが多かった。

しかしLCCの場合、航空券販売コスト低減のため予約は自社サイトや或いはコンビニのメディアキオスク端末などから「自力で」申し込むことを前提とし、カウンターに配置する人員を省略するということが多い。

つまり、予約は自力でということである。

このため、機体に自社サイトのアドレスを大きく書いて宣伝している会社が多い。


  • 機内サービスは最小限、その代わり機内販売充実で"小遣い稼ぎ"

LCCの機内サービスは基本的に「毛布貸し出し程度」に簡素化し、ビデオモニターといった機内エンターテイメント用の設備もスマホで利用するものに代用する、専用の端末を貸し出すなりして省かれる。預かり手荷物も大きさや重量の制限が厳しく、制限を越える手荷物の持ち込みは有料になる。

その一方で機内販売は徹底的に充実させ、機内販売の売上も「収入源」に加えるというのが基本である。機内食すら機内販売の一つとして有料化してあるのが多い。

機内販売以外では、機体そのものやシートバック、荷物入れの蓋などありとあらゆるスペースを広告スペースとして売り、収入源としているケースもある。


  • スタッフの人件費も削減

パイロットなどのスタッフは自社養成しないかしても最小限にとどめ、有資格者・経験者の中途採用が多い。空港での搭乗手続きもほぼ無人化されている。整備についても大規模なものは他社に委託し、整備設備は自社で保有せず整備士も必要最低限しか雇わない。

また一般的にフルサービスキャリアではスタッフが空港間を移動する際には航空機に無料で便乗するが、LCCの場合はスタッフの移動すら実費負担(つまりスタッフも運賃を支払う)となっている。


  • 保証?ありません、或いは有料オプションです

LCCは基本的に遅延・欠航時の保証(返金、他の交通機関や航空会社への振替輸送など)は無い。

あったとしても有料のオプションとなる場合がほとんどである。


  • 地上施設の使用は最小限に

空港での地上施設の使用も結構バカにならない出費である。

ボーディングブリッジだって結構な使用料が発生する。

というわけで沖止め(ターミナルビルから離れたところに駐機する)してそこまで送迎バスで移動し、機体への乗降はタラップで行う…というLCCも多い。

或いは設備を簡素化したLCC専用ターミナルを使う場合もある(成田空港第三ターミナルなど)。


以上のような工夫がされた事で空の旅をより気軽なものにした訳だが、「安かろう悪かろう」という言葉の通り、経費削減がすぎると削ってはいけない費用まで削ってしまって安全面がおろそかになってしまいやすい

実際それが原因で起きた事故もあり、某航空事故検証番組では、「格安航空会社は(事故の)フラグ」と視聴者からよく言われる。


日本の格安航空会社

本来の意味での「格安航空会社」

 カンタス航空系のLCC、ジェットスターの日本法人。

カンタス航空、日本航空三菱商事が主な出資者となって設立された。

 全日空系の格安航空会社で、全日空とファーストイースタン・インベストメントグループや産業革新機構の出資で設立された。

なお、これとは別に全日空系の格安航空会社で、2013年に運行を開始した「バニラエア」(旧エアアジア・ジャパンの事実上の後継)が存在したが、2019年の運行を最後に「ピーチアビエーション」へ吸収合併・経営統合されている。

中国系の格安航空会社。春秋航空のほか日本航空も出資。

茨城空港にも乗り入れている。

上記2社がA320を採用する中、日本の格安航空会社では珍しくB737を使用。

  • (新)エアアジア・ジャパン

マレーシア系の格安航空会社。

旧エアアジア・ジャパン(→バニラエア→ピーチ)とはブランド名以外は法人としての関係は無い。

全日空との合弁が喧嘩別れに終わった後、新たに楽天などの企業からの出資を受け2014年再参入。

2017年から中部国際空港を拠点に運行を行っていた…のだが、新型コロナウイルス感染症の影響で全便運行停止に追い込まれたまま、2020年12月5日をもって事業廃止。再び日本の空を去っている。なお破産という形で会社を畳んだが、航空券購入者に対する返金は行われなかった。

日本航空系の格安航空会社。2020年運行開始と、日本の航空会社ではもっとも新しい。

成田空港を拠点に国際線を専門に運行しており、国内線は運行していない。その代わり機材はすべてボーイング787-8で統一されているほか、ビジネスクラスに相当する座席も用意されている。


厳密には格安航空会社とは分類されない可能性のあるもの(新興航空会社)

通常の航空会社(FSC=Full Service Career)とLCCの中間として、MCC=Middle Cost Careerと呼ばれることもある。


規制緩和で設立・参入した、日本における新興航空会社の第一弾。

機内サービスを徹底的に簡素化し(一昔前は機内販売すら簡素化していた)大手より遥かに安い運賃を実現しているためLCCの一種と見られる場合があるが、上記の通りサービス特に機内販売に関しては「普通のLCC」は真逆の手段を用いる場合が多いため、厳密にはLCCではないと見做される場合がある。

西日本方面の路線を運航する新興航空会社。

こちらも大手より遥かに安い運賃を実現しているが、サービス内容などからすれば「格安航空会社」とは若干異なる点が幾つかある。

宮崎県を本拠地とし、九州各県と本州の各都市を結んでいる。全日空との共同運行便が多い。

北海道を本拠地とし、道民割引がある。


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