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平安時代末期~鎌倉時代初期の女性で、源義経の妾。

概要

平安時代末期から鎌倉時代初期にかけて登場する白拍子の女性。源義経の愛妾(義経の正室は郷御前であり、静は妾である)。


生涯

平安時代の終り頃に始った・白拍子の創始者とも云われる磯禅師の娘。丹後国網野磯(現在の京丹後市周辺)の生まれと言われる。


飢饉の際に朝廷で「雨乞い神事」を行い、ただひとりを降らせる事ができた「神に届く舞」を舞ったとされる。


義経と兄の源頼朝との対立の最中捕らえられ、頼朝に白拍子の舞を命じられた。そのとき、義経を慕う歌を唄い頼朝を激怒させるが、妻の北条政子が取り成したと云われている。


以下はその歌。


 しづやしづ しづのをだまき くり返し 昔を今に なすよしもがな

 吉野山 峰の白雪 ふみわけて 入りにし人の 跡ぞ恋しき


後に義経の男児を産んだが、北条氏により生まれて間もなくして始末される。遺された静は、その境遇を哀れんだ政子と大姫によって慰められ、のちのちの生活の保障のための財産を多く持たされた上で、磯禅師と共に京に戻されたという。


記録(吾妻鏡など)に記されるのはここまでで、後の消息は不明。ただ後述する各地に残される伝承では、おおむね二十余歳くらいで亡くなったとされている。


静御前伝説

上述のように京都府京丹後市が生誕の地とされており、彼女を祀る静神社も鎮座する。


京に戻された、その後に関しては不明で、この事が余人の想像を刺激して様々な異説・伝承のネタになった。以下はその例。

  • 殺された息子の後を追って身を投げた。
  • 義経の足跡を追って陸奥(みちのく)をさすらった。
    • 「平泉から自らの死を偽装して落ち延びた義経と合流できた」とする説と「義経の後を追うも若い身空の強行軍による無理がたたり志半ばで落命した」とする説に大別される。
  • 母の磯禅師と共に母の故郷へと退いた。
    • 現在の奈良県大和高田市に退いた。(ここでの磯禅師の出身地は大和高田市磯野)
    • 現在の香川県東かがわ市より高松市屋島を訪れ、さぬき市へと退いた(ここでの磯禅師の出身地は東かがわ市小磯。奈良や丹後に出向いたのは京都に上るにあたって教養を得るため親戚を頼った事によるとされる)。屋島寺(四国八十八箇所84番)にて義経の事跡を偲び諸行無常の教えを受けたのち、長尾寺(四国八十八箇所87番)にて得度を受け、未練を絶つため寺の近くに流れる川に自らの持つ鼓を沈めたのち、鍛冶池(現在の三木町)のほとりに薬師庵(静薬師)を構え義経の菩提を弔い亡くなったとされる。
  • 源平合戦の犠牲者を弔うために合戦の舞台となった地を巡礼した。

そのため、「静御前終焉の地」「静御前の墓」と言われる遺物・遺構は北海道から九州まで、じゃがぽこ存在していたりする。これらを総称あるいはひと繋げの物語としたものを静御前伝説と言う場合がある。


大河ドラマ『草燃える』では

演:友里千賀子

京で評判の高い白拍子。本作では政子や大姫との交流も描かれている。最初政子は静を淫乱と思い嫌っていたが(白拍子は貴族相手の娼婦という側面もあったため)、実際に静を見てその考えを改めて、静の助命やその後の生活のために便宜を尽くした。大姫には、政子が自分の助命に尽力してくれたことを話して、大姫に母政子の愛を理解して歩み寄るきっかけを与えていた。


余談

  • ドラえもん』の源静香は静御前が名前の由来。
  • クイーンズブレイド』に登場するシズカも恐らく相棒が-「トモエ」であることから考えて彼女から名前を拝借したと思われる。
  • ゲーム『天外魔境Ⅱ』のいろは宮静は静という名前と白拍子の姿をしていることから、静御前をモチーフにしたキャラクターと思われる。他に義経をモチーフにしたキャラクターも登場するが、この作品の義経は女性設定(男装の麗人)であり、静とは仲間というだけで恋人関係ではない。
  • ゲーム『少女義経伝』の静は静御前をモチーフにしたキャラクターであり、義経の軍師として登場する。しかし、この作品の義経も女性設定(男装の麗人)のため、主人公弁慶の攻略対象(ヒロインの一人)となっている。
  • 声優の伊藤静のあだ名にもなっている。
  • かつて日立製作所から「静御前」という名前の洗濯機が発売されていた。ちなみに当時の日立の広告にはユーザーからの質問に社員たちが答えるというものがあり、「なぜ"静御前"という名前なんですか」という質問に対しては「音が静かであるというイメージを与えるため」などの真面目な回答に交じって「"牛若丸"という名前だと服が破れてしまいそうだから」などのユーモラスな回答もあった。

創作上のキャラクター

静御前という名前がついているキャラクター

  1. ゲーム『SAMURAI SPIRITS』の登場人物 → 静御前(侍魂)


関連書籍

吾妻鏡 義経記



関連タグ

 ヒトリシズカ フタリシズカ 初音の鼓 舟弁慶 千年桜

歴史 歴史創作 和風

通りゃんせ(サザンオールスターズの楽曲):歌詞に名前が登場する。

石原さとみNHK大河ドラマ義経」にて演じている。

概要

平安時代末期から鎌倉時代初期にかけて登場する白拍子の女性。源義経の愛妾(義経の正室は郷御前であり、静は妾である)。


生涯

平安時代の終り頃に始った・白拍子の創始者とも云われる磯禅師の娘。丹後国網野磯(現在の京丹後市周辺)の生まれと言われる。


飢饉の際に朝廷で「雨乞い神事」を行い、ただひとりを降らせる事ができた「神に届く舞」を舞ったとされる。


義経と兄の源頼朝との対立の最中捕らえられ、頼朝に白拍子の舞を命じられた。そのとき、義経を慕う歌を唄い頼朝を激怒させるが、妻の北条政子が取り成したと云われている。


以下はその歌。


 しづやしづ しづのをだまき くり返し 昔を今に なすよしもがな

 吉野山 峰の白雪 ふみわけて 入りにし人の 跡ぞ恋しき


後に義経の男児を産んだが、北条氏により生まれて間もなくして始末される。遺された静は、その境遇を哀れんだ政子と大姫によって慰められ、のちのちの生活の保障のための財産を多く持たされた上で、磯禅師と共に京に戻されたという。


記録(吾妻鏡など)に記されるのはここまでで、後の消息は不明。ただ後述する各地に残される伝承では、おおむね二十余歳くらいで亡くなったとされている。


静御前伝説

上述のように京都府京丹後市が生誕の地とされており、彼女を祀る静神社も鎮座する。


京に戻された、その後に関しては不明で、この事が余人の想像を刺激して様々な異説・伝承のネタになった。以下はその例。

  • 殺された息子の後を追って身を投げた。
  • 義経の足跡を追って陸奥(みちのく)をさすらった。
    • 「平泉から自らの死を偽装して落ち延びた義経と合流できた」とする説と「義経の後を追うも若い身空の強行軍による無理がたたり志半ばで落命した」とする説に大別される。
  • 母の磯禅師と共に母の故郷へと退いた。
    • 現在の奈良県大和高田市に退いた。(ここでの磯禅師の出身地は大和高田市磯野)
    • 現在の香川県東かがわ市より高松市屋島を訪れ、さぬき市へと退いた(ここでの磯禅師の出身地は東かがわ市小磯。奈良や丹後に出向いたのは京都に上るにあたって教養を得るため親戚を頼った事によるとされる)。屋島寺(四国八十八箇所84番)にて義経の事跡を偲び諸行無常の教えを受けたのち、長尾寺(四国八十八箇所87番)にて得度を受け、未練を絶つため寺の近くに流れる川に自らの持つ鼓を沈めたのち、鍛冶池(現在の三木町)のほとりに薬師庵(静薬師)を構え義経の菩提を弔い亡くなったとされる。
  • 源平合戦の犠牲者を弔うために合戦の舞台となった地を巡礼した。

そのため、「静御前終焉の地」「静御前の墓」と言われる遺物・遺構は北海道から九州まで、じゃがぽこ存在していたりする。これらを総称あるいはひと繋げの物語としたものを静御前伝説と言う場合がある。


大河ドラマ『草燃える』では

演:友里千賀子

京で評判の高い白拍子。本作では政子や大姫との交流も描かれている。最初政子は静を淫乱と思い嫌っていたが(白拍子は貴族相手の娼婦という側面もあったため)、実際に静を見てその考えを改めて、静の助命やその後の生活のために便宜を尽くした。大姫には、政子が自分の助命に尽力してくれたことを話して、大姫に母政子の愛を理解して歩み寄るきっかけを与えていた。


余談

  • ドラえもん』の源静香は静御前が名前の由来。
  • クイーンズブレイド』に登場するシズカも恐らく相棒が-「トモエ」であることから考えて彼女から名前を拝借したと思われる。
  • ゲーム『天外魔境Ⅱ』のいろは宮静は静という名前と白拍子の姿をしていることから、静御前をモチーフにしたキャラクターと思われる。他に義経をモチーフにしたキャラクターも登場するが、この作品の義経は女性設定(男装の麗人)であり、静とは仲間というだけで恋人関係ではない。
  • ゲーム『少女義経伝』の静は静御前をモチーフにしたキャラクターであり、義経の軍師として登場する。しかし、この作品の義経も女性設定(男装の麗人)のため、主人公弁慶の攻略対象(ヒロインの一人)となっている。
  • 声優の伊藤静のあだ名にもなっている。
  • かつて日立製作所から「静御前」という名前の洗濯機が発売されていた。ちなみに当時の日立の広告にはユーザーからの質問に社員たちが答えるというものがあり、「なぜ"静御前"という名前なんですか」という質問に対しては「音が静かであるというイメージを与えるため」などの真面目な回答に交じって「"牛若丸"という名前だと服が破れてしまいそうだから」などのユーモラスな回答もあった。

創作上のキャラクター

静御前という名前がついているキャラクター

  1. ゲーム『SAMURAI SPIRITS』の登場人物 → 静御前(侍魂)


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