🥟概要
何故か栃木県宇都宮民(宇都宮餃子)や静岡県浜松市民(浜松餃子)に愛される中華料理。後述するが、「中華」料理の常として本場の中国とは大分異なる発展を遂げている。
日本での普及は、満州国からの引揚者が第二次世界大戦後に一般化させたのが始まりで、遅くとも1970年代には食文化として広く定着している。その過程で日本では「ギョーザ」と呼ぶのが一般的になったが、本来の呼称は「チャオズ」であり、どういった経緯で呼称が変化したのかはまだ詳しく分かっていない。
基本的には小麦粉および米粉の皮で肉あんや魚介あんなどを包む。そこから焼く、煮る、蒸す、揚げるなどといった調理法の違いで、多彩な種類の餃子が出来る。なお、日本の餃子はにんにくが入っているのが一般的だが、中国では入れていない。
中国ではスープに入れる水餃子(感覚としては釜揚げうどんに近い)が主流で、これ自体が麺類や肉まんのような「主食」と捉えられている。焼き餃子もないわけではないが、基本的には作りすぎた餃子を翌日食べる為の調理法(鍋貼)という位置付けである。(ただし、中国でも一部地域のローカルなものとして、牛肉などの加熱し過ぎると固くなる肉を使用した餃子の場合に、あえて焼き餃子にしているものも有る)
これに対して日本では、白飯が主食ということでおかずに適したものが好まれた結果か、焼き餃子が圧倒的に主流である。前述の通り餃子を主食と捉えている中国人にとって、日本人が餃子をおかずに白飯を食べる光景は奇異に見えるようだ。
美味しんぼの海原雄山曰く「餃子の皮は単に具を包むものではない。皮のうまみこそ肝心」と皮を重要視している。また、蒸し餃子や水餃子も皮によって作り方が違う。
起源については諸説あるが、紀元前6世紀頃の春秋時代には食されていたようであり、山東省の遺跡から痕跡が発見されている。
また敦煌にある唐代の墳墓からは、副葬品の壺の中で乾燥した状態で発見された。
面白い異説として、清の初代皇帝ヌルハチが若き頃に退治した、「麻虎子(マーフーズ)」という化け物の肉を刻んで作り、殺された者たちの恨みを晴らしたという伝説も伝わっている。
現在では先述の宇都宮市と浜松市で餃子の購入額を争っているが、2021年は宮崎市が1位になった。データ元の総務省の家計調査では、飲食店で食べた餃子や飲食店のテイクアウト・冷凍餃子などは含まれない。つまり、いくら中華料理店で餃子を食べようと購入額の数値は全く上がらないのだ。一方宮崎では、ぎょうざの丸岡という餃子販売専門店があり購入額を伸ばした。丸岡は飲食店ではないのでテイクアウトにも該当しない。
『ごっつええ感じ』の餃子
ごっつええ感じ内のコントの通称。正式名は『思春期』という。
不良であるマサトシ少年は友人の不良少女と共に餃子を焼いていた。母親はいやらしいと激昂し、餃子の映ったテレビやポスターを次々と処分していく、不良少女はそれに臆する事なくマサトシの両親は毎晩毎晩餃子を焼いたり、揚げたり、蒸したりしていると反論し、妹も兄から餃子作りを教えてもらったという始末。それに怒った両親が彼を叱るも、両親の言う矛盾に愛想を尽かしたマサトシ少年が家出をするというオチ。
どうやら餃子を作るという行為はこのコントの世界ではいやらしい事らしく、餃子の皮がベッドの下から出てきたり、妹が一人で餃子を焼いているシーンからして…そういう事なのだろう。
サトシ少年は『餃子を作るのが大好き』なレベルまできており、もう手遅れなのかもしれない。
思春期には別バージョンとして溶接がある。
餃子に似た料理
関連タグ
浜松餃子:「トンカツやエビフライの付け合わせの千切りキャベツ」感覚でもやしが餃子の付け合わせとして供されるのが定番となっている
李自成:17世紀前半の中国(明)の農民反乱の指導者。彼が明を滅ぼし順(大順)の皇帝に就任した際、歴代の皇帝が春節にしか食べなかった餃子を、毎日食べ続けたために程なく滅んでしまった、という逸話が北京市民の間で現在でも語られている
橘田いずみ:日本の女性声優。物心ついた頃からの餃子好きで知られ、声優としての活動の傍ら餃子評論家として、書籍を出したり関連するイベントなどにも関わっている
宮内洋:日本の俳優。共演経験のあるさとう珠緒曰く「時折自宅へ後輩俳優達を餃子パーティーに招待している」という
納豆餃子飴:TVアニメ『スマイルプリキュア!』に登場するお菓子の一つ。作中における大阪名物として人気を博していたが、味の方は・・・お察しください
表記揺れ