作風
殺人事件などではなく、北村薫を潮流とする「日常の謎」を扱った、青春ミステリと呼ばれるジャンルの作品を主に発表している。作風が地味だという声もあったが、その端正な文体と登場人物に対する巧みなキャラクター設定により、特に若い世代に支持を広げている。作品群に通底するテーマは「全能感」である、と米澤は述べる。米澤は、思春期における全能感の揺れ動き、変化していく過程を書いてきた。
近年では、「青春ミステリ」の語から連想される「爽やかさ」とは遠い作品も発表している(作者自身読者の反応が「結構不安」だったという『ボトルネック』や、「不穏当かつ非倫理的な」事件が起こる『インシテミル』など)。
2022年1月、『黒牢城』で第166回直木賞受賞。
作品
〈古典部〉シリーズ (角川書店)
小市民シリーズ (東京創元社)
〈図書委員〉シリーズ (集英社)
〈S&R〉シリーズ (東京創元社)
- 犬はどこだ
〈ベルーフ〉シリーズ (東京創元社)
〈甦り課〉シリーズ (文藝春秋)
(単行本未収録短編)
- 軽い雨
- 黒い網
単発
その他短編など
- 11人のサト(毎日新聞社)
- Do you love me?(東京創元社)
- 音楽がなければ生きられない(読売新聞社)
- 川越にやってください(早川書房)
- 青田買い(ビッグイシュー日本版)
- リカーシブル――リブート(新潮社)
- 馬辺里探訪(新潮社)
- 茄子のよう(文藝春秋)
- 怪盗Xからの挑戦状(小学館)
- 下津山縁起(文藝春秋)
- ほたるいかの思い出(新潮社)
- 竹の子姫(早川書房)