解説
車両・船舶の本体に付随する装備品のこと。
またそれら装備品を施工すること自体を指す。
船舶の場合、船体以外の各部全般を指す。
つまり、船の胴体以外のあらゆる付属品・施工品が「艤装」に分類され、船室も艤装に含まれる。
この工程を終えると、船はようやく【竣工(しゅんこう)】となる。
自動車であれば、内装(ダッシュボード・座席)周辺を指し、自動車の組み立て段階そのものを言う言葉でもある。同時に「艤」の文字が船を指す言葉として違和感を持たれることから、【義装】と文字を変えて表現されることもある。
機体の個性を引き出す工程
まったく同じボディであっても、艤装一つでその機体の性格は大きく変化する。
特に船舶においては、実際に航行の指揮・操舵をする人間の感覚が多分に組み込まれるため、船員側の詳細な注文を調査し、細部に渡ってそれを反映させることも珍しくはない。
艦船など軍用船舶の場合は、艤装の内訳を取りまとめる「艤装委員長」が、そのまま初代艦長に就任することは珍しくなかったりする。
逆にいえば、艤装委員長に任命されることは、艦長候補として推挙されたことに等しいといえる。
Pixivでの傾向
「艦船擬人化」や、そのゲーム化であるDMM.comのオンラインSLG『艦隊これくしょん』(艦これ)の要素として描かれている。
擬人化した船舶(艦これにおける「艦娘」)の装備品として、推進機や小銃などの外付け装備として表現されており、大抵は衣服や肉体と別物と考えられている。
ただし、『艦これ』の木曾や天龍、古鷹たちなどは探照灯のエピソードから片目に何かしらの特徴があったりする。(木曾・天龍は眼帯、古鷹は左目が発光しているように描かれている)
先に挙げた例の通り、船舶の経歴に合わせて、艤装の特徴を身体的特徴として捉える場合もある。
ただし、全ての艦が史実に則った艤装グラフィックをしている訳ではなくアレンジされている部分も有る(ex.史実では両方を同時に装備・運用しているが艦娘デザインでは魚雷と艦砲が排他装備化している天龍・龍田、本来は波除け防盾を有しない内装式の九二式1型魚雷発射管だが艦娘では外付けになる為か駆逐艦用の波除防盾有りの2型発射管になっている神通・那珂など)。
艦これにおける艤装フォーマット
艦これの艤装は大きく分けて三つに分類される。
以上のような形式が基本パターンとなっている。
- パターン1は睦月型や特型駆逐艦娘など駆逐艦に多く見られるが、後期型である白露型以降はパターン3になり、そうかと思えば夕雲型と秋雲はパターン1に戻っている。軽巡洋艦娘の天龍型と球磨型、重巡洋艦娘でも青葉型などもこのタイプで、総じて『旧式』に分類される艦船をモデルとした艦娘たちに多い。
- パターン2は軽巡洋艦娘以上の中型艦船をモデルとした艦娘たちを中心に、大部分の艦娘たちがこのスタイルになっている。特に戦艦娘たちの艤装は大型で、もはや人型ロボットやパワードスーツの武装に見えてくる。陽炎型でも陽炎・不知火・黒潮・初風・舞風の五隻は、このタイプに属している。
- パターン3は白露型駆逐艦や陽炎型の後期タイプに多く、また空母娘や潜水艦娘、川内型軽巡、妙高型・利根型重巡もこの形式。
上記以外にも、島風の連装砲ちゃんのような艦娘本体から独立して自立稼働する艤装や、ウォースパイトの玉座型の艤装などパターンに当てはまらない特殊なタイプのものも存在する。また、期間限定グラフィックでは、腰から伸ばしたアームに主砲1基のみがマウントされた戦艦用の簡易タイプの艤装なども登場している。
Pixiv内では、彼女たちの艤装をアレンジした「艤装アレンジ」が描かれる傾向にある。
……中には魔改造が過ぎてオーバードウェポン化していたりするが。
ジャンル内で艤装形式の擬人化と対になる存在として、通常時(?)の擬人化状態では艤装を持たないか実質アクセサリーのようになっていて戦闘時には実艦の形状へ“変型”するものや、本体の実艦とは別にAIが擬人化された外見を持つタイプの「メンタルモデル形式」(『蒼き鋼のアルペジオ』の作中用語が由来)がある。