“検事は法廷で被告人を有罪にするために戦う。だが、私はそれだけが全てとは思わない。”
一ヶ月の海外出張から戻ってきた御剣怜侍を待っていたのは、
施錠されているはずの執務室で起こった殺人事件であった。
「法」とは何か?「正義」とは何か?そして、「検事」とは何なのか?
その答えを求めた検事・御剣怜侍が、巨大な陰謀との決戦に挑む・・・
概要
逆転検事(ぎゃくてんけんじ)は、カプコンから発売されたニンテンドーDS専用の推理アドベンチャーゲームシリーズである。
『逆転裁判』シリーズ初のスピンオフ作品で、成歩堂龍一の親友にしてライバルである御剣怜侍が主人公。
コンセプトは、NEW逆転 NOT裁判。
キャッチフレーズは、「ヒラメキで、追いつめる快感」
続編として逆転検事2も発売された。
2024年には「逆転検事1&2御剣セレクション」として移植作が発売。HDグラフィックや他国語(逆転検事シリーズは海外では未発売の為、新たに海外向けに翻訳やその修正がされている)、推理が苦手な方も安心なオートで操作や選択肢を選んでくれる「ストーリーモード」等の新要素が追加されている。
特徴
『逆転裁判』シリーズにあった法廷での裁判がなく、事件現場での推理で犯人を追い詰める。
すなわち、どうあっても無実の被疑者にしか犯行が行えない状況・密室を逆転し、
巧みに容疑を逃れている真犯人をとらえることがテーマとなってくる。
主な登場人物
詳細は逆転裁判・逆転検事シリーズキャラクター一覧を参照。
主要人物(検事シリーズ共通)
御剣怜侍:本シリーズで主人公を務める天才検事。難事件続きで眉間のヒビが消えることはない。
糸鋸圭介:御剣の部下にあたる刑事。御剣を信頼し、常に捜査に協力してくれる。
一条美雲:メインヒロイン。自称大ドロボウにして御剣の押しかけ助手。
狩魔冥:御剣の師匠である狩魔豪の娘で検事。御剣とは合同捜査や推理勝負の機会も多い。
狼士龍:国際警察でNo.1の検挙率を誇るエリート捜査官。何故か検事を激しく敵視している。
シーナ:検事1に登場。狼捜査官の優秀な秘書である。
水鏡秤:検事2に登場する裁判官。検事審査会の使者として御剣の捜査に介入する。
信楽盾之:検事2に登場する敏腕弁護士。昔、怜侍の父である御剣信弁護士の助手を務めていた。
一柳弓彦:検事2に登場する新任検事。新たな事件担当検事として派遣されてくる。
基本システム
捜査パート
逆転裁判での探偵パートにあたる。
御剣を操作して現場の様々な場所を調べたり、周囲の人々から話を聞いて証拠や情報を集める。
主人公視点だった「裁判」とは異なり、第三者視点で御剣を直接動かすのが特徴。
ロジック
捜査中、現場で見つけた証拠品以外に、御剣は気になる情報を記憶していく。
情報と情報のつながりを見つけ、二つの異なる情報を頭の中でまとめることで、新たな手がかりを得る事が出来る。
選んだ情報同士に関連性があれば捜査が進展し、関連性が無ければ真相ゲージが減少してやり直しとなる。
推理
現場の状況と証拠品の間に矛盾がある場合、その箇所を指摘して根拠となる証拠品をつきつける。
正解ならば捜査が進展し、間違いならば真相ゲージが減ってやり直しとなる。
現場検証
美雲の秘密兵器「ぬすみちゃん」を使い、集めた証拠品や情報をもとに事件当時の現場の状態を立体映像で等身大に再現する。
映し出される映像は「ぬすみちゃん」に入力する情報に左右されるため、情報が不足していたり誤った情報が入力されたりしていると再現に矛盾が生じるため、これを利用して真相に迫っていく。
「検事2」では、時間帯が異なる二つの状況を切り替えられるようになった。
対決パート
「裁判」での法廷パートにあたり、こちらの操作は「裁判」と同様。
事件現場やその周辺で、容疑者や関係者と事件について論争する。
「裁判」と同様、相手の発言を細かく追及するゆさぶると、矛盾した発言に根拠となる証拠品を提示するつきつけるを駆使して真相を究明していく。
シリーズ中の位置づけ
時系列としては、『逆転裁判3』から1ヶ月後、2019年3月14日の深夜から開始。
「・・・→『逆転裁判3』→『逆転検事』→『逆転検事2』→『逆転裁判4』(7年前の事件)」
という繋がりになっている。
ちなみに『逆転検事』『逆転検事2』両作品通じての時間経過は、『2』エピローグを含めてもせいぜい4週間。そして『2』エピローグの同月末に『逆転裁判4』における、成歩堂の弁護士生命を揺るがせた裁判があった、という流れである。
なお、主人公の御剣に合わせて一部のBGMがピアノ調になっている。お洒落。
作中の主要用語
上級検事執務室1202号
御剣のオフィス。地方検事局の12階にある。
棚いっぱいに捜査資料が並び、初法廷での勝負服や各種表彰、愛用のチェス盤や紅茶セット、某夫人から毎月送られてくる花束が飾られているばかりか、トノサマンの人形も飾られていたりする。
コードピア公国
欧州の小国。2011年9月8日に同国大使館員が殺害された事件が御剣の初仕事につながった。
その後、内乱を経てアレバスト王国とババル共和国に分裂する。
ゴーユー航空ともいう航空会社。
2019年3月12日にボルジニア共和国から日本の羽咲空港に向かうG-390便で殺人事件が発生する。
西鳳民国
アジアの小国で日本とは3時間の時差がある。国際警察の捜査官狼士龍の出身地で、
彼の祖先である狼子が開いた「逮捕学」が4000年の伝統を有する。
密輸組織
国境を越え、世界各国で密輸を始めとした様々な経済犯罪、組織犯罪を行っている超巨大犯罪集団。
国際警察が地道な捜査を進めているが、誰がメンバーなのか、首領や本拠地の所在など全容は不明。
天野河コンツェルン
世界的な大企業。2009年に社員の葛由卯子が殺害されるKG-8号事件が発生した。
バンドーランド
ホテル・バンドー系列の会社が経営するテーマパーク。
警察局の全面協力によって、タイホくんファミリーをマスコットにしている。
KG-8号事件
天野河コンツェルン社員の葛由卯子が殺害された事件。2009年に起こった。
犯人としてコードピア大使館職員マニィ・コーチンが起訴されるが、裁判で無罪となっている。
2010年ごろに世間を騒がせた大ドロボウ。
その企業が不正を働いている証拠を密かに盗み出し、それをマスコミに送りつけて摘発する“義賊”。
大使館員殺害事件
2011年9月8日、コードピア大使館の職員ディード・マンが殺害され、チンピラの真刈透が容疑者として逮捕される。また事件当時、義賊のヤタガラスが大使館に侵入していたとされていることから、第二のKG-8号事件とも呼ばれている。
後日行われた裁判で、真刈はいきなり「自分はヤタガラスに殺人を依頼された」と主張し、担当検事の一条九郎をヤタガラスとして告発した。
裁判は中断となり、狩魔豪の推薦で当時新人だった御剣が一条の後任を務めることになったのだが、裁判が再開する直前に控え室で一条と真刈が死亡するという事件が発生してしまう。
アレバスト王国、ババル共和国
コードピア公国の分裂によって生まれた欧州の小国。
国旗や紋章などにアレバストは花、ババルは蝶を象徴として用いている
また、建国の経緯からコードピア時代のを大使館を左右で分割して使用しており、両国の管轄区域の中間には永世中立劇場という劇場がある。