「異次元をも制する王の力 たっぷり味わうがいい」
CV:細谷佳正
概要
大企業「レオ・コーポレーション」の二代目の社長にして、天才的な頭脳を持つデュエリスト。
13歳でジュニアユース選手権を初出場で制覇、遊矢や柊柚子と同じ14歳の時点では既にユース選手権を制覇しており、その翌年15歳でプロデュエリストの資格を得ている。
人物・性格
一人称は「私」で寡黙かつ冷静沈着な性格。だが、デュエル中は割と饒舌なのは遊戯王恒例。
大企業の社長という立場上、上から目線な態度を取ることが多いが、必要以上に相手を貶したり挑発したりすることはしない。
遊矢の父である榊遊勝のことはアクションデュエルの先駆者として尊敬しており、志島北斗や刀堂刃が遊勝を馬鹿にする発言をした際には激昂していた。(尊敬している遊勝を侮辱された他に、自身と遊矢と境遇が似ているからと推測するファンもいる。)
シリーズのライバルとしては異例なことに、物語の当初から主人公である遊矢に対し好意的な態度をとっている。ただし、それは対等な立場としてのものではなく、自分の実力が圧倒的に上であることを前提に、利用する対象としてとらえている節もある。
遊矢のデュエルも「良いショー」と高く評価しており、また「ペンデュラム召喚の始祖」としても注目していて、ペンデュラム召喚の新たな可能性に気付くことに期待しているようである。
さらに「(息子を襲撃した)犯人は榊遊矢に違いない」と主張し強引に警察を動かし、遊矢を捕まえようとする沢渡シンゴの父に対して「彼は犯人ではない!」と強く主張し返し、遊矢を庇うという熱い一面もみせた。
一方で目的のためには私情を殺す一面も持ち合わせており、舞網チャンピオンシップの際は、オベリスクフォース迎撃のためにジュニアユース・ユース達を惜しみなく投入したり、そのことに怒った遊矢の潜在能力を引き出すためにあえて挑発した。
融合次元打倒という目的のために邁進する姿は月影からも認められている。
容姿
大人びた雰囲気のため大学生くらいに見えるが、実年齢は16歳であり遊矢とは2歳しか離れていない。
銀色の短髪(一部は白)で赤い眼鏡、マフラーがトレードマーク。遊戯王シリーズで眼鏡をかけたライバルキャラは本作が初。尚、眼鏡は少なくとも3年前から掛けている。
ちなみに素足で靴を履いており、意図的なのかは不明だが足をやけに映す演出が多い。一部の視聴者からは「社長、靴下履いて下さい」と言われる始末である。
整った顔立ちをしているため、ファンの女性が多い。実際、大会では観客席に彼の顔がプリントされた団扇を持っている女性がいたり、彼が民衆の前に姿を見せた時には黄色い声援が上がっていた。
来歴
社長就任と父との対決
三年前から、父は会社も母も自分も顧みなくなり、訳の分からない研究に没頭していた。問い詰めようとした零児は父の装置を使って次元を越え、融合次元のデュエルアカデミアに飛ばされた。
そこでセレナと出会い、父とも再会する。父とセレナの会話からは「侵略」、「滅ぼす」などの単語しか聞けずに強制的に戻された。その後、零児は会社に残された研究データから世界がデュエルの召喚方法、つまり融合、シンクロ、エクシーズ、そして自分達のスタンダードの四つに分かれている事実を知る。
同時に『アークエリア・プロジェクト』、『リバイバル・ゼロ』と呼ばれる計画とそのための鍵が自分の出会ったセレナともう一人ユーリである事を知る。その足場である融合次元のアカデミアでこれを実行するべく、他の次元をデュエルで侵略しようとしていることを突き止めた。零児はコレを阻止するべく、父を解任して社長に就任。同時に榊遊勝に対アカデミアの実戦部隊ランサーズの指揮を託すが、遊勝は赤馬零王を説得するために独断で次元を越えてしまった。
以後、零児は会社に残されたデータから判明した全ての事実を母を始めとした、レオコーポレーションとLDS上層部と共有し、防衛体制を整えるために各国のデュエルスクールの併合によるデュエル戦士選抜、更に四つの次元のデータから融合、シンクロ、エクシーズのカードを開発してそれらを扱うデュエリストたちの育成を開始する。
遊矢との出会い
新たな召喚反応を見せたペンデュラム召喚の事を探っており、レアカードをダシに沢渡に遊矢が持つペンデュラムカードを手に入れるよう命じたり、彼が勝手に始めたデュエルを観戦及び音声ナビゲートをした。
遊勝塾を賭けた対抗戦もこっそり観戦しており、1勝1敗1分けで延長戦に持ち込まれたときに颯爽と登場し、遊矢とデュエル。わずか2ターンで様々な召喚方法を駆使して3体のエースモンスターを並べ、遊矢たちの度肝を抜く。そして次のターンには、それまで遊矢の持っていたもの以外に存在していなかったペンデュラムモンスターを用い、ペンデュラム召喚までも披露。その上「ペンデュラムの新たな可能性」にも気付いた様子だったが、LDSで起こった事件が原因でデュエルを中断し、その場を去っていた。
その後、LDS関係者の襲撃事件の調査を進める傍ら、遊矢のジュニアユース選手権出場に向けてのデュエルの動向も気にかけている様子。
ちなみに、ニコ・スマイリーが遊矢に持ちかけた特別出場枠に許可を出す(結果的に断られたが)等、陰ながら支援していた。
その裏では、父でありレオ・コーポレーションの先代社長である赤馬零王の野望を阻止する為の活動を行っており、エクシーズ次元から来てLDSの人間達を襲っていた黒咲隼とも協力関係を結ぶことに成功。
舞網チャンピオンシップとランサーズ結成
舞網チャンピオンシップでは試合を観戦しつつ街の監視を行い、部下に的確な指示をするなど徹底した仕事ぶりをみせている。
零王の所業に対しては強い憤りを抱いており、ユートの会話で彼が融合次元の人間達を利用して、エクシーズ次元に侵略戦争を行った事実を監視映像越しに聞いていた際は怒りに震えていた。
バトルロイヤル後、沢渡とセレナを含めた生き残った者達でランサーズを結成を宣言するが、何も知らないデュエリスト達を勝手に「実戦投入」し、使い捨てのようにされてしまったことに怒ってランサーズ加盟を拒否する遊矢に対し、デュエルで怒りをぶつけるよう論する。
遊矢の力を限界まで引き出すために執拗に煽り、覇王黒竜オッドアイズ・リベリオン・ドラゴンを召喚させるまで追い詰め、その圧倒的な実力さを見せつけた。
遊矢が明らかにカードを創造している事に気付いているような描写があり、遊矢が覇王黒竜オッドアイズ・リベリオン・ドラゴンを召喚した時は、「これだ・・・私が見たかったものは!」と悪い顔をしていた・・・。
シンクロ次元
その後、正式に結成されたランサーズを指揮し、融合次元に対抗するための戦力となるデュエリストを探すべくシンクロ次元へと赴くが、他のメンバーとは離れた場所に転移し、行方知れずとなっていた。
しかし、その裏では月影に零羅の捜索を任せる傍ら、シティにおいてセキュリティ以上の権力を有する行政評議会とコンタクトを取っており、彼らに別次元の存在や次元戦争についての事情を説明し、協力を仰いでいた。
結果、「フレンドシップカップに出場し、デュエルの腕前を証明できれば協力する」という条件でランサーズを評議会の保護下に置くことに成功し、セキュリティに捕えられていた遊矢達を釈放させた。
暫くは月影を敢えて地下に送る形でランサーズのメンバーの安全確保をしながら動向を見守っていたが、数年前からアカデミアを離反し、シティの支配を目論んでいたジャン・ミシェル・ロジェが本性を現してからは零羅と月影にセレナの救出を任せ、本格的にロジェと対立する。
そして、逃げようとしたロジェから父がアカデミアの総帥と暴露されるも、その理屈の矛盾を突きつける形でロジェの方便も卑劣なデュエル諸共完全に負かした。が、ロジェが暴走させた次元転送装置に寄り発生したワームホールによる遊矢、柚子、権現坂、黒咲、沢渡が別次元に飛ばされ、シンクロ次元に取り残される。
アカデミアとの決戦と真実
融合次元で遊矢達に合流し、遂に父と再会する。そこで、同じくアカデミアに乗り込んだ遊勝と共に父が四つの次元に別れた世界が一つの化学者であり、リアルソリッドビジョンを発展させた故に悪魔のデュエリストズァークを生み出してしまったことを知る。それを阻止したのが自分の姉であり、遊矢達四人が悪魔の分身である事も。
だが、父の娘の復活という願いのために四つの次元の平和を乱し、そのための手段としてカード化した人間を燃料のように扱う所業こそ悪魔と非難し、遊矢と共にデュエルを行う。しかし、父故に見透かされていた戦略を悉く破られる。デュエル自体は遊勝によって中断されたが、遊勝の奮戦なども虚しく、ズァークは復活する。
零児もまた、ズァークに挑むもペンデュラムも含む四つの召喚法を支配するズァークの前には零児さえも敗れてしまう。幸いなことに零羅がレイの意志を継いで、4枚のカードでズァークを撃破したために世界の滅亡は回避された。
使用デッキ
「DD」と名の付く悪魔族モンスターと、それらをサポートする「契約書」と名の付く魔法、罠を駆使し、融合召喚、シンクロ召喚、エクシーズ召喚の3つの召喚方法全てを使用する。エースモンスターは「DDD(ディファレント・ディメンジョン・デーモン)」の名を冠する。
プロトタイプのペンデュラムモンスターである「DD魔導賢者ガリレイ」「DD魔導賢者ケプラー」もデッキに組み込んでおり、ペンデュラム召喚さえも使用可能。しかしこのペンデュラムモンスターはターン毎にペンデュラムスケールが狭まり、スケールに収まらないレベルのモンスターが強制的に墓地に送られるデメリットがある。
尚、使用デッキは遊矢との最初のデュエルで使用した初期版とバレット戦から使用する改良版の二種類がある。
3年前に融合次元でセレナを助けた際にDDケルベロスを使用していたが、この時点ではペンデュラムはおろか融合・シンクロ・エクシーズの存在も知らなかった事から、エクストラデッキにモンスターは無かったと思われる。ちなみに、同年のジュニアユース大会を制覇し、その後のユース大会にもプロテストにも合格しているが、公式戦では融合・シンクロ・エクシーズを使用した記録は無い。
余談だが、儀式召喚に関しては公式サイトのコンテンツ「超熱血!デュエル塾」の講義38にて『使おうと思えば使えるが、「DD」デッキの力を発揮させる上で投入していない。』と言った趣旨の発言をしている。
関連イラスト
余談
- 大企業の若社長、名前に「馬」が入る、エースモンスターが攻撃力3000で3積みしている、部下の名前がサザエさん繋がり(海馬は「磯野」、零児は「中島」)など、初代ライバルである海馬瀬人のオマージュと思しき設定が多くみられる。
- 彼を演じる細谷氏は、前作遊戯王ZEXALでⅣを演じており、二作連続でメインキャラクターを演じることとなった。さらに遊戯王5D'sにて、ディック・ピットとしても出演しており、この時はゲストキャラだったので大出世である事が窺える。ちなみに本編において塾対抗戦の「4」人目の相手として参戦している。
- 海馬、Ⅳの両名ともネタ的にも知名度が高いキャラであるため、 早速こんなネタも飛び出している。
漫画版
MAIAMI市を支える大企業、レオ・コーポレーションの社長。ソリッド・ビジョン・システムを私用する謎のデュエリスト『ファントム』こと榊遊矢を追っている。基本的にアニメと設定は変わりないが、遊矢を捕えるために大部隊を出撃させたり、デュエルが終わった瞬間に「力ずくでもいい」と彼を取り囲み捕えようとするなどより感情的な性格。
遊矢の事を「我々の運命を握る」あるいは「世界を滅ぼす」であろう『運命の因子』と称し、また「唯一この世界に生きる私と二人だけのオリジナル」と呼ぶなど、何かを知っていながら隠している様子を見せる。
紫雲院素良の発言から少なくとも「いつからか突然現れ、レオ・コーポレーションを瞬く間に掌握した」らしく、別の世界から来た疑惑が出ている。上述の「オリジナル」という発言をしている為、世界の根幹に関わる謎について知っている節がある。
ペンデュラム召喚についても、カードさえあれば実演してやれると豪語する。
スケール13より父親である赤馬零王が零児の回想にて登場したが、アニメと打って変わり、大学のテストを白紙で出し、父親の気を引こうとしたり、一緒に食事に行ったりと仲は良好であり、父の意志を継ごうとしている模様。
こちらでもやはり、靴下は履かない様子。