真選組（しんせんぐみ）は、銀魂に登場する武装警察。江戸の治安を守る特殊警察で、結成から4年目を迎えている。任務の内容としては現在の公安警察に近いが、交通整理など一般の警察のような仕事をする事もある。モデルは新撰組で、局長の近藤勲・副長の土方十四郎・一番隊隊長の沖田総悟を中心に形成されている。本作では真選組の主要な隊士と言えば上で述べた3人と山崎退を加えた4人を指し、そこに斎藤終と原田右之助が加わる事もある。

歴史

元々は廃刀令で廃れた剣術道場の跡取りである近藤と、近藤が迎え入れたその頃行き場が無かった土方・沖田ら門下生たちの集団である。攘夷戦争が終結した後に各地で事件を起こす攘夷志士に対処する為、幕府の重鎮である松平片栗虎とエリートの旗本である佐々木異三郎によって攘夷志士と互いに潰しあってくれる悪漢集団の一部として引き抜かれたという結成経緯がある。いわば両津勘吉の団体版と言えなくも無く、後に片栗虎は幕府の警視総監・異三郎は見廻組の局長になった。

呼ばれ方

幕府に属する組織である為、攘夷志士たちからは「幕府の犬」・銀時と神楽からは「税金泥棒」と呼ばれている。

主な仕事

攘夷浪士の捕縛・将軍の護衛などだが、真選組の創設者でもある片栗虎には便利屋扱いされる。特に娘と彼氏のデートの邪魔をする・慰安旅行の名の下に将軍のスキーに付き合うなどの下らない事に駆り出される事もよくあるが、後者は一応要人警護という裏の名目もある。

刀の他に対戦車砲・手榴弾やらを持ち歩いており、犯人を逮捕するついでに暴行・破壊活動（特に沖田と土方によるもの）が多く、チンピラ警察24時と例えられるなど世間からの目は冷たい。世間からの目を良くする為、アイドルの寺門通が一日局長を務めた事もある。

関係性

万事屋

腐れ縁の為かよくトラブルが発生し、それらを描いた短編や時々思い出したかのように真選組が中心となるシリアス長編が登場してくるが、その代わり基本的にかぶき町が中心のエピソードではお妙のストーカーとして出てくる近藤以外は登場しない。

見廻組

同じ幕府に属する武装警察組織だが、創設の経緯や幹部の確執もあってか、組ぐるみで犬猿の仲である。ただし両者は徳川定々の件では呉越同舟的に共闘した。

組織の内情

全10隊もある1つの部隊に10人前後の隊士が所属しており、定期的に隊士を募って日々強大な組織になっている。土方が制定した局中法度で厳格に統率されているが、入れ替わり篇で土方と魂が入れ替わった銀時が副長となった際はその反動からか某世紀末漫画に登場する野盗集団と化した。一方で隊内に喫煙者はほぼおらず、禁煙令が可決された時は土方だけが反対した。

そしてゴリラストーカー・マヨラー・サド王子・あんぱんあんぱんあんぱんやたまさんたまきんたまさんになったりする元ヤンなどアホの集まりと言う事を忘れてはならず（新八曰く特殊バカの集まり）、銀時曰く「幾ら縛りあげた所でバカはバカなだからよ。たまにゃハメ外させてやっても、アイツらそう変わりゃしねェぜ。」との事である。何故か女体化した時は土方以外全員美女に変身してまん選組を名乗り、モブ隊士に至っては性格が激変してオカマ軍団と新八になじられた。

装備

日本刀

局長の近藤を初めとした隊士として集められた者たちの殆どが、廃刀令で行き場を失くした荒くれ者たちであった為、組からの支給・隊士個人の自前かはまちまちのようだが隊士たちの主要武器として使われる。屯所で実施される訓練・現場での捕り物・戦闘方式は基本的に剣術のそれである。

バズーカ・手榴弾

幕府の転覆を企てる攘夷志士・テロリスト・凶悪犯罪者らと渡り合うべく導入されたと見られる個人携行兵器で、主に沖田・土方が愛用している。真選組の武器としては基本的に白兵戦は刀（建造物の破壊・集団殲滅も辞さない）・遠距離戦はバズーカが主流で使用されているが、拳銃・ライフルなどのポピュラーな銃器が使用される様子はほぼ見られない。警察組織である以上は存在しても不思議では無いが、隊士たちのスタイル上銃よりも剣なのだろうか。

専用車両・拡声器・警察無線・手錠

銀魂世界での江戸の町を守る警察なので、日常の勤務（事件現場の出動・市内のパトロール）で使用される。この世界での江戸の文明科学技術力らしく、どれもパトカーは運転席と助手席ドアの外に御用検めの赤提灯が付いており、我々読者・視聴者の生きる現実世界のそれらにほぼ準じる性能である。

制服

共通要素として下半身は光沢のある黒いスラックスに黒革靴で、上半身は一般隊士は左の前身頃が長くて黒の厚手の長袖の上着（裾は短めで腰より上になるくらい）を着用している。隊長クラス以上は白いワイシャツの上に黒のベストを着用し、首にはネクタイ代わりの白いスカーフを巻き、その上から背広風のデザインや丈の長さである広い袖口の上着を着ている。ただし一般隊士・隊長クラスも、デザインに相違はあるが上着は黒地に金のラインが入っている。

動向

将軍暗殺篇以降

将軍暗殺篇での出来事の影響を受けて近藤勲は逮捕され、斬首を命じられて真選組は解散した。その際に真選組は葬儀の警備にいた為、彼らが帰ってきた時には近藤は既に連れ去られていた。次章のさらば真選組篇では近藤が新将軍の喜々に死刑を言い渡された際には、土方をはじめとする残党がこれを奪取に向かう。その際に見廻組と敵対したり、佐々木の過去やその真意など様々なことが判明し、最終的には多大な犠牲を払いつつも近藤の奪取に辛うじて成功した。

事態が混迷する中で真選組は倒幕のための革命の灯火となる。江戸に残れば確実に見逃されずに殺害される為、桂の提言を受けて生存した見廻組と共に江戸から離脱して討幕運動の為下野した。そして最終章に当たる銀ノ魂篇で江戸に戻ってきた。

銀ノ魂篇

虚の罠にかかって解放軍との全面戦争に突入した地球にて、銀時らはこの戦いに終止符を打つべく虚を奇襲する。しかし不死の軍団と化した奈落・解放軍の空軍の砲撃の前に信女が負傷し、銀時らは撤退を余儀無くされる。しかしそこを解放軍の地上戦車部隊に包囲され、窮地に陥っていた。その時戦車部隊の一部が突如同じ戦車部隊に向け発砲する。そしてあっけにとられる銀時らの前に、かつて黒縄島で銀時が真選組を鼓舞した時を思わせる言葉と共に姿を現したのが装いも新たな近藤・土方・沖田の3人で、原作では約2年ぶりの満を持しての再登場である。

時を同じくして松平も帰還し、空軍を率いて解放軍の放火からそよ姫の窮地を救う。彼らは桂の言葉通り各地で反乱分子を吸収し、更に旧幕府の伝手を辿って異国の支援も得ており、その勢力は大幅に増加していた。他にも全蔵が率いる御庭番衆も参戦し、源外の秘策で解放軍の空軍は戦闘不能状態に陥り、強力な助っ人を得た銀時らは勢いづく。しかし解放軍は夜兎などを始めとする3大傭兵部族を戦場に投入し、真選組はかぶき町を目指して進軍する彼らを食い止めるべく敵に挑む。

銀ノ魂編の2年後

真選組は解体されて近藤は寿退職・土方は左遷・沖田は切腹・斎藤は辞職したと思われていたが、これは国を改革しようとする桂からの提案に真選組が賛同した事によるものであった。故に実際のところ真選組は表舞台から姿を消したが、土方は松下村塾の跡地付近へ赴き、沖田は斎藤や原田らと共に暗躍している。

桂の提案を受け入れて屯所を畳んでいる時、沖田は近藤が真選組解体を受け入れた事が納得出来ない様子であった。しかし土方は「たとえ3人が納得していたとしても、真選組の終わりを止めてくれた万事屋が解散する事を、万事屋に救われここに立っている真選組が認めてはならないのでは無いか。」・「今度は俺たちの番だ。」と話し、近藤も「次の世代に国を託すためその剣を振るうのが嫌なら、共に戦い続けてきた者達の為、この剣を振るえ。」と告げる。この言葉を聞いた沖田は斎藤らと共に表舞台から姿を消し、万事屋を守る為に裏から画策する事になる。