プロフィール
概要
一見カードゲームとは無縁そうな風貌だが、海のフィールドを利用した戦術「潜海奇襲(シー・ステルス・アタック)」を得意とする、れっきとした決闘者(本業は漁師)。
その実力は相当なもので、アニメ版では遊戯や海馬が不参加とはいえ、全国大会第3位の実力者となっている(インセクター羽蛾が第1位、ダイナソー竜崎が第2位なので、順当に考えれば彼らのどちらかには敗北している)。
王国編とバトルシティ編に登場し、海エリアや海フィールドの特性(原作効果)を活用して遊戯と城之内を大いに苦しめた。
海フィールドの特性を最大限に活かすデッキ構築や、自身のモンスターが弱点とする雷属性攻撃を防ぐためにメタカードを用意する等、強かな一面も持っている。
人物
大漁と書かれた袖なし半纏に半股引(もしくは海パンかスパッツ)、ビーチサンダル、ぼさぼさの長い黒髪に波模様の鉢巻をした褐色肌の青年。三白眼で左頬に大きな傷痕がある。
対戦相手と見定めた相手の足元に銛を投げつける物騒な行動や天然気味な言動こそあるものの、基本的に快活な憎めない性格。
一人称は基本的に「オレ」だが、九州か四国地方の出身のようで「ワシ」になることあり、語尾も「~ぜよ!」や「~じゃあ!」である。
もともとは父親と2人で漁師をしていたが、海難事故で父は船を失ってしまい、荒れた海の日にのみ仲間から船を借りて出漁していた。
しかしある日の出漁中に父の乗った船が事故にあったことで、以来生き別れになってしまった悲惨な過去の持ち主でもある。
そんな経緯から海をこよなく愛している一方で、海の恐ろしさをよく知っているシリアスな一面を持ち、海の恐ろしさを軽く見る人間の発言は許せず、海を馬鹿にされたり侮辱されると怒りだす。
あくまで本業は漁師であるため、王国編では莫大な賞金を手に入れて船を買う事が目的での参加であった。
海獣の扱いもお手の物で、アニメ版のバトルシティ編ではシャチのショーを代行したことも。
漁太の父
CV:岩崎征実
生き別れの父親。
原作での外観は今の漁太をさらに筋骨隆々とさせたような偉丈夫で、体中に無数の傷痕があるほか、漁太と違った優しい目をしている。
漁師をしており、漁太に海の良い面も悪い面も教え込んだ。
漁太の回想によれば銛打ちを得意としていたようで、荒れる海の中でカジキを一人銛で仕留めているシーンがある。
ある時、海難事故で自身の船が壊れてしまったために平時は出漁できず、仲間に頼み込んで誰もが船を出さないような荒れた海の日にのみ船を借りて出漁を続けていた。
そんな最中にまたしても事故に遭い、以来行方不明となっている。
アニメでも海難事故で行方不明になった点は同じだが、事故の状況が異なる(漁太と一緒に出漁していた時に高波に遭い、漁太を船のマストに括り付けて自身は波に呑まれてしまった)。
原作・アニメでの活躍
原作・アニメそれぞれにおいて、決闘者の王国編とバトルシティ編に登場した。
王国編では海岸沿い、バトルシティ編(原作)では童実野水族館をテリトリーにしている。
決闘者の王国編(原作&アニメ)
海岸沿いで魚を焼いており、腹を空かせた決闘者を誘き寄せてデュエルを挑む作戦をとっていた。
海のフィールドパワーソースを活用して闇遊戯を一時は圧倒したが、思いもよらぬ形で一気に逆転されて敗北。
スターチップ1個から再出発を決意し、魚を捕りに海へ飛び込んでいった。
バトルシティ編(原作)
シャチを得物として見ている旨の発言をしたことから城之内達に呆れられるも、パズルカードを4枚持っていたため、城之内の予選最後の対戦相手となる。
バトルシティ編(アニメ)
シャチの餌用の魚を昼飯用に捕まえた際に足を滑らせてプールへ転落し、危うく食われかかったところを飼育員に叱られるが、その飼育員は我慢していた高熱に耐えきれず倒れてしまう。
それでも「シャチのショーを楽しみにしている来場者を悲しませたくない」と言う彼女を慮り、代わりに自分が引き受けることに。
宣伝に出してあった彼の手描き看板を見つけた城之内に勝負を挑まれ、互いに決勝進出を賭けてデュエルでショーに協力させる。
決着後はバトルシティ準決勝での遊戯vs海馬のデュエルを童実野町から観戦しており、遊戯を応援しているシーンがある。
最終回のEDでは無事に念願の船を買えたようで、漁を終えて港に戻ってきたところを、待ち構えていたエスパー絽場にデュエルを申し込まれた。
海の決闘者
海という特殊なフィールドを最大限利用した戦術「シー・ステルス・アタック」を持ち味とし、全力勝負を好む。
生け贄は「エサ」と呼んでいる。
遊戯と城之内が真のデュエリストのと認めた1人。
※羽蛾やバンデット・キースをはじめとする王国編以降に登場して対戦したデュエリストの
大概が不正行為を働いているのに対し、特殊効果(原作効果)の説明を省きがちではある
ものの不正はしていない点が異なる。
竜崎も原作では不正は働いていない(アニメでも絽場戦まではまっとうな決闘者だった)
がもともと嫌味な性格なうえに、ドーマ編でキャラ改悪を受けて羽蛾達の同族と化して
しまったため、評価が下がってしまった。
……とはいうものの、原作では効果の説明が省かれたり曖昧な表現だったりということが多かったせいか、俗に「言ったもん勝ち(俺ルール)」と呼ばれる手段を最も使用したため、読者(視聴者)からはネタにされることも多い。
以下はその一例
- 水中に身を潜めているのでモンスターの詳細が相手にはわからず、攻撃対象にできない
- 飛んでいるので『落とし穴』は効かない
- 城之内が場に出した『モンスターBOX』に隠れた『ワイバーンの戦士』の居場所を、フィールド魔法『海』を出すことで海中に沈んだモンスターBOXから零れ出た気泡で見破る(アニメでは息継ぎさせた)
- 飛行する要塞クジラには戦士族は普通の方法では攻撃できない。
- 戦士族は海を渡れないので、フィールドが海になっていると相手プレイヤーに攻撃できない(発言者は武藤双六)
- 不意打ちであれば、攻撃力で劣っていても相手モンスターを破壊できる(未遂)
ちなみに飛行モンスターの優位性については、城之内vs羽蛾のデュエルで普通に飛行する虫モンスターに戦士族で攻撃しているため疑問視されている(まあ、マジック&ウィザーズの元ネタのTCGを考えれば、画的に飛んでいるからといって飛行能力を持っているとは限らないのだが。飛行高度の概念があったのかもしれない)。
その他にも、ソリッドビジョンの水の映像を利用して水族館のシャチの水槽にモンスターを隠したり、波飛沫も活用してで自陣に表側表示で出ているカードの詳細を教えなかったりと、バトルシティ編の描写も加えれば傍から見ればやりたい放題。
一応諸々の裁定はデュエルディスクが問題なしと判断して反映しているため問題はないのだろうが、表側表示でフィールドにあるカードを相手に確認させないのは流石に正々堂々とは言い辛い。
もっとも、バトルシティ編で城之内がデュエルした他の相手を見てみると、
デュエリスト名 | 作中での不正行為の詳細 |
---|---|
エクゾディア使いのレアハンター | 偽造カードの使用のみならず、マークドに相当する「裏面でもカードの判別ができる加工」を施したうえで全部のエクゾディアパーツカードを3枚積みする |
絽場 | 城之内の手札を弟たちに覗かせてピーピングする |
羽蛾 | 事前に人を雇って城之内のデッキに自分が有利になるカードを故意に紛れ込まさせ、機能不全に陥れる(ただし、これは双六の助言に従ってデュエル前に自分のデッキを確認しなかった城之内にも落ち度があるとも言える)。 |
闇マリク | 負け試合を闇のゲームによる盤外戦術でひっくり返す |
等の明確な不正行為をしているため、それに比べて不正といえる不正をしていない梶木は真っ当な決闘者ということなのだろう。
事実、戦術については我々から見れば不正であっても、遊戯と城之内は梶木の戦術を不正呼ばわりしていない(決闘者ではない真崎杏子や本田ヒロトから「卑怯だ」とは言われたこともあるが)。
また、王国編で負けられない理由とそれゆえに全力勝負を求める決意を語り、バトルシティ編でも全力で闘うことが対戦者への礼儀であると信条を語ったことも、2人に認められた理由であろう。
使用デッキ
魚族に海竜族、水族をメインに組み込んだ水属性に近いデッキを用いる。
「シー・ステルス」戦術のために王国編では海岸沿いを根城に海のフィールドパワーソースを活用し、バトルシティ編ではフィールド魔法カード『海』を入れて水族館を根城にしていた。
ちなみに、劇中で初めてフィールド魔法を使用した人物でもある。
作中では明確に描写されなかったが、前述の三つの種族は海で真価を発揮する反面、陸地…特に荒野に引きずり出されると弱体化(攻撃力・守備力が30%ダウン)する弱点があるようで、王国編では遊戯の岩石の巨兵による月破壊という奇策で荒野の陸地に引きずり出されて弱体化したところを、カース・オブ・ドラゴンと『燃え盛る大地』のコンボによる全体攻撃で全滅させられ、無傷のライフ2000が全て削られるワンショットキルで敗北している。
使用カード
梶木が海フィールドに最初に出したモンスター。
まんまイカ。
攻撃力はそこまで高くないが、海中に姿を隠した状態で長い足を伸ばし、一方的に攻撃を仕掛ける。
攻撃名は「粉骨砕身(ゲソ・サブミッション)」。
王国編での「シー・ステルス・アタック」を最も活かしたモンスターであった。
名前の通りクラゲのモンスター。
デッキのモンスターは殆どが水属性主体であるがゆえに、天敵である電撃系攻撃への避雷針としても採用されている(実際に『グレムリン』の電撃を吸収して『デビル・クラーケン』を破壊から守っている)。
漫画版では電撃系の攻撃を吸収する度にパワーアップする効果も持っていたが、このカードは攻撃する事もされる事もないままデュエルが終了した(カース・オブ・ドラゴンの攻撃で唯一倒されなかったモンスターとも言える)。
アニメ版バトルシティ編の城之内戦で再登場しており、『要塞クジラ』の儀式召喚の為の生け贄となる。
なお、後々のことを鑑みれば、もしリリースしていなければ結果はまだわからなかった。
王国偏における切り札。
カードイラストの見た目はウナギにしか見えないがドラゴン(海竜族)である。
攻撃と同時に陸地のフィールドを浸食して海にすると言う、フィールド効果を強化する効果を持ったモンスター。
フィールド浸食効果の呼び名は「海竜神(リバイアサン)の怒り」。
バトルシティ編でも梶木がアンティカードとして指名するなど相当なレアカードのようだが、今回は出番が無かった。
決着後は代わりに『伝説のフィッシャーマン』を渡したため、このカードは彼の元に残っている。
★4ながら攻撃力800という貧弱なステータスを持った魚モンスター。
しかしその名の通り飛行能力をもっているため、『落とし穴』に引っ掛からない強みがある。
攻撃名は「突撃魚雷」。
梶木のデッキテーマであり、「シー・ステルスⅡ」戦術の要を担うフィールド魔法カード。
発動すると海に対応できない(泳いだり飛んだりができない)モンスターは、相手プレイヤーはおろか相手モンスターにすら攻撃できなくなる(返り討ちにはできる)トンデモカード。
仮に飛行能力を持ったモンスターに直接攻撃されたとしても、永続罠カード『竜巻海流壁』を発動しておけば防ぐことができる。
王国編での海エリアと同じく水棲モンスターは姿やステータスを隠すことができ、ソリッドビジョンは波の再現度も高いため、出したカードを波飛沫で相手に悟らせないこともできた。
また、シャチの水槽をデュエルエリアの範囲内に入れることで、密かに召喚した『伝説のフィッシャーマン』をシャチの水槽に隠すことが可能。
「シー・ステルスⅡ」戦術の実態は、この「隠したフィッシャーマンで相手プレイヤーの認識範囲外から不意打ちをする」というものであった(アニメでは効果の類いが一部OCG準拠のため、「攻撃対象にならない効果」のことを指していた)。
★6モンスターにして攻撃力2400を誇る、梶木が使用したモンスターカードのなかでは最高値の攻撃力を持った半魚人のようなモンスター。
見た目に反してOCG版では獣族である。
水陸どちらでも行動できるレアカードとのことだが、『悪魔のサイコロ』の効果で大幅に弱体化してしまい、『ワイバーンの戦士』に返り討ちにされてしまった。
攻撃名は「シークロウ」。
銛を手にしてシャチに跨った男のような見た目をした、「シー・ステルスⅡ」のもう一つの要ともいえるモンスターカード。
梶木曰くたいしたレアカードではないが、彼にとっては最も大切な魂のカードである。
『戦士族』なので『海』のパワーアップ効果は得られないが、フィールド上に『海』が出ている状態でモンスターゾーンに存在すると魔法カードの効果を受けず、攻撃対象にもならない効果を持つ。
なお原作では★4モンスターで、描写から判断するに、不意打ちであれば一方的に相手モンスターを破壊できる能力を持っていた模様。
攻撃名は「ハンティング・アタック」。
シャチの水槽に身を潜めることで居場所を悟らせず、決闘者ゆえに前方に意識が集中している隙を突いて銛を投げつけては城之内のモンスターを悉く葬っていた。
しかし追い詰められた城之内にカラクリを見破られ、『マジック・アーム・シールド』で『漆黒の豹戦士 パンサーウォリアー』の身代わりにされて撃破されてしまう。
原作では『死者の生還』で攻撃力に勝る『要塞クジラ』を差し置いて蘇生されたために敗北を招き、決着後には勝ち方に納得できなかった城之内に詰め寄られた。
梶木はその理由を「このカードに海難事故で行方不明になった父親を重ねていた」と明かし、「きっと海のどこかで生きているはずの父の面影を感じさせるこのカードを、どうしても墓地に置いておきたくはなかった」と涙ながらに語っている。
アニメでは行方不明の父親が行方不明になる前から漁太のために探していたカードで、あらかじめ用意してあった手紙と共に何処かから送られてきた。
そのため『マジック・アーム・シールド』の効果で身代わりにされ、『要塞クジラ』に破壊された際にはショックでサレンダーしかけたほど。
しかし城之内から発破をかけられ、最期は原作同様に『死者の生還』の効果でこのカードを復活させて敗北した。
決着後はアンティとして『要塞クジラ』と一緒に差し出されるが、一度断られる。
しかし梶木は自立の時であるとして離別の意思を告げ、彼の決意を汲んだ城之内に託された。
原作では海の恩恵こそ得られないものの戦士族でステータスも悪くなかったため、意外にも城之内にとっては悪くないカードであるともいえる。
海最強のモンスターであり、バトルシティ編における梶木の切り札。
原作では儀式モンスターではなかったため普通に生け贄召喚されたが、アニメではCOG化に合わせて『要塞クジラの誓い』の効果で儀式召喚された。
バトルシティでは珍しい飛行能力を持つ大型モンスターとして扱われ、戦士族中心のデッキを使っていた城之内にとっては強大な敵だった。
また、仮に背中へ飛び乗られたとしても、身体を錐揉み回転することで振り落とすことができる能力を持っている。
攻撃名は「ホエール・ボンバード」、身体を錐揉み回転する技は「ホエール大回転(スピン)」。
『鎖付きブーメラン』『稲妻の剣』の連続コンボで帯電したまま撃墜され、海に潜ませていた他のモンスターを巻き添えにして破壊された。
なお、原作とアニメどちらでもアンティとして城之内に譲られている(『要塞クジラの誓い』は渡していないため、アニメ版では実質的にデュエルで使用できない)。
余談
中の人はアニメ遊戯王シリーズ第5弾『遊戯王ARC-V』の登場人物、赤馬零王と同じ。
海馬剛三郎、城之内の父、御伽龍児の父など、毒父そのものな虐待親が多い原作版遊戯王にあって、漁太の父は「真っ直ぐに慕われている父親」という希少な人物である。
OCG・キャラデッキにおいて
OCGにおいては10期と11期のデュエリストパック、両方で強化された初のキャラクターとなった。
デビル・クラーケンや海竜神などはOCG化の際に通常モンスターとしてリリースされたが、後に効果モンスターとしてリメイクカードがリリースされている。
関連タグ
タコ🐙:王国編で海から上がってきた梶木の頭に引っ付いていた。それを見た城之内に笑われたため、怒って海にぶん投げてリリースした。