概要
機動戦士ガンダム(シリーズ初代)と同時期でありながら別の舞台を描いた外伝作品。略称は『08小隊』、『第08小隊』、通称『08』
主人公とヒロインが敵味方に分かれているという、08はある意味ガンダムにおける『ロミオとジュリエット』とでも言うべき作品として制作されている。
また、08小隊では機械兵器、歩兵武器には主にミサイルや爆弾、実弾を発射する銃火器などの実体兵器が扱われることが多く、ビーム兵器はあまり登場せず、戦闘は勿論のこと、機体や武装、整備や被弾などでの損傷等もよりミリタリーらしくリアルに描写されている。
尚且つ他のガンダムシリーズにはない東南アジアの密林地帯や市街戦という局地の前線で戦う一戦闘小隊にカメラを向けたが故、独特の泥臭さと生々しい戦場感もファンから一定の評価を受けている。
当初、神田武幸が監督として製作を指揮していたが、神田氏の急逝により一端製作が第5話までで中止となっており、その後神田氏の遺したプロットを元に飯田馬之介が監督を引き継ぎ、第6話から最終話までの本編と特別編『ラスト・リゾート』を手掛け完結させている。
飯田は当初よりスタッフの一人として参加しており、神田氏のやり方を熟知していたため、監督の交代時にありがちな作風の変化や設定の齟齬などの悪影響は余り見られなかった。
また、後年には飯田氏自身によるコミカライズ「機動戦士ガンダム第08MS小隊 U.C.0079+α」と、本作の前の時間軸を描いた「機動戦士ガンダム 宇宙のイシュタム」がKADOKAWAのガンダムエースで展開された。
ちなみにスパロボシリーズには最終回が発売されるより前の1999年10月22日発売の『64』で参戦した(そのため再現は一部に留まっている)。
登場人物
地球連邦軍
テリー・サンダースJr. (CV : 玄田哲章)
ロブ (CV : 菅原淳一)
サリー (CV : 松井菜桜子)
マイク (CV : 千葉一伸)
ジェイコブ (CV: 広瀬正志)
ジオン公国軍
シンシア (CV : 本多知恵子)
マサド (CV : 中博史)
デル (CV : 中嶋聡彦)
アス (CV : 梅津秀行)
ニエーバ (CV : 相沢正輝)
ルネン (CV : 千葉一伸)
バリー (CV : 中嶋聡彦)
民間人
バレスト(CV : 広瀬正志)
マリア(CV : 山口奈々)
登場メカニック
地球連邦軍
艦艇
ジオン公国軍
艦艇
ケルゲレン(ザンジバル級)
関連作品
ラスト・リゾート
本編の後日談を描いた特別編。
ミケル・ニノリッチを主人公兼語り部に据え、偶然遭遇したキキ・ロジータと共に戦後行方不明となったシローとアイナの足跡を辿る様子を描く。
三次元との戦い
BD-BOXの特典映像として本編9話と10話の間に新たに描き起こされたショートフィルム。
行軍中に山の上から奇襲してきたジオン軍に応戦する08小隊を描いており、本編では活躍らしい活躍の無かったグフ・フライトタイプにフォーカスが当てられている。
ミラーズ・リポート
連邦情報官アリス・ミラーの視点からシローの苦悩と08小隊の様子を客観的な視点で描いた劇場用総集編。
監督は、本編に演出として参加していた加瀬充子が務める。
同時上映は『新機動戦記ガンダムWEndlessWaltz 特別篇』。
宇宙のイシュタム
飯田馬之介によって描かれた漫画作品。
ブリティッシュ作戦によって地球に落下しつつあるアイランド・イフィッシュを舞台にした作品であり、シローもレギュラーキャラの一人として登場している。
コミカライズ
宇宙のイシュタムと同じく飯田馬之介によるコミカライズ作品。
宇宙のイシュタムの続編という形でストーリーが展開するため、同作との関連性が強められており、それに併せてストーリーが若干修正されている。
飯田の死後は全四巻の内容をまとめた特装版が敢行された。
ノベライズ
大河内一楼著、杉浦幸次がイラストを担当した小説版。本編よりも戦争の陰惨さをより激しくクローズアップした作風となっており、レイプ・虐殺などの暴力描写が見られる。なお、本作ではキキ・ロジータは…。
機動戦士ガンダム第08MS小隊外伝 TRIVIAL OPERATION
ガンダムの模型(ガンプラ、プラモデル、ジオラマ)に関連した、雑誌の連載企画、小説、フォトストーリー。後半の監督を手がけた飯田馬之介主導のもと、模型誌『電撃ホビーマガジン』にて1999年1月号から2001年7月号にかけて連載された。
ジオン公国軍のゴッグの女性パイロット、レイチェル・ファーガソン准尉の視点から描かれる物語。
文:苑崎透、イラスト:宝谷幸稔。
関連イラスト
関連項目
復讐のレクイエム ……08MS小隊の少し前の東欧戦線を舞台にした3D映像作品。制作陣の当作品へのリスペクトが篤く、一部登場人物が客演しているほか、明言はされていないがメカニックデザインも関連を匂わせる。