「只今より、天空聖者ライジェルの名前は捨て、ン・マ様を神と崇める魔導神官メーミィと名乗りましょう!」(Stage.19)
データ
概要
Stage19より登場した、凱力大将ブランケン亡き後のインフェルシアの2代目最高司令官。
一人称は「我」で、常にオネエ言葉で話し、作戦が失敗したりすると「不愉快!!」とヒステリーを起こす(Vシネマでは「超不愉快!」、「アルティメット不愉快!」とランクアップ?していた)。
その正体は、かつて天空聖者サンジェル(ヒカル)、天空聖者ルナジェル(リン)と並んで、伝説の勇者と謳われた天空聖者ブレイジェルの3人の弟子の一人であり、ブレイジェルと同じく先代5聖者守護隊の一人だった、雷のエレメントを司る天空聖者ライジェルである。
しかし、他の天空聖者達が「魔法は正義のために使う物」と考えているのに対して、彼はこの当時から「魔法は己の欲望を叶えるために使う物」という、真逆な思想の持ち主だった。
それ故に裏では仲間の天空聖者達を裏切っており、魔法の力を自身の欲望と冥獣帝ン・マのためだけに使う事と引き換えにン・マから力を授かっていた。そして15年前のインフェルシアとの決戦では兄弟弟子達や師のブレイジェルを裏切って罠にはめる。そのせいでルナジェルは記憶を失う事となり、ブレイジェルは完全にン・マを封じきれず消息を絶つ。そしてサンジェルことヒカル=マジシャインと戦うも相討ちとなり、彼を魔法でカエルに変えたものの、それと引き換えに自身もミイラにされて封印された。
しかしその後、ミイラの姿からン・マの力によって復活する。増大した魔法力によって邪悪な魔法を使い、無気味なマルデヨーナ世界を作り上げ、時には命を操る禁断の魔法を使う事にも躊躇が無いが、その身体は干乾びたミイラのままとなっている為、あまり地上界で魔法を多用すると著しく疲労してしまうばかりか、体が砂となって消えてしまうリスクを孕んでいる。
天空聖者ライジェルとしての姿は、全身に雷を象ったような意匠の入った全体的に刺々しい外見であり(口にはマスクがしてあり、歯を剥き出しにする事も可能)、人間態は白いマスクを被った男性の姿をしていた。ちなみに現在でも一時的にこの姿に戻る事もできる。
口調は現在とは全く異なるものであったが、メーミィになって以降はこの姿に戻ってもオネエ口調のまま。
魔導騎士ウルザードや凱力大将ブランケン同様に彼もまたン・マの爪を専用の扇として与えられており、魔法の行使はこの扇によって行われる。攻撃の際はライジェルとしてのエレメント魔法の雷・電撃魔法を多用し、パワーをムカデの様な姿に具現化させる。また、ムカデは手枷にも変化する。
この姿に生まれ変わると高い魔法力で、冥獣よりも知能の高い冥獣人の封印を解き、ン・マ復活のために大勢の人々の命を生贄として捧げる作戦を展開。
戦闘力は天空聖者だった時より遥かに高く、マジキング以上の巨大な姿でマジレンジャーを敗北させた事もある。
ウルザードとの仲は前任のブランケン同様に芳しくないらしく、時たま言い合っている描写があるが、大抵の場合は彼が1人でまくし立てているだけでウルザードの方は全く相手をしていない事が多い(真っ向から衝突する事が多かったブランケンの時とは対照的である)。罰としてウルザードの魔力をウーザフォンに変えてナイとメアに貸し与えた事もあった。ウルザードの正体はStage.33終盤まで知らなかったようだが、その正体を踏まえると反りが合わないのはむしろ当然だったと言える。
性格は非常に陰湿かつ狡猾でン・マ復活のためなら手段を選ばず、時には部下の命すらも弄び利用する卑劣漢。基本的には自分とン・マ以外の全てを見下している。
指揮官としてのスタンスも良くも悪くも叩き上げらしい己の実力による力押しの作戦を好んでいたブランケンとは対照的な頭脳派であり、策略を廻らせて作戦を進ませる事を好んでおり、上記の体質の事もあって、基本的には本拠地から動かず自身が直接前線で戦う事は滅多にない。
そして行動方針もブランケンが冥府門を開く事に固執していたのを教訓にしてかン・マの肉体の完全なる覚醒を優先している。
本編での動向
上記の目的の為、本編では自身の手足となって動く冥獣人を操り、様々な作戦を実行。冥獣人四底王まで復活させた後、冥獣人コボルトのブルラテスの魂を利用して冥機ゴーレムを復活させるも、ゴーレムが倒されたために失敗に終わる。
続いて冥菌獣モールドを召喚し、ン・マに人々の命を捧げようとするもマジレンジャーの奮戦によって失敗に終わる等、彼の立てた作戦は悉く打ち破られていった。
最終作戦では、サンジェル=ヒカルから奪ったトラベリオンの力から強大な魔力を奪い、命を操る禁断の魔法によって合体冥獣人キマイラを創造する。
マジレンジャーの強大なレジェンドパワーをン・マに捧げようとするが、ウルザードから天空聖者ブレイジェルとしての本来の姿に戻った小津勇に5人を救出されてしまい、自身は因縁の相手であるヒカルとの決着を付けるべく、あえてライジェルの姿で「デュエル・ボンド」と呼ばれる天空聖者に伝わる正々堂々とした決闘方式での戦いを望む。
しかし、そこは卑怯な魔導神官。かつて天空聖者だった頃の高潔さなど微塵も無く、スモーキーを人質にして平然とルールを無視する卑怯ぶりでヒカルを追い詰める(というより、最初から反則行為でヒカルの命を奪う為に「デュエル・ボンド」を挑んだのだと思われる)。しかし、それでもあくまで「デュエル・ボンド」のルールを遵守して魔法を封じて生身で戦うヒカルに純粋な剣技で圧倒され、デュエルボンドソードの必殺の斬撃を受けて致命傷を負う。最期は「インフェルシアの神々が甦る」という謎の予言を遺して、肉体の限界で全身が砂となって消滅した。
使用魔法
元天空聖者であるため、自身が魔力の塊であるメーミィは高い魔力を持っており、強力な魔法を行使出来る。使用する魔法はウルザードと同じ黒の魔法に加え、雷のエレメントを司る天空聖者ならではの雷属性の魔法が主で後半になると禁忌の魔法も使う様になる。
- メーザ・ザザレ
Stage19でン・マの力を借り、ミイラ状態から復活する際に使用した呪文。
- ドーザ・メザーラ
相手の姿を意のままに変化させる呪文。Stage19で自分の力を誇示すべく、ナイとメアの体をムカデに変えた。解除呪文は「メジュラ」。
- 瞬間移動
テレポーテーションで敵を翻弄する。Stage19で使用。
- ザザード
扇から光弾を放つ呪文。Stage19で使用。
- メガロ
爆発や炎を起こす呪文。Stage25で使用。強化版の「メル・メガロ」はマジレッドのレッドファイヤーフェニックスを破る威力があり、Stage19、33で使用。
- メー・メジュラ
相手の呪文を無効化する呪文。Stage19でマジグリーンが放った蔦を枯らした。
- メー・メガロ
エレメントパワーを操る呪文。マジグリーンの蔦を上記のメー・メジュラで枯らした後、逆にグリーンを蔦で絡め取った。また、マジブルーのブルースプラッシュを水竜巻で跳ね返した。
- メーザ・メザーラ
変身の呪文。Stage19でマジピンクのピンクストームに対抗してより大きな扇風機に変身し、風力で押し返した。
- ザザレ
黒い稲妻を放つ呪文。Stage19で使用、マジイエローのジジルの雷を扇で受け止め、この呪文で反撃した。
- メーザ・メル・メガロ
自ら巨大化する呪文。マジキングの10倍以上の大きさにもなれるが、体に負担がかかる。
- ドーザ・メル・ザザード
扇から放つ攻撃呪文。黒い雷やムカデ状の光弾を放つ。前者はStage19と『轟轟戦隊ボウケンジャーVSスーパー戦隊』で、後者はStage25で使用。簡易版の「メル・ザザード」はStage33で使用。
- メーザ・メジュラ
インフェルシアに帰還する呪文。
- ドーザ・メー・メジュラ
かつてブレイジェルに封印された冥獣人を解放する呪文。冥獣人四底王を復活させる際には、強化版の「ドーザ・メル・メー・メジュラ」を使用した。
- メル
闇のアイテムを召喚する呪文。劇中では禍好みのペンを出現させてガリムに与えている。
- メー・ザザレ
転送の呪文。主に冥獣人を地上に転送する為に使用されるが、自分の元に相手や物体を召喚する事も可能。地上にいる相手をマルデヨーナ世界に連れて行くことも可能で、この場合は、魔導陣が出現してメーミィの巨大な手が相手を掴んで引きずり込む形となる。
- メー・メル・ザザレ
マルデヨーナ世界を発生させる。
- 消滅の呪文
Stage20でセリフにのみ登場した呪文。ガリムが禍好みのペンで地上に巨大な魔導陣を描き、完成したらその中にいる人間をメーミィの呪文で消滅させる予定だったが、マジレンジャーに阻止された為、劇中では未使用。
- ドーザ・メル・メガロ
巨大化の呪文で、冥獣人を巨大化させる。ウルザードの「ドーザ・ウル・ウガロ」と性質は同じ。
- メー・メザーラ
錬成呪文。ウルザードに差し出させた魔法力から2つのウーザフォンを作り出してナイとメアに配っている。
- メガロ・メザーラ・メル・ドーザ
若返りの呪文。ブルラテスを若返らせた。また、若返らせた者の魂を自由に操る事も出来、倒された彼の魂を冥機ゴーレムに宿すというえげつない目的に使用した。
- ドーザ・メル・メジュラ
魔力を吸収する呪文。Stage33での巨大戦にて、トラベリオンのデストラクションファイヤー逆噴射を杖で受け止めながら使用、トラベリオンの魔力を奪い取った。更に捕らえたマジレンジャー達からレジェンドパワーを奪う際には強化版の「ドーザ・メル・メル・メジュラ」を使用。
- メガロ・ザンガ・メル・ドーザ
命を操る禁断の魔法。かつてブレイジェルが封印した冥獣や冥獣人たちの魂を復活させ、合体させてキマイラを作り出すのに使用。但し、莫大な魔法力を必要とするのが難点であり、足りない分を補う為に劇中では上記の呪文によってトラベリオンから魔力を奪って発動した。
『轟轟戦隊ボウケンジャーVSスーパー戦隊』
時の魔神クロノスによって、ツエツエ、フラビージョと共に邪悪な3人の巫女(男なのだが)の一人として復活させられる(蘇生した場所は本編で死んだデュエル・ボンドの決闘場である)。
初戦では全く連携をとれていなかったドリーム戦隊達をクロノスと共に圧倒するも、その後は異空間から帰還した因縁の相手であるヒカル=マジシャインやデカブレイク、ボウケンシルバーら追加戦士チームとの戦いで圧倒される。
そして最終的には、フラビージョが合流して巫女3人が揃った事でクロノスの力で3人纏めてプレシャス「三賢者の杖」に変えられてしまい、クロノスによってその力を利用された挙句、最終的にはドリーム戦隊達の合体技でクロノスと共に滅ぼされた。かつての自分自身がやった事と同じように命を操る力で利用された上で滅ぼされるという因果応報と言える末路だった。
余談
モチーフはミイラ男。名前の由来もミイラ男の英訳である「マミー(mummy)」から。
デザインはブランケンとの差別化として、造形を上半身に集中し、衣装をまとう姿としている。また、ライジェルのデザインも基本的に回想にしか登場しない事から、動き易さを考慮せずにボリュームのある姿としている。
声を担当した高戸靖広氏は『特捜戦隊デカレンジャー』にてクウォータ星人ダゴネールの声を担当しており、スーパー戦隊シリーズへの出演は2年連続となる。また、2年後の『獣拳戦隊ゲキレンジャー』では臨獣フォックス拳ツネキの声を担当した。
リメイク版にあたる『パワーレンジャー・ミスティックフォース』ではカリンドア(ライジェルはインペリアス)名義で登場し、伊丸岡篤氏が吹き替えを担当する。
関連タグ
救星主のブラジラ、ウルトラマンベリアル、ウルトラマントレギア:こちらは正義の国家の出身者でありながらそこから離反した者達。
天空聖者ボルジェル:彼の後輩にあたる筈だが、特に言及はない。
ミイラカンス、モルグモルグ、墓荒らしサイマ獣ゾンビースト:過去のシリーズに登場したミイラ繋がりの先輩達。
ミイラのゼイ腐:5年後に登場する戦隊怪人で、同じくミイラとムカデ繋がりのデザインとなっている。
マミーレジェンドルガ:3年後の『劇場版 仮面ライダーキバ 魔界城の王』に登場するミイラ繋がりのライダー怪人。
ガルザ(キラメイジャー):15年後に登場する味方陣営を裏切って敵勢力の幹部となった(ただしガルザの場合は『黒幕による洗脳』とメーミィとは経緯が正反対である)キャラ。更に、追加戦士とは元同胞だったために深い因縁があり、その戦士と伝統的な決戦で一騎打ちを行うも敗れた、という点も共通している。尚メーミィの中の人は、このキャラの同胞を演じている。