概要
『墓場鬼太郎』・『ゲゲゲの鬼太郎』シリーズの主人公で、『幽霊族』という妖怪。
少年誌連載版やアニメシリーズでの活躍ぶりで「悪い妖怪から人間を守る正義の味方」というイメージが強いが、原作初期には怪奇物の主人公にふさわしく、不気味で不吉な少年であり、関わるものに不幸をもたらす存在として描かれていた。
- 紙芝居時代から空手のアクションなどは取り入れられていたが、数多の妖怪などと戦う、本格的なバトル物の主人公としての描写は墓場鬼太郎(竹内寛行版)が先行していた。詳細はリンク先を参照。
キャラクター設定について
鬼太郎の設定には、その出生や性格、能力など、同じ部分に複数の異なる記述があり、ファンの間で認識の違いや混乱が見られる。
これは作品を発表する媒体が移り変わるにつれ、作風の変化や読者を意識した設定変更が行われたためである。
このため、鬼太郎の性格付けや設定には作品によって異なる点があるが、どれが正しくてどれが間違っているというわけではない。ファンとしては、作品ごとの違いを楽しむことが正しい姿勢だろう。
設定の変更に関わる主な作品
鬼太郎が登場する作品や掲載誌の変遷は、主なものに限っても以下の通り多岐にわたる。
- 1954年(昭和29年)紙芝居物語「墓場の鬼太郎」
- 初期の鬼太郎はグロテスクなまさに「化け物」じみた容姿だった。しかし水木に甥が生まれると、その愛らしさを参考にして、次第に鬼太郎のデザインも可愛らしく改変されていく。鬼太郎が左目を髪で隠すようになるのも、この改変以降。
- 1960年(昭和35年)兎月書房発行の貸本漫画(雑誌形式の短編集)『妖奇伝』収録「幽霊一家」。同年、兎月書房より「墓場の鬼太郎」が独立した貸本漫画シリーズとして刊行(以下「貸本版」)。
- 1961年(昭和35年)三洋社(後の青林堂)に水木が移籍し『鬼太郎夜話』シリーズの刊行がスタート。
- しかし5冊目を発行する寸前に社長の長井勝一が病に倒れ、三洋社は倒産。混乱の中で5冊目分の原稿が紛失。
- 1964年(昭和39年)に佐藤プロダクションで「おかしな奴」など数本の短編が掲載(佐藤プロ版)。桜井昌一の東考社から「ないしょの話」など。
- このころから鬼太郎にヒーローとしての片鱗が見え始める。
- 1965年(昭和40年)『週刊少年マガジン』に読み切り短編「手」が掲載される。
- 1966年(昭和41年)『月刊漫画ガロ』3月号に「鬼太郎の誕生」が掲載。
- 1967年(昭和42年)『週刊少年マガジン』での正式連載がスタート(マガジン版)、貸本版のエピソードが多数リメイクされる。同年、『月刊漫画ガロ』で「鬼太郎夜話」のリライト版が連載開始(リライト版)。
- 1968年(昭和43年)マガジン版がアニメ化に伴い「ゲゲゲの鬼太郎」に改題。翌年連載終了。『月刊宝石』に「鬼太郎のベトナム戦記」が掲載。
- 1970年(昭和45年)の『別冊少年マガジン』7月号に「その後のゲゲゲの鬼太郎」が掲載。
- 鬼太郎が南の島に移住、恋人と平和な生活を送っている様子が描かれる。
- 1971年(昭和46年)2期アニメ化に合わせて『週刊少年サンデー』で、それまでのものとは設定の異なる新作が発表される(サンデー版)。
- 猫娘ではなく猫子が登場(リンク先を参照)。
- 1976年(昭和51年)『週刊少年アクション』で「鬼太郎の世界お化け旅行」を連載。
- 鬼太郎が野球帽をかぶり、世界の妖怪と対決。単発作品として「鬼太郎対悪魔くん」も掲載される。
- 1977年(昭和52年)、『週刊実話』で「続ゲゲゲの鬼太郎」を連載。鬼太郎が高校生となり、アダルト要素満載の異色作。
- 1980年(昭和55年)、『月刊少年ポピー』で「雪姫ちゃんとゲゲゲの鬼太郎」連載。鬼太郎の妹、雪姫が主役格で登場。
その後も水木プロ作画の「最新版」を含め、古巣の『週刊少年マガジン』に戻っての「新編ゲゲゲの鬼太郎」や鬼太郎が母を求めて旅をする「ゲゲゲの鬼太郎 鬼太郎地獄編」など、多数のシリーズや単発作品が発表されている。
出身
人類以前に地上を支配していた先住民・幽霊族の末裔で、最後の生き残り。
直接の肉親は、本体が死んで目玉だけで生き延びた父親しかおらず、彼は現在「目玉おやじ」と呼ばれている。
祖先は紀元前3800年頃に、幽霊族の皇帝に即位していたので、鬼太郎親子は王族の末裔でもある(『続ゲゲゲの鬼太郎』より)。詳細はリンク先を参照。
容姿
外見は人間の少年と変わらないが、隻眼(左目がない)。
貸本版では誕生時から既に片目だった。
その後の佐藤プロ版では、鬼太郎の異様さに怯えた水木青年が、思わず突き放した(あるいは投げ捨てた)ときに墓石で目を打って片目となったとある(「新妖怪千物語」の図解によれば、左目の奥に親父のベッドがあるらしい…どんな設定だ)。
アニメ版『墓場鬼太郎』での誕生エピソードは基本的に貸本版をベースとしているが、墓石で目を打って片目になったという佐藤プロ版の設定も取り入れられている。
毛髪の色は、銀と茶のどちらかで描かれる。
身長は約130cm で、体重は約30kg 。
- アニメは3期まで及び5期では同じ設定だが、4期と6期では、これより背が高めに設定される(具体的なサイズは不明。同様に体重も不明)。
頭骨に三つの穴があり、公式図鑑によると「火星人説が唱えられる場合がある」らしい。
服装
ほぼ全編にわたって学童服と縞模様のちゃんちゃんこというスタイルで、足には下駄を履いている。ちゃんちゃんこは先祖の幽霊族が死の際に残した“霊毛”で編んだモノで、強い霊力が篭っている。下駄も念力でリモートコントロールできる。
生活環境
貸本版およびリライト版では、誕生から小学1年生程度までの期間を水木青年の実家、後には下宿先に同居して過ごしていた。
マガジン連載初期には決まった棲み処はなく、気ままに引っ越しや旅をしているという設定だった。
サンデー版では砂かけ婆の運営する妖怪アパートに住んでいたが、昭和60年代以降の作品ではゲゲゲの森に住む設定が多い。
依頼人とは妖怪ポストに手紙を出すことで連絡が取れるようにしている。
当初は彼を知る人々からも「墓場の鬼太郎」と呼ばれていたが、やがて「ゲゲゲの鬼太郎」と名乗るようになり、人々の認識もそのように変化している。
一見、現代文明とは縁遠く見えるが、作品によっては石で作られた霊界テレビ(マガジンでの雑誌設定、実写版、5期など)や5期では目玉おやじが好むラジオが置いてあったり、百目の目玉が変化した携帯バケローがあったりと文明的なものを所持している作品も存在する。
また、自動車を操縦する技術があるとする作品もあり、「妖怪ラリー」ではクラシックカーに乗って参戦したり、「鬼太郎国盗り物語」では朧車(元ネタをベースに4輪かつハンドルのあるデザインになっている)を愛車として所持している。
これら鬼太郎の乗った自動車の中でも最もポピュラーなのは、恐竜の骸骨をベースに輪入道をタイヤに据え付け、鬼火をヘッドランプに戴く「妖怪自動車」だろう。しかし、この自動車が必ずしも鬼太郎の持ち物として登場するとは限らない。
- 3期ではフォルムが人間の自動車そっくりに、タイヤも6輪となっている。その名も「妖怪戦車」で、主砲として据えられた野槌の吸引力で妖怪達を蹴散らしていく。物語の終盤や劇場版第四作で度々登場している。
- 4期では原作通りのデザインで登場しているが、こちらでは夜行さんの持ち物という設定であり、子供とドライブする約束を果たせなかった死者に貸し与えている。
- 「妖怪千物語」版の「妖怪ラリー」では鬼太郎の愛車として登場。こちらでは目玉の親父がカーナビ代わりを務め、バックベアードの妨害で半壊した際には体内電気でハイブリッドカーへとパワーアップして優勝をもぎ取った。
…とはいうものの、作中での移動手段は専ら一反木綿やカラスヘリコプターなど飛行できる手段が殆どである。『鬼太郎のベトナム戦記』に至ってはペルシャの霊鳥シームルグを乗り物として利用している。
ちなみに、5期第48話では自分の住居が一時的に意思を持った事があり(CV:千葉繁)、鬼太郎の装備を借り受けて土転びと戦ってみせた。
性格
貸本版などの初期作品では泣く子も黙るほどドス黒い部分が前面に出ており、「ゲゲゲの鬼太郎」以降も喫煙もしたり鬼太郎とねずみ男の金銭欲のせいで死人が出たりしていた。また、妖怪・人間を問わず美女に弱く、実際に色仕掛けの罠に落ちることもままあり、女性ファン達の黄色い声に照れたりもしている。
人間と妖怪の共存を望み、妖怪に悩まされている人間の依頼を受けて妖怪退治をする。
しかし、やはり妖怪であるが故なのか、問題を起こしている妖怪の事情を知ってしまったりするとその妖怪を擁護してしまう傾向が目立つ。また、シリーズの初期では、父親の目玉おやじを気味悪がられて拒絶されたとはいえ、妖怪の被害に遭っていた少女への協力を拒絶するだけでなく、「人間共より僕達妖怪の方がずっと清潔なんだ」という、妖怪至上主義にも似た選民思想的発言をした事もあった(当の目玉おやじは、自分を気味悪がる少女の気持ちを理解し、席を外そうとする等、鬼太郎よりも寛容さを見せている)。
人間との共存を望みながらも、彼等の政治や社会事情についてはあまり関心が無い為か、妖怪の起こした問題において人間の方に原因があれば、妖怪によって生じた被害を半ば無視する形で批判したり突き放した態度に出てしまう等、人間側の事情をあまり考慮しない短慮な行動や言動に出る事も多い(皮肉にも、何度も裏切るねずみ男や敵対するぬらりひょんの方が、鬼太郎よりもずっと人間の政治や社会事情について理解している)。
これらの部分もあってか、自らの行動の結果として一部の妖怪からは「妖怪の裏切り者」と蔑まれる事も少なく、特に反人間派の筆頭と言えるぬらりひょんからは、自然を守るために人間と戦って滅んだ先祖を裏切り、喫煙、悪人を見逃す事もあるのに被害者を全く助けようとしない事さえもある自らの矛盾さを痛烈に批判されており、「とんでもないぶりっ子妖怪」と評されて反論出来なくなってしまう場面もあった。
その後はクールで飄々としているが、心の内には強い正義感と情熱を秘めたヒーローへと変化していく。ただし悪辣な人間には冷徹な態度を見せるなど、勧善懲悪な正義の味方ではない。
口調は基本的に丁寧だが、時折崩れる。
神仏や閻魔大王など地獄の関係者、人間界では総理大臣など幅広い面々から信頼され、昆虫や多くの生物からも慕われており、日頃の行いから窮地の際には助けてもらえることも多い。
妖怪のほか、人々が気味悪がるような虫やカエルなどの小動物も、鬼太郎の友人である。中でもカラス達は、妖怪ポストに投函された手紙の伝達や「カラスヘリコプター」など、鬼太郎の活動に協力してくれている。
一人称は基本的に「僕」だが、アニメ2期・3期は「オレ」「オイラ」と一定していなかった。アニメ4期以降は「僕」で統一されている。
年齢
2010年に調布市が発行した鬼太郎の住民票には、昭和29年誕生と書かれている。ただし、これは紙芝居で水木しげるが墓場鬼太郎を発表した年であり、あくまでも作品としての誕生年である。
同様に、上記住民票の本籍地は水木しげるのもの、住民になった年は水木しげるが調布市に移住した年であって、作中での設定ではない。
貸本版「鬼太郎夜話」では、昭和30年前後の東京郊外で誕生した様子が描かれ、昭和36年に小学1年生として学校に通っている。しかし正確な生年月日については言及されず、その後外見は殆ど成長した様子が見られないままである。
TVアニメゲゲゲの鬼太郎シリーズでは以下の通り。
- 1期では、1960年代またはそれ以前の現行のたんたん坊事件で、120歳の人物が「昔に鬼太郎の事を本で読んだ」と証言している。また、2月30日生まれという発言がある。
- アニメ3期と漫画読み切り、実写映画シリーズでは少なくとも江戸時代から生きている。
- ハカバキタローの原点ともいえる関西のとある伝承や子育て幽霊も江戸時代前後の話である(子育て幽霊の原型は12~13世紀の中国大陸に由来している)。
- 4期も、妖怪たちの反応から、おそらくかなり昔から生きていることが窺える。
- 目玉おやじの基準で「昔」に封印された見上げ入道が鬼太郎を知っていた。
- 5期では、最低でも50年以上は今と変わらない姿で活躍していることが人間に確認されており(もうりょう事件や日本爆裂)、アマミ一族(と地獄の鍵)を守る為にかなりの年月に渡って西洋妖怪と戦ってきたことも示唆されている。ミウ達アマミ一族の事例があるため一概には言えないが、十代中盤の見た目の猫娘が「あと200年ほどすれば美人になる」と目玉親父から言われているため、完全な妖怪の可能性がある鬼太郎が今の姿になるまで年数が掛かった可能性もある。
- 実写映画鬼太郎は350歳である。
- 6期では第23話において、数十年以上昔から現在と同じ姿で活躍していたことが具体的に描かれた。ただし、自分の年齢について聞かれた鬼太郎は「数えたことないなあ」と独り言ちており、正確な生年月日は不詳のままである。ただ後に公開された『鬼太郎誕生ゲゲゲの謎』から、昭和31年以降の生まれ(70歳未満)であることは判明した。
学歴
最初人間の小学校に通っていたが転校し、猫娘と妖怪小学校の同窓だった。
名門・妖怪学習院ではねずみ男と同窓だった。
- 高校生になったシリーズでは、田中ゲタ吉として墓の下高校に通っている。
- 実写映画では墓の下中学を中退している。こちらでは猫娘が400歳で、350歳の鬼太郎と半世紀の年齢差があるが、妖怪界では同世代なため猫娘はやはり同窓で墓の下中学を卒業している。ただし、ねずみ男は1000歳なため、さすがに妖怪界でも600歳以上年齢が離れている鬼太郎や猫娘とは同窓でない可能性がある(さらに卒業できたかどうかも不明)。
血縁について
家族
父母ともに幽霊族で姓名不詳。不幸にも鬼太郎の出生前は夫婦共に重い病に罹っていた。
母は鬼太郎を身ごもったまま亡くなり、水木青年によって葬られた直後に墓の中で鬼太郎を産み落とす。
父も前後に病死し、その屍は水木も埋葬を諦める程溶解した状態となっていたが、我が子の身を案じる執念が左目に宿り、目玉に胴と手足が生えたような姿となって蘇った。この姿から、父は後に「目玉おやじ」と呼ばれる(名乗る)こととなる(『墓場鬼太郎 鬼太郎の誕生』などより)。
- (父親を除けば)幽霊族唯一人の生き残りが鬼太郎とされているが、『雪姫ちゃんとゲゲゲの鬼太郎』シリーズでは雪姫という妹が登場している。
さらに初期貸本版では、幽霊族と妖怪は近い関係ではあるが別物という設定もあった。
母親について
鬼太郎の母は大部分の作品では幽霊族として扱われるが、『鬼太郎地獄編』では岩子という人間である。
人間と言っても岩子はお岩さんの親戚で僅かだが妖力を持ち、普通の人間よりは妖怪に近い存在だった。
そんな縁もあって、鬼太郎の父親となる男性と知り合ったが、彼が人間と殆ど変わらない容姿だったために当初は妖怪だと気付かなかったという。
岩子は彼と結婚したことで人間の身でありながら幽霊族となり、そのため鬼太郎が生まれる直前に表向きは「病死」という形で生きながら地獄に落とされ、審判で地獄の虫たちの番人をすることとなった。
- この設定は後のシリーズには継承されず、『地獄編』及びこれを基にしたアニメ第3期や、コナミゲーム版(異聞妖怪奇譚)など一部の作品のみで使用されている。
- 原作では、鬼太郎の母親のデザインは全作品で共通(コナミゲーム版「異聞妖怪奇譚」でも同様)。地獄から脱出する際に肉体が灰化したが、意思は残っていたため自ら骨壺に入り、その後は灰の姿で家族と過ごすことになった。
- アニメでは母親の容姿が作品ごとに大きく異なり、3期では「お岩さんの親戚」でもない完全な人間で、最終回で死亡した天童ユメコに命を授けたため復活しなかった。4期では母親の魂が揚羽蝶となって鬼太郎の危機を助けた。生前の彼女を模した人形があり、そちらは長い黒髪で和服姿である。
- 「岩子」という名前は実写映画版でも呼ばれており、原作サイド監修の鬼太郎公式関連書籍でも、「鬼太郎の母親の名前は岩子」と『鬼太郎誕生編』のカット付きで記述が複数なされるなど、鬼太郎の母の名として公式で半ば定着している。
- 実写版では鬼太郎は母親に会うことは終ぞ無く、第2作では荒れ狂う濡れ女を鎮めるべく、彼の夫と子供の魂を呼び出す代償に地獄にいる母親に会う権利を放棄している。
『その後のゲゲゲの鬼太郎』におけるエピソード
1970年に別冊少年マガジンで掲載された『その後のゲゲゲの鬼太郎』では、鬼太郎はニューギニアの「幸福の島」の酋長の娘・「メリー」と相思相愛になり、メリーは鬼太郎の子供を身籠る。
ところがねずみ男の裏切りで、鬼太郎は島の革命に関与した犯罪者に仕立てあげられ、肉体が消失する「死の島」へ流されてしまった。
しかし島の「生の泉」の水を浴びていたことで、魂だけの存在となった鬼太郎はメリーのお腹の中の子供に宿り、10ヶ月後に「鬼太郎としての意識がある赤ん坊」として誕生する。生まれた赤ん坊は急成長し、元の鬼太郎の体(隻眼も元のまま)へと完全復活を遂げた。
その後鬼太郎は帰国し、「死神大戦記」にて「幸福の島」が再登場するものの、メリーは登場していない。
この作品自体は、現在も復刻または文庫化時に収録されはするものの、その後のメリーとの具体的な関係等は、原作・アニメ共に封印されてしまっている。
メリーたち幸福の島の人々の存在も、漠然と「南方にも鬼太郎たちと以前親しくなった原住民の一族が複数いる」と表現されるのみ(水木氏が交流のあったトライ族なども作中で存在が仄めかされている)となっている。
公式に鬼太郎のガールフレンドの地位を確立した猫娘も、現在までメリーの存在について言及していない。
- 「ガールフレンド」というのは、設定上では見られるが、実際に作中で鬼太郎と猫娘が恋愛を展開する話はほとんど存在しないし、存在するとしても死神に連れ去られるなどバッドエンドに終わることが多い。
その他
- 『最新版ゲゲゲの鬼太郎』での地獄童子も、幽霊族の末裔だと推測されていた。地獄童子は水木しげるが関わっていない「最新版~」のキャラであることに加え、水木プロ出身の森野達也が独立した作品の主人公として後に漫画を描いたため、アニメ3期以外では存在を触れられることもなく、現在まで原作にも登場していない。
- 「国盗り物語」にて兄だと紹介された「寝太郎」が登場するが、こちらは実の兄ではなくてムー大陸の王子だった。
幻の妹雪姫の存在
詳細はリンク先を参照。
歴代アニメ・映像作品
1期と2期は共通した世界観を持つ地続きの作品で、3期以降はリメイク作品となり、世界観や鬼太郎の設定などがそれぞれで異なっている。
詳細については各リンク先ページも参照。
1期・2期
性格や設定は原作に近い。
1期は比較的明るくて子供らしく、2期は1期最終回後に一旦妖怪退治から引退したため少し大人びている、という時期的な変化がある。
2期では(鬼太郎以外の原作を題材とする事もあるため)、傲慢な人間や人を虫けらのように殺そうとする悪人には容赦しなくなり、過激なまでに妖怪としての恐ろしさを示して懲らしめることもあった。
背は低めで原作とあまり差が無いが、2期では若干背丈が伸びており、回によって頭身のバラつきが激しい。
- 2期では女装も披露した(DVDの第3巻の表紙に堂々と載っている)。女装する鬼太郎はその後3期、4期、6期にも登場するがそれぞれ趣が異なる。
演じた野沢は、鬼太郎について「私のなかでは正義感の強い、ごく普通のかわいい少年」と語っている。
3期
性格は熱血漢で、正義感が強くヒーロー然としている。
明るい笑顔から間抜け顔にいたるまで、多彩な表情を見せつつも戦闘的な一面が強調された。
基本的には優しいが、行動派で喧嘩っ早い部分がある。また、その強さから一時的にとはいえ己惚れるという失態を見せ、目玉おやじに諭されたこともある。
妖怪と人間が仲良くなることを強く望むが、悪いことをした奴は人間でも容赦無くボコボコにする。人間への懲らしめ方は腕っぷしが多く、他のシリーズに比べて妖怪としての怖さで驚かすことは少なめである。
美しい女性には弱く、人間の少女・天童ユメコに好意を持たれている(本人も「綺麗な女性に応援されると元気が出る」と公言している)。
ねずみ男の悪事に対しても容赦がないが、友情も感じている。
「妖怪オカリナ」という新武器が登場し、バトル描写を彩った。
- 鬼太郎と母の再会を描いた、本作の「地獄編」のみ、鬼太郎は人間と妖怪のハーフ(半妖怪)と設定されている。さらに原作の「地獄編」とは違い、母親は「お岩さんの親戚」ではなく、元々普通の人間で美女として描かれた。
演じた戸田は、鬼太郎について「他のシリーズより、やんちゃだったみたい」と語っている。
4期
「原点回帰」という作品テーマのもと、外見も性格も原作へ近いものになった。
穏やかな性格で、人間と妖怪が仲良くあることを望んでいる。争いを好まず、事件や騒動があった際も余程の事態でない限りはまずは双方の事情を聴こうとするなど中立的な立場を取る。
どちら側に対しても温厚だが、人間側に非がある場合や、人間から酷い仕打ちを受けた時は容赦なく制裁を加え、卑劣な人間に対し笑いながら妖怪としての怖さを見せるなど、必ずしも人間の味方ではない。もちろんこの怖さを見せるのは悪い妖怪が相手の場合でも変わらない。
優しく冷静な面と、容赦をしなくなった時のギャップが大きい。猫娘が輪入道にダイヤにされた時に、鉄パイプで輪入道に殴りかかったシーンは妙なインパクトの強さを視聴者に残した。
礼儀正しい言動もあって比較的自立しているように見えるが、やはりまだ子供であるため目玉おやじに対する依存度が高い描写がちらほら見受けられる。顔を見ることもなく死んでしまった母親に対しても思うところがあるのか、姑獲鳥の回のラストでは空を見つめて物思いに耽っていたが、鬼太郎が母親を知らずに育ったことを慮る目玉おやじに「僕には父さんがいるじゃないですか」と微笑み、逆に目玉おやじを励ましていた。そして最終回では母親と名乗る女性が現れ…。
原作や前後シリーズと違って美女や美少女に弱いという描写がなく、ラブコメ要素もない。それだけに妖怪いやみにされた仕打ちが尚更悲惨なようにも思える。
前後シリーズでは美人にデレデレする鬼太郎にやきもちを焼いていた猫娘だが、4期ではそのような素振りも無く、恋愛とまでいかないまでも猫娘との関係は良好である。
クールで真面目な性格をしているせいか、ねずみ男に対する態度は辛辣な面が多く、ねずみ男との付き合いは歴代で最もドライ。とはいえ冷めきっている訳でもなく、二人で協力して事件を解決したり、一緒に人間の街に出て食事をしたり、天涯孤独のねずみ男に結婚相手や生き別れの弟が見つかった時は素直に祝福するなど、仲が良好な描写もある。
妖怪オカリナは3期から引き継がれたが、剣は設定上のみとなっていて、基本的にはムチとしての機能がメインとなっている。その代わりに本作ではムチをスティックのように扱うこともある。
また、鬼太郎が「髪の毛針!」や「霊毛ちゃんちゃんこ!」といった所謂技名を叫ぶようになったのも4期から。髪の毛を長く伸ばして戦う「髪の毛綱」は4期では比較的多用されている。
- 本作では、着ている霊毛ちゃんちゃんこの柄が波打っているが、これは布地の流れを表すものだったとのこと。
歴代の鬼太郎より身長が高いが身長設定は不明。唯一猫娘より背が高いのが4期だが、これは本作の猫娘の身長が141cmと歴代では低めなためでもある。しかしこの猫娘の身長でも原作より高いサイズと判明しているため、具体的サイズが不明とされた4期鬼太郎が140cm以上あるのは確実。
- 設定資料によれば、当初は原作に合わせた背丈でデザインされたが動画都合で没案となり、多少高めに修正されて決定稿となった。
- 後年の映画『ゲゲゲ祭りだ!五大鬼太郎』でも5人の歴代鬼太郎が横並びになった際は一番背が高く描かれていた。
演じた松岡は、鬼太郎について「他のシリーズとちょっと違う。大人しくて物静かだけど、二面性を持っていた」とコメントしている。
5期
正義感の強い性格だが、同時にクールでドライ。総じて大人びているが、抜けたところがあったり、昆虫採集でクワガタに興奮する子供っぽい面も見せたりする。
子供の姿のまま、既に50年以上生きていることが作中で語られている。
どちらかと言えば妖怪サイドであり、事件解決後に妖怪側へのアフターケアをすることが多い。
人間に対しても友好的ではあるが、悪人や身勝手な人間には冷徹で、何度忠告しても改善されなかった場合は見捨てることもある。一方で、悪い妖怪には容赦しない点はこれまでと変わらない。
昔の物価の感覚のままでいるなど現代の人間世界に対しズレている部分があり、その点を目玉おやじや猫娘から指摘及び心配されることがある(ただし、新しいもの好きの目玉おやじに振り回されて苦労する場面が見られる)。また、面倒事になると逃げる(アマビエが鬼太郎を探していると言われて名乗らずにそそくさと立ち去る、小豆洗いとつるべ落としの目玉商品合戦の審査を仲間たちに迫られてカラスを呼んで逃げ去るなど)こともあり、その度に仲間たちから「逃げた」とツッコまれている。
原作や3期同様美女に弱く、猫娘に焼きもちを焼かれることも多くなった。ただし、前もって敵だとわかっている時は別であり、たとえ美人からの依頼でも被害者本人が助けを求めない限り不干渉のスタイルを貫いている。更に、ハニートラップ要員が鬼太郎の優しさに触れて改心することも多々ある。
一方で、恋愛映画ですぐ寝る、バレンタインが何なのかを知らないなど、朴念仁ぶりも酷い。猫娘のアプローチにも全スルーするほどだが、実際には彼女が危機に陥ると必死に助けようとするほど大事に思っている。
幼少期に妖力を制御出来ずに暴れ、村を滅ぼしかけた過去がある。
その時に身体を張って自分を助けた恩人の蒼坊主を「蒼兄さん」と呼んで慕っており、なかなか会えない事もあってか、久しぶりに横丁に来た際は待ちきれずに息急き切って駆けつけたほどである。
目玉おやじの事情を慮った蒼坊主が師匠の立場だった事もあり、彼から受けた影響も大きい。
過去2シリーズに渡って武器とされていた妖怪オカリナは本作で廃止されたものの、それに代わって髪の毛を使った技が多彩となり、毛針を束ねて使用する毛の槍(剣)に加え、ムチの代わりにも髪の毛をロープのように伸ばして扱うなどのパターンが多かった(髪の毛を伸ばす自体は過去シリーズでも行っている)。
指鉄砲が空気弾という形ながら、「幽霊族に伝わる奥義」として1期以来、久々に鬼太郎の武器に採用された。
- 中盤から「地獄の鍵」と呼ばれる必殺奥義を扱えるようになり、従来にない派手な戦闘描写が行われた。
演じた高山は、鬼太郎について「歴代で一番の巻き込まれ型。のんびり楽しくやれました」とコメントしている。
ヒダル神戦にてピーマンが苦手な事が判明し、一時はヒダル神の瘴気で戦闘不能となる。
6期
中性的で幼い雰囲気の容姿になり、毛髪の流れなども歴代より特徴的。
普段は表情変化が少ないものの、喜怒哀楽に関しては比較的素直に顔に出る。
アニメ版『ゲゲゲ』としては初めて「水木という青年に幼い頃育てられた過去」について本編で言及がなされ、その恩返しに人間を助けているという理由付けが行われている。また、50年以上前から、現在と変わらない姿で妖怪退治を行っていることが、本人の口から明かされた。
人間を「守るべき対象」とする一方で「妖怪と人間は、互いのために距離を置くべき」と考えており、そのため出会った当初はまなに対してもわざと不躾な態度を取り、目玉おやじから叱責されるという一幕があった。一方、「自分達と違うものを受け入れない奴が大嫌いだ」という台詞が示すように、相手を迫害しようとする者に対しては激しい怒りを顕にする。
正義や理想、そしてそれらを追い求める信念の強さは歴代屈指だが、その分自分が「悪」とみなしたものに対しては容赦ゼロ。人間に対しても例外ではなく、救いようがないと判断したときは即座に見捨てている(一応チャンスは与えている)。しかし、助けを求めてきた人間にはしっかり応じて対処し、危険な時は自分の身を顧みず妖怪と戦う。
「人と妖怪の距離感」「多様性の在り方」という6期のテーマ上、人間と妖怪の間で板挟みになることも多い。更にその悩みを誰かに打ち明けることなく一人で抱え込んでしまう傾向も多く見られる。
そのテーマの総決算となる物語最終章では、ぬらりひょんの暗躍により妖怪同盟と日本政府との戦争に巻き込まれたあげく、一時は自身の存在そのものを否定するまでに追いつめられる。しかし鬼太郎の窮地を救ったのは、ねずみ男やまなとの友情であり、そして人間でありながら彼の育ての親となった水木との絆だった。
3期や5期と異なり、美女や美少女に弱いという面は見られない。妖怪温泉とはいえ混浴でも動じておらず、ねこ娘を次回の温泉同行へ普通に誘う程である(石妖のウェディングドレス姿に仲間たちと共に見惚れて頬を赤くしていたことがあるので、美的感覚は普通にある模様)。
ねこ娘に対しては留守番を任せたり、戦闘においては深く信頼する一方で、プライベートでは一緒に買い物に行って荷物を持ってあげたり、車に轢かれそうになった時は身を以て助けたりと、紳士的な態度が目立つ。ただし、その都度彼女が照れるのに反して、本人に特にそういった態度は見られない。まぼろしの汽車による時間改変で無かったことになったが、バレンタインでねこ娘に告白されて恋人同士になったことがある。
ねずみ男とは従来通りの腐れ縁。悪事を働いていれば咎めに行き、難儀していれば救出に行き、ゲゲゲの森に居る時には頻繁に声をかけたりゲゲゲハウスにくつろがせたりしている。
- 激しい口論の末に一度絶交状態となった時には、心配のあまり普段は丁寧に行う目玉おやじの茶碗風呂の世話もうわの空となり、結局救出に出向いていた。
指鉄砲は青いエネルギー弾のような表現となり、第1話から止めの武器として使用している。このような武器は過去のシリーズでも使用しているが、ここまでの頻度で使用しているのは初めてである。
ちゃんちゃんこを腕に巻いてすさまじい破壊力のパンチを放ったり、リモコン下駄でキック力を増して蹴り上げるなど、パワフルな戦闘描写が増えている。
第58話では半魚人に報復するため女装を披露。変装マスクを用いて声色まで変え、可憐な美少女ぶりで見事に復讐を成し遂げた。
演じる沢城は、鬼太郎について「プレッシャーがないと言えば嘘になりますが、シリーズごとに鬼太郎像が異なるので、受け継ぐと言うより今から作る気持ちで」とコメントしている。
墓場鬼太郎
1期・2期よりも前の時代が舞台で、鬼太郎の誕生から物語は始まる。髪は後年より短めな状態で、作中における「ゲゲゲ」時代以降と異なり潰れている左目にギリギリ掛かる程度。
そのため歴代一不細工な印象を受け、表情もどこか悪意に満ちた笑みを浮かべることが多い。
性格も表情に違わずカツアゲ・騙し・恐喝などもする殆ど悪ガキに近い。
- 身勝手で調子のいい面があり、ねずみ男同様に後先を考えない悪事を行ってしっぺ返しを受けたりもしている。
- 水木作品や後年の鬼太郎にも見られる「口を尖らせて目を細める惚けた雰囲気」の表情も、この頃から頻繁に見せており、これは水木御大の多様な作品でもディフォルメされて基本的に見られることが多い表情の一つでもある。
- 「フンッ!」と荒い鼻息も頻繁に見せている。
一方で間の抜けた部分も目立ち、ちゃんちゃんこを偽物とすり替えられても気づかず、目玉おやじからもダメ息子として大叱責されている。
- そのくせニセ鬼太郎と喧嘩した時には、「アイツは僕の繊細な神経を苛立たせる」といった発言をしたことも。
当初は人間に殆ど興味がなかったが、1話の最後で水木親子の顛末を見てから「面白い存在」として面白半分に見るようになる。
驚くほどスルースキルが高く、散々世話をしてくれた育ての親の水木が水神に飲まれても軽く無視して見捨てている。しかし、執着した相手には真剣に接してもいて、寝子が死んだ際には地獄まで迎えに行っている。
- 本作における人間界での様々な辛い体験を経て、やがて後年の「ゲゲゲの鬼太郎」として少しずつ善良な性格へ変わっていった可能性も暗示されており、最終話付近の「霧の中のジョニー」の回では、首相との約束を律儀に守って、ねずみ男の裏切りの誘いを断るなどしたこともある。
久々に演じた野沢は、「『ゲゲゲの鬼太郎』以降とは違って、頭のネジが何本か抜けている」とコメントしている。
コナミゲーム版
性格としては第4作目に似ているが、原作準拠なため、のんびりした面が描かれる。戦闘時の掛け声は松本氏らしく熱い。基本的にはお人好しで、敵のあからさまな罠にあっさり騙されたりすることも多い。『異聞用怪奇譚』では人間と妖怪のハーフという設定になっているが、それ以外のコナミゲーム作品では概ね原作通り幽霊族という設定である。
実写映画
2007年4月28日公開の実写版では、左目は義眼であり、年齢は猫娘よりも50歳若い350歳程度(猫娘は50歳年上)だとされており、学歴は墓の下中学中退。
ウエンツ瑛士が演じているために身長が高く、髪の毛は白身がかかっており、口調もそれまでのシリーズと比べると今風の若者といった感じだが、従来作の鬼太郎同様に妖怪と人間の共存を望む正義感を持つ。
目玉おやじはそのスタンスに反対こそしていないが、人間はすぐ死ぬという理由から交際を反対されている(この為、三浦姉弟から鬼太郎に関する記憶を消している)。
ある時、ねずみ男の地上げ屋紛いの悪行のターゲットにされた団地へと赴き、悪行に加担していた妖怪たちを懲らしめた一件から現地の少年である三浦健太と知り合う。
しかし、ねずみ男が持ち出した妖怪石がひょんなことから健太の父、そして健太本人の手に渡ったことから、妖怪石窃盗の嫌疑を掛けられてしまい、潔白の証明を兼ねて妖狐族に狙われる三浦姉弟を守るために奮闘する。
第2作『千年呪い歌』では鬼道衆の子孫が狙われる事件を通して呪いに苦しむ女子高生比良本楓(演:北乃きい)と知り合い、呪いを解く為に必要な「護人囃子の儀」を行うための雅楽器の収集を行う。
井戸仙人から濡れ女がかつて人間から迫害を受けていた過去を聞いただけでなく、事件の黒幕であったぬらりひょんからは幽霊族を滅ぼした元凶が人類であることを知らされるなど人間への信頼を試される出来事が続くが、人間を憎んで欲しくなかったが為に真相を伏せていた目玉おやじの真意と楓の誠実さに応じて再起、母親を現世に呼び戻す権利と引き換えに濡れ女の夫と子供の霊魂を招来し、濡れ女が成仏する切っ掛けを作った。
楓からは想いを寄せられるも、その想いが遂げられる事は無いまま別れた。
御大が試写会前、鬼太郎に扮したウエンツを見て「少しカッコよすぎるかもね」とダメ出しに近い感想を述べ、彼を凹ませたのは有名。ただし、試写の後では映画の出来に満足されたらしく「77点。80点満点でね」とし、ウエンツの演技も高評価に改めて彼を感激させた。また、ウエンツがハーフ(父がドイツ系アメリカ人)という出自から、後日行われたテレビのインタビューでは「日本人離れしている=鬼太郎的には人間離れした空気を出せている」と、ウエンツを更に褒めている。
友情出演
映画妖怪ウォッチ シャドウサイド 鬼王の復活
キャラクターデザインは原作と第二作目の中間といったところ(面影こそないが、2期がモデルらしい)。劇中の助っ人としてファミリーともども登場する。作画に3期の主要メンバーが関わっていたためか、一部のシーンでは3期バリに鋭い目付きが見られることも。妖怪ウォッチの世界観と合わせるため、身長なども原作の設定から離れ、すらりとしたスタイルになっている。
30年後の世界が舞台であるため彼を知る者はごく限られているようである。
しかしねずみ男が人間を騙そうとすると、従来通り背後から下駄の音を響かせながら現れて咎めにくる。
戦闘には参加しないものの、霊毛ちゃんちゃんこを使って鬼眼ギアを妖怪ウォッチオーガに変化させ主人公を救出する手助けをする。
従来よりミステリアスな雰囲気を放ち、必要以上には人間に干渉しない一方で、鬼太ニャンになってはしゃいでいるジバニャンの無邪気さには比較的柔らかい態度を見せ、エンディングでは一緒に踊ってあげたりとノリの良い一面も見せる。
妖怪ウォッチ4 ぼくらは同じ空を見上げている
コラボにより登場し、目玉の親父を探すクエストがある。
虚実妖怪百物語
京極夏彦による小説シリーズ。
多数の有名キャラクターたちが節操もなく大量に登場するカオスな作品。
鬼太郎も一反木綿と共に登場。3期鬼太郎や5期鬼太郎の召喚が検討されたが、隠密性を意識したため漫画版の鬼太郎が登板した。
能力
あまりにも能力や戦法が多いため、本項にないものは外部リンクを参照してほしい。だが、とくにパチンコ版など、あちらに記載がなくてこちらにあるものも一部ある。
非常に高い生命力と日本妖怪トップクラスの妖力を持つが、目玉親父いわく「(火車など)鬼太郎よりも強い妖怪はいくらでもいる」らしい。ちゃんちゃんこも含め、その毛髪に強さの核があるとされ、毛髪を一時的に喪失したり奪われたりすると途端に弱体化してしまう。
強力な身体能力を持ち、優れたジャンプ力や走力、手刀や怪力やスタミナ (例、人間では不可能と思われるほど大きな岩を長時間担ぐこともできる)。設定が活かされない場合もあるが、一応は水中や真空でも呼吸ができ、体内の臓器にエネルギーを貯蔵できるため、一カ月の絶食や極限の寒冷地でも生存でき、そのエネルギーを使って驚異的なパワーを発揮することができる。頭部には「妖怪計算装置」があり、敵を知ることもできる。視力も凄まじく、地表にいながら火星の生き物が見れる。
そのしぶとさは敵からしたら本当にタチが悪く(仲間内からゴキブリ以上と称されるほど)、鬼太郎を一時的に倒したり封印できても、何だかんだで復活し逆に攻略されるのだ。
また、『墓場鬼太郎』時代では、大海獣になった山田一郎が人間であることを「魂の形状」から判別したり、変化の理由に大海獣の血液が混入していることをすぐさま認識してその対処法もその場で提唱するなど、優れた眼力と博識を持っているとされている。
また、大抵の妖怪は家に「再生粉末」を所持しているらしく、鬼太郎も妖怪獣戦後に使用している(参照)。
妖力・技
別名「妖気アンテナ」。
妖怪の気配を察知すると髪の毛がそれに反応して一部が逆立つ。
詳細はこっち⇒妖怪アンテナ
通称「毛針」。自身の髪の毛に霊力を溜めて飛ばす技。
詳細はこっち⇒髪の毛針
霊気の篭った下駄を飛ばして相手を攻撃する。鬼太郎の脳波で自在にコントロール可能。
詳細はこっち⇒リモコン下駄
文字通り、自身の指を飛ばす消耗技だが、指そのものを飛ばす時代からの鬼太郎の切り札の一つ。放送コード的な問題から1期・2期以降はこの指そのものを飛ばすバージョンの出番はない。5期や『妖怪千物語』以降は妖気や空気を飛ばす形となり、水中での使用ができなくなったが、自分の妖力を犠牲に数百もの敵を全滅させるなどができるようになった。連射タイプや同時発射、単発タイプで撃ち分けが出来るようになり、毛槍を載せることも可能。幽霊族の奥義となっているが、彼らの全盛期に「鉄砲」という名の物体があったのかは不明。
6期ではピストルのように手を構えてから青いエネルギー弾のような物を打ち出すような描写がなされている。1話から使用し、のびあがりやたんたん坊など、数ある妖怪たちに対してトドメとして多用されている。威力も凄まじく、これを食らったのびあがりは爆発四散した。まなに宿った要石の魔力を乗せて撃ったり、液体窒素を纏って冷気弾を発射するなどのバリエーションもある。また、使用者の感情や人々の応援のエネルギーによってパワーアップしたことも。
目玉おやじも夢の世界で本来の姿で使用した他、目玉姿でも鬼太郎以上の威力の指鉄砲を発射している。
なお、『妖怪大魔境』だと手首ごと飛ばしており、どちらかというと別能力である「リモコン手」に近い。
似たような技に、歯のマシンガンがある。
また、妖気を放射する事でビームの様な攻撃にするのは原作の時代から行っている。アニメでは、指からビームやエネルギー攻撃を発射するのは2期や3期の時点で既に見られる。4期では、それまでは口から発射していた熱線を手から発射している。
- 体内電気
別名「体電池」・「体電気」・「ナマズ電気」。
体内の発電袋で、霊気を電力に変換して相手を感電させる技で、電気ナマズと同じ原理で放電するという。使いすぎると鬼太郎の消耗も激しくなるが、5期序盤および『妖怪千物語』では主力技として多用された他、例えばアカマタとの共闘時のように、電撃が作用したより強力な攻撃に転用することもできる。5期も、当初は体力の消耗が多かった。
対化け灯篭戦を基にすれば、鬼太郎の電撃は雷よりも強力らしい。4期では、電気妖怪カミナリ戦にて、相手の電撃を浴び続け、全身が赤熱化した状態で反撃、電気妖怪を負かすほどの電撃を流し込んだ。「幻の汽車」をめぐる西洋妖怪との戦いで、石炭状態から復活した際も似た姿をしていた。
髪の毛やちゃんちゃんこ、オカリナロープを伸ばして敵を捕まえて体内電気を流し込むパターンもある。また、髪の毛槍(5期)やちゃんちゃんこの剣(実写映画)に体内電気を纏わせて威力を上げることもある。
ちなみに、第6期での「飛び道具としての体内電気」は、第2期・第3期・第4期でも使用している。4期の場合、のびあがりに対して一端地面に放った電撃が敵の真下まで移動して、そこから大量の電撃を垂直発射するというものだった。
先祖の霊毛で編んだ特別なちゃんちゃんこ。相手のエネルギーを吸収したり締め付けたりすることが出来る。霊的なものを一時的に封じ込める、飛行などといった芸当も可能。
詳細はこっち⇒霊毛ちゃんちゃんこ
アニメ版3期4期で登場した、鬼太郎初の手持ち武器。オカリナからロープや刺突用の剣やステッキが飛び出して、相手を攻撃する(ステッキ部分を持ってハンマーのような使い方もしている)。4期では、剣は設定上のみになった。勿論オカリナであるため吹くことも出来、味方の妖怪の召喚も可能。これらの特徴から、『悪魔くん』に登場した「ソロモンの笛」との関連性を見るファンもいる。第3期では、横笛として登場した事もある。
また、ビリヤードのステッキの用に使った事や、分身を解いてから妖気の塊となって突貫した事もある。
- 不死身性
おそらくは最も驚異的な能力である。
銃で撃たれようが、コンクリート漬けになろうが、ドロドロに溶かそうが、数億年もの時間が経て風化しようが、死なない。
この生命力は5期において妖怪横丁の妖怪からゴキブリ以上と評されている。
とくに、鬼太郎を捕食したり呑みこむのは死亡フラグである。極めて高い確率で内側から何かされたり、体を乗っ取られたりする(このフラグは目玉のおやじにも言えることである)。
他にも、大海獣の時に水爆を至近距離から食らったが口の中に山田一家を囲い、山田家が無事に済ませるように安全を確保し、さらには大量の放射能を汗と一緒に流し出した。封印されても手首や毛だけを外界に逃がしてそこから戦況を逆転する、身体を液体状にして敵の毛穴から脱出する、などなど、できる芸当はあげればキリがない。
雷撃に丸一日晒され続ける程度では傷一つつかないことも。
しかし、自身の力だけではどうにもならない状態になることも少なくなく、他者の助力ありきなら、牛鬼憑きからの解放 (by 迦楼羅様)、霊界からの帰還(by 御先祖様方)、妖怪反物からの復活 (by 井戸仙人など)、などもあった。また、「妖怪に効く」とされるサラマンドラの毒に苦しんだこともある。
肉体が消滅したが、嫁の胎内の自分の息子の肉体に宿り、嫁の息子として復活したこともある。
アニメ版5期に登場した、今期限定の大技。ミウから譲り受けた必殺技的な能力。髪の毛を炎化させる「獄炎乱舞」、毛針や毛槍を鋼鉄化させる「武頼針」、最終奥義「烈闘星覇」という三つが明かされている。設定上は八大地獄に合わせて八つの地獄の鍵が存在するが、先の三つ以外の内容は不明。地獄そのものの力である故、使用には、閻魔大王様からの許可が必要。そのためゴーゴン戦で許可を得ずに使用した時は暴走して街を破壊してしまい、罰を受ける事になった挙げ句、それに乗じて無実の罪を擦りつけられてしまった。
「極炎乱舞」が未発達な状態では、暴走したり口からの火炎放射という限定的な使用もしていた(無意識に鬼太郎の体を高熱化させたことも)。なお、地獄の炎であるためか、炎なのに「悪意」を押し返したり、物質を掴んで投げることも可能。
閻魔大王が本家本元とされており、その威力は初代ドラキュラ伯爵を沈黙させ、西洋妖怪の軍団を丸ごと凪ぎ払うなど、鬼太郎のとはまるで比較にならない。
厳密には獄炎乱舞でも地獄の鍵によるものではないが、雪女と雪入道との戦いでは目玉おやじが地獄から借りてきた地獄の炎を使っていた(口からの火炎放射や、全身に炎を纏うなどして使った)。こちらは獄炎乱舞と違って有限であり、しかも使い切ってしまうと目玉おやじが焦熱地獄で永遠の苦しみを受けるという約束であった。それを知った鬼太郎が、自分の霊力を燃料として炎を激しく燃え上がらせたことで炎が残り、地獄に返却することができた。
- 胃液
おそらく、単純な威力に関しては全ての能力において最強。(場合によっては)自身ごと敵を丸ごと溶かすため、巨大な敵に食われても倒せる。そして、この胃液にも耐えられる蛇を体内に飼っている。この蛇は、とっさに飛び出たり、体内に入ってきた敵を倒すこともある。似たような存在だと、同じく体内で飼育している3匹の蚤がいる。
胃液と唾液を混ぜ合わせて風船を作り、その中に入って空を飛んだり敵の攻撃を防ぐ事もできる。
基本的に妖怪らしくどんなゲテモノも食べられるが、上述の不死性でも述べた通り薬や毒は普通に効く上に、6期では食中毒で倒れてしまっている。5期ではピーマンが苦手だった(後に克服)。
その他
パチンコ『地獄からの使者』版では、大剣にちゃんちゃんこを巻いて手裏剣のように投げたり斬撃を飛ばしている)。
他、使用頻度は上記よりも劣るが、
- 口から暴風や水鉄砲を吐く
- つるべ火に息を吹きかけて火炎放射にする
- 相手の音波攻撃をカウンターで反射する「共鳴反射の術」(のどちんこの鍛錬が必要らしい)
- 相手を地獄送りにする「地獄流し」
- 首や舌や手足を伸ばす (「カメレオン舌」) や身体の伸縮、風船化も可能 (「空気ポンプの術」や「妖怪風船」)
- 体内のガスで自らをバルーン化
- 透明になる (「カメレオンの術」)
- 脱皮
- 憑依(「鬼太郎憑き」)
- 毛や手首や顔だけで移動(「リモコン手」など。墓場鬼太郎ではこの能力にフォーカスした「手」というエピソードがある)
- 吸血、吸精、吸電など
- 自発的または間接的に火を吹く
- 火を吹くと同時に身体の鋼鉄化
- 妖気の放射
- 発熱、熱線、口からの熱光(体内に原子炉を持っている)
- 冷凍波
- 敵を操って極海に封印する「氷流し」
- 水柱 (水上に水の柱を作り足場とする)
- 毒まんじゅう
- コブ落とし
- 体内に蛇を飼っていて瞬時に出す
- 排毒(おしっこ)や汗による放射能の排出
- テレパシーや糸電話
- 金縛り(触った対象を金縛りにさせる器官が腕部にある)
- 八幡まき (一年に一度使う術らしい)
- 様々の封印術
- 対魔術(「魂金縛りの法」や秘法「絵封じ」など)や催眠術/幻術(「霊電」や「夢じらせ」など)
- 仙術や逆魔法
- 妖怪風船
- エクトプラズム
- 実体を伴う分身の術
- 仲間と共に、雷撃に乗って移動
- 敵の放った岩石を纏って竜巻となる
などなど、可能な能力は枚挙しきれないほど。
5期のアカマタとの共闘では、アカマタの妖力と鬼太郎の電気が具現化した大蛇のようなオーラを出現させたが、パチンコ『ブラック鬼太郎の野望』版では竜のようなエネルギーを放っていたり、ゲタにおそらくはエネルギーを纏わせている。
「霊電」は、ねずみ男の初登場時にねずみ男に放った技でもある。
『妖怪千物語』では体内電気をパワーアップさせた電磁スパークやプラズマ技、「外道殲封」や一反木綿を武器にするなど、原作にない攻撃方も数多く披露している。
『鬼太郎のベトナム戦記』にて言及された「アメリカ式魂金縛りの法」とは、操られた鬼太郎が取り付かれた観念であり術ではない(いわゆる金遁)。
変化すると戦闘力も変わり、大海獣になった際には圧倒的なフィジカルと育毛光線を得、(化け猫として最強の証である)三尾の猫になった際には全ての技が猫化するために「猫招きの術」を使用、牛鬼になってしまった際には5期のみ鬼太郎の能力を使えるが、大イカの際には特に何もなかった。
『最新版ゲゲゲの鬼太郎』では、左目が開いてぬらりひょんの刺客である砂男を倒したこともある。
5期では、新たに「幽霊族の子供は力が暴走することがある」という設定ができたが、その際は当時の妖怪横丁を壊滅させていたらしい。
なお、5期で実現できなかった武器や能力として、「父の骨」や巨人化がある。巨人化は、後期EDの『スターフルーツ』にて確認できる。
鬼太郎を演じた声優・俳優
声優
- 野沢雅子(TVアニメ1・2作目、墓場鬼太郎、妖怪ウォッチ シャドウサイド 鬼王の復活、その他初代準拠のキャスティング)
- 戸田恵子(TVアニメ3作目、CM「宝くじ ビンゴ5」)
- 松岡洋子(TVアニメ4作目)
- 高山みなみ(TVアニメ5作目)
- 沢城みゆき(TVアニメ6作目)
- かないみか(OV「水木しげるの妖怪画談」)
- 松本梨香(ゲーム「異聞妖怪奇譚」)
- 佐藤利奈(パチスロ「ブラック鬼太郎の野望」)
俳優
- 六浦誠(月曜ドラマランド)
- 和田求由(ビデオ映画「魔笛エロイムエッサイム」)
- ウエンツ瑛士(劇場映画シリーズ)
- 西畑大吾(なにわ男子)(P&G「レノア」2023年テレビCM)
- 荒牧慶彦(舞台)
- 小野正隆(戯曲「ゲゲゲのげ 逢魔が時に揺れるブランコ」)
- 中川晃教(音楽劇「ゲゲゲのげ 逢魔が時に揺れるブランコ」)
余談
- 1933年の紙芝居『墓場奇太郎』(ハカバキタロー)の主人公の蛇人間「奇太郎」をモデルに水木しげる御大が創作したキャラクターで、御大は創作にあたり原作者・伊藤正美の了承を得ている。
- 御大の漫画作品にて初めて名前が登場したのは『恐怖の遊星魔人』に登場した「鬼太郎」(おにたろう)だとも言われている。
- 作画上のモデルは、雑誌連載時に6歳前後だった御大の甥御さん。貸本時代は怪奇物ということで、御大自らグロテスクと形容するほどの容姿で描かれていた鬼太郎だったが、その後誕生した甥御さんの愛らしい様子がインスピレーションを与え、ヒーローにふさわしく親しみやすい姿へと変わっていった。鬼太郎の欠損した左目が髪で覆われるようになったのも、甥御さんの顔が髪で隠れる様子がヒントとなっている。
- 鬼太郎ファミリーの好物は(他の妖怪ですら仰天する)「人の魂の天ぷら」。
- 『続~』では、鬼太郎の血は美肌効果を持つとされている。
- 左目が妖気全開にて一瞬だけ開いたこともある。
- 全てのシリーズで見られる設定ではないが、鬼太郎の布団等は他者が触れると痺れさせる効果を持つ。
- 目玉のおやじは、鬼太郎の結婚相手として「ルーマニアのドラキュラ伯爵の令嬢」を考えていたらしい。
- 悪魔くん(松下一郎)とは公式コラボで戦争をしたことがある。力では妖怪が悪魔を上回るが、知恵を駆使した戦いによっては互角に持ち込まれ、和解した後も悪魔くんは腹に一物ありそうな雰囲気だった。
- ペルソナ3の主人公がキタローと呼ばれている。理由は、主人公の髪型が鬼太郎にそっくりであることと、登場キャラクターのイゴールのCVが目玉親父を演じた田の中勇だったため。
- 『うしおととら』に登場する主人公の片割れの能力やしぶとさは、鬼太郎の能力をより少年漫画チックにしたようなものが多い。
- 6期では、かつて鬼太郎の声を担当した野沢氏が目玉おやじを、鬼太郎を沢城氏が担当することになったのだが、野沢氏が長年の癖で鬼太郎のセリフをうっかり言ってしまうことが多々あったため、沢城氏から「野沢さん。私、鬼太郎やってもいいんですよね?」と何度も確認されたという。
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